ブランド |
WHITESOFT |
 |
ジャンル |
みんな琴子になりますADV |
メディア |
DVD-ROM |
原画 |
松島詩史、ミヤスリサ(立ち絵) 月音(立ち絵)、みやま零(立ち絵) |
シナリオ |
藤木隻 |
発売日 |
2015/05/29 |
定価 |
3,000円(税込) |
選評
420 : ◆yisYohvLBs:2015/05/29(金) 14:58:08 ID:q5BOecvQ0
猫撫ディストーション恋愛事象のデッドエンド(WHITESOFT)選評
佐本二厘による1人6役、クラウドファンディングによる資金集め等で一部で話題となっていた
『猫撫ディストーション恋愛事象のデッドエンド』(以下『デッドエンド』)がついに発売された。
現状、新たに新品を購入することが不可能であるため、可能な限りの詳細を記していきたいと思う。
尚、筆者はクラウドファンディング企画のスタート直後に3万円投資した人間であることも付け加えておく。
1 『猫撫ディストーション』シリーズについて
本作はFDであるため、大本の作品やその派生作についても軽く触れておこうと思う。前置きが長くなってしまうがご容赦いただきたい。
『猫撫ディストーション』は、2011年に発売されたADVである。猫が人間になったり死んだ妹が戻ってきたりする狂った世界の中で、
量子力学、世界や自己・他者の認識、クオリアといった小難しいネタを切り口に「家族」をテーマにストーリーが展開していく。
思わせぶりで説明不足なテキスト、特に個別ルートで乱舞する専門用語、自分からは何も行動しない主人公等、確実に人を選ぶゲームであるが、
大本のテーマはわかりやすく普遍的なものであること、原画陣・声優陣の力もありヒロイン個々の魅力は(あくまで筆者の主観だが)
高いことから、プレイ後に「言ってる事はわからんが言いたいことはよくわかった」「話は意味不明だけどヒロインは可愛かった」
との感想が生まれる余地のあるゲームである。また、ストーリーの背景について考察(と言う名の妄想)をして楽しむこともできるかもしれない。
公式サイトでキャラクターに惹かれ、なおかつ体験版を投げ出さずにプレイできたなら、購入しても損はしないのではないかと思う。
個人的には大好きな作品である。
また、派生作が意外なほど多く作られており、世界観のネタ晴らしをする長編&各キャラの魅力を掘り下げる短編で構成された続編『Exodus』、
ニコニコ動画で配信された短編を音声付で纏めた『Awareness』グッズセットの一つとしてコミケで発売された音声なしの短編『APRIORI』、
他、外伝小説やおやすみCDも発売されている。知名度はないが、細く長く続いてきた作品と言えよう。
2 『デッドエンド』発売までの経緯
これから本題として『デッドエンド』について語っていくが、まずは発売までの経緯をご覧いただきたい。
2014年1月 情報公開
※当時はダウンロード販売のみの予定だった
2014年1月末 体験版からちょこっとムービー(ttps://youtu.be/O89WZ0o66V8)公開
※2015年5月28日の時点で未だに体験版は公開されていない
2014年7月末 『ギャングスタ・アルカディア』発売
※公式ツイッターは7月11日から沈黙
2014年9月1日 「なつやすみ、おわり。」のつぶやきとともに公式ツイッター再開
同時期、公式トップに新CG掲載
2014年10月 『さくらシンクロニシティ』情報公開
公式トップが更新され、上記の新CGはネットの海に消える
2015年1月 ダウンロード販売の審査が降りなかったため、パッケージ販売を行うことを発表
2015年2月末 『さくらシンクロニシティ』発売
2015年3月 クラウドファンディング(ttp://shootingstar.jp/projects/1658)を利用してのパッケージ版製作(目標金額120万)
&目標金額に届かなかった場合は『デッドエンド』の企画自体を中止することを発表
→4日程で目標達成
2015年3月 目標300%達成で「既存絵」の高画質データ配布を発表
2015年5月 最終的に目標額の321%でクラウドファンディング終了
げっちゅ屋専売での販売も実施し、マスターアップ、発売
※マスターアップ告知、発送告知はクラウドファンディングのページでは行われなかった
※ソフト本体以外のギフトは5月29日時点では未発送状態
以上である。できる限り客観的に事実のみを記したつもりだ。コレを見てどう思うかは諸兄に委ねたい。
ここからはゲーム本体について触れていく。
3 ゲーム内容
※公式で配布されているパッチを適応した状態での内容である
①システム
基本的なシステムは『猫撫ディストーション』のものをそのまま流用しているため、特に問題はない。
また、特にバグもないと思われる。
ただし、このゲームにCG回想・シーン回想は存在しない。が、そのことは全く問題にならない。
読み進めていただければその理由がお分かりいただけるだろう。
②ストーリー
姉や幼馴染といった主人公の回りの人物が皆「私は琴子(本編で重要な役割を果たした主人公の妹)です」と言い出した。
主人公と琴子(オリジナル)は事態を解決しようと動き出すが…?
