JINKI -Unlimited- 選評

ブランド 戯画
ジャンル リアルタイムストラテジーADV
原画 綱島志朗
シナリオ 和泉万夜
発売日 2023/1/27
価格 9,800円(税別)

選評1

【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 1本目
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1675258385/
102:名無しさん:2023/02/28(火) 03:05:31 ID:NHOvu9oQ
JINKI -UNLIMITED- たぶん選評
GIGA最後?に放つエロゲー

 まず最初に、数十時間使ったが結局クリアしていないということについて、お詫びさせていただきたい。頑張ったんだよ、それなりに。でも、なんか難しかったんだよ。クリアしてないと選評書いちゃダメって話しなら、この選評はなかったということで!

 今回選評を書くにあたり、UI部分のクソ要素をメインに書いていくことをお許しいただきたい。シナリオ部分も若干気になる点はあったが、それらは得意な人が書いてくれるはず。

クソがたくさん詰まったUI

 例えば、「ユニットを選択」して、続いて「サポートキャラを選んだ」とする。
 次にすることといえば、直前の画面に戻ることだろう。
 そこで、ぱぱっと「右クリック」を押すと、直前に選んだ「援護キャラ」がクリアされるのがJINKIだ。
 選評を書く過程で、改めて確認したが、どうやらサポートキャラを選んだ直後は「サポートキャラの削除」が右クリックに割り当てられる。目的の、直前の画面に戻るには、マウスポインタを別のところに移動させなければいけない。
 質が悪いことに、サポートキャラを選択した直後は、マウスポインタが「メインキャラ上」にあることだ。だから、右クリックで戻ろうとして、「なぜかサポートキャラが削除」されることが頻発して混乱するのだ。
 (選評を書くにあたり、この仕様を深く理解していなかったので、「コントロール」を押して、プリセット選択画面を表示させてから、右クリックで戻っていた。)

 武器選択画面でも非常に分かりにくく、誰が装備できるのかを「機体」で表示している点が挙げられる。
 エロゲなんだから、素直にキャラのデフォルメフェイスアイコンでいいはずなのだが・・・
 しかも、文字はゴシックで、画面左上に寄せられているうえ、「近接」・・・と大枠ごとに区切られ、一つ一つクリックしていかないと、個別の武器が表示されない。古臭く、使いにくく、操作しずらい昔ながらの仕様となっている。

 戦闘はリアルタイムストラレジーになっているが、UIはやっぱり不便極まりない。
 一定時間ごとに使える必殺技の為に「マウス中央ボタンをクリック」からの、[v][t]で攻撃か、補助アイテムかを選ぶ仕様となっている。さらに、マウスホイールの回転に視点変更が割り当てられているため、頻繁に視点が切り替わる。

 3D表示を前面に出したかったことは容易に想像できるが、その3Dに関しても以前別のところで書いたが、クオリティは25年前に発売されたシムシティ2000レベルで、クオリティの低さがヤヴァイ。

 各キャラを動かす指示を出しても、壁に阻まれたり、敵と交戦して勝手に止まったりと、思い通りにいくことはなかなかなく、ストレスがマッハである。これを書いている時点でツンだ戦闘に関していえば、敵と味方のキャラが乱戦で見分けがつかず、即市攻撃をよけてるつもりが、どっかに引っかかってゲームオーバーだったことが何度もあった。

 難易度選択に騙された最後。
 なんかやり方がまずいのか、(簡単)シナリオモードでも突如何度が爆上がりして、謎の停滞を迎える難易度設定。
 適当に殴ってれば、武器の強化もあまりせず、レベル上げの周回もせず、おそらく2週目ラストまではいける。いけるが、そこで突如即市攻撃のお祭りが始まる。マジでこれは意味がわからない。仕方なく、レベルを数時間といわずあげても駄目になるとか、サクサク進めるというのは何だったのか? (誰かやり方を教えて!)

