とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part01

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プロローグ 乙女の日常


ある春の日、御坂美琴は友人の初春飾利と佐天涙子と共にファミレスでお茶をしていた。

「願いを叶える魔法の鏡?」
「そうです!今ネットで有名な都市伝説ですよ!」

会話を切り出したのは佐天だった、彼女はインターネットで面白い話を見つけては友人の美琴達に教えている。
佐天は自分の携帯に表示された都市伝説のサイトを美琴に見せた。

「ふーん、この学園都市でそんな噂が流れるなんてねー」

美琴は興味なさそうに話を聞いていた、ここは学園都市である。
超能力など科学的根拠がある超常現象は信じられていても、さすがに魔法というオカルトは信じられない。
初春もあまり興味なさそうにパフェを食べている。

「でも『幻想御手』(レベルアッパー)や『脱ぎ女』『誰かが見てる』も実在したんですから、都市伝説と言われても実在するかもしれないって思うじゃないですか!」

過去に美琴がかかわった事件ばかりだった、改めて見ると結構厄介な事件にかかわってると思う。
美琴は佐天の言葉に考えさせられた。
(どんな能力も効かない能力も持つ男も実在したし・・・・・・・でも、まさかね)

「ね、初春だったらどんな願い事をする?」
佐天は隣で幸せそうにパフェを食べている初春に話題を振った。
「私ですか?そうですねー、私だったら佐天さんが二度とスカートをめくられないようにってお願いしますねー」
初春はパフェを食べるのをやめることなく答えた。

「別にスカートめくりくらい良いじゃん、あたしと初春の挨拶だし他にあるでしょ?」
「挨拶で人のスカートめくらないでくださいよ!」
頬をふくらませて抗議するが佐天は笑っている。

「で、他に何か願いは無いの?」
「うーん、甘いもの食べ放題とかですかね」
「初春さんって本当に甘いものが好きなのねー」

「甘いものは正義です!」
初春はどこかで聞いたことあるようなセリフを言った。


ガールズトークに花を咲かせている美琴達、楽しい時間を過ごした。
ちなみに初春のパフェは現在7杯目
さすがに店員の営業スマイルも引きつっているのがわかる。

「そういえば今日は白井さんは?」
「黒子はちょっと用事があって今日は来れないって言ってたわ」
白井黒子はジャッジメントの仕事があってここには来れないようだ。
「そうですか、それじゃこの後どうします?」
佐天は少し残念そうに切り出した。
「んー、久しぶりにゲーセンでも行かない?」
「いいですねー、それじゃ行きましょうか!」

ファミレスを出た3人はいつものゲームセンターに向かっていた。
「それにしても魔法の鏡かー、本当にあったらその願いで能力者になるのになー」
「あははー、佐天さんまだ都市伝説のこと言ってるんだー」
「だって何でも願いが叶うんですよ!本当だったらすごいじゃないですか!・・・・・・ってあれ?」
佐天は普段見慣れないところに露店が開かれているのを見つけた。

「ゲーセンに行く前にあの露店見に行きません?」

人通りの少ない通りに開かれていた露店
独特の雰囲気を漂わせている。

「人通りの少ないこの場所に露店って珍しいですね、御坂さんどうします?」
「別に私はかまわないけど」
「それじゃ行きましょー」

3人は露店を見に行くことにした。



露店の店主は30歳くらいの男だった。
「いらっしゃい」
露店には古い骨董品やアンティークのような物が並べられていた。
一部最近の物と思われる小物もあるが、とても若い世代をターゲットにした物ではなかった。

「いろいろあるんですねー」
「うーん、アクセサリーとか期待してたんだけど、あんまり欲しいもの無いなー」
佐天は少し残念そうに品定めをしている。
『     』
美琴はどこからか声が聞こえた気がした。
「ん?佐天さん呼んだ?」
「いや、呼んでないですよ?」
何の事ですか?という表情をする佐天
どうやら初春でもないみたいだ。

「うーん、何かに呼ばれた気がしたんだけど・・・・・あれ?」
美琴は鏡が置いてあるのを見つけた。
「佐天さん、さっき言ってた都市伝説の魔法の鏡ってこれのことじゃない?」
「まさかー、こんなところにあるはずが無いですよー」
「そっそうよねー、それじゃもう行こうか」
美琴達は露店をあとに本来の目的地であるゲームセンターへ向かった。

(さっきの鏡から何か妙な感じがしたんだけど、まっ気のせいよね)

ゲームセンターについた3人は時間を忘れて楽しんだ。
巡回に来たアンチスキルに「もうすぐ完全下校時刻じゃん」と言われたので帰ることにした。

「あー楽しかったー、次は黒子もいるときに行きましょ」
「そうですね、あたしと初春はこっちなので御坂さんさようなら」
「うん、またね!」

初春達と別れた後、美琴も帰り道を歩いていた。
(それにしてもあの鏡はなんだったんだろう?)
美琴はあの露店で見た鏡を気にしていた、都市伝説など信じていなかったが鏡が発していた独特の雰囲気がどうしても気になった。
(もう一度あの露店に行ってみようっと)

「いらっしゃーい、さっきのお嬢さんか・・・何か気になった物でもあったの?」
「あの、えーっと・・・・・・・この鏡なんだけど」
「鏡?あーこれのことか、これが欲しいのかい?」
「えっ?いや。そういう訳じゃなく・・・・」
「お嬢さん可愛いから特別におまけしちゃう!普通だったら1000円なんだけど300円でいいよ!」
「いや・・・・・だから・・・・」
「毎度あり!」

