みゆきの想い③


「お母様・・・・今日は泉さんのご自宅に お邪魔してきます」
「あらあら・・・・随分 親しくなったのね、お母さん嬉しいわ」
「それで・・・お願いがあるのですが・・・・・」
「なあに?」

「みゆき・・・・・」
今は夜の7時・・・・かがみは家族に内緒で抜け出してきた・・・・
最近は 家でも つかさとたまに会うくらいで 昼間は殆ど部屋から出なかった為
私がいなくなっても 鍵が閉まった部屋を疑うものは誰もいない

「takara」

英語の表札がある 大きな豪邸・・・・ここで夏祭りの夜にお茶したっけ・・・・・
呼び鈴は門の中に有るらしく かがみ は少し躊躇いながらも中に入っていく
{ピンポーン}
上品な感じの大きなドアは・・・・知り合いの家でも 緊張する
「はーい?」
呼び鈴の向こうから 声がした・・・・
『みゆきじゃ・・・ないわね』
「あ・・あの・・柊っていいます・・・みゆきさん・・いらっしゃいますか?」
「あ、みゆきのお友達のかがみちゃんかしら・・ちょっと待ってね」

「・・・・かしらって・・・・・相変わらずね・・・おば様・・・・」

ガチャ
大きな扉が開く
「みゆきから 聞いてるわ、みゆきはちょっとお遣いに行ってるから 上がって待ってて?」
「はい、じゃあ お邪魔します・・・・」


16:48
『久しぶり みゆき ちょっと 
 こなた と つかさ の事で相談が有るんだけど・・・・・
 みゆきも何か知ってたら教えてくれない?
 もう 相談できるのは みゆきだけなの・・・・・・・・・』

17:00
『ええ、解りました・・・知ってる事を全てお話します
 今日の夜7時に 私の家に来ていただけますか?
 でも くれぐれも 
 つかささんには見つからないようにして下さい・・・・・・』

かがみ は ゆかりに案内され キッチンカウンターの椅子に腰掛けていた
ゆかり は かがみの隣に座って ニコニコとしている
「あ・・・・・あのお・・・・・」
「なあに?かがみちゃん?」
ゆかり は みゆきの母親とは思えないほどに若く見える
それに 上品で何となく 危ない空気が出ていた
そんな女性と一緒にいればいくら同じ女同士でも 緊張する・・・・・・
かがみ は 口の中がカラカラになり 出された紅茶で喉を潤す 
「みゆき・・さんは何時くらいに戻って来られます?」
「・・・・・・・んー・・・・・・」
「・・・・おば様?・・・・・あれ・・・?」
体に力が入らない・・・・・
「みゆきなら・・・戻ってこないわよ・・・・・・かがみちゃん・・・・・」
「え・・・・・何を言ってる・・・・??」
無理やり立ち上がろうとした かがみ だが、足が言う事を聞かず 近くのソファーに倒れこんだ
「あら、気をつけなきゃ、危ないわよ?」
「・・・・ああ・・・・・・・」
意識はハッキリしているのに・・・・体が動かない・・・・喋れない・・・・・・
「みゆき も親孝行よね・・・・・かがみちゃんみたいな可愛い子を私にくれるなんて・・・・・」
『何・・・・?なんて言ったの?』
ゆかり はソファーの上の かがみ に覆いかぶさって来た
「おいしそう・・・・頂きま~す。」
『やめて・・・・・・なにするの・・・・!?』
ゆかり は かがみの首筋を舐めると「楽しませてネ かがみちゃん」とキスをして来た
『おば様・・・・みゆき・・貴女まさか・・・・・こなた・・・助けて・・・・助けて!!』
「うふふ・・・今頃、みゆきもうまくやってるかしら・・・・?」
『こなた・・・・・・』