 そもそもストラテジーは面白いの?
 高難易度で難しいのがクリアできないのは、3歩譲って自分の責任だとして、ストラテジー部分は面白いか? と、言われると最初の数回は楽しいというレベル。
 前にも書いた通り、まず思った通りに動いてくれないし、マップに遊びを工夫するギミックは何もない。ただ、攻撃するとビルが瓦礫に代わるという見た目の変化があるだけ。街を破壊しないと特典があるわけでもない。
 また、敵のAIもガバガバなので、戦略を立てるということが、ほぼない。
 敵に向かう、殴る、自分の陣地に戻る回復、という一連の作業を繰り返すだけだ。
 マップの種類も複数あるが、それぞれになんの意味もない。
 ただ、エロゲーなんだから、ストラテジーの部分に評価を求めるなと言われそうだが、2023年にもなって、なんでシンプルPS2時代の2000をやらにゃあかんの? って話しだ。無理に画面をフル3Dにする暇があるなら、2D斜め見下ろしで戦闘を楽しめる工夫をしてほしかった。

 GPUをマジで転がしにくるクソ仕様
 ファンがいきなり唸りだすので、なんだと思ったらfps制限がまったくかかっていないという、謎の仕様だった。ぱっと見120ぐらいまであがるのだが、問題は2D紙芝居と思われるシーンでも唸ることだ。6500XTが別段優れたGPUではないことは100も承知だが、このレベルのグラフィックスで唸るのは異常としか言えない。(繰り返しになるが、ここは強調したい2D紙芝居で唸ってる)

 回想? ないよそんなの。
 マジでないのだ。まずこのゲーム、どうやら3週するらしい。(2週目で書いてるから、わからない)
 で、大陸マップで「序章」「1週目」「2週目」「3週目」と選ぶのだが、そこで各地方のシナリオを選べるようになっている。各週お話が進むと、選べるものが増えていくのだが、その中に「敗北」シナリオが選べるようになる。

 特定の、高難易度シナリオというのがあり、それを達成すると、敗北シナリオがでてくる。そのシナリオがHシーンになってる。だから、回想なんて改めて設置する必要なんてないのだ。
 なお、シーンのキャラは昨今よくある2Dliveきゃらで、ぬるぬる動く。
 ただし、骨格とかそういったものを無視して動くので、少し怖いことがある。
 また、通常の会話シーンなどでも腕が動くのだが、どうやったら腕が背中の後ろいったりきたりするのかわからない時があるから、若干ホラーが入っている。

 シナリオ・・・
 前記したように、この辺は書くのが苦手なので、別の方に譲るとしても、3週しなければいけないっぽいのがつらい。しかも、事前に仕入れいていた情報通り、2週目3週目の一部が、1週目と内容が被るうえ、自動スキップもないので、その辺は複数回同じ内容を見なければいけない。
 キャラが好きなら3回ぐらい同じ内容を見ることはそこまで苦痛ではないかもしれないが、水増しがひどすぎて泣ける人も同時に出てくると思う。自分は、結構スキップ気味で、概要をざっくりと追って楽しむ人なので、あまり気にはならないが。


 そろそろまとめに入ろう。
 GIGA最後の作品? ということで、残ったチームで必死にゲームを作っているという感じがひしひしと感じた。例えば、キャラクタのイラストのクオリティは十分だし、やりたいことがよく伝わってくるという意味では、その熱き思いは良作のソレを感じた。
 しかし、紙芝居というフォーマットを出たその先にあるのは、困難な道が続く世界であった。UIの酷さ、ストラテジー部分の稚拙さ、バランス調整のずさんさ、セーブデータ破棄を求めたアップデート、まさしく最後の最後は茨の道だったことは容易に想像がつく。
 ただ、ここまでいろいろ書いてあれだが、Hシーンはすごくよかった。個人的にとても好みだった、だから最後までプレイしようと頑張ってもみた。
 では、書きたいことは大体書き終えたので、今回はこの辺で選評は終わりにしたいと思う。

最後まで読んでくれたすべての人に感謝を込めて。
ありがとうございました。

105:名無しさん:2023/02/28(火) 14:21:28 ID:NHOvu9oQ
 勢いで書いてるので、若干補足が必要。
 [援護キャラ] = [サポートキャラ] で説明ミス。
 ようは、出撃するキャラを選択する画面。そこでキャラ(パイロット)を選択するとき、同時に武器とサポートキャラも選択できる。なんだけど、サポートキャラを選択した直後に[右クリック]を押して前の画面に戻ろうとすると、サポートキャラが削除される。仮にマウスアイコンが、出撃パイロットの前にあっても、って問題。
 あと、サポートキャラは若干のステータス補正をするものなので、なくても多分クリアできる。(あればクリアできるとは言っていない)

