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【憲法】constitution 憲法の語には、およそ法ないし掟の意味と国の根本秩序に関する法規範の意味との2義があり、聖徳太子の「十七条憲法」は前者の例であるが、今日一般には後者の意味で用いられる。 後者の意味での憲法は、およそ国家のあるところに存在するが(実質憲法)、近代国家の登場とともに係る法規範を1つの法典(憲法典)として制定することが一般的となり(形式憲法)、しかもフランス人権宣言16条に謳われているように、国民の権利を保障し、権力分立制を定める憲法のみを憲法と観念する傾向が生まれた(近代的意味の憲法) (・・・以下省略) |
① | 実質的な意味の憲法(不文憲法=国体法)と、 |
② | 形式的な意味の憲法(成文憲法=憲法典) |
(1) | 成文憲法(憲法典)を絶対的規範と考える左翼的な立場からすれば、憲法の理念の許し難い破壊だが、 |
(2) | 成文憲法(憲法典)の上位に、依然として不文の国体法があり、それが成文憲法の解釈を制約する、と考える保守的な立場からすれば、戦前から一貫する国体法(実質的な意味の憲法)の理念の顕現と捉えることができる。 |
<1> | まず、今ある成文憲法(憲法典=日本国憲法)の解釈が、不文の国体法の理念により近い方向で為されるように輿論喚起していくこと |
<2> | そして、より根本的には、左翼的な憲法解釈・運用が行われないように、成文憲法(憲法典)の全面的な改正に向けて輿論喚起していくこと |
(1) | 大日本帝国憲法が現存する、というフィクションの社会的妥当性の問題 |
(2) | 日本国憲法が「成文憲法(憲法典)」ではなく「条約」である、というフィクションの社会的妥当性の問題 |
(3) | 大日本帝国憲法が「条約」である昭和憲法の上位規範たる「憲法典」として存在すると仮定しても、両者の内容の乖離幅の巨大さが解釈で治癒できるとは常識的には考えられないこと |
(4) | 日本国憲法が「成文憲法」として「無効」である、とするロジックの不透明さ(無効論者は、大日本帝国憲法75条の類推解釈で「無効」としているが、ここでは特に指摘しないが様々な難点がある) |
(5) | 日本国憲法の上諭にある「朕は・・・帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布する」という宣言の否定(「承詔必謹」に明白に違反する) |
(6) | 日本国憲法が「条約」であると仮定しても、憲法と条約の優劣については、そもそも、憲法優位説・条約優位説 が対立しており、通説が定まっていないこと、さらには国際法である条約が、国内法に対して直接的に上位規範として効力を及ぼすことは日本の慣習上は考えられず、必ず条約の内容を反映した国内法規が制定される間接適用となることから、慣習法にも違反すること |
(7) | 上記のとおり、憲法(constitution)が、①実質的意味の憲法(国体法)と②形式的意味の憲法(憲法典)の2段階であるとする論は、識者にも広く認められており、一般層にも普及する可能性が見込めるが、新無効論の主張する3段階説は、極めて特異な新説であって、そうした可能性が見込めないこと |
『新憲法のすすめ―日本再生のために』
大原 康男 (著), 百地 章 (著), 日本会議新憲法研究会 (編集) <目次> 第1部 なぜ、いま新憲法か 第2部 新憲法の大網 第3部 新憲法への視座―歴史に学び未来を展望する(憲法調査会の議論に期待するもの/国家理念の再考/戦後民主主義は憲法原則たり得ない/主権をどう考えるか/憲法九条を考える/国際秩序の変容と日本の憲法) 資料編 ★内容説明★ 常識的な憲法改正案として、日本会議の提言「新憲法の大綱」を挙げておく。 |
一、前文 |
我々日本国人は古来、人と人との和を尊び、多様な価値の共存を認め、自然との共生のうちに、伝統を尊重しながら海外文明を摂取・同化することにより独自の文化を築き、天皇と国民が一体となって国家を発展させてきた。 |