「ほら、ね みゆきさんに似てない?」
「どうでしょうね~、私 こんなに綺麗じゃありませんよ ふふ」
「えー、みゆきさんの方が綺麗だってば」
「そんなこと・・・・・・・」
「あ・・・・・」
ここは こなた の部屋、いつもならこの家には 自分以外の人間などいない
でも今は 大好きな みゆきと二人・・・・・・
狭いこの空間に こなた と みゆき の二人しか存在しない
ここでは、二人ともいつもよりも大胆になった
みゆき は こなた を膝の上に載せて 後ろから抱きかかえる形で ベットにもたれる
こなた は 時折振り向いては 自分の耳を唇で弄ぶ みゆきに キスをせがむ
「ん・・・・・」
「・・はあ・・・・・」
これで 何回目のキスだろう・・・・
「ふふ・・・泉さんは甘えん坊さんなんですね・・・・」
「えへへー、だって みゆきさんの唇 好きなんだもん」
こなた は みゆき のふわふわした 柔かい体を全身で感じている
長く ラベンダーの香りがする髪の毛を 三つ編みにしたり 頬ずりしたり しながら
みゆき にベタベタと引っ付いていた
みゆきは そんな こなた を抱きしめながら 髪の毛の匂いや 細く柔かいフトモモを撫でている
みゆき の手は お腹 胸 腰 首 唇 と伸びてきては優しく触れてくる
こなた はその度に「ふぅ・・」と声を漏らし 体をよじった



その姿は・・・妖艶だった・・・・・
こなたに続いて、お風呂に入った みゆきが こなたの部屋に帰ってくる
濡れた髪をタオルでまとめて 普段は見えないうなじが覗く
白い肌は湯気を立てて 寝巻き代わりの薄手のワンピースで包まれている
手、足、少し覗く胸の谷間・・・・・
ベットの上の こなた は みゆき から目が離せなくなり
暇つぶしにはじめていたシューティングゲームで爆発音がして 一騎死んでしまった
「・・・・変でしょうか・・・?」
「え・・・・・いやいや~、そんなこと無いって!凄く可愛いよ・・・」
「良かった、泉さんに気に入ってもらえて・・・泉さんも可愛らしいですよ・・・・」
こなたは 黒のタンクトップに ラクダ色のハーフパンツを履いている
「そんな・・・・私なんか・・・・」
「いいえ・・・私の泉さんは 可愛いですよ・・・・」
近づいて来た みゆき が目の前まで来たとき 部屋の明かりを みゆき のシルエットがスリ抜けて見えた
まるで・・・・妖精の様な佇まい
『・・・みゆきさん・・・・下着付けてない・・・・・・』
「泉さん・・・・・私の準備はもう・・・・できていますよ・・・・・」
みゆき は そのまま ベットに上がって来た
「うん、私も・・・・・・準備・・・・・・むぐ・・・」
全部を言い終える前に みゆきが こなたの唇を塞ぐ
こなた も こうなる事を望んでいた だから 下着は付けていない 
「ふんん・・・・むううぐ・・・・」
普段の優しいキスとは違い みゆき はこなたの唇を貪る様に求める・・・・・
「ぷっは・・・あん・・・みゆきさん・・・待って・・・んんん・・・」
みゆき は こなたのハーフパンツを脱がしにかかった
「ねえ・・・・電気・・・・・消そ・・・・?」
ハーフパンツを脱がされた こなた は秘所を隠すために タンクトップの裾を両手で引っ張る
みゆき は動きを止めて こなた に再びキスをした
「泉さんの 全てを見たいんです・・・・・」
「みゆきさん・・・・」
「私も 泉さんに 全てを見て欲しい・・・」
「・・・・みゆきさん・・・・ふむうう・・・」
こなた は みゆきのその愛らしい唇に 自分の唇を重ね 舌を潜らせる
『ああ・・・・・これで・・・・泉さんは私のもの・・・・』

「んああ・・・・・・ん・・・・・」
「あああ・・・・・・はあ・・・・・はああ・・・・・・」

二人はお互いの唇を体を夢中で求め合った 



「ふんん・・・みゆきさん・・・・気持ちいい・・・・・」
「あはああ・・・泉さん・・・泉さん・・・私・・・も・・・ですぅ・・・・・」
お互いに 秘所に触れ合い 身を絡ませて 唇を体に這わせる 二人

