タイトル |
神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~ |
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ブランド |
DESSERT Soft |
ジャンル |
絆を深めるおとぎばなしADV |
メディア |
DVD-ROM |
原画 |
憂凪あまね/狐ノ沢/ひなたもも/YU-TA/Go-1 |
シナリオ |
夜明瑠璃、森間まりも、ヴィシル、鬼ごはん |
発売日 |
2020/1/31 |
価格 |
9,500円(税抜) |
選評
125 名前:神様のしっぽ 選評者[] 投稿日:2020/03/09(月) 20:19:09 ID:x2sn0J5Y
神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~
ジャンル : 絆を深めるおとぎばなしADV
発売日 : 2020年1月31日
価格 : 9,500円(税抜)
企画・ディレクター : 鬼ごはん
キャラクターデザイン・原画 : 憂凪あまね/狐ノ沢/ひなたもも/YU-TA/Go-1
SD原画 : 野愛におし
シナリオ : 夜明瑠璃、森間まりも、ヴィシル、鬼ごはん
音楽 : Offshore
〇あらすじ
日本の片田舎に、十二支を祀る神社があった。
その神社の名前は、天部神社。
神様が見守る町――天部町。
そこに住む青年「天部 秋成」には、誰も知らない不思議な力があったのじゃ。
それは、動物の言葉を理解できるという力。
人一倍動物好きな彼はその力を使い、楽しい毎日を送っておった。
しかし、そんな日常はある日を境に一変する。
神社の倉庫で見つけた謎の石盤に何気なく宝珠をはめると、次々に異変がーー。
神社から突如として消えた十二支像。
それと入れ代わるように現れた十二支の少女たち「干支神」さま。
ひょんなことから、そんな彼女たちと奇妙な共同生活を始めることに。
じゃが、秋成と彼女たちは’’人’’と’’人ならざるもの’’。
その関係に戸惑いながらも、動物好きな彼は少しずつ彼女らと仲良くなっていく。
二人だけだと広すぎた浅葱家の食卓。
そこをみんなで囲みたいという幼馴染「浅葱 蓮華」の願い。
人一倍『本物の家族』に強い思いを持つ秋成は、その言葉を聞き、
みんなと『家族』になりたいと決意するのであった。
もし、もしもじゃ。
十二支誕生のお話に続きがあったとしたら
万に一つの奇跡が起きて
十二の干支神が‘‘人’’の身体を持ったとしたら……
果たしてどんな日々になるのじゃろうな。
これは、そんな奇跡のような出来事を綴った物語。
さあ、幕開けの時じゃ。
十二支とのおとぎばなしのはじまり、はじまり――
〇問題点
全体的なシナリオとしては、実際のところ悪いとは言えないこの作品。
問題点を言ってしまうと作りこみがお粗末なところである。
本作品の攻略ヒロインは干支の擬人化の12人と主人公の幼馴染であるのだが、この時点で大体お察しの付く方もいるだろうがキャラクターが多すぎたために予算の都合上か立ち絵差分が皆無である。
それどころか、各キャラクターの一枚絵はHシーンを除いて一人に1~4枚程度しかなくSD絵などで誤魔化されていてモブはもちろん立ち絵なしの状態である。
そのHシーンもキャラクターが多すぎたためにとりあえず入れましたという体裁だけを感じるものがある。、
差分がない影響のせいで食卓に料理のみ大量に置かれていて誰もいない構図はかなりシュールなものを感じさせる。
Hシーンなどの数少ない一枚絵も服装の特徴が統一されていないなどの問題もあり、作成過程のチェック不足が垣間見える。
次にシナリオだが、冒頭で干支の新年のあいさつをする動物たちの中で猫だけ騙されて日付を間違える夢を主人公が見て目覚めるところから始まる。
この作品の主人公はこの猫の生まれ変わりで捨てられていた神社にある干支像に親近感を持ち、毎日大切に扱う何故か動物の言葉が分かる青年である。
ここまでは良いのだが、メーカー恒例の寒いパロディなどが動物たちから連発されて序盤から精神を削ってくる。
その後、偶然倉庫で見つけた石板に偶然手元に回ってきた玉を入れて一晩経つと神社の干支像が無くなり主人公の干支像と話してみたいという願いと干支の感謝の気持ちから人の身を借りたり変化などをして顕現する。
しかし、共通ルートではその思いで姿を現したというのに何かと理由をつけては顔を合わせず話さずで食事にすらなかなか集まらないという非常に違和感を覚える状況で各ヒロインを説得して回るというシナリオになっている。
共通ルート後のシナリオであるが、各キャラクターシナリオの分岐をひたすらフラグブレイカーしていくシステムとなっている。
設定面を語りたいがためにキャラクターのHシーン分岐手前でフラグを折ることで別のヒロインのシナリオに移るシステムとなっており、キャラクターの実質的な個別ルートはそれぞれ非常に少なくなっていてこれではキャラクターへの思い入れも何もあったものではない。
その有様からトゥルー√だけ残してすべて個別が蛇足とまで言われる始末となっている。
ヒロイン間のシナリオの長さにも大きな差が出ており、作りこんであるヒロインと、
作りこまれていないヒロインで、
明確な差が生まれてしまっている。
このような状況下でキャラクター人気投票などをやっているので正気なのかと疑ってしまうものである。
〇まとめ
各ヒロインのシナリオを適切に管理することの大切さを教えてくれる貴重な作品である。
完全なクソとは言えない良い素材もあるのだが、素材で終わってしまっているため次回作に期待したいところである。
よくある『この人が攻略対象なら良いな』と思うようなサブキャラとは対称に『こんなにヒロイン要らないよ』と思う作品もまた珍しいことでコンセプトの段階で予算周りを考えなかったのだろうか......
私個人としては12人ハーレムなどで適当に誤魔化すことをしなかった点だけは評価したい。
一部訂正
129 名前:神様のしっぽ 選評者[] 投稿日:2020/03/09(月) 20:29:24 ID:x2sn0J5Y
『冒頭で干支の新年のあいさつをする動物たちの中で猫だけ騙されて日付を間違える夢を主人公が見て目覚めるところから始まる。』と書いたが、修正し忘れてました。
正しくは『ヒロインの一人の回想から』です。
最終更新:2020年11月26日 23:13