大学受験


かがみ「いよいよ明日はセンター試験ね」
みゆき「きっと今まで通りに臨めば結果は自ずと付いてくると思いますよ」
つかさ「私は受けないんだけどみんな頑張ってね
    家でガンバレーって応援してるから」
こなた「・・・…(=ω=.;)」

かがみ「ん、どうしたのこなたー?」
みゆき「何やら顔色がよろしくないようですが」
つかさ「大丈夫?保健室に連れて行こうか??」
こなた「いや・・・べっ、別になんともないよ あはは~(=ω=.)」
かがみ「そう・・・それならいいけど」
こなた「あはは・・・(=ω=.;)」

試験会場の下見に行く途中、かがみとみゆきは明日の試験のことについて話していた

かがみ「明日は現国さえ失敗しなければ何とかなると思うわ」
こなた『ヤバイ・・・どうしよう・・・ 
    センターの勉強なんかほとんどしてないよ・・・(=ω=.;) 』

みゆき「私は数Ⅱ・Bがポイントになりそうですね」
こなた『二人の話に付いていけない・・・ 数学Ⅱ・Bって何だっけ?
    私も受けるんだっけ???(=ω=.;) 』

つかさ「二人が何言ってるのかよくわかんないけど二人なら大丈夫だよー;」
こなた『‘二人’って・・・私は大丈夫じゃないのかよ・・・
    実際大丈夫じゃあないけど・・・(=ω=.;) 』


こなたは今までに勉強といった勉強をしたことがない
そんな彼女が急に勉強なんてするはずもなく、毎日漫画・・・アニメ・・・ゲーム・・・

周りがだんだん受験モードに切り替わっているのはこなたも感じていた
時にはこれではマズイと思い、机に向かうこともあった
しかし彼女の意思は弱く、ついついPCの電源を入れネトゲネトゲ朝までネトゲ・・・

そうじろうやゆたかが注意してくれたりもしたが、こなたはそれを受け流し現実逃避

高校受験は一夜漬け(正確に言えば数日間勉強したが)で何とかなってしまった
その経験のせいもあったのだろうか 今回も何とかなるだろうといった根拠も無い考えがあった

しかし大学受験は一夜漬けで成功する程甘くない 毎年数万の受験生が夢を掴むために必死に勉強しているのだ
こなたは窮地に立たされていた

そんなこなたに更なる悲劇が・・・

かがみ「あっ、そうだ 受験票ちゃんと確認しときなさいよ
    明日になって無いなんてなったら大変だから」
みゆき「受験票なら家の地下巨大侵入者排除機能付金庫に大切に保管してるので大丈夫です」
かがみ「さすがみゆきね」
つかさ「お姉ちゃんは昨日机の上から二段目の引き出しにしまってたよね
    こなちゃんは確か今日学校に持ってきてるよね?」
こなた「あ、う・・・うん そうだった(私つかさに言ったっけ?)(=ω=.;)」

ゴソゴソ・・・

こなた「あ・・・(=ω=.;)」

カバンの中から出てきたのはハサミで細かく切り刻まれた受験票だった
切る前に書かれたのだろうか 名前の所が黒いサインペンでぐしゃぐしゃに塗りつぶされている

かがみ「ちょっと何これ!? ズタズタじゃないの!!」
みゆき「これは誰かが意図的にやったとしか考えられません それにしても酷い・・・」
かがみ「訳を話したら取り替えてくれると思うから試験は受けれるだろうけど・・・
    ったく、誰がやったのよこんな馬鹿なこと!!」
つかさ「こなちゃん大丈夫ー?? ひどいことする人もいるもんだねー」

こなた『何でだろうつかさの心配する声が悪魔の声に聞こえる・・・(=ω=.;)』
   『いや、まさかつかさがそんな・・・ つかさは親友だ・・・何もされる覚えも無い・・・ 違うチガウチガウ・・・(=ω=.;)』


みゆき「受験票は問い合わせたところによりますと当日仮受験票でを発行すれば大丈夫そうですよ」
つかさ「よかったね~ こなちゃん」
かがみ「こんなことで気持ちが乱れたらダメよ
    さすがのこなたでも結構勉強したんでしょ?
    あんたは人前ではそういうこと言わないタイプだからね」

