249 :甘え方は彼女なりに。選評 ◆Ra9j1sVq3.:2016/03/06(日) 22:28:22 ID:cF7HuYJw
甘え方は彼女なりに。
ジャンル 甘えベタな彼女を愛でるADV
ブランド 戯画
発売日 2016年2月26日
価格 9800円+税(通常版)、13800円+税(ウルトラプレミアムパック)
あの戯画が2月末に放った新作。
見てくれは良さ気だが、実際の所はオーバープライス級の常識を覆す脅威のレコードブレイカーであった。
○登場人物等
・柴宮浩斗(しばみやひろと)
本作の主人公。他人と関わりを持とうとしない孤独な男。
「友達が居ないんじゃなくて、作らないだけ。ぼっちではない。」らしい。詳しくは後述。
デカくて強面らしく、本人もそう思っている。身長181cm。
両親が不在がちの為、料理スキルが完璧。
・新倉朋美(にいくらともみ)
主人公の同級生ヒロイン。
主人公と同じくなるべく他人と関わらない事を信条としているが、主人公と違い著しく口が悪い。
なんでも口が悪ければ嫌われるので関わらなくて済むからとの事。
・四賀のはな(しがのはな)
同級生ヒロインその2。
公式曰く「イマドキの女子学生」。運動神経抜群で活発だがアホの娘。
・永峰叶恵(ながみねかなえ)
3年生の上級生ヒロイン。
主人公らが属する「アシスト会」の創設者にして現代表者。
働き者の上に成績も抜群と才色兼備のお方。
・栗沢みゆき(くりさわみゆき)
上級生ヒロインその2。
同じく才色兼備で学生からの人気も高いらしいが非常にだらしない上に面倒くさがりや。
仕事もせずファッション雑貨を読み耽る場面が多い。炭酸飲料を飲むと泥酔する謎体質。
・柴宮りな(しばみやりな)
1年生の主人公の妹。
主人公を飯を作る機械かなんかと勘違いしてる。甘えれば主人公がホイホイ従うので舐めている。正直ウザい。
・武居澄香(たけいすみか)
典型的な生徒会長キャラ。周囲の評判は高いらしい。叶恵とは昔馴染みでアシスト会に理解が有る。
・有賀久美子(ありがくみこ)
アシスト会の顧問教師。たまに思い出したかの様に登場する。
・笹丸政美(ささまるまさみ)
1年生の男子学生。女みたいな名前だと馬鹿にされてた所を主人公が庇ったらしく、その恩からアニキと主人公を慕っている。というかストーカーレベル。
主人公は煙たがっているが健気にもアプローチを繰り返す。名前で呼ばれる事は殆ど無く、「小僧」と呼ばれる。
・アシスト会
叶恵が創設した生徒会の下部組織。生徒会の下働き兼学校のなんでも屋。
しかし評判は相当に悪く、アシスト会が介入すると碌でもない結果になる事が多い為「おせっ会」と呼ばれている。
○シナリオ概要
主人公がぼっち飯を食っている所を朋美が指示によりアシスト会に連行し、ほぼ強行的に入会させられてスタート。
恋愛相談(?)の投書一件への対応と球技大会の準備手伝いまでが共通ルート。およそ40分強でここまで読み終わる。各個別ルートは同じく40分程度。
時期は秋~春まで。
・朋美ルート
なんか中庭の花壇の整備を手伝って家まで送ってたらコロッと改心して恋人になりました。セックスして終わり。
・のはなルート
球技大会の失敗でケンカしたので謝りに行ったら突然告白されて恋人になりました。セックスして終わり。
・叶恵ルート
球技大会の運営を叶恵のそばで手伝ってたらいつの間にか惚れられてたので恋人になりました。セックスして終わり。
・みゆきルート
なんかよく分からん内に恋人になりました。セックスして終わり。
・ノーマルエンド
いわゆるバッドエンド。主人公が球技大会後にアシスト会の代表を押し付けられるパワハラを受けて終わり。(詳しくは後述)
○問題点
・異次元の薄さ
上記の概要を見れば一目瞭然だが、本作の最大かつ致命的な問題点。というか薄いとか言うレベルではない。
最近のプレイ経験から例えるならば「ギャングスタ・アルカディアのライターが力入れてた部分を削除して、残りを圧搾して味を抜いた搾りかす」と言えば良いか。
まず順に話を追うならば話に起伏が全くない。共通して存在するイベントは生徒会主催の球技大会のアシストを行う部分ぐらいの物だ。
