タイトル |
天冥のコンキスタ |
 |
ブランド |
エウシュリー |
ジャンル |
シミュレーションRPG |
メディア |
DVD-ROM、ダウンロード |
原画 |
うろ/夜ノみつき/鳩月つみき |
シナリオ |
如月聖/花咲樹木/坂元星日 |
発売日 |
2020/5/29 |
価格 |
7,200円(税抜) |
選評
923: 天冥のコンキスタ 選評 :2020/11/15(日) 12:26:13 ID:lu5mGWPk
天冥のコンキスタ
ジャンル:シミュレーションRPG
発売日:2020年5月29日
原画:うろ、夜ノみつき、鳩月つみき
シナリオ:如月聖、花咲樹木、坂元星日
BGM:STRIKERS
〇あらすじ
ラウルバーシュ大陸北方に位置するイムニス山脈周辺では、光の勢力である天使軍と、闇の勢力である魔族軍が、領土の支配権を絶えず奪い合っていた。
気が遠くなる程の長い戦争状態の果てに、闇の勢力側は勢いを増し戦況を有利に進めていたが、ある日を境に互いの勢力が均衡状態となる。
――闇の勢力を統べる「魔王の崩御」という噂が起こった為だ。
嘘か誠か、その報せを受けて魔族軍の統制が徐々に乱れ始める。
その混乱状況を見抜いた天使軍は攻勢をかけ、勢力図は徐々に逆転していく。
しかし、その状況を好機と見る男が新興勢力を旗揚げした――
過酷な環境である為に、イムニスの大地では滅多に見かけない人間族『クラウス』 元は睡魔であり、何の因果か“人間の身体"に成り代わった酔狂な男であった。
彼はその脆弱な肉体の内側に、元来持ち合わせる睡魔族の能力を秘めている。
色香を巧みに操り、特殊な魔力を用いて他者を支配することが可能な、先天的且つ類い稀な能力を用いて、クラウスは自己の勢力を拡大し、このイムニスの大地を統べる新たな魔族の王となるべく、 闇の勢力を率いて天使軍殲滅の軍行へ打って出るのだった。
〇問題点
本作品はかつての『姫狩りダンジョンマイスター』を元としてプレイしやすく操作できるキャラクターの範囲を広げた作品がウリの作品であったが、蓋を開けてみればみじん切りされたぬか漬けのごとく何がやりたいのかすら分からない作品であったことを思い知らされた。
まずRPGパート。
フリーダンジョンは無く、基本はストーリー上で出てきた敵を一切殺さずに捕まえることが前提のバランスとなっている。
育成やその他諸々全てに使われる『儀式ポイント』はキャラクターを捕まえて『生贄』にするかミッションクリアポイント報酬かの2択となっている。
そのため序盤はとにかく捕まえる作業となるが、幸いスタートダッシュダンジョンのお助けモンスターを捕まえてバランスを取ればまだ何とかなるバランスである。
しかし、育成を行っても装備やアイテム、スキルの使用が非常に狭く限られており満足に使いこなせないシステムである。
予約特典のリリィアペンドディスクがないと育成面の捕獲ができるキャラがあまりいないために序盤やたらと手間がかかり、このアペンド無しに今からプレイしようという方がいたら止めてしまうだろう。
だが、序盤はストレスが溜まったがまだ楽しめる範囲ではあった。最大の問題はこれからである。
次にシナリオパート。
主人公の元は睡魔であったが主人公も思い出せない方法で天使により人間の体に移し替えられており常日頃から復讐を決意していたところで魔王の崩御の噂から打って出ることがシナリオの根幹であった......はずである。
ひたすら序盤は雑魚を捕まえて戦力強化のシナリオが長々と続き、会話はほぼヘルミィナという旧知の睡魔のみが喋るシナリオでひたすらに単調。
ボスクラスの天使たちもあまり話さず逃げたあとまた追っている間に単調パートが続き決戦でも遠慮なく殺すor捕まえるを行ってもシナリオには一切のエロがない。
文字通りエロが皆無なのである。
モブ戦闘やエンカウントシナリオでひたすらと繋ぎ盛り上がりも無くプレイしていて報酬が無いようなものである。
公式設定も大層盛っているにもかかわらず、シナリオにはほぼ絡まず相手のことをいない場でああかもしれないこうかもしれないと憶測ばかりを話していて本当に設定準拠なのかすら怪しい。
一応体を入れ替えられたと思われる装置を追う山場(?)が2回ほどあるがそれも実は違いましたで終わり、天使を乱造してた装置や天使の背景、ラスボスの違和感等をまるごと全部放り投げて『俺たちの戦いはこれからだ!』で終わってしまう。
当初の目的の主人公の体や過去は一切判明せずやりたいことすら不明である。
基本ヒロインも全員任意加入でシナリオにもほぼ絡まない為即席モブと扱いは変わらないようなものである。
主人公も策士を装ってはいるが基本『真っ向から力で潰す』以外を言わないためにご都合主義が吹き荒れる。
その割にやたらと周囲の情報を仕入れたりボスの情報を的確に持ってくるヘルミィナの使い魔には同情せざるを得ない。
その割には主人公が相手を煽って余計な危険に晒されるのだからたまったものではないだろう。
...最後にエロパート。
察する通りにエロが足りない。
基本捕まえた女性型キャラすべてにシーンがあるとはいえ各キャラクターごとの個別エロが2回を超えないことで大体お察しである。
かといって殺してはエロが見られないので捕まえて保管することで育成妨害をして個別天使すら任意加入なので捕まえたときのエロとその後で1回ずつで文字通り終わりである。
そのほかの個別シナリオも無く、強くなった報告ぐらいしかシナリオも無い。
その割にはアペンドのリリィの方がまだシナリオもあるがこっちはエロが0である。
各前座本番も分けられているために格差も酷い。
ハーレム部分で天使は幸い補完はされているものの薄く、これでは乱造モブと大差なく非常に物足りないと感じてしまった。
◎まとめ
シナリオがエロすらも薄いシナリオが報酬となるあまりにも出来の悪いRPGである。
時間が足りない人向けという割には時間だけが取られて面白みのかけらもなく、アペンドがなかったら更に時間が取られていたかと思うと絶句モノである。
山も谷も無く、エロも足りない。
エロゲとしてもRPGとしてもあまりにもお粗末、去年の地獄のようなプレイゲーム系よりはマシだとしても楽しみが一切ないのは許されるものではない。
最終更新:2020年12月28日 17:31