(結局買わされてしまった・・・・300円だしまぁいっか)
『安すぎない?』
「えっ?誰?」
返事は無い、美琴は周りを見回した。
少し離れたところに見慣れたツンツン頭の高校生が歩いているのを見つけた。

「ちょっとアンタ!」
高校生は美琴に気づかずに歩いていく。
「ちょっと無視すんな!」
美琴は高校生に向かって電撃を飛ばした、高校生は美琴の存在に気づくと同時に右手で電撃を打ち消した。
「いきなり何だよ御坂!!」
「アンタが無視するのが悪いんでしょうが!!」
いつものやり取り、いつもの会話。
「それで何か用なのか?」
「別に用って訳じゃ・・・・・・、ただアンタを見かけたから声をかけただけよ」
「用が無いなら俺は行くけど、それじゃまたな御坂」
「ちょっと待って! 行っちゃった・・・・・・」
走り去っていく上条の背中を見ながら立ち尽くしていた。

(もっと素直になれたらアイツとも仲良くなれるのかな・・・・・・)



時間は過ぎ、美琴は自分の部屋に戻っていた。
部屋に白井の姿は無い。
(黒子はまだ帰ってないのか・・・・・・)

ベットの上で『きるぐまー』のぬいぐるみを抱きながら考え事をしていた。
(どうして素直になれないんだろ・・・・・・)
軽い自己嫌悪に陥っていた。
「願いが叶う魔法の鏡があれば、その願いで素直になってアイツに告白できるのに」

都市伝説を信じているわけじゃないが、上条のことを考えるとそういう話にもすがりたくもなる。
願い事で素直になるより、上条の恋人にしてくれと願ったほうが早いのだが、
美琴も恋する乙女、やはり自分で告白して恋人になるというシチュエーションにあこがれていたのである。

(さっき買った鏡があったな)
美琴は鞄の中から夕方に露店で買った鏡を取り出した。
ずいぶんと古い鏡のようだ、露店で見たときはじっくりと見れなったので精巧なつくりまでは見ていなかった。
鏡を覗き込むと、自分の部屋を背景に移した美琴の顔が映った。

(この鏡が都市伝説の鏡なら・・・・)
「なーんて、そんなことあるわけ無いのに、えっ?」

とたんに鏡が大きくなりだした。
「えっ?えっ?何?」
美琴は状況を理解できない、どんどん鏡が大きくなっていく。
そうしているうちに大きくなった鏡が重くなりすぎて美琴は手を放してしまった。

ベッドや机も大きくなっているので自分が小さくなっていることに気づいた。
「どーいうことよコレ・・・・・」

美琴は20cmくらいまで小さくなってしまった。
美琴は自分のおかれてた状況を整理していた。
(能力者の仕業?どんな能力よコレ・・・・、それとも・・・まさかあの鏡?)

「ただいま帰りましたの、ってお姉様はまだお戻りになられてませんのね」
「あっ!黒子!」
「はて・・・?今お姉様の声が聞こえたような?」
「黒子!私はここよ!」
「お姉様を思う気持ちが強すぎて、ついにお姉様の幻聴まで聞こえるようになるなんて」
「何言ってるのよ黒子!」

白井黒子は幻聴ではないことに気づき、声の聞こえるベッドの方を見るとそこには小さくなった美琴の姿があった。

「おおおっお姉様!?いいいいいっいったいどどどどうなされたんですの?そんなお姿になってしまって・・・・・・」
「・・・・・・・分からないわ、鏡を見ていたら急に小さくなって」
「鏡ですの?」
「夕方無理やり買わされたんだけどね」
「鏡を見せてもらっていいですの?」
「そこのベッドの上に置いてる鏡だけど」
鏡を持ち上げようとする白井を見て美琴は何かに気づきあわてて白井を止める。

「鏡に映ったらダメよ黒子!アンタまで小さくなってしまうかも!」
「・・・・・・・そうですわね、この鏡を調べれば何か分かるかもしれないですが」
「どうすれば元に戻れるのかな?」
「もう一度鏡に映れば元に戻るかもしれないですね」

鏡に写って小さくなったのなら、もう一度鏡に写れば大きくなれるのではと思ったのである。
「そうだわ!きっとそうだ」

美琴一人では鏡を持つことも出来ないので、白井は自分が鏡に映らないように注意しながら鏡を持ち
美琴に向かって鏡面を前にして鏡を立てた。

・・・・・・・しかし、何も起きない。
美琴は映り方が悪いと思い鏡に映る角度を変えてみたり、鏡面に顔がぶつかるくらい近づいてみたが元に戻る兆候は見られなかった。

「どうしよう黒子・・・・・・」
「お姉様・・・・・・」

(そうだ!アイツなら・・・・・・)
美琴はあの高校生の存在を思い出した、アイツならなんとかしてくれる!そう思ったのである。
「黒子!私をアイツのところに連れてって」
「アイツと申されますと、お姉様とよく逢引されている類人猿のことですの?」
「逢引って!?アイツとはまだそんな関係じゃ・・・・・・」
美琴は顔を真っ赤にして否定したが、白井はため息をつきながら美琴の反応をスルーをして話を進めた。
「それで、上条さんと会ってどうするんですの?」
「アイツの右手にはどんな能力も打ち消す不思議な力があるの」
「なるほどそうでしたわね。これが何かの能力の仕業なら上条さんの右手も有効かもしれませんわね」

白井は美琴を自分の肩に乗せた。
美琴は気丈に振舞っているが、ブルブルと震えているのが分かる。
(お姉様・・・・・・)
白井は心の中で美琴の名前をつぶやいた。
こうして御坂美琴と白井黒子は上条の部屋へと向かった。





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