崩壊天使アストレイア 選評

ブランド DigitalCute
ジャンル 負けたら凌辱!絆で戦う魔法少女カードバトル
メディア DVD-ROM
原画 水上凛香、こうぐちもと、刑。
シナリオ 澤柾機
発売日 2019/01/25
価格 6,800円(税別)

選評

【2019】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 4本目
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1577663406/
76: 崩壊天使アストレイア 選評者 :2020/01/05(日) 18:09:16 ID:L8So1yFg
崩壊天使アストレイア

ブランド:Digital Cute
定価:¥6,800 (税込¥7,480)
発売日:2019/01/25
メディア:DVD-ROM
ジャンル:負けたら凌辱!絆で戦う魔法少女カードバトル
原画: 水上凛香、こうぐちもと、刑。
シナリオ:沢柾機

〇ストーリー

『死喰(しくい)』
その存在を知った日から、俺たち兄妹の生活は一変した。

特別幸福だったわけではないけれど、
それでも平凡に平和な日常を送っていたはずだった。
あの日の晩も、好物のハンバーグの材料を買って、
妹のひーなと二人で、のんびり帰り道を歩いていたはずだ。
うちの玄関先にうずくまる、異様なシルエットが見えてくるまでは――

タコのようなその生物は、唐突に膨れ上がって、
俺たち兄妹を圧倒的な力で吹き飛ばした。
俺はパニックになる中、ひーなを必死に抱きかかえながら、
『死ぬ』ということだけははっきりと理解できた。

「それ以上はやめておきなさい!」

そのとき、ヒーローもののお約束のように、誰かの声が聞こえた。
でも現れたのは頼れる謎のヒーローではなく、クラスメートの愛原希で、
これじゃあ犠牲が増えるだけだと、俺は愛原を庇うように前に立って――

「本当に手伝ってくれるの? よし、その気持ちでオッケー! 動かないでいて!」
「えっ、おおおおお!!??」

俺の体が溶けて、どこかに吸い込まれていく感覚――

「(何だコレ!? 結局俺は死んじゃうのか!?)」

そして気がつくと、俺は愛原と合体して、タコの化け物を撃退していた。

「っしゃあああっ! 星乙女アストレイアは! 勝つ!」

ガッツポーズを取る、魔女っこアニメのような衣装になっている合体愛原。
平凡だった日常が、終わった瞬間だった。


〇問題点

一番の問題点として大量のアップデート対応である。

本作品はバトルシステムを売りに発売されたということもあり期待していたユーザーを大きく裏切る結果となった。
まず、基本的な流れを説明する前にイベントドローについて説明しなければならない。
イベントドローとは、複数のカードの中にイベントスター・死喰・行動無しの三種類のカードを神経衰弱のように選んで発動する。
このドローでイベントスターを引けないとキーストーリー等のクエストであれ発生しないという致命的な欠点がある。
このドローは一日の朝昼晩の三回のフェイズとイベントアイコンの際に毎回引くことになり、プレイヤーが行うことはひたすら直前セーブして失敗したらクイックロードする行為を延々と続ける。
このドローでは一度使用したスターは失敗しても一つ失われ、キークエストを見られないと物語の分岐に大きく影響を及ぼすため見過ごすことも難しい。
このクイックドロー地獄を行ったとしてもイベントアイコン等の重要性が分かりにくかったり、テンポがかなり遅いということもありアップデートで改善されていったがランダムで選ぶことを放棄してイベントドローを自由に選べるようになった。
しかも、イベントドローに星が非常に少ないときが多くて1/6や1/8となることも非常に多い。

  • イベントドロー

+ ...

  • マップ

+ ...