これが全く味気なく、「準備するぞ」→「さぁ球技大会だ」までで共通ルートの半分、つまり20分程度で読み終わるスカスカな描写なのだ。ふざけんな。
例:
準備の過程も「準備している」とは言うが個々人が具体的に何をしているのか、どう進行しているのかが殆ど描写されず、「○○は準備している。俺も頑張るぞ。」
の様な主人公の独り言ばかりを聞く羽目になる。
球技大会を生徒全員に楽しんで貰おうと意気込んで準備始めた結果がこの程度の描写では一体何だったのかという話である。
ユーザーとは対照的に主人公らや生徒達は大満足したらしくアシスト会の評判が改善したらしいが。
ちなみにのはなルートと叶恵ルートの場合話の都合上多少球技大会中の描写が有るが激しく薄い内容なのは言うに及ばない。
さて球技大会以降は個別ルートなのだが、こちらも想像を絶する薄さだ。
球技大会でのアシスト会主催競技である「宝探し」の景品である「定期試験の虎の巻」を作る事になる所で展開がバラける。
(この競技や景品そのものの設定に対するお粗末さは後述。)
が、本格的に虎の巻を作る事を描写し、シナリオに活かしているのはせいぜい朋美ルート位の物である。
朋美ルートに関しては朋美の作った虎の巻案に対し意見が対立してケンカするが、他のルートでは球技大会と同じく「虎の巻作成の準備だ」→「上手に出来ました!評判も上々」
という流れが相変わらずユーザーの預かり知らぬ所で進行する。
で、のはなを除くルートでは虎の巻作り終わった辺りで告白イベントが有り恋人化するのだが、全く意味不明である。
と言うのも揃いも揃って主人公に惚れる理由が明示されず、突然「主人公君好き」→「俺も」→「カップル成立!」の流れで2,30クリック程度で完了するのだ。
特に叶恵とみゆきに関しては本当にいつ主人公に惚れたのか、何故惚れたのか皆目検討もつかない。
前者に関しては球技大会中に一緒に休憩した、後者は一緒にアシスト会で使う服を買いに行った という短いイベントが存在するが、これで惚れたのだとしたら相当な浮気者である。
更に言うと主人公に関するヒロインらの評価は0から始まっておらず、マイナスから始まっている様なのでますます何時そんなに好感度を稼いだのか分からない。(後で説明)
唯一虎の巻以前に告白イベントが有り、一応の惚れた理由を述べるヒロインがのはなはである。
球技大会後に反省会でケンカし、それを謝る所で発生するのだが
主「反省会でケンカしてのはながアシスト会に来なくなった」→主「謝りに行って仲直りしよう」→の「実は一目惚れだったんです!好きです!」
というヒロイン中最も意味不明なタイミングで発生する。
しかも一目惚れという理由を述べているが、のはなが主人公に初めて会った時のセリフは「デカくて怖い面したボッチじゃん(要約)」という物なので更に意味不明である。
恋人化してしまえば後はただセックス三昧。それぞれ取って付けたようなシリアスシーンが有るが5分で読み終わるので気にしなくて良い。
恋人らしい付き合い等も軒並みカット&ダイジェストである。
例(クリスマスデート)
例(冬休みの総括)
特に酷いのが叶恵ルートで、冬休みが丸々カットである。夏が舞台の学園エロゲーで夏休みをカットするのに等しい暴挙である。
以上の様に徹頭徹尾「良く分からない内に話が進んで、良く分からない内に恋人が出来て、セックスしたらエンディングだった」という極薄のシナリオである。
総プレイ時間は結構早く読む自分で4時間程度だったので、遅く読んでも5,6時間有ればまずコンプリートである。ギャングスタ・アルカディアよりも確実に短い。
このボリュームはフルプライスなら犯罪的、ロープライスで及第点と言った程度だが、本作はまさかのオーバープライスである。
同価格帯でこれより薄いクソゲーは今迄見たことは無い。正に異次元の薄さを誇っている。
・お粗末なシナリオ、設定
薄いだけでも致命的なのだが、本作はその小さなボディに目一杯のクソシナリオ要素を内包している。
まず主人公の人となりからしてお粗末極まりない。
他人に関わらない様にするスタンスなのは述べた通りだが、一体彼が何故この信条を持ち実行しているのか分からない。
