柏崎刈羽原発 地震被害 報道・発表 まとめ
2007-08-15 報道・発表まとめ
最終更新:
kknpnews
< 2007-08-14 | 2007-08-16 >
目次 |
IAEA 調査関連
IAEA、調査結果のプレスリリースを発表
- IAEA 報道発表 IAEA Team to Report on Kashiwazaki Kariwa Nuclear Power Plant Examination (14 Aug. local time)
- ☆2007-08-18 翻訳追加。
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7 月 16 日に大きな地震に見舞われた日本の柏崎刈羽原子力発電所は、安全に停止し予測されたよりも被害は軽かったように思われると国際的原子力安全性の専門家からなる事実調査団 (fact finding mission) は結論を下した。 国際原子力機関 [IAEA] の 6 人の専門家調査団は、日本の当局の要請を受けて派遣された。 調査報告は数日中に公表されるだろう。 今日、IAEA のモハメド・エルバラダイ事務局長は、日本の当局から調査団が受けた協力と透明性とを歓迎すると語った。 この出来事についての調査結果、および日本による解析には、肯定的なものも否定的なものも含め、世界中の他の原発にとって重要なものとなる教訓が含まれると述べた。 調査団は、この出来事の起こった時からの装置の記録や他の記録の解析と同様に、7 基の複合施設を対象とした 3 日間の物理的検査 (physical examination) を行った。 発電所の安全機構はこの地震時に必要とされるだけ機能したと結論付けられた。 発電所事業者 [東京電力] による記録と解析の調査団による再検討は、放射性物質のごく僅かな量の放出が公衆の健康と環境の安全性に対して公認の制限値を十分下回っているという日本の当局の帰結を支持している。 地震による被害は、原子炉あるいは原子炉の安全性に係わるシステムに影響しないであろう発電所の部分に限定されていたように思われる。 事業者と日本の当局による詳細な検査と調査が継続中である。 IAEA 調査団によれば、原子炉容器、炉心、燃料要素の詳細な検査のような重要な作業が依然として行われなければならない。 調査団は、地震による物理的応力は、いくつかの発電所の設備の長期間の安全操業に影響しうると述べた。 それらが元来予測されたよりも早期に交換されるべきかどうか決定するために、こうした設備に対する追加の工学的解析がこれからの検査にとって重要な検討事項となるだろう。 地震は発電所が想定していた地震活動のレベルを明らかに越えていた。 しかし、ほとんどの原発と同様に、設計には発電所の構造、システム、構成要素に (業界では 「設計安全域」, design safety margin, として知られる) 余分な堅牢性が組み入れられてきた。 IAEA 調査団は、おそらくはこうした保守的な耐震設計基準がなぜ本来予測されてきたものより被害が小さかったのか説明していると述べた。 しかし、この発電所の動作をもたらした設計上の正確な要因を理解するためにはさらなる技術的解析を行うことが不可欠であった。 調査団は、この出来事が起こったときに発電所の所有者東京電力 (TEPCO) がすでに、日本の原子力安全委員会 (NSC) によって 2006 年 9 月に公表されていた耐震設計の新しい指針に基づいて地震被害の再評価を行っているところであったことに注意を促している。 2007 年 7 月 16 日の出来事とともに、施設の地下に活断層が存在する可能性を考慮してこれらの評価は拡張されるであろうと調査団は述べた。 教訓が他の発電所にとっても組み込まれうるように、原子力施設の安全上の事柄の解析は、他の事業者と原子力規制機関との間で規定に従って情報が取り交わされている。 柏崎刈羽発電所を見舞った地震についてのこうしたフィードバックの機会は日本がこの出来事の報告を IAEA 総会 (IAEA General Conference) の Senior Regulators Meeting に公表する 9 月に行われるだろう。 |
- IAEA: Report due soon on check of quake-damaged Japan nuclear facility (AP, 14 Aug. local time)
- Safety plan worked at quake-hit Japan reactor-UN (Reuters, 14 Aug. 19:14 GMT)
- 柏崎原発「被害、予想より軽微」=調査報告、数日中に公表-IAEA (時事、7:26)
- 「被害、予想より軽微」 IAEA、地震の柏崎刈羽原発 (共同、9:48)
- 「被害は予想下回る」IAEA、柏崎原発の調査結果発表 (朝日、10:52)
- 柏崎刈羽原発の地震被害「予想より軽微」・IAEA (日経、11:06)
- 柏崎原発は安全に停止、損傷は予想下回る…IAEA調査団 (読売、11:42)
- 柏崎刈羽原発、予想より損傷軽微--IAEAが調査結果発表 (毎日東京夕刊)
- 柏崎原発の損傷は予想下回る、IAEA報告 (AFP、20:19)
経産相、県知事、IAEA 発表に対してコメント
- 「日本の発表支持された」 IAEA調査で甘利経産相 (産経、13:33)
- 知事「事実上の安全宣言」 IAEA調査報告 風評被害解消へ期待 (産経、16 日 2:05)
- ☆2007-08-16 追加。
民間調査会社、柏崎でのアンケート
- 原発被災「非常に重大」9割 中越沖被災地アンケート (朝日、9:54)
- 「サーベイリサーチセンター」、2007-07-28–2007-08-03 に柏崎中心部で 500 人に聞き取り。 揺れが想定外であったことが「非常に重要」 82 %、地震後に放射能漏れがあったことが「非常に重要」 81 %、変圧器の火災が「非常に重要」 76 %。
「下に活断層があること」「トラブルが多すぎること」が問題、それぞれ 63 %、「東京電力の報告・情報伝達が遅すぎること」 62 %。
被災原発「廃止すべきだ」27 %、「確認されるまで稼働すべきではない」60 %。 - 9割が「原発の安全性に疑問」 新潟県中越沖地震アンケート (産経、18:52)
電力各社、7 月の電力量統計を発表
- 7月の原発稼働率、69%に低下=柏崎刈羽停止で4年ぶり低水準-電力10社 (時事、12:34)
- 電気事業連合会発表。
- 東電、7月の原発利用率が25ポイント低下 (日経、16:00)
- 東電、発電の火力シフト鮮明に=柏崎停止で原発4年ぶり低水準 (時事、17:51)
東電、原発施設を記者団に公開
- 火災跡や陥没生々しく 東電が原発施設内を公開 (共同、19:46)
- 放射能除去進む6号機フロア=地震1カ月で柏崎刈羽原発-復旧状況を公開・東電 (時事、20:00)
- 報道陣に公開 原子炉内部の被害は依然不明 (毎日、20:46)
- 柏崎原発の内部を報道陣に公開、天井クレーンいまだ動かず (読売、21:42)
その他
- 核燃プールで設備落下 不具合1478件 柏崎刈羽原発 (朝日、6:04)
- ★これまで明らかになった被害のまとめ的記事。 また 15 日付け朝日朝刊では原発職員へのインタビューなどを掲載。
- 消火配管の地上化指導を無視 (新潟日報)
- 超音波探傷試験盛り込む方針 (新潟日報)
- 柏崎刈羽原発高橋明男所長会見、詳細点検に配管の超音波探傷試験や分解点検を盛り込む。 運転再開時期については『これから詳細点検していく段階。まだお答えできる時期にない』。
- Heatwave bakes Japan amid worries of power shortage (Reuters, 15 Aug. 9:32 GMT)
おわり
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