ロッシェル王国軍馬、いや転移世界の馬は、元の世界における馬と比較してかなり小型だ。ロッシェル王国軍における軍馬の条件が、『体高120センチセンチ以上』というだけでも、その小ささが分かるだろう。ちなみに帝國軍の条件は『体高160センチ以上』だ。

要は維新前の帝國在来種の馬、その中でも小型の種に匹敵するのが、転移世界の馬なのである。

小型であるから、当然非力だ。帝國軍馬とて決して力持ちではないが、この世界の馬に比べれば遥かにマシである。何しろこの世界で『騎兵』といえば、軽装備の小柄な兵と相場が決まっている位だ。体重の軽い小柄な兵士に、せいぜい薄手の皮鎧と短槍や剣という軽装備を持たせ、運用するのだ。 ・・・後は軽輸送か伝令、直接戦闘に参加しない指揮官が移動用に用いるくらいであろうか?

そんな貧弱な『騎兵』に、一体何が出来るだろう? せいぜい斥候や遊撃任務が良い所で、とてもではないが本格的な会戦で正面から使う等という事は不可能だ。

帝國軍馬とロッシェル王国軍馬、いや転移世界の馬は同じ『馬』としてくくるには、余りにも違い過ぎるのだ。


双方の馬をはじめて見たそれぞれの感想は以下のとおりである。
ロッシェル王国軍の将兵達は、始めて見る帝國軍馬を見て驚嘆した。
「もしかして、あれは馬か!?」

ロッシェル王国軍馬を見た帝國軍将兵も、呆れの声を上げた。
「こんな馬を、戦場に投入しているのか!?」


つまり転移世界の戦争において、馬はあくまで脇役であり、決して主役では無いのである。


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最終更新:2006年06月06日 15:33