しかも1年生の時はこのスタンスを通し続けていたにも関わらず、アシスト会に入ると途端に真人間化するのでますます設定の意義が不明である。
加えて「デカくて強面で近寄りがたい雰囲気」との事なのだが、この設定も全く実感が無い。
なんでも彼が昼食を取る場所だからという理由で中庭が不可侵領域と化す程怖いらしいが、作中の主人公からはそんな様子は全く伺えない。
そもそも主人公は身長181cmであり、そんなに巨人という訳でも無い上、エロCG等で映る彼の肉体は中肉中背だ。顔はのっぺらぼうなので判別不能だが。
空条承太郎ソックリだと言うならまだしも一体こんな普通の生徒の何が怖いのだろうか。第一身長181cmも眉唾物である。(叶恵159cmとの比較:
とこの様に本作はあらゆる設定が適当、かつその場しのぎで作られる。
各ヒロインには取って付けたようなシリアスシーンが有ると言ったが、それらが典型例であるので紹介する。
・朋美
急にデレた後に「他人を寄せ付けない様にしてたのは、優しさを裏切って傷つきたく無いから」という愛など要らぬとでも言わんばかりのサウザー理論を突然カミングアウトする。
主人公が慰めるとこの件は解決した事となり以後触れる事は無い。
・のはな
突然呼びだし、「両親は再婚で、義理の家族で良い子を演じるのが辛い」という初耳な情報を告白する。
主人公が慰め、セックスするとこの件は(ry
・叶恵
過労で倒れた叶恵を見舞いに来た主人公に「ナイチンゲールに憧れてた。だからアシスト会を作った。」というアシスト会創設の経緯を突然言い出す。
流石に過労なのでセックスはしないが、主人公が慰め(ry
・みゆき
年明けから突然疎遠になったので問いただすと「進路決定に迷ってて、恥ずかしくて顔を合わせられなかった」と言い出す。
主人公が(ry
この様に設定を必要な時に、必要な物を、必要なだけ製造してシナリオに組み付けるトヨタ式生産方式を採用している。
おそらく純愛エロゲーには山場が必要だと判断してこの様な適当なシリアスをくっつけたのだろうが、そんな所を気にする以前のレベルである。
これらの設定自体も酷くお粗末で、特にみゆきの件に関しては受験生が年明けに何処の学校を受けようか、将来どうしたいか考えてる時点で色々手遅れだろう。
結局受験の数週間前に決め、持ち前の学力で難なく合格するが。
さてクソな設定は語り尽くせないのでシナリオの構成自体の話に移る。
本作はアシスト会として活動するが、作中での主な活動実績は「恋愛相談投書対応」「球技大会開催準備」「虎の巻作成」である。順に見ていこう。
恋愛相談投書は主人公が入会した直後に来る物で、主人公が最初に相対する出来事である。
内容は「先輩を慕っているのだが、そっけなくされて釣れない。どうにかして欲しい。」という物である。
この手の対応は普通投書した本人の話を聞きに行く物だと思うのだが、アシスト会では「主人公を先輩に見立ててアシスト会のヒロインを日替わりで当てて落とす方法を考えよう」
という明後日の方向へと話が進む。ついでに主人公のボッチも治せるという事らしい。
まず主人公を先輩に見立てた所でなんになると言うのだろうか。投書が求めているのは誰でも良いから魅了する方法では無く、特定個人の話なのだが。
結局この話はヒロイン達と適当に弁当食ったりするだけで特に収穫は無い。更には投書したのは小僧だというクソみたいなオチもついている。
球技大会は毎年秋に開催している物で、今年は人手が足りないのでアシスト会に手伝って欲しいという生徒会の依頼と、同時に運動が苦手な人でも気軽に
参加出来るようなエキシビジョン的な競技を考案、実施してくれという物である。
手伝いの方は順当に手伝いをしているので普通だが、非常に悪いのがエキシビジョンの方である。
アシスト会が考案したエキシビジョン競技は「宝探し」と称する学校内に隠したボールを探し、見つける物なのだが、どう考えてもそういう物を要求されていない事は明白である。
実際作中でも「球技じゃねえだろ」という反対意見が有るのだが、何故か強行採用される。
ルールも各ルートで違う準備をした訳でも無いのに全く違う。あるルートでは数百個単位と思しきボールをクラス単位で集計しているのに、他のルートでは7個しか存在していなかったりする。
