303: 名無しさん :2019/10/25(金) 17:02:38 ID:tHPp4VnU
ネコ神さまと、ななつぼし
発売日:2019/02/22
原画:すいみゃ
企画・シナリオ:丸山 剛
音楽:槇タケポン
金額:3,500円(税別)
ジャンル:ネコとの心中超絶神回避ADV
本作品はSWEET&TEAの第3作目で安定したシナリオで2作品で立ち位置を獲得していたのだが......
〇ストーリー
お姉ちゃん、おはよーっ!」
あざやかな金髪とネコミミを備えた、種違いで最愛の妹・青葉英梨歌が、
今朝も姉である男、怜司の部屋を元気に訪れていた。
そう……男。
兄である怜司は正真正銘の男なのだが、妹の姉なのである。
そしてネコミミも正真正銘のネコミミであり、
とある切っ掛けで出たり消えたりはするものの、取り外しはできない。
少々複雑な理由からこうなってしまっているのだが、
当人である怜司はあるがままを受け止めており、
訂正もしなければオネエ言葉も話さずに日々を過ごしている。
とはいえ、これが青葉家の日常かと言えば、そうではない。
妹は、兄のことを “お兄ちゃん” と呼ぶべきであるし、ネコミミも無いのが当たり前である。
自身の抱えるカケラの問題をどうにかすれば、英梨歌のことも解決されるはず。
そう考え、今日も怜司は元気に苦悩するのだった。
〇登場人物
青葉 英梨歌(あおば えりか) CV:鹿野まなか
金髪碧眼が美しい舞広学園の有名な1年生で、怜司とは血の繋がった妹。
だが、その見た目からもわかる通り、白人とのハーフで兄の怜司とは種違い。
怜司や風子、ペットのぷーちんの前では明るく無邪気に振る舞うが、
他の人の目がある場所ではピシッとしている。
才色兼備、文武両道、さらに絵の才能もあふれる完璧超人(同級生談)
自宅ではなぜか、兄のことを「お姉ちゃん」と呼ぶ上に、時々ネコミミが生えていて……
鈴白 咲妃(すずしろ さき) CV:春乃いろは
舞広学園の2年生で、怜司の憧れの人かつクラスメイト。
去年、遠方から引っ越して来たばかりのために、以前からの友達は皆無。
それもあってか、誰とも群れない孤高の人で、
地味な見た目にも関わらずクラスでは若干浮き気味。
怜司とは所属している委員会が同じなので、
そこでのみ薄い交流があるが必要最低限以上の会話は交わさない。
時々、怜司に鋭い視線を向けていることがあるが、その理由は誰にもわからない。
奈々原 風子(ななはら ふうこ) CV:藤咲ウサ
尊大で少し頭は悪そうだが、妙に頼りになることのあるネコミミの女の子。
自らを神と自称しており、事実、怜司の窮地を不思議なパワーで救ったことがある。
だが、その際、怜司の身体の中に神の力のカケラを残していってしまったため、本来の力が出せずにいる。
この事態を打開するため、怜司と協力し、元に戻るべく奮闘する。
ぷーちん CV:藤咲ウサ
つい最近、青葉家の家族になったばかりのペット。
一応ネコらしいのだが、見た目は完全にUMA。
もしくは、不思議なぬいぐるみ。
“ぷにゃ~” と鳴くので、飼い主である英梨歌が「ぷーちん」と名付けた。
実は、この小さな身体に大きな秘密が隠されている。
青葉 怜司(あおば れいじ)
舞広学園に通う2年生。目つきが悪く、
周囲から敬遠されがちなタイプだが、別に不良でもなんでもない。
男子連中とは良好な人間関係を築いているが、
妹の英梨歌を除いた女子からは怖がられている。
妹からは「お姉ちゃん」と呼ばれているものの、正真正銘のオス。
後藤 誠
怜司のクラスメイトであり、小さい頃からの友人。
チャラついた格好と若干の強面で、一見すると敬遠されがちだが、面倒見の良いヤツで男にモテる。
隣に目つきの悪い怜司がいると、相対的に自分が優しそうに見えるため、密かに利用している。
だが、女子連中からは2人ひとくくりで「怖そう」と言われていることを、本人は知らない。
怜司は知っている。
CV:吉野一平
高橋 有希
舞広市に住む、謎の人妻。
商店街のスーパーで怜司達と出会うのだが、余り場にそぐわないオシャレな格好をしており、強く怜司の印象に残る。
基本的には標準語を喋っているのだが、端々で関西方面らしき訛りが出る。
ぷーちんに興味を示している辺り、英梨歌の美的センスに近いのかもしれない。
CV:奥川久美子
〇問題点
ざっとまずあらすじをまとめると、雨の日に妹との帰り道に主人公は神社のそばで野良猫(のちにぷーちんと名付けられる)を見かけて飼い猫かもしれないからと妹をなだめて帰宅後雨脚が強まってきたため、心配になり野良猫のいた場所に戻ると社の中に隠れていたのを見かけて階段を上ったところ飛びつかれた拍子に落下して死亡。
そこから野良猫改め風子(ぷーちん)との同居が始まり、妹を始めとした周囲に暗示をかけて生活を始める。
しかし、主人公は自称神の風子から自分は7つのカケラで出来ていて、そのうち3つを主人公の延命措置に頭の中に入れていることを告げられる。
そして、残り1ヵ月の間に主人公からそのカケラを出さないと双方死亡する事実を告げられて主人公の精神が死んだ状態であるから心に強いショックを与えれば出てくるということが分かり生き残るために方法を模索するというもの。
まずこの作品は同級生やスーパーで会った人妻、自称神を除いて妹√のみである。
序盤から日常シーンは殆ど主人公が奇行に走って自分でツッコむという流れが大半である。
モブやサブヒロインのキャラがかなり薄く、それだけにもったいない素材と感じてしまうところもあるがこの程度許容範囲内である。
実際作品としてはそれなりにまとまっていたのだが、作品の地雷性が問題である。
全ての元凶は自称神猫の風子にある。
まず結論から言うと風子は神ではなく、寄生虫である。
そもそも猫の死骸に入っていただけで主人公が死にかけたのも殺して寄生しようとしていたが中途半端に生きていて抵抗されたら面倒であるから自身のカケラを中途に残して治療してからちゃんと殺して寄生するためである。
また、主人公にはカケラが全部出てきたら心がショックで鍛え上げられて完全復活と言ったが実際には全部出てきたら事故後に戻り死亡である。
そしてストーリーでは、主人公から順番にカケラを出すために通りすがりの自殺志願者を利用して崖から突き落としたり、主人公の感情を操作して妹に対する感情を家族から異性に変えたりと言った暗示をかけていたと胸糞展開が続く。
妹との付き合うきっかけに妹のトラウマのかつてのいじめっ子に合わせるために妹に主人公の幻覚を見せて襲われるようにしたりなどそもそんなネタ晴らし要らないよ展開が続いたが、最後の最後に主人公が殺されかけた時にかばって死にかけた妹を助けるために風子の弱点を突き、取引をして主人公と妹の体に風子のカケラを分けて入れて延命してエンドである。
ちなみに主人公が吐き出すカケラも虫のような形をしているのだが、体験版やホームページでは分からないためただの地雷作品と化してしまった。
この問題の風子やサブヒロインの素材が良いものであったからこそそこに目をつけていた方々の心を折るには充分であったであろう作品である。
そもそものジャンル『ネコとの心中超絶神回避ADV』ではなく正確には『寄生虫殺人計画ADV』であればこのようなことはなかったのかもしれないのであった。
あと男の猫耳とか需要無いので止めていただきたい。