シリーズ未プレイの方には意味がわからないと思われるが、逆に既プレイ者は「ああ、今回はこういう世界なのね」と
容易に受け入れられるものとなっている。目玉であろう佐本二厘による1人6役も、元々のキャラと琴子のキャラをうまく組み合わせた
演技となっており、感心させられた。事態の原因も可愛らしいものだったし、解決方法もありがちながら妥当なものである。
要するに、骨組み自体は決して悪くない。そして琴子はキャラがぶれることなく相変わらず可愛い。
が、問題はボリュームだ。このゲームはオートモードで一時間程度でフルコンプできてしまう。
問題の発生→解決法の模索→解決→エピローグまでが限界まで圧縮され、気づいたときにはエンディングである。
本編全てがソードマ○ターヤ○ト、武○沢レ○ーブ、女○騎士○語の最終回レベルのダイジェスト進行となっている。
当然、各キャラのボイス数も非常に少なく、一番少ないキャラだとたった20ボイスしかない。これではせっかくの1人6役も
活かされているとは言いがたいだろう。
また、スタッフロールには筆者含めクラウドファンディングに投資してしまった人々の名前が流れ、哀愁を誘うものとなっている。
ここがプレイしていて一番心を動かされた場面かもしれない。
③CG・Hシーン
まず、本作のCG原画は過去作とは別の人物が書いている。これ自体は発表当初からわかっていたことなので仕方ないのだが、
問題は枚数だ。パッチを当てなければ3枚、当てても5枚、これで終了である。うち4枚はげっちゅ屋や公式ツイッターで確認でき、
プレイして新たに確認できるCGはたった1枚しかない。しかもその1枚がゲーム中最もクオリティの低いものとなっている。
さすがに実質唯一のCGをここで公開するのは気がとがめるので晒しはしないが、そのCGを見たとき筆者は大変がっかりした。
また、過去に公式トップに表示されていたCGはゲーム中に確認できなかった。没になったのか、クラウドファンディング3万円ギフトの
「特別なシナリオ」にて使用されるのかは定かではないが、後者であることを願ってやまない。
次にHシーンに関して…といいたいところだが、本作に本番に至るHシーンは存在しない。
あるのは主人公の妄想の中で自慰に耽る琴子のシーン(7クリック)と、エンディングを兼ねたペッティングのシーン(20クリック)のみである。
過去作からして極薄のHシーンしかなかったシリーズではあるが、まさか本番なしとは思わなかった。
ちなみにどちらのシーンでも乳首はしっかり見えるので、いちおう18禁要素が皆無というわけではない。
ここまで読んでいただければ、先ほど「CG回想・シーン回想は存在しないが特に問題にならない」と言った意味をわかってもらえたと思う。
殆どがゲーム外で見れるたった5枚のクオリティの低いCGと、前戯未満のHシーンと呼ぶのもおこがましいシーンなど、
わざわざ回想モードを使う価値などないのである。
ふーりんの1人6役は凄かった。琴子というキャラクターの新たな一面も見られて個人的には更に魅力が増した。だが、それ以外の全てが論外である。
世の中には、たった一つの長所が他の短所を全て帳消しにする作品も山ほどあるだろうが、この作品は決してそうではない。
紛うことなくクソゲーであると筆者は判断する。
このような汚物を作り出しておいて、WHITESOFTは今後どの面下げて設定資料だの未使用ボイスだのを送ってくるつもりなのだろうか。
ただ一つ幸いなのは、クラウドファンディングも終了し、げっちゅ屋の在庫もなくなっているので、これ以上被害者が増えることはないことだ。
プレイ後の怒りに任せて筆をとってしまったが、冷静な判断は親愛なるKOTYe民諸兄に委ねるとする。
議論の叩き台にでもなれば幸いである。
補足1
479 : ◆yisYohvLBs:2015/05/29(金) 22:56:25 ID:5dlOWTZM0
『デッドエンド』選評についての余談と訂正
・「DL販売の審査が降りなかった理由」の推測
筆者は「DL会社がこの作品を18禁の売り物として認めなかったため」と考えている。
その理由として、まずはクラウドファンディングのサイトにある「プロジェクト詳細」より以下の文章を引用する。