のはなルートではボールの色毎の得点配分を間違えてゲームバランスが崩れている事を隠蔽するために、クイズ番組の「最終問題は100万点!」とでも言うような
高得点の金色ボールを急遽追加するというグダグダルールぶりである。
アシスト会が蛇蝎の如く嫌われているのは「叶恵の頑張りすぎで親切心が空回りしてるから」らしいが、この様子を見れば本当の理由はこういった適当な仕事ぶりである事は疑う余地は無い。
こんな適当運営だが、のはなルート以外では大盛況の内に終わるのがなんとも言えない。
さて3つ目の虎の巻作成だが、一体どうしたらこんな企画が通るのだろうか。
こちらも作中で「テストは個人の力でやるものだ」「球技大会の趣旨に反する」等と散々批判されているにも関わらず、叶恵が澄香にお願いするとあっさり通ってしまう。
エロゲーワールドだから理屈なんてどうでも良いと言えばそこまでだが、現にルートによってはテストの意義が無くなるので発禁処分になっている。
なお、こちらも全ルート共通で同じような製法、内容なのにも関わらず先の一件を除いては大好評、次回も作成予定という整合性の無さを備えている。
ルート限定で開催される小さなイベントも有るが、他もだいたいこんなお粗末さである。
こんな極小ボリュームの中にここまでクソなシナリオを描けるのもある意味才能だと感じる。
・話の整合性の無さ
上で多少触れているが、本作のシナリオはクソなだけでなく整合性もおかしい。
ADVエロゲーではルート毎に展開が異なり、違う事が起きるのは当然だが全く同じ経過を経ている物については等しい結果が得られなければおかしい。
一番わかり易いのは上の宝探しと虎の巻の末路だろう。
この両者は共通ルートに噛んでる事もあり、主人公がどのヒロインの作業を見るか位の違いしかなく、ルートによって準備段階の話し合いが違う展開に推移するとかそういう事は無い。
なので同じルール、同じ内容、同じ評判になって然るべきなのだが何故かルートにより成功したり失敗したり、評価もまちまちになる。
例えばアシスト会主催の宝探しの参加人数を稼ぐ為に、澄香からお墨付きを与える事を全校生徒に伝えて欲しいと主人公らが交渉するシーンがある。
結果的に参加人数は大幅に増え、エキシビジョンとして大成功というのが本筋なのだが、のはなルートでは人が多すぎて失敗したという真逆の展開を辿る。一体どういう事なのか。
他にも小さい物は数えきれない程あり、特定の選択肢やルートを見ていないと分からない事象がシナリオの前提として組み込まれていたりするので、進行順序によっては超展開が発生する。
・登場人物のウザさ
シナリオがクソなら登場人物もクソである。
そもそもの問題としてヒロイン共のユーザーに対する第一印象が最悪である。
朋美は冒頭で罵詈雑言を吐きながらアシスト会へ来る事を強要するし、他のヒロインも初対面一番「デケえw」「怖えw」「ボッチw」と言いたい放題だ。
その後も事ある毎に主人公がボッチである事を引き出して愚弄する。
それに対して主人公も反論せず黙り込むのが更に腹立たしい。いっそ殴り倒して回った方がユーザーの好感を得られるだろう。
主人公が最初「なんでアシスト会に…」と言うがユーザーだって「なんでこんな女共を攻略しなければならんのだ」と投げたくなってくる。
ヒロイン以外もウザく、主人公を飯製造機としか思ってない妹はセリフの殆どが帰宅した主人公に対する「飯早く~」「○○が食いてえ。作って。」で占められる。
小僧も(絵面の低質さも相まって)相当にキモいのだが、妹と遭遇すると毎回小学生の様な口喧嘩を始める。
この喧嘩はしょっちゅう発生する。これを本気で面白いと思って繰り返してるのだとしたらとんだ病気である。
またアシスト会自体もウザい。
嫌がる主人公に友達づくりの為だと勝手な事を押し付けて強制入会させる時点でヤバイが、過去の実績もかなりキテる。
主人公入会前に起こったアシスト会の実績の一例として「保健室登校の生徒をクラスに馴染ませようと強制的に教室に連行し泣かせた」「図書館利用者数を増やそうと図書館にお菓子スタンドを設置する」
と悪質な人権活動家の様である。
