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◆2010年06月21日

◆2010/06/21

【アアア・・・ウア・・・】
「・・・・」
【ン・・・アア】
「・・・痛い・・・よ。」

 月下。暗闇の部屋。明かりは障子からの月からの光だけ。それでもこの部屋にいるのは一人だけだと分かるくらいの光。
 しかし少女は呟く。まるで、【なにか】に話しかけるように。

「っつ・・・足、痛い・・・。」
【リ・・アアア・・・リ・・・】

 布団のなかで苦しそうにする少女。少女は寝巻であろう浴衣から伸びている脚をさすっている。
 そして何かを睨むように、宙へと視線を上げる。少女の目には確かに、【なにか】が、映っていた。

「ひっ・・・」
【アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・】

 少女はもがく、もがく、もがく。【なにか】に締め付けられる華奢な体。よわよわしい抵抗。少女はのたうち回る。
 逃げたい、でも逃げることなど、不可能。【なにか】は少女を逃がさない。獲物を口にした蛇の様に。決して、離さない。

「あっ・・・かはっ・・・く。」
【リイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!】

 少女の抵抗など、【なにか】には赤子の力なのだろうか。部屋に響く、骨が軋む音。少女の口から洩れる、わずかな悲鳴。布の擦れる音。何もかもが絶望を表すもの。
 どのくらいの時間が経っただろうか。それでも、絶望の音は鳴りやまない。まるで永遠に続く拷問のように少女を苦しめる。
 しかし少女の目に絶望は映っていなかった。むしろ何かを分かっているような、悟っているような目をしていた。
 そう、これが自分に課せられた罰なのだと。

「ご、めんなさい・・・おじいちゃん・・・」



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最終更新:2010年03月29日 10:40