4月末日までデバッグ、CG彩色作業を行い5月6日を目途にマスターアップ、およびマスターアップ報告を行います。
この文章は、3月にクラウドファンディング企画が立ち上がった当初から確認されている。
そして「DL販売の審査が降りなかったためパッケージで販売する」との発表がなされたのは1月である。
つまり、DL販売の申請を行った時期には全CGの彩色が完了していなかったと思われるのだ。
そして、現在Web上で確認できる4枚のサンプルCGのうち、2枚は4月頃にげっちゅ屋の販売ページができてから、一枚は5月に入ってから
公式ツイッターでようやく公開されたものであり、前々から公開されていた唯一のCGは日常シーンのものである。
申請時点では18禁要素のあるCGは存在しなかったのではないだろうか。
また、H?シーンにおいて本番行為がないことはすでに選評で述べたが、
テキスト上で直接的な卑語・淫語も存在しないし、男女共に性器を晒す・触れるような描写もない
※これについては後述に具体的なテキストを引用する
ここからは上記の仮定を真とした場合の更なる憶測であるが、DL会社側は
・18禁のCGが申請時点で存在せず、テキストによる描写もほぼないため、18禁ADVとしては認められない
・最初全年齢で出してパッチで18禁化、というのもそれはそれで問題なので認められない
となり、またメーカー側も
・発表当初から18禁と銘打っていたので今更全年齢では出せない
・資金が尽きたためこれ以上発売を延ばせない
となったため、DL販売からクラウドファンディングでの資金集めに切り替えたのではないだろうか。
ただ、あくまでも推測というか邪推である。3月時点で彩色されていなかったCGは「特別なシナリオ」のギフトで
使用される予定のものと言う可能性もあると思う。
・販売状況に関する訂正
「現状、新たに新品を購入することが不可能である」と記したが、ツイッターにてげっちゅ屋店頭に新品が並んでいるとの書き込みを確認した。
勘違いで誤った記述をしてしまった、申し訳ない。
本編中のH?シーンのテキスト引用
琴子のオナニー(主人公の妄想)シーン
「……んっ、あっ、お兄様、そんなのダメです……!」
「んあっ、いや……あうっ、ん……はああああん!わたしたち、兄妹なのに……」
「いやぁ……止まって……そこで止まって……、それ以上したら、わたし……」
「はああん!お兄様の……女になっちゃうぅぅぅ~~!」
(――なんて、イケナイことしてたんじゃないだろうな?)
(エッチな小説書きながら、あれらこれや想像して……!)
「琴子ぉおお、お前って子わぁあああ!」
以上である。本編中においては、胸が露出している程度の18禁CGがこの部分でのみ表示される。
もう一つのH?シーンについてはエンディングも兼ねているため引用しないが、同レベルのテキストである。
補足2
583 : ◆yisYohvLBs:2015/05/30(土) 18:16:17 ID:kATc.G6E0
そういえば他にも選評等に書いてない小ネタがあった
- パッケージを開けるとユーザー葉書や説明書の類は一切入っていない
ゲームディスクのみである
これはげっちゅ屋版もクラウドファンディング版も変わらない。俺は両方もってるから間違いない
- コンフィグ画面も過去作の完全な使い回しであり、その結果
「選択肢後のスキップ機能ON/OFF」「デッドエンドでは登場しないキャラの個別音声設定」
といったまるで意味のない項目が残っている(音声の方は表示だけで弄れないようになっているが)
- >>388の指摘通り、デッドエンドの動作環境は猫撫の使いまわし…どころか、色深度の推奨環境がなぜか下がっている
比較画像
雑で申し訳ないが、左上がデッドエンドの容量、右上がデッドエンドの動作環境、下が猫撫の動作環境である。
参考資料
誠意ってなんでしょうか?
※注意
以下のコメントフォームは、誰でも好き勝手にコメントを残せるので、その程度のものだとお察しください。またここに何を書こうが本スレには無関係です。
最終更新:2015年08月30日 07:52