309 :ハプニングLOVE!! ◆Ra9j1sVq3.:2016/03/08(火) 00:50:28 ID:9M./WAxw
ハプニングLOVE!!
ジャンル 不器用で可愛い女の子達との学園ハプニングラブADV
ブランド つみきそふと
発売日 2016年2月26日
価格 8800円+税
新ブランドのつみきそふと処女作。
日常に潜むラブハプニングが引き起こすドタバタ劇がコンセプトとの事。
○登場人物
・清水遥夏(しみずはるか)
主人公の幼なじみ。男勝りのパワフルなヒロイン。
・日高ミク(ひだかみく)
主人公の義妹。ツンケンしててクールっぽいが何につけても不器用なドジ。
・白鳥紗奈恵(しらとりさなえ)
主人公が通う学校の理事長の孫娘。
・霧島美咲(きりしまみさき)
主人公の昔なじみの先輩。自由奔放なお方。
○問題点
・溢れ出る既視感
本作のシナリオや設定は全てにおいて既視感有るものばかりである。
初っ端の導入からして「以前住んでいた街に戻ってきた」という一体この条件に合致するエロゲーは何個有るんだというテンプレから始まる。
その後も「転校初日前日に道端で助けた女の子がクラスメイト」と言ったあまりにテンプレ過ぎて逆に見かけにくくなってるような展開が続く。
各ヒロインに関しても「男友達みたいな幼なじみ」「ツンケンしてるけど実は主人公にベタ惚れな妹キャラ」「金髪ツインテールツンデレお嬢様」「エロ担当の自由人」
とやはりテンプレをなぞっているかの様な構成である。
それぞれの展開も予想のレールを外れる事は全く無く、全部どっかで見たような個別ルートの内容だ。
・遥夏
幼なじみヒロインにありがちな「恋人になったら今迄の関係が云々」という話。
・ミク
たまたま主人公が他のヒロインと接触してる所見て浮気だと勘違いして云々。
・紗奈恵
実は幼少時代の初恋の相手…と思っていたが違かった。でも好きですというどんでん返しまでどっかで見たこと有る話。
・美咲
受験勉強もサッパリしないヒロインに同じ進路に行くことを約束して一緒に勉強を頑張る話。
と、「このタイプのヒロインならこういう展開が有りがちだな」というパターンに完全に合致する。
あまりに予想を外れないので初見のゲームのはずなのに何故か前にやったゲームを再プレイしている気分にすらなってくる。
更に本作のタイトルにもなっている「ハプニング」も大変おざなりな物だ。
具体的には「上を見上げたらパンツが見えた」「料理ひっくり返したら白濁液が付着」「トイレに乱入してしまう」と言った物である。
やはりテンプレなのは言うまでも無いが、これらは別にエロゲーでしか表現出来無いシーンという訳でもなく、今の御時世ならば
少年ジャンプですらもこの位は平然とやってのけるだろう。
また数自体もそんなに多い訳でも無く、各ヒロイン毎に2,3つ位である。売り文句にしている割にはいささか不足気味だ。
エロゲー紹介ブログ等では本作の事を「エロゲー版ToLOVEる」と紹介している所が有ったが、引き合いに出すにはかなり厳しいのではないだろうか。
あちらはある種の天才的な独創性を備えているが、こちらはザ・テンプレである。
どちらかと言えば「電撃文庫のコンテストに応募してきたラノベを原作に作ったエロゲー」というべきでは無かろうか。
ただし余りにもテンプレ的、王道的なのでシナリオの質自体は及第点と言えるし、良くも悪くも変な味付けは無いのでエロゲー初心者には向いているかもしれない。
また紗奈恵に関して言えば「暴力奮ってバカバカ言ってればツンデレだろ」という近年の誤った風潮に反するかのように
「本当に意味でのツンデレ」に近い方をなぞっているので、コレは先の誤った風潮に辟易している諸兄にはプラス要素になり得る事は補足しておく。
・演技力
これを問題点として挙げる事はそうそう無いが、本作はこの面でかなり難がある。
登場人物の内、遥夏とミクに関しては何も問題は無い。(ミクに至っては民安ともえなので。)
キツイのが紗奈恵と美咲の両者である。攻略対象ヒロインなので否が応でも登場回数は多いのだが、先の2名と比べ演技力が明らかに不足している。
常時棒読みな上、シーンや心情に考慮された変化等も小さく「決まった口調とリズムで延々とセリフを刻んでいる」という感じだ。
「ワー、コレガオチンチンナノオ?」といった感じでエロシーンでもこの傾向は変わらないので聴き続けているとかなり参ってくる。
またヒロイン以外の女性キャラの方でも微妙感は拭えない。
エロゲー批評空間の情報によると、遥夏とミク以外の声優陣は実績が非常に少なく過去に同人エロゲーに数本出た程度のようで、商業エロゲーでは本作と今後発売予定の
商業エロゲーだけのようである。
比較が民安ともえクラスでは確かに相手が悪いが、単体で聞いてもお世辞にも良いとは言えないので、商業エロゲーとして演技指導を徹底して欲しかった所である。
・チープ感
本作はフルプライスの商業エロゲーであるが、全体的に何とも言えないチープ感に包まれている。
理由は色々あるが、まず上述の通りオリジナリティが無い展開なので猛烈に退屈な点が一因として有る。
ちなみにシナリオライターも自身のサークルを持つ同人活動家である。商業エロゲーでの実績は2年前のシュガーハウスの「おとなり恋戦争!」だけのようだ。
更にこちらも上述の演技力もやはりチープ感にひと味買っている。
しかし大きい要因として絵のクォリティがバラバラで、その塗りや特徴がまさに同人エロゲーチックな所が有る。
本作の原画担当は2名居るのだが、普通に見るだけで2名の特徴が一発で分かる位極端な出来である。
例(非エロでの比較)
(エロでの比較)
本作の塗りは全体的にかなり濃い色使いなのだが、特に後者のタイプでの絵はクォリティ不足が一目瞭然である。
このベタ塗り感は同人エロゲーを嗜むならばあるあるといった感じだろう。
(どっちがどの絵師なのか不明。公式サイトのサンプル画像はどれも前者のタイプだが。)
なお致命的な物では無いが、所々バグっており立ち絵や一枚絵の服装が突然変わったりする。>>904
○まとめ
商業エロゲーの枠組みで製作された同人エロゲーとも言うべき一作。
これでミドルプライス級ならば処女作補正もあってまぁまぁと言った所ではあるが、フルプライスで買うに値する物なのかとなると相当に怪しい。
ちなみに誤解なきよう言っておくが、別に同人活動家や同人エロゲーをバカにしている訳では無い。
ただフルプライスの商業エロゲーとして出すならば相応の出来が欲しかったというだけである。