 もう一点、回想専用のモードがないだけで、一度クリアしたシーンは何度でも遊べるので、いわゆるHシーンの回想は一度クリアしてしまえばいつでも見直せる。なので、全シナリオプレイ済みのデータがあれば大丈夫なはず。

選評2(選評1の清書版、執筆者同じ)

131:世界のすずきさん ◆CCcsBZUofE:2023/03/06(月) 00:32:06 ID:96DaJrKY
JINKI -UNLIMITED-
GIGA最後?に放つエロゲー

 一応のお断りとして、あれこれ手を尽くしましたがメインシナリオ後にある、高難易度のオマケシナリオはクリアできませんでした。その点はあらかじめご了承ください。

◆成長要素
 本作はレベル制を導入しています。
 同じシナリオを複数回クリアすることで、経験値稼ぎが可能です。
 それだけならよかったのですが、その取得経験値に大きな落とし穴がありました。
 序盤は数百程度だったものが、中盤に数万、後半に行くと数百万と超インフレすることです。
 次に必要な経験値も同じようにインフレを起こすため、レベルでごり押しして先に進むということが困難になってます。実質、適正レベル以内で攻略することが求められます。

◆レベルキャップ99問題
 そもそも適正レベルでしかクリアさせる気がない本作ですが、さらに最高レベルが99までという限界があります。最終的に誰でも90代にするのはさほど難しくはありません。
 しかし、99でクリアできないとなると、話は別です。
 開発的には99まであげれば誰でもクリアできると思ったのでしょうが、現実はそうではなく、難易度の問題でつまる人が現れました。
 初期版には99を超えると1? 0?になる不具合があり、修正されていますが、おそらく同じようなことを考えた人がいたのでしょう。

◆機能しているか疑わしい シナリオモード
 おいおい、JINKIには「シナリオモード」っていう、イージモードが実装されてるんじゃないか? と、思われた方、朗報です。
 確かに、 ゲームには「シナリオモード」と「通常モード」があります。
 ゲーム内説明で「敵がすぐに倒せます」みたいなことが書かれていますが、実際はよくわかりません。一応、これを書いている時の最新バージョン1.04で遊んでいますが、双方の違いが少なくても私には理解できませんでした。
 とはいえ、断定はできないので有志による分析に期待します。

◆リアルタイムストラテジー部分について
 JINKIはストラテジーもあり、紙芝居ゲーとは違うのだよ。
 というところですが、いろいろと問題点が多いです。

1)出撃者を選択する部分のUIがまずひどいです──

 搭乗者を選ぶ・・・まあ普通だな。
 [D] を押して、[補助パイロット]と[ウェポン]を選ぶ・・・普通だな。
 [補助パイロット]を選んだあと、前の選択に戻ろう・・・[右クリック]

 [補助パイロット登録削除]
 (;・∀・)・・・

 最初は、マウスポインタが[補助パイロット]の位置にあって、右クリックでキャンセルされるんだと思いました。実際、少し位置をずらしたら、右クリックで戻れる時もありました。
 しかし・・・繰り返すと、なんか違うみたいです。
 結局・・・[補助パイロット]を選択後に、[コントロール]ボタンをおして、プリセット登録画面を経由して、前の画面に戻す方法で落ち着きました。


2)戦闘中のUIもそれなりにひどいです──

 マウス中央のスクロール → 視点変更
 マウス中央のクリック → 必殺技
  誤操作を誘発する設定がなされているので、必殺技を使おうとすると、頻繁に視点が変わりストレスが溜まります。

 そのほかムービー中に終了画面を出すと、エンディングが終わるまで消すことができない。運が悪いと暗転クラッシュするなど、表示切替部分にも不具合と思われるところがあります。


3)リアルタイムストラテジー部分──

 戦略なんて基本的にありません。

 最初の方はとりあえず敵と目標に向かって突っ込めば終わり
 中盤は少し回復や必殺技を考えれば大丈夫
 最後・・・何も考えずひたすら ヒット&アウェイ

 最難関と思われるラストを例に出すと・・・

 超ボスがワープで出現 → 敵が超範囲攻撃をする and 敵に近づき攻撃 → また別の場所にワープ

 のループです。
 これぐらいなら何とか対処できそうですが、そこに付随して別の敵が出てきます。

 実際はそこに・・・。、
  雑魚・中ボスがわんさかと出現
  画面の隅から隅まで届く範囲レーザー攻撃を連発
  拠点が超射程攻撃などにより占拠され、そこから雑魚が出てくる

