230 名前:LOVE・デスティネーション 選評者[] 投稿日:2020/03/28(土) 16:46:57 ID:oZrT2Q8w
LOVE・デスティネーション
ブランド:JADE
定価:¥8,800 (税込¥9,680)
発売日:2020/02/28
ジャンル:死に戻れた2周目でモテモテライフを夢見たら、そこは全員バッドエ ンドのハーレムルートだったADV
原画:あげきち、夏月まりな(SD)
シナリオ:FAZE and JADE screenwriting team
○あらすじ
地位にも金にも♀にも全く何の縁の無いBAD ROUTEのまま、
【天の声】よる手違いでBAD ENDを迎えてしまった主人公。
不祥事の隠蔽を謀った【天の声】によって、“別の可能性”に繋がる分岐点に戻されると、そこには……
現役時代は♀目当ての変態扱いがイヤで選べなかった、
[♂のいない“元”女子学園への入学]なる選択肢があった。
BAD ROUTEに至ると知っている方を避け、“元”女子学園生活に飛び込んだ主人公は、
紆余曲折の末、何人もの美少女と“後は選ぶだけ”に!!
BAD ENDを回避したからHAPPY ROUTEだらけの世界になった~♪
と思いきや、“未来の記憶”を思い浮かべてみれば、
彼女らみんな、存在しないかBAD ENDに堕ちそうなんですけど!?
このままだとロクでもない結末になると知っている♀らと、
[前の選択肢に戻る]事ができた♂が進むべきROUTEとは……
何もしなければBAD ENDだらけと知っている世界で、
因果律に逆らうささやかな羽ばたきが、今、始まった。
◎問題点
〇システム面
まず開始をしていてすぐに目につくのはふりがなと必要のない強調点である。
読み進めていくうちに明らかにふりがな前提の文章形体となっていて、必要のない強調点がただただ鬱陶しいの一言に尽きる。
ふりがなだけが問題でもなく、ひたすら適当な文章や会話がふんだんに練りこまれた読みにくい文章にふりがなと強調点が加わるだけで内容以前の問題で疲労を感じる。
内容も一言で済む内容をぐだぐだと変な理屈が混じるせいで長くなり、まとまらない。
全ての漢字にふりがなを振られていて、関係のない感じに別の意味のふりがなが多いことから『間違った誤訳日本語学習ドリル』と呼ばれてしまっている有様である。
バックログにはふりがなが反映されていない為ほぼ怪文章と化していることもよろしくない。
必要のない記号や()も多くあり、やたら漢字をカタカナで読んでいることが痛々しく、やたら♂♀を使いたがりかなりくどい。
OPが無いなどのところどころの予算カットも見られる。
〇ストーリー面
主人公は現実から目を背け、環境に流される生き方が一番楽であるという事流れ主義こそ処世術である大人になったが、国は汀という元アナウンサーから総理大臣まで成り上がった人物に全ての権力が集中していた。
国の経済は致命的状況でありながら汀によって法律から何から全てを引っ掻き回されて電車に乗るのにパスポートが要り、名前はアルファベットと絵文字のみ、国の土地の切り売りなど滅茶苦茶なことをしていても誰も咎められないように国全体がおかしくなっていた。
そんな中、従妹の眞優梨の結婚式の帰りにトラックに轢かれて死亡。
天の声という存在に嫌なことがあった憂さ晴らしに死亡予定リストから適当に体が残らない状態まで木っ端微塵になる運命を名前間違いの手違いで与えられてしまい、その不祥事を隠すために主人公の運命が完全に変わる瞬間の過去に記憶を残したまま精神を送って数合わせすることになった。
過去に戻ると過去の病院で入院していた自分の共学になった女学院への転入話から入学を選択したが、その後4か月の間に『事流れ主義』によりほとんどの人に気にされない地位を獲得していたが
そんな生活を送っていた中、風呂場の盗撮がされていることに気づき捕まえようとするも失敗。
犯人が落としたスマホに残っていた動画から盗撮と疑われて眞優梨のオナニー現場を目撃したことがバレてしまい、恋愛小説の参考資料として終業式までに誰かと付き合うことを強要される。
