柏崎刈羽原発 地震被害 報道・発表 まとめ

2007-07-28 報道・発表まとめ

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kknpnews

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< 2007-07-27 | 2007-07-29 >


目次

保安院、IAEA は監視のためではなく協力のため (26 日)

IAEA to join, not oversee inspections at quake-hit Japanese nuclear plant: official (AP, 26th local time) 
『地震被害の日本の原発、当局者 : IAEA は調査を監視するのではなく、それに参加するのだ』
「原子力安全・保安院当局者、福島章 (Akira Fukushima) は、『[IAEA の] 調査団の目的は査察 (review) のためでも監視 (oversee) のためでもなく、むしろ我々と協力して情報を集めるためだというのが政府の理解である』と金曜日に語った。」 「彼は、IAEA が東京に対して原発の問題を正しく評価し対処する日本の能力について『確信』していると告げている、と付け加えた。」

東電、1 号機のこぼれたプールの水は圧力容器と繋がっていた (おそらく 27 日)

圧力容器で放射能帯びた水漏れ 東電未公表 (毎日、3:00) 
東京電力、社民党調査団が求めた現状報告に対して、1 号機の圧力容器から放射能を帯びた水が周辺の作業用フロアにこぼれた可能性があることを認める。 1 号機は定期検査のために圧力容器のふたが空いておりプールとの間の水路が開けられていた。 「東電は事前に把握していたにもかかわらず、これまで公表していなかった。」 『隠そうとしたわけではない。すべての号機で作業用フロアに水があふれたのは使用済み燃料プールが原因となっており、説明がしやすかった。1号機の圧力容器とプールの水は同質だったため特に紹介しなかった』

朝日など、4 号機タービン建屋に 24 t の海水と報道

柏崎4号機、海水24トン放射線区域に ゴム製配管損傷 (朝日、6:00) 
4 号機タービン建屋管理区域内に海水 24 t が流入していたことに関する記事。 冷却用の海水を循環させる直径 2.6 m のゴム製の配管が損傷し長さ 3.5 m の亀裂が入ったため。 修理は終えている。「漏れた区域に精密機器はないが、室内の塩分などの除去には時間がかかる見通し」。 床にたまった海水を排水した後、紙製のぞうきんで塩分などをふき取る作業を進める予定。
配管損傷で海水24トン流入、震災で柏崎刈羽原発 (共同、11:37) 
「海水を供給するポンプを止めたため19日には流入が止まったのを確認」 「損傷があったのは、復水器に海水を供給する内径2・4メートルの配管で、弁のつなぎ目付近が裂けていたという。」
★プレスリリースでは 17 日確認され、流出停止は 19 日と報告されていた。

東電、報道陣に 3 号機管理区域および格納容器内を公開

放射線管理区域を公開 柏崎刈羽原発3号機 (共同、18:30) 
3 号機放射線管理区域にあるオペレーティングフロアおよび格納容器を公開。 地震後、管理区域を報道陣に公開するのは初めて。 東電 『目視点検で運転に関係する重要な施設に異常がないため公開した』
火災の3号機原子炉建屋内など報道陣に公開 (毎日、19:27, 20:31) 
「原子炉建屋4階の使用済み核燃料プールでは、床にあふれた水はふき取られ、除染作業も終わっていた。」 「原子炉格納容器内では、地震時の緊急停止で機能した水圧制御ユニットや主蒸気隔離弁などを前に、東電の担当者が『外観上故障がない』と説明した。」
3号機原子炉格納容器内を公開 東電柏崎刈羽原発 (朝日、20:49) 
「格納容器の内側は、精密機械のように大小無数の配管が張り巡らされている。」 「東電担当者は装置一つひとつを説明し、原子炉や周辺機器には外観上は異常がないと訴えた。」 「七つある原子炉のうち3号機だけを公開した理由について、東電は『最も復旧が進んでいるため』としている。」 定期検査中だった 4 基は、「原子炉圧力容器のふたを開けていたり、各機器を分解したりしており、見学できる環境にするのにまだ時間がかかると判断した。」 「壁に4枚設置されていた鋼製の『圧力逃し窓』(4メートル四方)の1枚は地震の揺れで外れ、屋外に飛び出したため、その部分からは建屋内部に太陽光が差し込んでいた。」 「この窓は、事故時などに建物内の圧力を外へ逃すためのものだ。」 案内した伊藤敦夫技術総括部長 『各機器ごとに耐震性の差が出て、耐震性が低い機器に被害が出てしまった』。
東電、柏崎刈羽原発3号機の原子炉格納容器を初公開 (読売、21:46) 
「東電は、原発の中核機器が被害を受けていないことを社会にアピールする必要があると判断したとみられる。」
放射線管理区域を公開 柏崎刈羽原発 (動画) (共同、22:11) 
オペレーティングフロア、タービン、炉心冷却装置などの映像。

新潟県、再び緊急立ち入り調査

水漏れなどで新潟県が緊急立ち入り調査 (毎日、20:50) 
安全協定に基づく緊急立ち入り調査。 全基を対象に実施。 「1号機からあふれた水は放射能の強さが4.1ベクレルで、2~7号機は19~67ベクレルだった。」 (★どれだけの容積あたりか?) 「1号機は地震前に点検のために水を入れ替えており、値が低かったという。」 「調査後に会見した県の渡辺博文・防災局長は『風評被害の恐れがあるため調査し、安全を確認した』と話した。」