ズキッ・・・

かがみの言葉が胸に突き刺さる
こなたは本当に何も勉強していなかった 毎日努力していたかがみやみゆきとは違う
そしてあの嫌がらせが重なった
もういっそ試験を受けまいかとも思っていた

こなた「い、いや~ 参ったね~ 照れちゃうな~ 
    でも残念ながらまた今回も一夜漬けだよ~(=ω=.;)」
みゆき「うふふ 泉さんは冗談がお上手ですね」
かがみ「私はあんたのことよ~~く分かってるんだから 誤魔化してもだめよ~」

こなた『違うんだよかがみんみゆきさん・・・私はそんなに真面目なんかじゃない・・・
    ホントにダメな人間で・・・ 嫌なことがあるとすぐ逃げ出して・・・・・・(=ω=.;)』


つかさ「あっ、そうそう すっかりわすれてたよ」

つかさが鞄から何かを取り出した

つかさ「じゃーん 実は今日クッキー焼いてきたんだよー」

つかさが取り出したのは可愛くラッピングされた袋3つだった
それぞれに名前が書かれていた

かがみ「あー、そういえばつかさにしては珍しく早く起きて何かやってると思ったけど
    これを作ってたのねー」
みゆき「とても可愛らしいですね 開けてもよろしいでしょうか?」
つかさ「うん 開けて開けてー 私とっても頑張ったんだー」

3人は袋を開けた その中にはクッキーと御守りが入っていた
クッキーには‘合格’や‘満点’といった模様がはいっていた

みゆき「これは手が込んでますね」
つかさ「えへへー 名付けて‘絶対合格ッキー’だよ♪
    私にはこれくらいしか出来ることないから・・・」
かがみ「さすがわが妹ね ネーミングセンスはともかくこのクッキーならお店で出しても全然OKじゃない?
    もぐもぐ・・・ うんっ味も良し!」
つかさ「い、いや~照れちゃうな/// こなちゃんはどう?」

こなたは恥じた。 さっきはつかさを何の根拠も無く疑ってしまったから
こなた『私なんかのためにこんなことまでしてくれるのに・・・ こんなにやさしい娘があんなことするわけないのに・・・
    少しでも疑った私はサイテーだ・・・(=ω=.;)』

かがみ「こ、こなたどうしたのよ? やっぱあんたどこか具合悪いの??」

気付くとこなたは泣いていた
親友を裏切ってしまった自分が情けなくて・・・ その親友の温かさに触れて・・・

こなた「い、いや・・・何でもないんだよ ただちょっと嬉しくて・・・(=ω=.;)」 
かがみ「オーバーねー でも泣くほど嬉しかったなんてつかさも作った甲斐があるわね」
つかさ「うんっ♪ こなちゃんも明日頑張って! あとちゃんと味わって食べてね♪」

そう言ったつかさの笑顔に一瞬くもった何かが見えた気がしたが、こなたはまた見間違いかと気にしなかった


こなた「ただいまー(=ω=.)」
ゆたか「お帰りなさいお姉ちゃん」

こなたは帰宅し部屋に戻りベッドの上に転がり込んだ

こなた「ふぅ・・・ 今日は寝れないな・・・(=ω=.;)」

その時コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた

そうじろう「ちょっといいかー?こなたー?」
こなた「うんいいよ 何?(=ω=.)」
そうじろう「明日からセンター試験だな」
こなた「そうだね・・・(=ω=.;)」
そうじろう「知ってるとは思うが家にはあんまりお金が無いんだ・・・」
こなた「・・・・・・(=ω=.;)」

それはこなたもうすうす感じていた 最近は買ってくるグッズの数も減ってきたし何かと節約節約言う様になった
おそらくそうじろうの仕事の量が減ったのだろう 最近はあまり元気も無い

そうじろう「だからなるべくなら国公立に行って欲しいんだ そのために明日は頑張って欲しい・・・
      勝手だとは思うが・・・頼む・・・許してくれ・・・ 俺が不甲斐無いばかりに・・・・・・」
こなた「・・・うん・・・分かった・・・出来るだけ頑張るよ・・・(=ω=.;)」
そうじろう「じゃあオヤスミ 今日は明日に備えてゆっくり寝てくれ」
こなた「オヤスミ・・・・・・(=ω=.;)」
こなた『ゆっくり寝ろって・・・ あんなこと言われて早く寝れるわけないじゃん・・・(=ω=.;)』