そんな中で乙名 莉那という少女に会いたいと呼び出されて学生時代に一度記憶を失ったのは乙名姉妹をその父親である学園長が隠し子である乙名姉妹をひき殺そうとしたときかばった際に記憶を失ったことが判明。
そして学園への入学も手元においての監視であった。
……もう共通部分だけでも相当頭の痛い内容となっているが、共通部分には学園唯一の同性であると認識している親友の瑞希との会話が主であり適当にヒロインを詰め込んだ短い内容である。
個別ルートの内容は共通の比ではないレベルの酷さである。
〇個別ルートの概要と感想
眞優梨と結ばれたが眞優梨を性的に好きだった咲麗子が暴走。
そのことが原因で優梨と咲麗子、親友だった二人の仲がすれ違ってしまう
二人がギクシャクしたので親友にありえないと思ってあきらめてる選択肢の行動をしろと言われて何を考えたのか以前に二人のHな動画を入手していたのでそれを使い脅して二人を調教。
その後汀に学園を辞めろと脅されていたので学園を去る前の期間に楽しもうと思い、学内の制度を利用して海辺のホテルに宿泊したが、それが汀が人目を介さずに主人公に接触するためであった。
前倒しで学園を辞めろと念を押されてしまい、諦めかけていたところ未来で大勢の人が火事で亡くなった隠蔽された事件を思い出してホテルの内部の人を全員逃がしたあと海岸で高笑いしていた汀と対面する。
主人公が失態を犯した汀を精神攻撃し続けたことで逆上したが両親たちが裏で手を回していて証拠をかき集めてすべて解決。
感想:このルートでは結局3人でのハーレムということになっているが、咲麗子は主人公とは一線を越えていないのでただただ妨害していただけなのではという疑問が付きまとう。
おまけに主人公が未来の情報から火事の被害者を無くしたが結局土木などから戦車などをいつの間にか扱えるようになり1日で紛争を2~3個ほど終わらせてしまうというスーパー両親がすべて解決させてしまう。
- 詩那&莉那ルート(過去に記憶を失った事件当事者姉妹)
普通の人生を送りたいという莉那であったが、姉が過保護なためにキスしてまでしてでもかばう姉が先に行動してアプローチをしていた妹が同じ事をしろと迫る繰り返し。
しかし、過去に主人公がかばった事件からの色眼鏡が入っていて嫌なことを忘れているから思い出さないように近づきすぎるなと姉から警告が入る。
そこに一人になったところで父親である学園長と会い、外部の圧力がかかり学園を去ってもらいたいと告げられるがそれらを聞かれていたのか莉那に薬を盛られて犯されてしまう。
その後詩那と町を歩いていたら不良に絡まれて詩那のトラウマが現れ、汀という人物に学園長を気に入り仲の良かった家族が引き裂かれていったこと、姉妹と主人公を実際に殺そうとしたのは汀であって間に合わなかった学園長と汀を誤認している事実を告げられる。
それを知り、汀に目をつけられないように実はかばっていた学園長を呼び出して自分が方法は分からないが二人を守ると口論する。
学園に残れる最後の日に前回あった不良に汀が莉那の過去の真実を教えて莉那の過去のトラウマを思い出してしまう。
未来で過去に通り魔の事件があったことを思い出し、武器を構える前に不良を倒したが暴走した莉那に刺されてしまう。
何とか助かった後、詩那に過去に母親が汀の罠にはまった時に母親が海外に売り飛ばされる代わりに姉妹が犯され続けてきたこと、昔の事件でトラックに轢かれたのではなく莉那にピストルで撃たれたことが原因であることを告白される。
そこに隠れていた学園長と再び話し合い、当時学園長は自分の出来ることをしたと言うが限界を自分で作っているだけで何も救えてない、男なら女を守れと糾弾。
いざ対決というところで両親から電話があり、汀が両親に差し向けた刺客から両親が紛争を終わらせるついでに情報を聞き出し逆に汀へのテロを起こすよう仕向けて町中の汀関連の人物の建物全てを爆破。
その後勝手に事が進み学園長の推薦などもあって高い地位に就任してEND。
感想:何故ラブコメと言いつつこのようなクソ設定が誕生するのか......