こんなに悪質なのだが、叶恵が現生徒会長の澄香を味方につけている事で解体もされず、やりたい放題なのが更に凶悪さを掻き立てる。
宝探し、虎の巻もそうだが、テストへの風邪による遅刻も免除になるよう漕ぎ着けるのはほとほと呆れ果てる。(
このウザさが頂点に達するのはノーマルルートの最後で、次期代表に主人公を指名する際のやりとりが
「代表になれば嫌でも人付き合い増えるだろw友達づくり頑張れw」「そりゃいいやw頑張れボッチw」
とでも言うノリで一方的に押し付ける。ぶっ飛ばすぞ。
さて、もちろん主人公もかなりのキワモノな一面を持っている。
最早クソゲー主人公には必須とも言える能力だが、個別ルートに入ると突然性獣と化す件だ。
例(女性器の味を再現する方法を考える)
(アソコを見せろと要求する)
(酔った勢いでヤってしまった初体験に後悔し、やり直しのHと称して及ぶプレイが肛門を擦ってイかせる変態プレイ)
ちなみに性獣化するのはヒロインもである。そのせいでコンセプトをぶっ壊してる。(下記参照)
・コンセプト放棄
本作のコンセプトは公式サイトによると以下の3点らしい。
1.甘えベタなせいで素直になれないヒロインがみせるギャップ
2.して欲しいエッチな事を言い出せず照れるいじらしい様
3.田舎町を舞台にしたゆったり感
1だがタイトルにもなっている要素である。しかし本作においてヒロインが甘えベタだと感じたりギャップがどうこう等という魅力はない。
いつの間にかベタベタに惚れているし、連中は物怖じもせず色々な事を主人公に要求する。
ギャップも確かに初期と最後ではかなり態度が違うが、薄さと適当シナリオのせいでどちらかと言うと「豹変」と言うべき変わりぶりだ。(特に朋美)
2は完全に嘘である。ヒロイン共は非常に性におおらかだ。初体験からフェラ、パイズリ等も自分からするし何故かかなりのテクニシャンである。
またかなりのエロシーンにおいてヒロインから積極的に誘う。それが良いかどうかはさておきコンセプトに合致しないのは確かである。
3に関してはそもそもこんな描写はまず無い。
第一学校の名前すらも碌に出ないし、その外の世界についての話なんて殆ど無い。
シナリオの8割程度は部室内で完結するし、登場人物もモブを除けば上で紹介した面子だけなので世界観が実に小さい。
・妙に厳しく、理解し難い選択肢
本作は妙に選択肢の判定厳しい。共通ルートで都合8回の選択肢が有るが、多少違う選択をするとノーマルルートに行く羽目になる。
また各選択肢がどの様な影響をおよぼすのかかなり分かりにくい。
例えば朋美と何処で弁当を食うのかという選択肢では、各場所の説明は特に無く選ぶのだが屋上を選ぶと完全に愛想を尽かされる罠がある。
それ以外にも攻略したいヒロイン以外を追っかける選択肢が分岐に必要であったりとややこしい。
短いシナリオを隠すために難解にしたのかと勘ぐりたくなる。
・グラフィック
ここまでの問題と比べれば瑣末な事だが、グラフィックに多少の難がある。
基本的に美麗でハイクオリティなのだが、部分部分で構図や塗りが怪しい絵がちょこちょこある。
特に顕著なのが野郎の塗り(主人公、小僧)、真正面以外のエロである。
例(一番左の小僧)
(のっぺら主人公)
(どこ持ってるんだ)
(とれそうな胸)
(妙に太い脚)
背景も結構キテおり、パーティー会場が異常に物寂しい雰囲気だし、最も酷いのはパイプ椅子が初代プレステ時代の3Dオブジェクトの様なジャギジャギな物体である所か。
例(アシスト会渾身のパーティー)
(初代プレステ級の椅子)
○まとめ
本作は戯画マインだ。しかし問題は戯画マインである事ではなく、クソゲー界隈という括りで見ても弩級と言うべきシナリオ主体クソゲーである事である。
この様なゴミをオーバープライスで売りつける等という暴挙はエロゲー業界への挑戦と言ってもいいくらいである。
買った感想を言うならば「川田まみの新曲を1万円で買ったらよく分からない画集がくっついてきた」と言った感じだ。
実際主題歌とそれを乗せたオープニングムービーは稀に見るレベルの高品質である。(この選評も主題歌を聞きながら書いている。)
これだけ見るならばかなりの良作に見えるが、その分尚の事悪質なのは言うまでも無い。