 といった、やけくそ気味の隙のない波状攻撃が画面を覆いつくす勢いで行われます。

  それを掻い潜りながら、攻撃を仕掛けるわけですが・・・

   →味方4人を選んで敵の攻撃をかわす
   →しかし、知らない間に 一部味方が壁などに引っかかり止まる
   →逃げ遅れた味方は、敵の超攻撃を食らってお陀仏か瀕し
   →それでなくても雑魚攻撃などでお陀仏か瀕し
   →拠点が占領されて大変だから、味方を分散
   →最初に戻りループしてる間に、最後は敵のごり押しでジリ貧
   遠距離・中距離・近距離 と武器の特性がいくつがあるが、それらを活かして戦略的に進めるなんてものは、ほとんどナッシングです。

◆GPUを本気で壊しにくる仕様
 紙芝居シーンだろうが、トップ画面だろうが、fps制限をかけていないせいで、GPUが超がんばります。
 普通、二次元画像にちょっとしたエフェクトをかけただけの画面で、GPUファン回りますか?
 はい、まわるんです。 Radeon 6500XT だと、全力で回ります。
 戦闘シーンにしても、シムシティ2000と同レベルを、3Dこ構築したレベル。
 緑の平野にぽつぽつと建つビル
 直線道路とビルで構築されたビル街。
 どれもこれも、シムシティ2000レベルです。
 敵味方はキン肉マン消しゴムみたいなクオリティで、ロボット同士のメカメカしい戦闘シーンはありません。敵の攻撃には、黄色い矢印ビームが飛び交ったり、かなりシュールです。
 一応フル3Dなので、視点変更ができたり、ズームアップなどができますが・・・根本が低クオリティすぎて何の意味も持ちません。
 それなのにGPU温度80度ぐらい軽く上がります。アップデートで負荷軽減をしたのに、何をしたんだといいたくなるレベルです。
 Bandicamera で fpsを 30 に落としてプレイしていますが、それでも暖かめです。

◆回想モード
 ありませんが、あります。
 一度遊んだ、見た場所はいくらでも再送できるので、閲覧は簡単です。
 3週の最後まで遊んだセーブをロードすれば、問題はありません。
 ただ、調べた範囲ではあるけれど、セーブ・ロード画面ないにある紙芝居確認ページとは別管理になってそうです。
 あと後半のエロシーンはすべて基本リョナでした。
 それもキャラの個性やバリエーションを考えると少なめ。がっつりした経過を観察して楽しむといったボリュームはなし。残念。

◆シナリオ
 前記したように、この辺は書くのが苦手なので、別の方に譲るとしても、3週しなければいけないっぽいのがつらい。しかも、事前に仕入れいていた情報通り、2週目3週目の一部が、1週目と内容が被るそうで、自動スキップもないので、その辺は複数回同じ内容を見なければいけません。
 キャラが好きなら3回ぐらい同じ内容を見ることはそこまで苦痛ではないかもしれないが、水増しがひどすぎて泣ける人も同時に出てくると思います。自分は、結構スキップ気味で、概要をざっくりと追って楽しむ人なので、あまり気になりませんが。


◆そろそろまとめ
 GIGA最後の作品? ということで、残ったチームで必死にゲームを作っているという感じがひしひしと感じました。
 例えばキャライラストや、シーン・・・後半は好みにわかれそうだけど、がっつりやってて、熱量は感じた。
 ただし、結局そこまでの作品でもあって、紙芝居の先のゲーム性という部分では、がっかり感満載のクソゲーの域を一歩も踏み出せなかった。
 UIが酷すぎなのもそうだし、レベル性を導入しつつ、レベル性を否定するゲーム性もそう。
 ストラテジーを目指しつつ、それらに向き合うことなく、数と範囲攻撃とワープで難易度をごり押しする適当さもそう。そこに工夫はなく、しかも操作性の悪さや、挙動の調整の放棄により、勝手に射程内にとどまり飛散すること数知れず。
 まあ、エロゲーなんで、エロさえちゃんとしてればと思わなくもないけれど、最後がこれでは、あんまりな気もしなくもない。(おわり)