このルートでは主人公の過去の事件をメインとしているが、各人物がこれが真実と言いつつすぐにコロコロと真実が変わってそのたびにただの胸糞ストーリーへと変貌した。
ラスボスといいつつ汀は一度も姿を現さず、被害者である姉妹の義父の学園長を延々と感情論で何も方法を提示しない理想だけで主人公が精神攻撃をし続けるという誰得ストーリーである。
主人公の『上級国民様はそういうところが云々』を学園長が大人の対応をする場面を繰り返されて非常にスキップしたくなったものである。
主人公は何故か過去の事件で銃弾がなくなるまで撃たれて記憶が無くなった後もナイフで刺されも無事に生還。
いざ汀との決戦というところでおちゃらけたBGMとともに主人公の母親から父親の報復テロで全て片付きましたと言われても無関係な市民も確実に巻き込んでいる段階でただの犯罪者である。
道中で走って疲れていた主人公に花梨からミネラルウォーターを貰うも薬を盛られ、拉致監禁され花梨と瑞希に性的に襲われる。
『従僕として奉仕したい気持ちの表れで淫紋が出る』花梨や『血の衝動が抑えきれなくなることがある』瑞希などの情報がいきなり押し寄せ、次の日から二人ともトンデモ度変態へと一夜で変貌。
御家の血の瑞希とそれを守る花梨とのそれぞれの家を自分たちの代で終わらせようとしていたところ過去の自分の行動により現在の状況が発生したことを知っても
やたらと変態志向な行動を押し付けられる中、再び拉致され瑞希の家で自分の家系では女性はふたなりでしか生まれないことを知らされる。
そして自分の性別のせいで花梨が親族たちから酷い扱いを受けていたが、過去に詩那と莉那を救えずにためらっていたところを主人公が『女の娘がすることじゃない』といって代わりに向かっていったことで女の子扱いされた事で救われたことを知る。
そして瑞希と付き合うことになったが花梨の変態性質が刺激され二人とも暴走し、日々主人公は絞られ続ける。
学校の制度を利用して海辺のホテルを借りて海へ遊びに行ったが、瑞希の父親に拉致監禁されて汀に目を付けられている主人公が邪魔だから瑞希との関係を終わらせろと迫られる。
汀にとって印象操作の障害となる行為をした主人公がこれまで瑞希の家と学園長にかくまわれていた事を知るが主人公が口論を始めていた最中に刀を持った瑞希が乱入。
このままでは惨事になると思い、主人公は自分から瑞希に刺されにいく選択をするが、未来でホテルが大火事になることを思い出し避難するよう告げる。
気が付くと実は瑞希の父親が以前から色々と手を回してくれていてすべて解決していた。
その後も二人のアブノーマルな生活を送り続けて終わる。
感想:何故こうなった......
共通や他のルートでは普通の親友なのにルートに入った瞬間から拉致監禁から暴走のオンパレードでそこら辺のロープラシナリオよりタチが悪い。
公式で瑞希の射精を手伝うCGがあったが、男二人×花梨ではなくふたなりトラップは流石にダメージが大きすぎる。
瑞希は性行為中は精液ではない白い液体が出るというが、ところかまわずまき散らしていたり花梨の中に大量に注いでいたりと人によってはトラウマものである。
首輪で半裸での散歩は当たり前、瑞希は花梨に突っ込みまくり主人公は流されてばかりのシーンが多くこれのどこがラブコメなのだろうか......