我々は、このような我が国固有の国体に基づき、民意を国政の基礎におく明治以来の立憲主義の精神と歴史を継承発展させ、国民の自由と権利を尊重するとともに国家の一員としての責任を自覚して新たな国づくりへ進むことを期し、併せて世界の平和と諸国民の共存互恵の実現に資する国際責任を果たすために、この憲法を制定する。 |
二、天皇 |
(1)日本国は立憲君主国である。 |
天皇は日本国の元首であり、日本国の永続性及び日本国民統合の象徴である。 |
(2)天皇は元首として、内閣の補佐に基き左の行為を行う。 |
(1~14まであるが省略) |
(3)天皇は伝統に基く祭祀、儀礼その他象徴にふさわしい行為を行う。 |
(4)天皇の行為については内閣が全て責任を負う。 |
(5)元首及び象徴の尊厳は守られるべきことを明記する。 |
三、防衛 |
(省略) |
四、国際協力 |
(省略) |
五、国民の権利及び義務 |
(省略) |
六、国会及び内閣 |
(省略) |
七、司法 |
(省略) |
八、地方自治 |
(省略) |
九、非常事態 |
(省略) |
十、憲法改正 |
(省略) |
(1) | 前文に、「国体」の規定があり、その内容が国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書)で解説の『国体の本義』の説明に極めて近いこと。 すなわち、「我々日本国人は古来、人と人との和を尊び、多様な価値の共存を認め、自然との共生のうちに、伝統を尊重しながら海外文明を摂取・同化することにより独自の文化を築き、天皇と国民が一体となって国家を発展させてきた」として、寛容で価値多元的な日本的世界(日本的公共性)の肯定が謳われていること。 (なお「日本国人」とは、天皇・皇族、及び一般国民を指し、「国体」とは、普遍的に「国柄」という意味に加えて、天皇を国民統合の中心と仰ぐ建国以来の「精神的・倫理的意味での国体」の二つの意味を指す、との解説が付記されている) |
(2) | 天皇が、元首であり象徴であって、その尊厳と無答責とともに祭祀大権が規定されていること。 |
(3) | 「国民主権」の文言が完全に排除されていること。 |
(4) | 「人権」「基本的人権」といった文言も完全に排除され、「国民の権利・義務」に一本化されていること。 |
『憲法の常識 常識の憲法』
百地 章 (著) チャンネル桜などでお馴染みの代表的な保守派憲法学者の憲法観を知るための一冊。amazonブックレビューで一部ページを拝見できる。 | |
正統の憲法 バークの哲学 中川八洋著 中公叢書 (2002年) | |
米・英・仏・日(明治・昭和)の憲法をその来歴から「正統の憲法」と「異端の憲法(偽りの憲法)」に切り分けて論じた目から鱗の名著 | |
<目次> | |
序:正統の憲法、異端の憲法―祖先の叡智を保守する精神 | |
第1章:保守主義のアメリカ憲法―デモクラシーへの不信、人民への警戒 | |
第2章:イギリス憲法の母胎―封建遺制と中世思想 | |
第3章:フランス憲法、負の遺産―血に渇く神々を祀る宗教革命の教理 | |
第4章:「日本の知的遺産」明治憲法―自由と倫理が薫る英国型憲法 | |
第5章:GHQ憲法のルーツ―スターリン憲法の汚染、ルソー主義の腐蝕 | |
第6章:バーク保守主義の神髄―高貴なる自由、美しき道徳 | |
あとがき:「改革」の魔霊に憑かれた日本 |
国民の憲法改正―祖先の叡智日本の魂 | ||
第1部 正統の日本国憲法 | 中川草案 | |
第2部 「国民の憲法」の絶対三条件―皇室、国防軍、家族 | 「世襲の共同体」日本の皇統―天皇への崇敬は悠久の日本の礎 | |
美徳ある国民 | ||
名誉ある国家―道徳の主体としての国防軍 ほか | ||
第3部 国家簒奪・大量殺戮の思想を排除する―根絶すべきフランス革命の教理 | 「国民主権」は暴政・革命に至る―「デモクラシーの制限と抑制」こそ憲法原理 | |
「人権」という、テロルの教理―文明と人間を破壊した「フランス人権宣言」 ほか | ||
第4部 亡国に至る三つの憲法改悪―一院制、首相公選、地方分権 | 参議院の再生―「法の支配」の番人 | |
国の伝統と慣習の守護 | ||
中曽根「首相公選」論の正体―スターリン型独裁への中間段階 ほか |
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