選評3

708:JINKI -unlimited- 選評3 ◆D2NUIMg9q.:2023/12/31(日) 22:57:41 ID:CBj6u5BU
代理投稿の依頼を受けたので選評投下します。


JINKI -Unlimited- 選評
ブランド:戯画
定価: 初回版¥9,800 (税込¥10,780)
豪華版¥15,800 (税込¥17,380)
発売日:2023/01/27
ジャンル:リアルタイムストラテジーADV
原画: 綱島志朗
シナリオ:和泉万夜

ストーリー
1992年9月。
東京はキョムと呼ばれる組織の総攻撃を受けた。
後に『東京ロストライフ現象』と名づけられる事件の、これが始まりである……。

保育士として働いていた織部碧は、破壊される東京の街を○○達とともに逃げていた。
しかし、その最中で一度は意識を失ってしまい、目を覚ましたときには○○達の姿はなかった。
彼らを探すために、博物館に展示されていた人機・ナナツーの上の座席に乗り込んだ碧だが、それは思ったようには動いてくれなかった。

「もしかして……下の座席……!」
「ご名答。こいつは旧式だからな。上だけじゃ動かねぇよ」

そこへ現れたのは小河原両兵。
彼はナナツーの下の座席に乗り込むと、ナナツーを起動させた。
これで○○達が探せると思った碧だが、直後にキョムの人機・バーゴイルに襲われてしまい、選択の余地もなく戦いに巻き込まれてしまう。

「守りたいものがあるなら……お前の力で守ってみせろっ!!」

自分の置かれた状況に困惑しながらも、碧は両兵の言葉で決意を固め、占領された東京を取り戻す戦いに身を投じていくのだった……。

年初に発売されてから11ヶ月、直感的にヤバイとわかっていてか、このゲームを積んでいた。
でも2023年も終わりになって、流石に来年に持ち越す訳には行かないと漸く重い腰を上げる決意を決めたのであった。
さて、レビューをはじめるに当たって先ず再確認しなければならない事がある、そう、私たちプライヤーがこのゲームに期待したものとはなんだろう?エロか?シナリオか?ゲーム性か?
私はエロの方だ。何ならぶっちゃけると性癖の方だ。と言うのもこの目に見えてる地雷を遊ぶ決め手となったのはシナリオライターを見ての事だからだ。規制の緩かった頃、蟲愛でる少女と言う凌辱ゲーでエロゲー入門してしまい、そのまま一生歪んだのである。NTRゲーと聞くと双子合体って思い浮かぶ程にはヤバイやつである。因みにこのライターさんは女主人公視点も結構得意で、それもJinkiに通ずる。
業界からシナリオライターが離れてく中、かれこれ二十年以上続いてるし、得意ジャンルも合ってる、さらに言うと近年はこういう凌辱系のが減ってるなかでのフルプライス、そうなれば買うしかないでしょう。
だがまあ、言うまでもなく後悔した。
今作の問題点は余りにも多く、一言で言えば「未完成の遺作」であり、年末から振り返ると今年のKotyeの大勢の問題点の悪しき開拓者でもあった

問題点1、Unlimited Frame Rate
このゲームを遊ぶにあたって最初の問題点はダブルクリックで開けた瞬間から立ちはだかった。このゲーム、本当にUnlimitedである、文字通りの。
何せフレームレートが無制限なのだ、そりゃUnlimitedで合ってるわ。
画質調整などすれば殆どのPCゲームを60fpsで動かせるRTX3060、このゲームを起動した瞬間から稼働率100%である。起動瞬間400fps、タイトル画面280fps、GPUに対する殺意がUnlimitedである。アンリアルエンジン自体タイトル画面で重いのはわかってるけどそれとは別問題である。
でもこれだけならまぁ、設定すればいいんでしょ?
あの~画面設定、二択しかないんだけど~
(フレームレート設定は)ないです
あの~Nvidiaのドライバー設定でフレームレート制限かけたのにどうしてまだ100%のままですか~
(AMD以外のドライバー設定は効か)ないです
アップデートあるやん、直してくれるよな
(そんなパッチは)ないです
幸いな事にBandicamにはフレームレート制限機能が無料で使えるので、それを使えばまぁ、一応60fpsにできるようになるが、いざゲーム開始って意気込んだ私の前に立ちはだかったのはまさかの二段構え、副作用で「文字送りがカク付く」のであった。