また、カードバトルゲームにも関わらずHPは一日共有の仕様でイベントスターで回復できる点もあり、ドロー出来ない場面での不利な点は改善されていなかった。
章ラストのイベント発生時にボスを早く倒すように促されたりするが、イベントが発生していたりしているときにボスを倒してしまうとその章のキーイベントを見損ねてしまうというポップアップ詐欺が起きることもある。

ゲームバランスもおかしく、簡潔にまとめると『土地ゾーンに土地を置くと勝手にマナを全消費される割に相手は速さ次第で3~4つ平気で土地を同時におけてマナ1消費で1ドローできるMTG』である。
自分もタイムラグを使用してマナ発生カードを2つ同時に置くことも可能だが、相手の効率の良さには敵わずラストに近づくにつれて非常に困難な難易度となっている。
メーカーもこれは流石にマズイと思ったのか、難易度やバランス調整を行っていたのだがボスの討伐分岐である死喰凍結薬を使用して勝利するか通常勝利するかを見ないといけない為、ひたすら条件に合わせてバトルすることが苦痛となる。
中でも、主人公の親友を専用薬で助けるバトルはバトル中に作成してフィールドの自陣のモンスター数のダイレクトダメージを与える専用カードでトドメを刺さなければいけないのだが、相手のテンポが異常で多少の戦力ではフィールドが焼け野原になって連打されてしまう。
かといって、強いカードを出すと逆に親友のHPをオート攻撃で仕留めてしまうことになりタイミングが非常にシビア。
条件勝利が多く、同じバトルを延々と何度もやらされてしまうことでクレームが出たのかとうとうバトルが売りであったにもかかわらずバトルを条件込みで全スキップできる機能を実装。

アップデート対応を繰り返した結果、本作品の売りを全て無かったことにするという末路へと至ったのである。

また、ラスボス以外の個別ルートはほぼ中途半端に終わりバッドエンドのようになっていたり、イベントの発生タイミングがバラバラで時系列無視や設定の説明が既に行われたような振る舞いの進行に頭を悩ませる問題もある。
説明を飛ばす部分が多くていかにも後で重要のように語られたアイテム等もスルーの中、食事などに関しては画像をわざわざ用意してある食レポ性能は前作から引き継がれているのであろう。

  • いつもの食レポ①

+ ...

  • いつもの食レポ②

+ ...

  • いつもの食レポ③

+ ...

設定面もだいぶ雑でヒロインの変身能力は父親に改造(吸血虫の卵の埋め込み)されたからという説明だったが主人公と合体できるのは主人公の体質があるからというだけで詳細はあまり語らず、耐性があるから理由でだいたい済まされてしまう。
センタイアースなどの特殊部隊の説明やほかのヒロインの背景、その他の装備周りの説明しました感がありながらハテナマークを浮かべることが非常に多いことこの上ない。
Hシーンの導入もエロキュート店長の彩香からのアプローチからはともかく、ヒロインの父親のAIによる集団催眠空間でのHシーンが多くだいたい父親AIの催眠で解決できるのではなストーリー展開も若干見られる。

  • 主人公の足......

+ ...

  • 〇んぽ増殖催眠

+ ...

CGも多少構図がおかしいものもあるが比較的Hシーン面は許されるものがある。

しかし、バトルがとにかくつまらない。
基本はアタッカーとディフェンダーと魔法、カウント魔法の中で基本はアタッカーとディフェンダーを駆使して進めていくのだが、先ほど相手の効率の良さにシステム的に勝てない部分があり出したら他のカードを呼んでくるものを多数入れて数の暴力で殴り倒す以外だと非常に困難を強いられる。
そもそも相手は可能な限りほぼ同時に出すことができるため、タイムラグが無くコスト周りの速さで勝てる見込みはほぼ無いに等しい。
なので、基本の戦略は『イベントスターでHPをカンストさせて場に出たら増殖するカードで殴る』である。
コストも専用カードを引けなければ使えないため、高コストはほぼ確実に使えないため存在が空気となり自由度は一切ない。
設置型も10秒待ちという無駄な時間が存在することが多く、場が6つまでしか出せないため存在意義が皆無なのである。


〇まとめ

作品の売りの否定で凡作にも落ち着けない理由の大部分が売りであったバトルへの若干の期待であったところを理解して次回作を作っていただきたい。
なにより、アップデートによる放棄はメーカーから見捨てられたように感じるものがあるためただのクソゲーで終わらせていた方が幸せだったのかもしれないとプレイしていて感じたものである。
最初は本作品はプレイできない訳ではなくなっているという点でスルーをしようとも思ったが、根本的にぶん投げてクソでなくなるならこの世のクソゲーは存在しなくなるのではないかと思い、結局アウトであった。
最終更新:2020年02月16日 10:50