654: ぱられるAKIBA学園 選評 :2021/06/21(月) 00:29:23 ID:OqZQ.HzU
ぱられるAKIBA学園
ブランド:panache
定価:¥9,800 (税込¥10,780)
発売日:2021/05/28
シナリオ:紫苑憧朋香・大和うみ/他
原画:雛祭桃子
◎あらすじ
異世界に突如召喚された、オタクでヘルプ専門のゲームクリエイターな主人公。
そこは剣と魔法のファンタジー世界で、勇者一行とともに魔王を倒し、世界を救うことはできた。
だが主人公を召喚した女神いわく、元の世界にもどれなくなった代わりにオタクグッズ満載の自室を召喚してもらうことに。
主人公は自室での連日の上映会や感想討論会を続けるうちに、異世界に秋葉原を生み出すために、クリエーター育成学園の設立を思いつく。
連日の布教ですっかりオタク文化に染められた勇者一行のヒロインたちとともに、主人公はその夢を叶えることができるのだろうか……?
◎問題点
本作品をプレイしていて正直なところ最初は普通のエロゲとしてプレイしていたつもりだった。
もちろんぱられるAKIBA学園』というタイトルから『異世界転生娯楽物活用形建国ADV』だったとしても中身さえ良ければそれでも良いとは思っていた。
しかし、一言で言うなら作品の安定したところが何一つ無い。
まず大問題としてキャラが公式・共通ルートと個別ルートと大きく性格が異なる。
勇者:スカーレット
振り回されがちな、委員長属性の勇者。
オタク文化に理解はあるが、パーティーの仲間と違って創作面の才能を持たないことに悩む。
⇒共通ルートでは皆を率いる行動力があったにもかかわらず個別に入った途端毎回シナリオを選択するごとにネガティブ思考を繰り返してモブAと化す。
聖女:サファイア
コスプレに深い興味を持つ王族。
女神の使徒たる主人公の子を産むことを天命と信じつつ、貴族や教会のコネでオタク文化布教に励む。
⇒元々頭がイカレているので変わらず。
エルフ:フリージア
勇者パーティーの吟遊詩人で、自由奔放な快楽主義者。
アイドルアニメにハマって以来、歌の力でオタク文化布教に貢献する。
⇒街づくりの際は比較的常識があったが、個別ではTPO全無視騒音をまき散らす害悪化、夜中や街、モンスターの巣だろうがお構いなく歌い過程の説明もなく成功していて勝手に引退している。
魔導師:スノウ
オタク文化から世界の発展を見出す頭脳派。
漫画で道徳心や向上心を広める教育を提唱し、漫画家として日夜間違った方向に努力する。
⇒個別に入った途端切れる若者に。相手が理解してくれないだけで魔法による破壊衝動が多発。
ここまで性格が変わるともはや別人である(一人を除いて)。
そもそもの個別ルートの仕様も各キャラクターを選んで好感度をMAXにすれば個別ENDなのだが途中で他のキャラを見ないと続けてキャラ個別シナリオを見れない点もよろしくない。
明らかに各シナリオがライターが異なると思われるキャラクター崩壊を起こしておりこの1点だけでも許されないことではないだろうか?
主人公もやたらリアクションがオーバーでうざったるいところやシナリオでは好青年であったりオラオラ系であったり鈍感系であったりと大忙し、呼ばれ方も毎回違う。
この作品のやりたいことが一切見えてこなかったと言わざるを得ない。
おまけ感覚で幕感に入っている要素が学園要素なのかもしれないが説明にない世界にあるはずのない建物や食べ物などを語りだしてもはや異世界要素、要らないのでは?
まず根本の問題として『AKIBA文化を異世界で広めたい』というコンセプトが世界観と合っていない。
魔王が百年ごとに現れるせいで生きることがやっとという世界で人々の余裕も教育・文化もないという世界で広めるにはあまりにも必要とする広める項目が多すぎる。
話の大半が『街づくり』に集約されているので生活の安定化・教育・異世界娯楽持ち込みに全力を注いている。
魔王討伐の退廃した土地を褒美にくれる王様から貴族たちが腐りきった内情を示してくれているが不快以外の何者でもなく、まず教育の場を設けなければ文化を広めることも難しいとテンポが遅すぎる。
その割には広めた遊○王のカードをモブが読める段階で既に設定は崩壊している気もするが些細な問題であろう。
AKIBAネタとは言っても大半がパロディに寄せていてはっきり言ってコレジャナイ感が大きく、学園要素は本当に皆無で制服すらただのコスプレである。
街づくりも広げる度に問題が発生して文化を広めるどころではなく個別ルートで変わると思っていたらコスプレHの為の要因でしかない非常に残念なシナリオとなっている。
コネとカネ作りなどの時間も1から必要なのは分かるが事前にお膳立てぐらいしてくれないとエロゲとしてすら成り立たないことを分かっていない。
さて、ここまで色々と鬱憤が溜まっていたがエロゲの命とも言えるHシーンなのだが『パイズリ』が無い。
はて?そのデカイぶら下げたものは何のために使うのか?
せめてキャラで無いキャラが1~2名いるとかならまだ許容出来るが0とはやる気あるんか?
パイズリを求めるパイズラーにとっては暴動を起こしてもおかしくないクソ具合である。
HシーンもCGを加工したものもあったり何より個別ルートに入っているにもかかわらず大半が3Pという個別とは何ぞやと言いたいところ。
処女喪失は回復魔法、サブキャラはシナリオライターが異なるせいで処女喪失を複数回こなし、衣服の幅もシーン数の割に2~3種類しかなくちょっと待て事案が発生しているではないか。
CGも生まれたままと言いつつ服を着たまま、下着と言いつつ立ち絵は全裸、アイコンは前のキャラのセリフのアイコンが残り赤子が出来て腹が膨らんでも断面図には反映されないなどとお粗末。
バックログはマウスホイールが無いと一つずつ戻れないなどあらゆる面が不親切しかない。
◎まとめ
個人的には異世界モノの原点はなろう系ではなく『RPG W(・∀・)RLD 』の類なので、終始違和感しかなかったがそれ以前のエロゲとして致命的欠陥だらけ。
何一つとして安定したものがなく、コンセプトからして必要要素がないという事態に直面するとは流石に思ってもいなかった。
とりあえず、Hシーンが3Pだらけとパイズリ無しは次回作で直してきてから、まずエロゲとして形を作るところから新規ブランドとして初めて欲しい。