恋愛教室 選評

ブランド UnN/A
ジャンル 日常系学園ADV
メディア DVD-ROM
原画 雪路時愛
シナリオ 大生直夜、帝
発売日 2017/08/25
定価 9,504円(税込)

選評

【2017】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 6本目
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1502448249/
561: 恋愛教室選評 ◆wT1lR7Pglw :2017/09/02(土) 00:04:38 ID:wsC66glo
恋愛教室
ジャンル 日常系学園ADV(18禁)
ブランド UnN/A(アン・エヌ・エー)
発売日 2017年8月25日
価格 8,800円+税

新ブランドUnN/Aの処女作として発売された本作は、16人のヒロインの中からユーザーの投票によって攻略対象が選出されるという、画期的なコンセプトのもとに発表された。


本作は、インストーラーが起動するまでに数分かかり、仕方なくDVDから直接起動させようとしたプレイヤーは、2GBにも満たない本作の容量を目の当たりにし、ゲームを起動するまでもなく言いようのない不安に駆られる事だろう。
余りにも簡素なメニュー画面(後述)を乗り越え、ゲームを始めたプレイヤーは、転入生である主人公と同じく、理不尽な質問攻めを受ける事となる。
パンツはブリーフ派かトランク派(原文ママ)か、出身は何処か、白米とパンのどちらが好きか、などの至極どうでも良い10を超える質問の、その全てに選択肢を以て答える事となるのだ。
また、これらの質問はのちのルート分岐にも関係なく、殆どの質問における選択肢は、素直に答えるか適当にはぐらかすかなどと言ったものしかなく、その必要性には疑問を感じざるを得ない。
ゲーム開始から十分程度で押し寄せるこれら一連の流れにも感じられるように、危険な香りを漂わせる今作は、やはりというべきか数多くの問題点を抱えていた。

○システム面

バグ

本作には致命的な物を含め、大小さまざまなバグが存在している。
その最たるものは、特定のシーンに突入すると「致命的なエラーが発生しました」という文言とともに発生する、進行不能バグであろう。
幸いこのバグはv1.10によって修正されているものの、自ら宣言した修正パッチ公開の期限を当然のごとく踏み倒したのは新ブランド故の愛嬌であろうか。
パッチ適応後にも、まったく同じ放課後が二日にわたって二度訪れるバグや、地の文とまったく関係のないボイスが流れ出すバグ、喋っている人物の背後に関係のない人物が数人重なるように出現し、一言も話さず消えていくバグ、エンディングにおいて真っ暗な画面に音楽だけ流れ続けるバグなど、細かなバグは枚挙にいとまがない

UI

本作をプレイしているうちに、その極めて簡素なUIにも目を向ける事となるだろう。
ゲーム開始直後たったの4項目しかないメニュー画面
+ ...
や、必要な要素すらも削ぎ落としたバックログ画面
+ ...
等、低価格の同人ゲームですらもう少し凝っているのではないかという始末である。

また、本作にはエロゲ―の必須要素ともいえるシーン回想モードが実装されていない。
セーブしていないHシーンをもう一度見ようと思えば、場面転換の度にいちいち解除されるスキップモードを利用しながらやり直すしかない。

○シナリオ面

シナリオにおける大きな問題点として、とてもではないがフルプライスとは思えない薄さが挙げられるだろう。
特に個別ルートにおいては、パッケージヒロイン二人ですら

お見合いの話が来ました→俺が話をしに行く!→エンディング
この学校が共学になるの嫌!→俺の両親に頼む!→エンディング

といったように、問題に対する始末であり、解決に至る過程についてもエピローグで1,2クリック分触れて終了である。
また、投票によって選ばれた二人においては

妹が風邪をひいたのでそれにかこつけて数日ずる休みしてセックスしました、終わり
学校に通いながらセックスしました、終わり

など、問題が起きる事すらない。

公式サイト曰く
本作が投票で攻略ヒロインを決めるのは、大勢の女の子を相手にすることで内容の薄いゲームにならないようにするためです。
厳選されたヒロインとだけ愛を育み、体を重ね合い、作品の中でしっかりとした恋愛劇を描きます。

とあるが、その内容は薄いを通り越してあまりにもお粗末なものである。
やはり16人もいるヒロインに対して、ライター二人というのは無理があるのではなかろうか。

また、特定ルートにおいて主人公の言動が畜生のそれとなり、
女性に対し、俺は自分の物は大切にする主義なんだ、等とのたまい女性を唐突に物扱いをしたり、
破瓜直前に目覚めたものの、眠っているヒロインの処女を一切の躊躇なく奪いに行く様などには絶句である。

さらに、多くの伏線を投げっぱなしで回収しない。
妹は何かしらの病気である、というような説明をされるが、上記の妹ルートにおいてもそういった部分には一切触れず。
主人公の旧姓のようなものが出てきて、忌まわしい苗字だ、などという言葉が出て来るが、それについても自分を捨てた、等と言う事が1,2文出てきて終わりである。


これら数多くの問題を目の前にしては、第二回投票の少なすぎる得票数や、主人公の鬱陶しい喘ぎなど些細な事であろうか。



このように数多くの問題点を抱えた今作であるが、投票でヒロインを決定する、という前衛的な企画には称賛するべきところも有るかもしれない。
だが、あらゆる方向性でプレイヤーを苦しめに来るその様子は、紛うことなきクソゲーと言えるだろう。
最終更新:2018年01月14日 09:19