そうじろうのあんなに落ち込んだ顔は久しぶりだった
何の勉強もしていないこなたは徹夜せざるを得ない状況となった 

こなた「あぁ、つかさのクッキーまだ食べてなかった・・・ いただきます(=ω=.) モグモグ・・・」
こなた「ウガァッΣ(≡Д≡.;)!!!!!」

その時こなたに激痛奔る 腹の底から伝わる痛み

こなた「ヤバイ、とっ・・・トイレ!!!!!!!(≡Д≡.;)」

こなたの下痢はなかなか治まらなかった それに加え嘔吐・発熱
何も出すものが無くなってもしばらく不快感は消えず勉強どころではなくなった

こなた「何で急に・・・ もしやクッキー? いやいや違う
    今日つかさはそんなことする娘じゃないって確かめたばかりじゃないか 私は何も学んでいないのか!!!
    うぅぅ・・・気持ち悪い・・・・・・(=ω=.;)」

結局朝になってしまった もちろん勉強は殆んど出来てない
しかも続く不快感で眠ることも出来ず、最悪な状況のままこなたは試験会場へ向かうことになった


かがみ「オッスこなた~」
みゆき「おはようございます 今日から二日間頑張りましょう」
つかさ「おはようこなちゃん 昨日のクッキーはおいしかった?」
こなた「う、うん・・・おいしかったよ『なんだろうこの不快感・・・』(=ω=.;)」
かがみ「この娘ったら見送りに来るって聞かないのよ」
つかさ「えぇ~ だって来たらオモシロいもの見れると思ったし
    ね? こなちゃん??」
こなた『!!つかさ・・・まさか本当に・・・Σ(≡Д≡.;)』
つかさ「あはは こなちゃんどうしたの?変な顔して~♪
    なんだかやつれてる様だけど大丈夫?」
こなた「つ、つかさ・・・信じてたのに・・・(=ω=.;)」
かがみゆき「??」

こなたはショックと体調不良のせいで試験に全く集中出来なかった
おまけにつかさの仕業だろうか?鉛筆の芯は全て折られ、消しゴムもなくなっていた 
次の日も試験の出来は最悪だった 
焦れば焦るほど分からなくなる この点は勉強していないこなたのせいであった

終わってみれば自己採点の正答率は20%
当然国公立には受かるはずも無い
かろうじて受かったのは底辺レベルの私立大学 

そうじろうはそれでますます気を落とした
ゆたかはそれ以来こなたに冷たく接するようになった
学校からはこの学園創立以来最低の生徒と言われた
生徒達からはバカやある意味天才などと笑いのネタにされた
かがみとみゆきだけは優しくしてくれたがやはりどこか少し失望されている感があった

こなた「それもこれも全部つかさのせいだ!!(=Д=.#)」

こなたは卒業式の日、屋上につかさを呼び出した

こなた「つかさ・・・なんであんなこと・・・親友だと思ってたのに・・・
    何か私に気に入らないところがあったの?(=Д=.#)」
つかさ「・・・」
こなた「ねぇ!!聞いてるの!?つかさ!!(=Д=.#)
つかさ「・・・つ・・・」
こなた「え?(=ω=.;)」
つかさ「別に・・・?」 
   「単純なことだよ こなちゃんみたいなのが大学にはいること自体がおかしいの
    大体前から思ってたけどウザい 口には出さないけど多分みんなそう思ってるよ?  
    私のことも心の中で馬鹿にしてたんでしょ? こなちゃんのくせにさ・・・
    いっつも自分勝手で我がままで・・・空気読めない・・・オタク趣味を強要する・・・ブツブツ・・・・・・」
こなた「つ・・・つかさ・・・(=ω=.;)」

つかさ「つまり私はこなちゃんが幸せになることが許せないの 絶望の中で死んでいくこなちゃんが見たくなったの
    これで終わりだなんて思わないでね? あはははこれからもよろしく・・・
    こ な ち ゃ ん ? 」


最終更新:2024年04月17日 22:24