オトカノ ~おとうとの彼女が文系で強め!?~ 選評

ブランド North Box
ジャンル ドタバタギャグ+入れ替わりな三角関係の恋愛ADV
原画 黒結
シナリオ 箒星、C6C
発売日 2022/5/27
価格 パッケージ版:9,800円(税別)
ダウンロード版(特典版):10,300円(税別)
ダウンロード版(通常版):9,800円(税別)


選評

【2022】クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 1本目
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1647683806/
579:オトカノ おとうとの彼女が文系で強め!? 選評:2022/10/22(土) 20:52:08 ID:Y9FTatbM
オトカノ ~おとうとの彼女が文系で強め!?~
ブランド:North Box
ジャンル:ドタバタギャグ+入れ替わりな三角関係の恋愛ADV
発売日:2022年5月27日
価格:11,330円
原画: 黒結
シナリオ:箒星 C6C



とある夏の夜。自宅にて。

付き合って半年の文系彼女とついに一線を越える。

何度も求めあった後、互いのぬくもりを感じながら眠りについていた。

――翌朝、股間に伝わるむずむずとした感触に目が覚める。
ぼんやりとした視線の先、トロけた顔でイチモツを愛撫をしていたのは
彼女ではなく、いつも仏頂面で生真面目な、理系の姉?の姿だった。

本作は昨年に異世界という世界観の中に何故か学園という余計なモノを混入させて台無しにした
『エルフのお嫁さん』を排泄したブランド、North Boxの最新作である
前作エルフのお嫁さん以上に余計な要素を加えて作品を台無しにした正統退化作品となっている

登場人物

一ノ瀬まつり(文系彼女)
メインヒロイン
クリア前とクリア後で印象が大きく変わる
全ての元凶

文香 眞里 (理系の姉)
メインヒロイン
基本的に性欲に従って主人公とヤってるだけ

猫又 翠 (案の定妖怪)
サブヒロイン
名前、見た目、言動
全てから察せるとおり妖怪の猫又
個別ルートではとにかく連続でHシーンを流して妖怪バトルして終了である

星乃アンナ
サブヒロイン
日本語を下ネタに言い間違えてしまう
ギャルビッチ(処女)
作中での活躍はない

CG数は差分抜き70枚

 問題点

彼女と姉の精神が入れ替わるというシナリオや
実は本編前の幼少期に二人の精神は入れ替わっていて、本編で入れ替わったと思っていたのは元に戻っていたというオチ
これ自体は面白いアイデアだと思うが、本作はそれを全く生かせていない


 オチ
このゲームのオチである『実は二人は幼い頃に既に入れ替わっていた』という真相だが
作中で「入れ替わっているのに何だか落ち着く」といった伏線の匂わせが異様に多く
嫌でも察してしまうため、終盤の種明かしが茶番に見えてしまう



 文系彼女の余計な復讐設定
シナリオ序盤に主人公に対する復讐心を匂わせており、純粋な愛情を感じにくい
その復讐というものも幼少期に実姉の文系彼女が弟の主人公に結婚しようと言い、それに対し主人公が気持ち悪いと返したことがきっかけというもの
はっきりいって逆恨みもいいところである
また文系彼女が姉だと結婚できないから別の人になりたいと願ったせいで入れ替わりが起きたのに
入れ替わり後の接点がほぼ無く、最近主人公から告白して付き合うようになったというのも設定の雑さを感じる
最後には主人公のプロポーズを断って「やっと復讐できた」「(入れ替わりが起きたのは)主人公が私をフッたのが悪い」
などと語りだし、もう一度プロポーズをさせて、承諾してENDである
弟が好きだったという設定だけでいいものを
復讐という不要な設定を加えた事でキャラの立ち位置を曖昧にし、不快感だけを残すことになっている

 星乃アンナの存在
星野アンナは攻略対象として存在するのだが
そもそも彼女の存在は入れ替わりと無関係でシナリオ的には不要である
理系姉の友人で、入れ替わりに気付くという役割はあるが、それを含めてシナリオ的に存在する必要はない
Hシーン・個別ルートへの入り方も雑なもので前者は共通ルート内で主人公に彼女ができたお祝いにパイズリをしてくれる
後者は終盤の選択肢で唐突に現れ「主人公は男気が足りない、ハーレムを作る必要がある」と主張してルートに入る
個別ルートでも突然自分が母乳が出る体質だと告白し母乳プレイをして、最後はアメリカに向かってENDと、サブヒロインであることを差し引いても雑な作りであり
元々攻略対象じゃなかったけど急きょ個別ルートを作らされたと言われても納得できるクオリティ


 文章等
妙にパロディネタが多いのだが、最新のものではなく『君の名は』や『妖怪ウォッチ』など数年前のネタばかりで
ライターが無理に若者ぶろうとして失敗してるように思える
また何のこだわりか顔文字←こんな顔 といったテキストが多様されており、前述の一昔前のパロネタと相まって安っぽさを感じる
+ ...

 UI面
フルプライスとは思えないほど安っぽいコンフィグ画面と選択肢
一度選んだ選択肢は色が変わるのだが、変わらないようにする設定はコンフィグに存在しない
+ ...

鑑賞モードではキャラクター別に分けられているのだが
メインヒロイン二人の中身がどちらなのかは分からないため不便を強いられる


 音楽
前作エルフのお嫁さん同様にHシーンに似つかわしくないBGMがHシーンで流れる
なおこのBGMはタイトル画面で流れているBGMと全く同じであり手抜きとしか思えない
さらに凄いことにフルプライスにもかかわらずBGM試聴モードのような、BGMだけを聞く機能が存在しない

 絵
基本的に絵だけはいいのだが
あまりにも低クオリティすぎる握手や
ぼかして誤魔化そうとしているボートの背景が存在する
+ ...

また背景の人を描かず影絵で誤魔化すのもフルプライスで許されるものではない
+ ...

HシーンのCG差分をぼかして勢いで乗り切ろうとしている
+ ...

 エロ
シーン自体はそれなりの数があるがそれぞれが短く、ほぼ喘ぎ声しかない
しかもメインヒロインの文系彼女はクリア後には印象最悪になるため
抜き目的としてもあまり使えなかった

 まとめ
余計な要素を加えて駄目なゲームを作り上げるという前作コンセプトはそのまま
シナリオには必要以上にオチに対する伏線を加え、オチが予想できる退屈さを演出し
メインヒロインには復讐設定を加えて不快系ヒロインとして楽しめるよう工夫を凝らし
テキストには低品質なパロネタや不要な顔文字を混入させてクソゲー感を分かりやすくしており
さらに付け合わせのサブヒロインには導入からエンディングまで理解不能の星乃アンナを添えて
仕上げに安っぽいUIに音楽や絵を手抜きしてHシーンを短めに切り揃えればお値段以下の満足感
これだけ細かい所にクソ要素を散りばめて価格は何と11,330円とフルプライス
最初から最後まで隙のないクソのフルコースとなっている
最終更新:2022年12月05日 00:31