「あら~、みゆきったら・・・・初めてなのに随分激しいのね・・・・・」
シャワーを浴び終えた ゆかりは スクリーンに映し出された二人の映像を見て うっとりしている
「ねえ・・・・そう 思うでしょう?かがみちゃん・・・・ふふふ」
そして、魂の抜けた様に ぐったりした かがみ を見て クスクスと笑った
「こ・・・なた・・・・・うう・・・・みゆ・・・・・き・・・・・・」
感覚を向上させ運動能力を一時的に奪う薬物(非売品)を投与され
ゆかり の玩具たちで弄ばれた かかみ は薬が切れた今も立ち上がるどころか 話すのもままならない
「なん・・・・で・・・・こんな・・・・・」
「なんでって・・・・・・?」
ありとあらゆる場所を ゆかりに弄ばれた かがみはやっとの思いで体を起こし 壁にもたれる
この部屋は キッチンの隣で ゆかりの趣味の部屋だ
「なん・・で、みゆきは・・・・・私を・・・・?」
「そんなの・・・簡単よ、貴女が邪魔だったのよ あの娘は」
「そ・・・んな・・・・」
いつの間にかかがみは涙を流して 泣いている

「みゆきさん!みゆきさん・・・・あああ!」
「ああ・・泉さん・・・可愛い・・・」

愛し合う二人の声が かがみの心すらも打ち砕く
『こなた・・・・・・』


かがみは 電気の消えた自分の部屋で 壁にもたれて座っている
「・・・・・・・・こなた・・・・みゆき・・・・・・」

悪夢のような時間が終わり ゆかり は かがみ を開放した
「・・・・いいんですか?逃がしても・・・・」
「ええ、大丈夫よ・・・・貴女の写真は沢山撮ったのも、逃げても逃げたことにはならないわ」
ゆかり はデジタルカメラを取り出して ニッコリと微笑む
「携帯電話も、貰ったしね」
「あなた達 親子は・・・・・・・どこまで非道なんですか・・・・・・」
「さあ?でも、あなたの負けよ?さ、お帰りなさい かがみちゃん・・・ふふふ」

「こなた・・・・みゆき・・・・・つかさ・・・・・」
なんとか家に帰ってきたが・・・・問題は解決どころか、さらに大きくなってしまった
『もう、私・・・・・なにも出来ないよ・・・・・』
好きだった・・・・・こなたの事が・・・・・
でも、つかさ は それを許さないだろう と感じていた・・・・・・・
つかさ は私を失ったら駄目になる、そんな思いから 打ち明けれなかった 気持ち
淡く 美しい思い出のままが良かったのに・・・・
こなた の体は美しかった、小さく 細く 華奢で 艶やかで・・・・・
しかし、その体を抱いていたのは 自分では無く みゆき・・・・
信頼していた みゆき にまで裏切られ 玩具で始めてを奪われた

「もう・・・・疲れたな・・・・・」

かがみ はユックリ立ち上がり 勉強机に付く

「もう・・・・疲れたよ・・・・・・こなたぁ・・・・・・」



「こなた・・・・」
『・・・・・・?』
かがみの頭の中で何かが引っかかる・・・・・
「あれ?おかしいわね・・・・・もう一度、・・・・・」
みゆき が つかさを利用したのは何となく解る
今回のように 弱みを作って・・・・もしくは 私との関係を・・・・・・
『そうだ・・・・・犯人は・・・・こなたじゃない・・・みゆき!?』

と、いう事は・・・私とつかさの関係を・・・こなたは知らない可能性がある・・・・
いや、みゆきの事だ きっと教えていない
多分 なんらかの方法で私達 姉妹をこなたの敵に仕立てているんだろう

「こなた・・・・・ひょっとして、あんた・・・・・・」
こなた は何も知らずに みゆきに利用されているのだ
きっと そうだ こなたも 何か弱みを握られてるに違いない
だって こなたは私の事を好きだった そう感じてた あの気持ちはきっと
二人で共有していたはずだ
「ツンデレだね~ かがみん」
「照れない照れない」
「あのプリクラちゃんと貼ってる?」
『こなた・・・・・そうよね・・・・あんたと私は・・・・・』
かがみ は机の隣にかけてあるカレンダーを見る

