作問の心得~クソ問と言われないために~

概要

この記事では、作問を行う際のポイントをまとめていく。どういう問題が嫌われがちなのか、どういう問題が良問とされるかの参考にして欲しい。

あくまでもこの記事での事例は一例であり企画の趣旨や、媒体などによって変化する部分もあるので注意。

なお、当記事を書くにあたっては、伊沢拓司氏著「クイズ思考の解体」を参考にさせて頂いた部分がある。

逸脱しすぎない

大前提だが、そもそも企画の趣旨あるいはそもそもジャンルから逸脱し過ぎた問題は基本的にクソ問と呼ばれる。
問題にはそのテーマとの関連性を持たせるべきであろう。特にカービィクイズの場合、カービィに関係しない話題をクイズにするのはなるべく避けたいところ。

逆にカービィに関連する事象に着地できるのなら、前振りが多少カービィ関連からズレても許容範囲に収まる場合もある。

  • ex.カービィの体色といえばピンクですが、英語の「pink」の語源である花は何?(A.ナデシコ)
    • 前振りは確かにカービィだが、肝心の問題にはカービィ要素が皆無であり、前振りとして用いる理由もあまりない。

  • ex.その名前は象牙に由来している、『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』で新たに登場した薄い茶色のようなカラースプレーは何?(A.アイボリー)
    • このように答えがカービィ要素に着地できるような問題なら許容範囲内。ただし、アイボリー=象牙というカービィ知識に関係しない部分で押しポイントが変化するので、乱用には注意。

  • ex.『タッチ!カービィ スーパーレインボー』の楽曲「森のきのこに気をつけて」の元ネタであると考えられる、『スーパーマリオRPG』の楽曲といえば?(A.森のキノコにご用心)
  • ex.第2話「異次元遊戯 ヴァンヴー」では「0%0%0%」のパロディを行った、大川ぶくぶの4コマ漫画を原作とするテレビアニメは?(A.ポプテピピック)
    • 答えが必ずしもカービィシリーズの言葉に収束しなければならない訳ではない。カービィシリーズがパロディを行ったorカービィシリーズのパロディを行った、くらいでも繋がりを示すことができれば真っ当な問題と見做される場合が殆ど。

冗長にしすぎない

長すぎる問題文や、長すぎる答えは解答者にとって負担やストレスになる。
なるべく短くして(当然、省略しすぎてわからなくはならない程度に)読みやすい問題文を心がけるべきだろう。
また、「みんはや」のように外部ソフトを利用する場合、長すぎる答えはタイプミスによる不本意な不正解を誘発させやすい。「下弦のマスクド・デデデ&上弦のマスクド・メタナイト」のように公式用語である場合は仕方ないかもしれないが、それでも可能なら避けたいところである。

  • ex.ゲーム『星のカービィ スターアライズ』のステージ「星のカービィ スターアライズ」に登場するラストボス「破神 エンデ・ニル」の使う技を模したものである、ゲーム『星のカービィ Wii デラックス』の追加モード「マホロアエピローグ 異空をかける旅人」に登場する、「エデンの間」で戦うラストボス「マスタークラウン」が使う、目から大量のビームを放ち回転させる技の名前は何?(A.憎悪と執念のミストルティン)

    • 改善案.その内容はエンデ・ニルの技を模したものとなっている、ゲーム『星のカービィ Wii デラックス』のボス「マスタークラウン」が使う、目から大量のビームを放ち回転させる技の名前は何?

答えが一意に定まるようにする

ここでの議題は二つ。一つは表記揺れなどに注意しようという話。口頭で答えるようなクイズならば多少融通が利くだろうが、「クイズメーカー」や「みんはや」では別解が設定できないので表記揺れとかで誤答にされると理不尽感が出る。問題文やルール説明などで予め表記などについて指定することが望ましい。「みんはや」ならば、想定しうる表記揺れの文字をそもそも選択肢から省くこともできる。
『夢の泉の物語』ではボンカーだったキャラが現在はボンカースと呼ばれているような、明らかに主流になっている表記があるというような場合は気にしすぎなくても良いだろう。

二つ目は、問題文から想定しうる答えがいくつかある場合である。

  • ex.『星のカービィ ロボボプラネット』において、ラスタードロードで戦うことになるボスといえば?
    • 例えばこのような問題。うがった考えをしなければホログラフ防衛システムズと答えるだろうが、他のホロ・○○○○たちと取れないこともない問題文になっている。
  • ex.『星のカービィ ロボボプラネット』において、ラスタードロードで戦うことになる、過去作のボスを模したホログラフを召喚してくるボスといえば?
    • これならば、ホログラフ防衛システムズと安心して答えられる。ただし、これを徹底しすぎて冗長になっては元も子もないのでバランス感覚が要る。

早押しにおける情報の重要性

早押しクイズの問題文を作る際、情報を開示する順番が重要になる。
知名度の高い情報を先に出してしまうとただの反射神経勝負になってしまい、分からないから待つという戦法が封鎖されてしまう。

知名度の低い情報を先に出すことで、早く押せば得点が得られるが分からない可能性もある、待てば分かるが取られる可能性もある、というように双方にリスクとリターンを付けることができるし、知名度の低い情報を知っていれば知らない他の者に有利が取れる形となる。

ただし、「ずばり、」で初めていきなり押しポイントが来るような問題文の形式もあるのでケースバイケース。同じ企画内で押しポイントのタイミングが速い問題と遅い問題を織り交ぜるというのもありだろう。

量産問題

  • ex.ゲーム『星のカービィ64』で、カードNo.64のキャラといえば?(A.ラッカ)
この問題は『64』のゲーム内にある番号が振られた要素で「64」番目を訊くというユーモアがあるので許容される。そして、この問題はNo.64の部分を変えるだけで81問ものバリエーションを作ることができる。しかし、実際にこの部分を変えるだけで作られた問題の大半は量産問題と言われ、クソ問一歩手前になってしまう。81枚もあるカードの順番などよっぽどの例外を除き、覚えていない。それをただ淡々と問われても面白みは薄いと言わざるを得ない。
カードNo.の例で許されるのは一番最初の1(ウィスピーウッズ)と一番最後の81(ゼボン)に加え、ザコ敵で最初の10(エヌゼット)と64(先述)くらいであろう。

ただし、これ以外のカードNo.を問題文に使う=量産問・クソ問というわけではない。量産要素以外にも答えに結びつけられる情報があるならば、むしろ知名度の低い方のヒントとして機能する。このような形なら許容範囲内になるだろう。
  • ex. 4ヒントクイズ。連想されるキャラは?
    • カードNo.は67
    • コピー能力は「アイス」
    • 英名は「Emp」
    • ペンギン
    • (A.ハヤマ)

記号について

『みんはや』などで顕著。
基本的にゲームの作品名や漫画・小説のタイトルは『』で囲むのが基本。
「」は曲名やセリフの引用といったところ。問題内で特に強調したい固有名詞に使うこともある。
、は、多用すると逆に読みづらい文章になってしまうので注意。

最後に

最終的には解答者の知識にも委ねられるので、完璧な問題を作るというのは難しい。しかし、作問を行う時には、解答者を思いやることを忘れてはならない。

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最終更新:2023年10月25日 09:52