柏崎刈羽原発 地震被害 報道・発表 まとめ

2007-08-09 報道・発表まとめ

最終更新:

kknpnews

- view
管理者のみ編集可

< 2007-08-08 | 2007-08-10 >


目次

プラント状況

東京電力 新潟県中越沖地震の影響について(午後2時現在) 
新規・更新事項なし。

IAEA 調査関連

IAEAの現地調査終了=調査内容「報告書で」-安全宣言なく・柏崎刈羽原発 (時事、18:11) 
IAEA 調査団、現地調査を終える。 明日、安全委、保安院と意見交換。 ジャメ調査団長 『すべてのプラントを見て回り、東電や保安院と意義のある議論ができた。大変オープンで、安全性に対してもプロ意識が高いと感じた』 「耐震基準の妥当性など詳しい調査内容については『情報収集をしたばかりで、(調査は)初期段階。今後、ウィーンに帰り報告書をまとめたい』」。 「風評被害に対する評価についても『それも報告書の一部になる』」。
柏崎刈羽原発、IAEAの調査終わる (朝日、18:33) 
「原発の耐震性などについて『今回は情報と教訓を集めた。まだ結論を出す段階ではない』と明言を避けた。」 「保安院の担当者によると、調査団は(1)6号機使用済み核燃料貯蔵プールの水があふれ、放射性物質を含んだ水が海に流れ出た経緯(2)停電時を想定した原子炉を冷却するための非常用ディーゼル発電機の状態――に高い関心を示したという。」
柏崎刈羽原発「時間かけ安全性検討」、IAEAの調査終了 (読売、18:51) 
「耐震設計専門家による詳細な聞き取りも行われた。」
来週、事務局長に結果報告 IAEAが刈羽原発調査終了 (共同、19:06) 
「エルバラダイIAEA事務局長に来週、調査結果を提出し報告書作成を進めることを明らかにした。」 「ジャメ部長は『彼はこの任務を重要と考えており、結論を見たがっている』と強調、『独立した良い報告書にするためにはもう少し詰めなくてはいけない。個人的な結論は言えない』と話した。」
来週、IAEA局長に報告書 (新潟日報) 
UN nuclear experts finish inspection of quake-hit Japanese nuclear power plant (AP, 9 Aug. local time) 

タイムズ、現地レポート

Inside the nuclear plant hit by earthquake (The Times, Leo Lewis, 9 Aug. local time) 

『地震の被害を受けた原発の内部』

 日本の学校の夏休みが始まり、刈羽の広大な浜辺では 2 人の小さな子供が太陽の下で砂の城を作り、父親がゴムボートを膨らませている。 普段ならば数千の人々を引き寄せる黄金色の砂の帯には、ただ彼らだけである。

 彼らの 100 ヤード [約 90 m] 背後には砕けた道がある。 およそ 1/4 の家々が瓦礫と化した。 別のドアに貼り付けられているのは、居住に — おそらくは永久に — 適さないことを示している恐ろしげな赤と黄色の張り紙である。

 そして少年たちが遊んでいるところから海岸に沿って半マイル [約 800 m] も行かぬ所に、不吉な静けさをたたえて世界最大の原子力発電所の排気筒がそびえ立っている。 先月、巨大な地震によってその地面の底が引き裂かれて以来、その 7 つの原子炉は沈黙している。

 ほんのわずかの間の地震の暴力によって加えられた強烈な被害は、柏崎を厳しい議論の只中へと放り込んだ。 ここの村人たちと日本の政策決定者の双方は、この国のいわゆる原子力タブーへと直面させられた。

 問題は、深刻な被害を受けたが経済的には不可欠な発電所が再び原子炉を稼動させるということが、はたして認められるのかどうかということである。

 タイムズは、小さなガンマ線検出器で武装して、昨日原発施設へのまたとない視察に参加することが許された。 その光景はゾッとするようなものであった。 やはり原発の視察を行っている国際原子力機関の調査団は建物入り口のドットマトリクス表示のスクリーンに面と向かった。 それには『最後の事故からの経過日数 : 4』とあった。

 発電所内の道路はしわくちゃの絨毯のごとく波打ち、のたうち回わっていた。 多くは、重い作業用車両が発電所の被害の最も深刻な場所へと進入できるように大急ぎで修復されていた。 階段の端はどれももはやそれらが目指すべき床からはずれており、スチール製の街灯は地面に転がっていた。

 原子炉建屋自体の内部のいくつかの廊下は床に沿って 12 インチ [約 30 cm] のヒビが入っていた。 原子炉のひとつに近い周辺区画は 1 ヤード [約 90 cm] 以上陥没していた。

 施設を運用している東京電力は設備は現在安全であると強調する。 しかしマグニチュード 6.8 の地震の直接の影響で、衝撃的な一連の告白をなすことになった。 発電所はこうした強い地震を想定しては設計されていなかった。 放射性物質が海と大気へと放出された。 廃棄物を入れた数ダースのドラム缶が壊れた。

 しかし日本を最も驚かせた告白は、東京電力がそばには活断層が存在しないと高等裁判所で強調していたその施設が、実際にはその直上に建設されていたことである。

 日本の最も信頼しうる地震学者の一人が言うように、その長く、直線状に伸びた突起と裂け目は、今、気を揉むほど柏崎発電所の真ん中にまで伸びていることが明らかとなっている。

 その断層は現在、柏崎の未来を脅かしている。 独立性に疑問をもったため政府の原子力の安全性についての審議会を辞任した地震学の石橋克彦神戸大学教授は、それが永久に閉鎖されねばならないと考えている。 『政府自体の指針によってさえも、柏崎が建っている土地は、発電所を建設するのに適した場所としては完全に不適格だ』と彼は語る。

 別の人々は異なる意見をもっており、発電所が再開するのは時間の問題でしかないと示唆している。 原子力工学の東京大学教授であり 7 月 16 日地震の被害を調査する政府の委員会の委員長である班目春樹氏も昨日柏崎に滞在した。

 『見た限りでは、重要な機器と設備には傷害はない。 しかし、健全性が本当に維持されているかどうかは、発電所をもっと詳細に調査するまでわからない。』と彼は語った。『それまでは、発電所を再開することについて考えることはできない。』

★全文。断層についてやや誤解を与える表現があるが、余震域に相当する断層の面自体は原発のある海岸に沿っておよそ平行。 その面の向きは確定していないがどちらにしてもその断層面の延長が原発の直下を通っている可能性がある。
★2007-08-21 追記:国土地理院等による北西下がりの断層の推定が正しければ、断面において柏崎刈羽原発は、断層面の延長上にありうる。

震源断層関連

海底断層面3か所大きく滑り発生…中越沖地震で京大チーム (読売、13:40) 
8 日の地震調査委員会で報告された京大原子炉実験所による解析結果に基づく説。 断層のアスペリティ (固着域) は 3 ヶ所。 「最初の揺れは4キロ・メートル四方の岩盤がずれ、次にその南西でやや深いところにあるにある4キロ・メートル四方の部分、最後に一番南にある3キロ・メートル四方の岩盤がすべって、大きな揺れが起きた」。 釜江克宏教授 『観測結果から見て、断層が北西から南東に上がる向きと考えるのが妥当』。

★京都大学原子炉実験所 釜江研究室
 2007年新潟県中越沖地震(Mj6.8)の震源モデル(Ver.2) (8 月 8 日)

他のプレスリリース

原子力安全・保安院 平成19年新潟県中越沖地震における東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所の影響について(第18報) 

おわり
< 2007-08-08 | 2007-08-10 >
ウィキ募集バナー