問題点2、設定画面でお手軽詰み
さて、先程も言ったがこのゲームの画面設定は二択しかない。つまりどういうことかと言う、文字送りスピードの調整ができないのである。お前正気かよ?ADVってのは文字を読むゲームだぞ
パソコンの寿命を取るべきか、カックカクの文字を読むか、台詞ごとに二度もクリックをするのか、そんなことを迷う私は愚かにも三段目の罠にはまる羽目となったーーゲーム開始後1分で私は詰みました、オプション画面で。
このゲーム、ESCキーがゲーム終了で、右クリックが戻る、そしてオプションを離れるには右クリックした後左クリックする必要がある。この時左クリックしないでESCを押すとゲーム終了するかって選択が出て来て詰みになる。Yesを押すとゲーム終了、Noを押すと左クリック判定が行われるもオプション画面から出られず、そしてこうなると左クリックも右クリックも効果なし、つまり右クリックからのESCを押した時点でもうゲーム終了以外の選択肢がなくなった。
だがこれだけならまだしも、逆の操作も詰むのだ、ESCを間違えて押して、右クリックでキャンセルしようとしたらできず、そしてもう画面から出られなくなって詰みです。
尚、スキップとか操作方法とかそういうのは変更できないのでオプション画面には設定すべきことなどなく、思うにオプション画面とは完全に罠ではなかろうか?
PS:後になって気づいたがこれウィンドウモードになってるけど実際にはフルスクリーンでした。でも調整して一度フルスクリーンに変えた後だ戻すとちゃんとウィンドウになる。作動環境2560*1440モニターだからかな?

問題点3、とにかく不便なシステム
RPGゲームでもオート文字送りとバックログぐらいはある今のご時世、しかしJinkiにはそれがない。
もう一度言おうーーオート文字送りもバックログもない。だからバックログが不便とか突っ込んでる今年の他エントリー作、あるだけマシだと感謝するように。
そして聞いて驚け、このゲーム、何と回想モード無しな上にCGギャラリーでは差分が見えない。今時ツクール同人ゲーすら回想モードあるんですが?なんで?
そしてそれはノベルパートのみならず、出撃編成画面にも及んでる。このゲームは出撃前に出撃機体(最大四体)+それぞれのサブパイロット、武器、アクションを編成するが、その内サブパイロットを編成した後、右クリックで戻るをしようとしたら編成したばかりのサブパイロットが消される。
そのサブパイロット以外の場所をクリックして、青いハイライトの枠を消しても尚消される
何なら編成画面へ入っただけで右クリックでサブパイロット消される時すらある
どうすれば戻れるのか、私はサブパイロット5回ぐらい編成した後漸く気づいた。サブパイロットを選んだ後に、下の武器にマウスをあててハイライト枠を移動させないとメニューを戻せないのである
そして一度でもサブパイロットにマウス当てたら武器に当てなければならないのである

