617: カスタムcute 選評 ◆Ra9j1sVq3. :2019/08/04(日) 12:28:12 ID:G0oYWz/g
カスタムcute ~俺と彼女の育成バトル!~
ジャンル アドベンチャー
ブランド ももいろPocket
発売日 2019年6月28日
価格 8800円+税
新規ブランドのももいろPocketの処女作・・・であるがももいろPocket自体はKOTYe覇者スワンアイの仲間である。
女に飢えた主人公がヒロインを自分好みに変えるのか、はたまた主人公がヒロインの好みに染まってしまうのか?
というバカ抜きゲーとしては割と面白そうなテーマなのだがあらゆる面がスワンの血を継ぐ作品では最悪と言っていい出来となっている。
○登場人物
本作の主人公。
現在の学園生活をつまらない物と思っており、これを変える為に女を欲している。
脳味噌が睾丸で出来てるのかというレベルで性的な事しか考えておらず、その気持ち悪い言動のせいで周囲の人間からは総スカンを食らっている。
彼がオナニーで性器を酷使しすぎた事で射精障害を患う事が物語のキッカケ。
主人公の幼馴染。
かつては幼馴染らしく主人公と仲も良かったが、現在はオタク嫌いな事もあり主人公を蛇蝎の如く嫌っている。
その割に主人公が射精障害の助けを求めに来ると他のヒロインを引き連れエロ勝負に応じる。
主人公の先輩。
クールビューティーで文武両道な学園生の憧れ・・・
なのだが偶然が重なりそう見えているだけで実際には運動も勉強もからっきしの上に単なるコミュ障である。
主人公の後輩。
見た目は可愛いと評判だが、態度がドライで愛想が無さ過ぎる為に学園では孤立している。
ボッチ同士何かを感じたのか主人公を気持ち悪がりながらも絡んでくる。
学園の教育実習生。
本人は大人の女として格好良くキメたいと思ってるが恥ずかしさに負けて達成出来ずにいる。
○シナリオ
最初に20分程度の共通部分があり、その後4人のヒロインの内誰を攻略したいかの選択肢が出る。
その後は選んだヒロインと5回勝負をし勝ち越せば勝利ルート、負け越せば敗北ルートになる。
大雑把に言うと勝利ルートではヒロインが主人公の好みに染まり、敗北ルートならば主人公がヒロインの好みに染まる。
各勝負の前に5箇所ある移動先を選び、選んだ場所に対応したアイテムを入手出来る。
何のアイテムが有効なのかは各ヒロインの何回戦目かで決まっているが、それに対するヒント等は無く攻略は総当たり方式。
ノンストップで進めれば各ヒロインでそれぞれ1時間もかからない文量である。
ちなみに全員に勝利するとハーレムルートが解放されるが極めて短い。
・桜シナリオ
勝利ルート→主人公のオタク趣味に共感しオタク好きに、更にピュアで献身的な幼馴染になる。
敗北ルート→主人公を肉製バイブとして扱い、挙げ句に他の男の下に走る。
・美紅シナリオ
勝利ルート→クールビューティーの露出狂になる。
敗北ルート→主人公を女装させて可愛がる様になる。
・もののシナリオ
勝利ルート→見た目に合わせて可愛げが有る後輩キャラになる。
敗北ルート→そのままの主人公が良いという事で何も変化なし。
・梢シナリオ
勝利ルート→セクシーで大人の色気が有る女教師になる。
敗北ルート→逞しい肉体が好きという事で主人公を鍛え上げる。
○問題点
まずゲーム内容以前に真っ先に目に付く問題点がコレである。
本作の製品版はグラフィックが非常に低画質・・・というか低解像度になっている。
タイトル画面からして既にジャギってるしコンフィグに至っては文字が潰れている。
もちろんゲーム本編でもジャギジャギだ。
体験版ではこの問題は発生しておらず製品版のみに起こっている現象となっている。
公式ではこの件については何もアナウンスしておらず、当然修正パッチの類も存在していない。
しかしながら体験版から特定のデータ(globalgamemanagers)をコピーし製品版に上書きする事でなんと解決出来てしまう。
Unityエンジンの詳しい仕組みは分からないが、おそらく元データの解像度が低いのでは無く描画設定が狂った状態のままマスター化して製品にしたので発生したのだろうか?
兎にも角にもこの様な現象はKOTYeの世界でも類を見ない物であり非常に興味深く、かつ酷いクソ要素であろう。
低画質の件はさておいても本作はあらゆる面がお粗末な出来である。
のっけからして起動すると堂々と「Made with Uniry」のロゴが出てくる始末だ。
Unityで製作するのが悪い訳では無いが流石に製品版では起動ロゴ位消したらどうだろうか?
(もしくは無料版Unityでも使用していて消せないのか?)