「we love kagami・・・・・こなた・・・・今、助けに行くわ・・・・」


しかし、助けようにも 携帯電話は ゆかりに取られているし
つかさ には借りれない・・・・
家の電話は・・・・・深夜近いのにも関わらず いのり姉さんが使っている・・・
「まったく・・・・・最悪のタイミングね・・・・・」
とにかく こなたには連絡できない・・・
いや たとえ連絡が取れたとしても、電話なんかじゃ駄目だ・・・・・
「直接会うしかない・・・・・」
『なら・・・明日、学校で・・・?駄目だ・・・それじゃあ遅い』
明日になれば きっと ゆかり と みゆきが動き出すに違いない・・・・
明日じゃ 遅すぎる なら 今からすぐに こなたに会いに行くしかない
「待ってなさいよ・・・・みゆき・・・・・貴女なんかに、こなたは渡さない・・・・」
かがみ は高良家から帰ってきたままの服装で 自分の部屋の窓から出る
部屋の電気は消し ベットにはクッションを詰めているので 一時しのぎにはなるだろう

「あらあら・・・・お盛んねえ・・・・・いいなあ・・・・」
ゆかりは娘とこなたの愛のひと時を 不純な瞳で見守っている
「あら・・・・いけないいけない・・・・かがみちゃん・・・・は・・・と」
かがみ は運が良かった・・・・・
ゆかり が 泉家のモニターを凝視している間に かがみは部屋を出て行ったのだ
「あら・・・もう寝ちゃったのね・・・・まだ、壊れてなかったのかしら?・・・明日、また遊びましょ♪」
ゆかり の天然さが引き起こした 失敗・・・・・かがみは泉家に向かっていた



いつもの角を曲がり ポストを過ぎて 商店街を突っ切る
「こなた・・・こなた・・・・」
横断歩道の信号が異様に長く感じた・・・・・
「・・・・待ってなさいよ・・・・・みゆき・・・・・」
今頃 みゆきは こなたの体を 好きに弄んでいるだろう・・・・・
もしかしたら、自分がそう出来たかもしれないのに・・・・
私なら・・・こなたをちゃんと 愛せた筈だ
かがみ はみゆきに裏切られた悔しさと
早く こなたに気持ちを伝えなかった自分に 苛立ちを感じている
見えてきた・・・・・・
あの 家だ・・・・
見慣れた あの大きな家・・・・・

かがみは家の前に立つと こなたの部屋を見た
電気がついたまま カーテンが締まっている
『あの中で二人は・・・・・・』

高良家でモニターに映った 二人の姿が かがみの頭をよぎる
「・・・・・・こなた・・・・・・・・みゆき・・・・・」
かがみ は呼び鈴に目線を合わせた



「スーーー・・・・スーーーー・・・・・」
「・・・・・・ふふ・・・・・・・」
秋の気温は少々冷える・・・・もうすぐ冬のこの時期・・・・・・
薄手の寝巻きを着た こなた と みゆきは 肌を温めあいながら
ベットに横たわっている
みゆき の しなやかなフトモモと腕が 頭一つ分以上小さいこなたを 包み込んでいる
こなた は みゆきの胸に 顔を埋めて 腰に手をまわしていた
『あたたかい・・・・・・みゆきさんの体・・・・・』
時折 おでこに感じる みゆきの唇の感触は こなたを眠りへといざない
みゆき の鼓動は こなたに安心感を抱かせる
『・・・・・・・・みゆきさん・・・・・・』

みゆき は目を閉じ 寝息を立て始めた こなた を愛らしく眺める
『可愛い寝顔ですね・・・・』
今頃 傷心の かがみはどうしているのだろう?
耐え切れずに自ら・・・?
それとも・・・つかささんを責めているのでしょうか・・・?
まさか・・・母親に壊されてしまった・・・・・?
『かがみさん・・・・こなたさんは私が貰いましたよ・・・・』

ピンポーン・・・・ピンポーン・・・・・・

不意に 泉家の呼び鈴が・・・鳴る
「・・・・こなた・・・・・みゆき・・・・」

最終更新:2024年04月19日 21:39