問題点4、圧倒的ボリューム不足と肉を削ぎ落とされてるシナリオ
そんな本作のボリューム、何とフルプライスで独立のHシーンCGは23個しかなく、ヒロインごとに3-4ぐらい(碧4、ルイ3、エルニィ3、さつき3、メルJ3、青葉&赤緒2、青葉1、赤緒1、さつき&ルイ1、エルニィ&メルJ1、全員磔つけ1)、さらに言うとその差分まで一枚当たり大体5-10個前後(1シーンぐらいは差分多めの奴も少しある)と言う圧倒的ボリューム不足である。尚、公開されてるHシーンが12個もある
さらに言うと発売前に公開されたHシーンサンブルがあるでしょう?二つのシーン共に動いてるでしょ?じゃあプレイヤーも動くHシーンを期待するのが自然だろうけど、しかし実際に動いてるのは6シーンぐらいです。
つまりさもフルプライスの様な公開数でプレイヤーの期待を釣り上げて、蓋を開けてみれば低価格ゲーのHシーン数なのであった
思えばシナリオライターはこのゲームのボリュームを示してくれていたのだ。彼のブログ曰く
「メーカーさんからの希望を元に、プロット、シナリオを担当。
実際にゲームで使われているテキストは、シナリオ監修の方に添削していただいたものになります。」
プレイを終えた今、思い返して見ればこれはかなり珍しいことでした。このライターさんはサブシナリオライターをやる時でも最低限は例えば気に入ったポイントとか、大変な所とか、或いは印象的なポイントとかを書いてくれるし、メーカー監修多めの作品には相手を立てるぐらいの気遣いが出来るのである(例えば「メーカー様のほうでさらに濃厚なテキストにしていただいております」や「お陰で方向性がはっきりとわかる作品になった」など)。なのに今作は内容には一切触れてないし、監修だけでなく添削と明記したのはまぁ、つまり添ではなく削のが多いってことでしょうね
そしてそれは当然ながらシナリオ面にも及んでおり、何となくこう、肉付けが薄い様な、唐突な印象を受けるのである。ボイスもイラストも何ならシナリオの文字数もお金が掛かるのだからそりゃそうだろうな~って納得できるわけもなく、それならミドルプライスに落とせやってツッコミたくもある。
軽く触れておくと凡人主人公が巻き込まれて最終的に特別な奴でしたと言うテンプレものに捻りを加えたやつで、言うなればそう、巻き込まれ系主人公が戦いの中で仲を深め、成長する、って王道の物語を描こうとしてるのは分かるが、何せボリューム不足である。何ならこう、恐らくだが未完成だと思う。ちょっと端折りすぎた上にRTS部分挟んでるせいでテンポも悪くなってるし、話を展開し終える前に中途半端な所でもうお金ないからって強制終了されてる臭い。そのせいで序盤は主人公の心理とか成長とかを感じれるのにいつの間にか(プレイヤー視点だとクソ怠いRTS以外)大した交流もないのに仲良くなり、(RTSパートでサブパイロットにしてないのに)いつの間にかパートナーシップが育ったりとまぁ色々と足りない。
言うなればフルプライスとしてプロットを書いたのに、肉付けは序盤ミドルプライスからのさらに厳しくなったから終盤にはロープライスに抑えてる感じである。
尚、そんなボリューム不足を誤魔化す為にスキップ不可な周回とテンポの悪いRTSでプレイ時間を水増しするのは最早Kotyeお家芸だから最早言わなくても分かるでしょう。

問題点5、グラフィックが両方ダメ
そう、このゲーム、RTSとしてもエロゲーとしてもグラフィックがダメなのだ。エロゲーとしてもグラフィックがダメなのか?そう、全然ダメである。
これは別にイラストレーターの腕がダメって訳じゃなく、綱島志朗さんの絵自体は良い。でもそもそもの話としてそんな彼の得意ジャンルはエロじゃないのだ。そしてグロとか暴力とかもそんなに書いてないのだ。完全なる畑違いである。
そしてリョナに凌辱、この手のジャンルに置いて大事なのは言うまでもなくゴア表現とエロスの融合である。
エロもグロも畑違いなイラストレーターにエログロを書けるわけもなく、そうなるとHシーンの文字の描写とCGが全く釣り合わず、萎えるのだ。何ならHシーンを文字だけにして出した方がまだ抜けたかもしれない。例を挙げると文字ではハンマーで潰してんのに絵ではちょっとした青あざ程度、そんなレベルのギャップである。せめて反射ちょっと体浮かせるぐらいしてよ、人形かな?先程も挙げた17年前のゲームのがまだ抜けると思う
そして2Dliveのノベルパートはと言うと、表情がちょっとおかしい、ていうか差分が少ない。キャラは恥ずかしいって思ってるのにとても良い笑顔とかするし、無理やり動かしてるせいで骨格を無視した動きもする。
ではRTSは?本来ならPS2ぐらいって評価したかったが、そう言えばPS2のロボゲーにはAC2があった。そうなるとまぁ、PS1レベルって言うほかないのかもしれない。ゲーム開始5秒で目に入るは爆発と同期してないオブジェクト破壊、時には建物が消えた後に爆発するし、時には爆発から1秒以上で粉塵とかのエフェクト無しに突然ビルが消える。安っぽいエフェクトもここまで極めたら最早ギャグである。なんで3Dにしたの?20年以上前、フラッシュゲームを遊んでたころすらもっと表現力があったでしょう。
そして何よりも気になったのは繋ぎの欠如である。フラグを踏んだら即切り替え、操作の最中一瞬でアングルが変って、シーンが終わると一瞬でまた戻る。切り替えアニメーション無しのPPTかな?。ソシャゲ周回時はスキップ出来ないかって思ってしまうのに、Jinkiのお陰で漸くクリア画面のアニメーションの有難みを理解した