汀の存在もちらつかせながらも一度も直接関わらず、親たちによってすべて解決されてしまうことも救いどころがない。
自分が誰にも見えておらず触れられずの理由が分からずこの世界が主人公の為にお膳立てされたVR世界で自分がバグったサポートAIではないかという少女。
アイ自身が何が出来るのか模索するといった次の日には眞優梨の体を乗っ取りフェラして相手の意識が無い間は乗っ取れることを知る。
その後も詩那の体を乗っ取ったりしながらアイと生活をしていたら汀に呼び出され、学園を去らなければ実力行使に出ると脅される。
そのことで落ち込んで町を歩いていたら瑞希と会い、過去の記憶を無くした事件現場でトラックに少女が轢かれかけたところをアイの乗り移りを利用して助けたところ体に異変が起こり倒れてしまう。
次の日、突然母親から汀に武力行使で両親を全力で潰しにかかる計画を立てられていてそれに対抗した為主人公が命を狙われているかもしれないと軽く言われた後、また『天の声』の手違いでまた殺されてしまいついでに過去の記憶が無くなったのも『天の声』の手違いであると発覚。
結果、また生き返った過程で過去の事件のことを思い出し始める。
そんな中、学校の七不思議からアイの正体が幽霊ではないかと問い詰めると、病院の特別病棟へ逃げ出したので過去に主人公が入院していた時のカードキーで侵入したところアイの正体は汀に殺されかけた学園長の本当の娘であったことを知る。
多くの葛藤があるが、以前から眞優梨たちに誘われていた海辺のホテルへの旅行が近づいたが未来で大事件になった記憶を思い出す。
当日、主人公はホテルの内部の人を避難させ汀と対面。
汀に主人公が問い詰め、学園長に何もできていないことに精神攻撃をし続けてしたところに汀が逆上したが、両親が色々手を回していて突然汀が逮捕されて解決。
日常に戻るも再び『天の声』に間違って殺されたがよくわからない奇跡を起こされハッピーエンド。
感想:何が起こったのか何度か見返したけれどよく分からない......
平気で人の体で好き勝手するアイや場面切り替えの為に死んで生き返ってを繰り返し、最初からこのルートに入れるのに総集編のような内容になっていて理解ができない。
汀との対決場面でも何故か汀ではなく学園長を責め続ける主人公は結局何も行動せず両親が勝手に解決して死にかけだったアイや最後に本当に死んだ主人公もよくわからない奇跡でまとめられて説明不能な状態になっている。
といった具合に内容がまとまらない。
主人公は過去の『事流れ主義』が抜け切れず、言ったことはちょっとした拍子で手のひら返しをして人付き合いはゲーム感覚。
理想ばかりを口にしては行動せず口論になれば主人公の行動にブーメランになる発言しかせず、具体的な行動や提案はせずに周りが解決してくれることを祈り、多少お金持ちの人を上級国民様と罵りそれでありながら問題が起きると主人公は何も行動できずにスーパー両親の繋がりの人たちがすべて解決。
事あるごとに遠回しな言い方をして話を長引かせ、行動したことに対して直後に勝手に後悔したり周囲が解決してくれた後『勝った』などと勝ち誇る程良いクズである。
登場人物も筆者の特徴か面倒な言い回しばかりするため、キャラの個性は薄くなり、あちらこちらに変態が転がっているため普通な人間が被害者である学園長ぐらいしかいないのではないだろうかと思うぐらいである。
Hシーンも上記のふりがな問題や記号や強調の連発、ふたなりルートでは性格から急変した変態二人にトラウマものを植え付けられる始末で手に負えない。
この作品の売りの7人ハーレムも実際には存在せず、トゥルールートのアイに至っては設定からHシーンは少なめだったりと何がしたいのかわからない。
ラスボスとしている汀や重要人物である学園長はボイスもなく、汀に至っては何もしていないのに接触もなく両親が解決していて本当にただの小物である。
○まとめ
理解が追い付かない設定や主人公のブーメランがもう刺さるところのないぐらいの言動がやたら目につき、全ルートスーパー両親が解決してくれるどうしようもない作品である。
全キャラクターがだんだんと喋らなくて良いと悟りを開きそうになったのはかなり久しぶりな作品なのである意味良い出会いであったともいえよう。
大人の対応をして完全に被害者の学園長を主人公が責め続ける以外に主人公はホテルの人を逃がすぐらいしかまともに行動できていないのではなかろうか。
年明け早々に大打撃を受けたので今年はしばらく色々と耐えられそうである。