震源断層関連

震源と「鳥越断層」連続か、M8・0級地震の可能性も (読売、3:07) 
東大地震研究所佐藤教授ら、余震分布と地質構造などの分析から、震源断層のうち海底下の北西深部から南東の地上方向に斜めにのびる一部は陸域まで及び、越後平野南部にある「鳥越断層」と連続している可能性が高いと解析。 「地震調査委員会」では、鳥越断層を含む「長岡平野西縁断層帯」全体が活動した場合、M8.0 の大きな地震を起こす可能性があるとする。 「断層の一部は柏崎刈羽原発から10数キロの所にも走っている。」 「17日の地震調査委員会では、今回の地震はこの断層帯が動いたものではないとしていたが、その後、断層の向きが当初の推定と逆だとする見解が出るなど、新たな状況になっている。」
震源は巨大断層帯の一部か 原発の北数キロ (毎日、6:30) 
柏崎刈羽原発の北数 km の地下を通っている可能性がある。 佐藤教授『原発への影響を含め、地下構造を詳しく調べる必要がある』。 鳥越断層の南側には、同じ長岡平野西縁断層帯に属する片貝断層がある。 『片貝断層が地下でどこまで延びているかは不明で、調査が必要だ』
震源断層、浅く複雑と判明=傾斜やずれ方、見方まちまち-中越沖地震 (時事、6:31) 
「断層の傾斜やずれ方も、気象庁などの当初の推定と地理院の最新の見方とでは正反対で、柏崎刈羽原子力発電所との位置関係は確定していない。」 東大地震研、東電、産総研などは海底を調査する予定。

風評被害関連

海外に「安全」伝える 風評被害で外務省 (毎日、27 日 23:48) 
外務省、運転中だった 4 基は設計通り自動停止したこと、大気中や海中への放射性物質漏洩の影響は基準をはるかに下回っており、周辺環境に影響を与えるものではないことを指摘し、「安全性に問題はない」とする報道発表文を発表。
海外報道「チェルノブイリのよう」 打ち消しに政府躍起 (朝日、3:05) 
「政府は在外公館に対し、各国政府に正確な情報を伝えるよう指示を出し、外国人記者向けの説明も開くなど、対応に追われている。」 「『東京―ニューヨークを飛行機で往復する間に宇宙から浴びる放射線の1000万~100万分の1の量です』。27日、東京都内であった日本外国特派員協会の会見で、原子力安全・保安院の福島章・首席統括安全審査官は、同原発で漏れた放射線の量について説明した。」
シドニー銀メダリスト 中村真衣さん 寺泊の海の安全性PR (新潟日報) 
長岡市寺泊観光協会、27日に寺泊中央海水浴場でシドニー五輪水泳の銀メダリスト中村真衣さんを招いて安全性をアピール。
柏崎・鯨波海岸 風評飛ばす 波間に完成(ママ) (新潟日報) 
柏崎市海辺、「例年の入り込みには遠く及ばないが、夏空の広がった27日は砂浜に色鮮やかなパラソルが並び、家族連れが海水浴を楽しんでいた。」

その他

日経社説 原発の安全規制に独立機関を (27 日) 
事務棟の天井落ち通路ふさがる 東電未公表 (毎日、3:00) 
柏崎刈羽原発で緊急時対策室がある事務本館 2 階通路の厚さ 2 cm の天井板が一部落下していた。 保安院は、東電社員から『平日に地震が起きていたら(落下した天井で)死者が出ていたかもしれない』と聞く。 「落下した天井板で通路がふさがれるほどの被害だったが、東電は公表していなかった。」 「東電はこれまで事務本館について『柱やはりに問題はなく、ガラス破損やひびが多数、ダクト落下』などと発表。だが、経済産業省原子力安全・保安院関係者はという。 東電『建設後の調査で、事務本館は想定する最大級の地震にも耐えられる結果が出ていた。想定自体が甘かったことは認める』。
東電と中部電、原発周辺設備を耐震補強 (日経、7:00) 
中部電力および東京電力、原発周辺設備の早期の耐震補強工事を検討。 中電は浜岡原発 3–5 号機の変圧器など。
原発の安全・家屋復興に補助を…一票に被災地の願い (読売、14:42) 
読売、柏崎市・刈羽村の有権者 100 人にアンケート。 記者が 27 日、避難所や市街地などで聞き取り。 12 人は期日前投票済み、66 人は投票に行く。 「14人が震災後に投票基準が変化した」。 「期日前投票を済ませた柏崎市の男性(60)は『今回の原発問題があったので、投票する政党を変えた』と語った。 自宅の修理費の工面に悩む同市の病院職員の女性(39)は『震災前は税金や年金が気がかりだった』というが、今は『安全に住める町づくりを実行してくれる人に投票する』と考えが変わったという。」 「原発問題では、50人が安全管理の徹底、9人が情報開示を求めた。 原発施設に反対とした人は12人。 海の家や飲食店従業員は、風評被害対策を訴えた。」
中央制御室の照明落下 中越沖地震で (毎日、15:00) 
6, 7 号機共用の中央制御室で蛍光灯がついた照明器具が落下していた。 保安院 『東電からは報告を受けていないが、原発の中でも重要な場所であり、実態を調べたい』 東電 『けが人がなく原発の運転に支障は出なかった』として、公表せず。耐震指針では中央制御室は S クラス。
Insight: Where not to build nuclear power stations (New Scientist, Michael Reilly, 28 July local time) 
☆2007-08-22 追加。

学術雑誌・サイト等記事

UPDATE: More Problems at Quake-hit Nuclear Plant (IEEE Spectrum, John Boyd, 25th local time) 
Critics say plant design regulations are too weak, predict future catastrophe
『地震で被害を受けた原発のさらなる問題 — 批判者は原発の設計基準は弱すぎであると述べ、将来のカタストロフを予測する』
News of the week: Quake Underscores Shaky Understanding of Ground Forces (有償) 
Dennis Normile, Science, 317(5837), 438–439, 27 July 2007, doi: 10.1126/science.317.5837.438a

おわり
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