問題点6、なんだかんだ満足の行かない音周り
システムから画面まで全部ダメな本作だが、当然ながら音も満足とまでは行かないものだった。
まず第一にBGMのループの切れ目が気になる。ぶつ切れからの唐突の始まりによってBGMが気になる。
そして戦闘の効果音は安っぽく、戦闘BGMには緊迫感がなく、単調な戦闘と合わせて眠りを誘いに来る。なのに会話パートはBGMのビートと切れ目が邪魔してボイスが脳内に入らない。
さらに言うとキャラボイス、これは感覚的な問題かもしれないが、何となく合ってない気がする。これは序盤から気になるところであり、必死さを感じない、戦う決意を決めてるのに凛々しさがない、凌辱シーンなのに切迫感がない、となんだかんだでこう、物足りないのだ。
そして当たり前のことに、

問題点7、ゲーム性も操作性も達成感もない上にテンポが悪い水増しRTS
さて、そんな今作が色々な問題点を抱えて売りにしたRTS、そのクオリティーは何と同人ゲー以下である。
範囲選択は出来ず、操作性は23年前のRed Alert 2以下。キーコンフィグが出来ないせいでShiftキーを押しながら1234と押すほかなく、右手はマウスだからどうしても左手だけでやるしかないので、複数のキャラ選択すら一苦労。
さらに言うと自動攻撃アリの自動移動無しというシステムにより、敵の前衛を選んで攻撃したら、その敵が死ぬとこっちの後衛が棒立ちになる。なんで?1歩前の仲間打たれてるのにサボるんじゃねえ
敵のHPは無駄に多く、インフレもあって戦闘のテンポは常に遅い上にレベリングも時々必要になるし、終盤のステージはバランス間違えてる様ないきなりな難易度曲線を描いてもいる。
そしてぶっちゃけると敵が固い上に複数出現だから狙撃とかの意味もなく、射程などはそのまま死にステータスとなって、武器はDPS一番高いのにする一択、必殺技もDPSが増える上に盾にもなってくれるタレット一択。戦いは数だよ+レベルを上げて物理で殴る、戦略などない。
なのにステージ数は100以上。そしてマップは使い回し。
どうしてもそこで水増しした?
PS:個人的にはゲーミングマウス使ってるからキーをサイドボタンに割り当てて気にならなかったけどこのゲーム、マウスホイールで必殺技のせいで多分マウスによっては必殺技使う度にアングルが切り替わると思う。

まとめ
年初の門番にして未完成の遺作、戯画マインの最終形態JINKI -Unlimited-
それは正しく表裏一体のクソゲーであった
表に置いては目に見えて地雷なグラフィックと耳に聞こえる不快感、そしてパソコンへのダイレクトアタックを
裏に置いてはシステムとボリュームとゲーム性の多重構えを
最初から最後までプレイヤーを苦しめる要素たっぷり、お財布とメンタルと更にはパソコンにまでダメージを与えようとするその様は正しく地雷であり、愚かにもそれを買ってしまったプレイヤーを嵌める罠であった。
そうしてプレイし終えた後に残るのはRTSとしてもノベルゲームとしてもエロゲーとしても楽しめず、そうなると一体誰が楽しめるのかと言う根源的問題
だがそれに答えてくれる戯画は既になく、手に残るはただのクソゲーであった
でも一応は数少ないリョナゲーであり、なんだかんだ抜けたから私は大丈夫だ。

補足

723:JINKI -unlimited- 選評3 ◆D2NUIMg9q.:2024/01/01(月) 11:45:00 ID:lnOl31C.
画像資料の提供もいただいたので、アップしておきます。
1枚目:ご覧の通りフレームレートが無制限
2枚目:Bandicamで制限した(文字はカクつく)
3枚目:オプションで詰むとは…

+ ...
最終更新:2024年02月08日 23:16