全体的な挙動も確定エラー等こそ無いもののかなり不安定である。
シーンの切り替わりでは意味もなく立ち絵や背景が明滅するし、セーブロードも妙に時間がかかる。
スキップしているとより不安定となり「text_num」という謎の文字列がメッセージウィンドウに現れたりとハングアップ寸前のプラグラムの様である。
UIもゴミそのものでコンフィグ設定は必要最低限のギリギリしか無い上にバックログもジャンプ等が無い化石仕様。
そもそもUIの表示自体が低画質のせいで非常に判別しにくい。
またヒロインとの勝負前に行く場所を選択するマップ画面も凄まじい出来だ。
まず右下にセーブロードが出来そうなアイコンが有るがコレはただの模様であり実際には触れない。
すなわち選択肢前で一旦セーブという事が出来ないのだ。
このマップも実際に選べるのはバラエティショップ、電器屋、アダルトショップ、大型スーパー、アダルトビデオ店のみで他の場所は選択出来ない。
更に製作者の素性が伺える物だが、ゲームの至る所に所謂「中国語フォント」が混じっている。
一例として攻略ヒロイン選択肢の場面を見てみよう。
この場合美紅の「紅」が中華文字になっている。
本作の売り文句の1つにLive2DでイベントCGが動く事が有るのだがコレも酷い。
Live2Dで動くのは実際には各ヒロインに1,2回だけだし、動き自体も取り敢えず動いてますと言わんばかりの単調な物である。
低画質なのも相まって見栄えは最悪。
かつてのスワンゲーでも話の中身はさておきプログラム自体は最低限の体裁を成していたが本作はそれすらも放棄している。
本作の話の軸を成しているヒロインとの勝負であるが、シナリオ的な物は後述するとしてゲーム的に全く面白くも無い苦行と化している。
前述した通り攻略したいヒロインを選ぶと5回勝負が発生する。
この様な画面が唐突に出てきてヒロインにその回の勝負で提示アイテムを選ぶ事となる。
選べるアイテムはマップ画面で行った場所に応じて増える。(全5種類)
しかしながらマップで行き先を選ぶ時点では次の勝負に必要なアイテムが何か分からないので何処に行くのが正しいのかも何を勝負で提示すれば良いのかも分からない。
これについては仮に失敗しても正解が分かる訳でも無いので自力で攻略しようとすれば総当たりでの対応を余儀なくされる。
どの位攻略が複雑なのかは文では説明しきれないので、下記の攻略サイトを見て欲しい。
http://seiya-saiga.com/game/momoiro-pocket/customcute.html
で、この様に正解を知ったら知ったで後はそれに従って進めるだけでやはりゲームとしての面白みは皆無だ。
結局の所勝負というシステムで偽装しているだけで無駄に多くの選択肢を埋め込んでいるだけである。
前述の通り最初の共通部分はせいぜい20分、各ヒロインのルートも正解を知って読み進めても1時間がいかない。
合計で4時間は持たないだろう。
勝負の異常な難しさはこういった薄さを隠匿する為なのかも知れない。
ちなみにインストール容量は1.18GBである。
本作は売り文句からしてスワンお得意のバカ抜きゲーなのだが、それを勘案してもシナリオや人物描写が目に余る。
まず主人公が最悪であらゆる行動を性に結び付けないと気が済まない。
最早スケベとかそういう領域では無く完全に病気の人である。
バカ抜きゲーの主人公である以上は常識人でも困るのではあるが流石にコレは酷すぎである。
ヒロインもヒロインでよく分からない連中揃いで、主人公が射精障害で完全にチンコが死ぬ前にセックスしたいと泣きついただけで
今まで蛇蝎の如く嫌って居たのにアッサリ協力的になり勝負で負かしたらセックスしてやろう等と言い出す。
行動方針もブレブレで例えば桜はオタクが大嫌いという設定なのに、主人公が「これを着たらオタクにだってモテるぞ!」とコスプレ衣装を渡すと喜んで着てしまう。
その他にも触るのすら嫌という話だったのに勝負に勝とうが負けようが性行為に及ぶ。
内容も普通のセックスや手コキなんて物ではなく主人公の精液でシャンプーしたりアナルにバイブを刺したりと主人公が要求すれば何でも応じる。
主人公は絶対服従のギアスでも持っているのか?
もちろんこれらの現象に対する説明も言い訳も作中では存在しない。
これに比べれば「そして・・・僕は変身能力を手に入れたのだった。」と状況説明してくれるリア充爆発しろは傑作と言えるだろう。
ちなみに話の発端である主人公の射精障害だがヒロイン選択後はアッサリ忘れ去られビンビンに勃起するしドバドバ精液も出る。
スワンに出来ていた事が出来ていないももいろPocketだが、エロシーンにおいてはその血筋を遺憾なく発揮してる。
伝説の「ずっぷ!ずっぷ!ああもう出そう」を彷彿とさせる独特なセンスの擬音がエロシーンでは炸裂するのだ。
・ぬっぷ!ぬっぷ!ぐぷんっ!ぐぷんっ!ぐぷんっ!
・にゅるるっ!にゅぷぷっ、ずにゅるるっ、ずぷぷっ!
・じゅぷぷっ、ずぶぶーっ。にゅぷーっ、ニュブブーッ!
間違いなくスワンの子孫であろう。
エロシーンの展開自体もこの擬音を混ぜながら
「ぬっぷ!ぬっぷ!→うぉおおお~気持ち良い~!→ぬっぷ!ぬっぷ!→ああもう出そう」
のまんまでやはりお馴染みパターンの繰り返しだ。
高坂もののはドライで愛想が無いという設定ではあるが、それを差し引いても声優の演技力が低く単に棒読みしてるだけにしか聞こえない。
批評空間のデータでは本作がデビュー作のようである。
○まとめ
本作をスワンアイの一作とカウントするならば、間違いなく歴代でも最低クラスの出来である。
スワンアイの過去作と同じく本作もエロシーンと絵の数こそフルプライス相応であるが、低画質問題が有るので「絵は有るから・・・」という言い訳も難しい。
ハッキリいってこんな物をフルプライスで販売するのは犯罪だと思う。
検証する場合は自分と同じく捨て値の物なり中古品なりでやる事をオススメする。