277:ラブカフェ 選評:2023/03/22(水) 00:53:33 ID:Bzw3n47w
初めての選評だし普段抜きゲーやらないから別にこれくらい普通じゃね?って思ったらスルーしてくれ。
正直あらすじ詐欺以外は次点にもならないレベルだと思うけどスレの話題作り程度にでも考えて貰えれば。
タイトル ラブカフェ ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?~
ブランド evoLL
発売日 2023年1月27日
価格 7,480円
あらすじ
その日、主人公―― 瀧村 博司 は、小雨の降る中、夜の公園のベンチでがっくりとうなだれていた。
住むところ……無くなっちゃった……――
彼の住む――いや、住んでいたアパートの契約条件に、
口座から家賃の引き落としができなかった場合、即退去となる旨が記載されていたのだ。
結果、 荷物は外に出され、玄関のドアの鍵は別のものに変えられていた。
不動産屋いわく、荷物を出すときにでもいてくれたら、こんなことには……――
就活も失敗して、住むところもなくなって……
これからどうなるんだろう?
そう思い、何度目かのため息をついた彼に、声がかかる。
この近くに 三人で住んでいると告げる彼女たち は、
落ち込む瀧村の事情を聞くと、 だったら家に来ないか と誘ってくれる。
家賃をもらわない代わりに、家事をしてくれればいい……あと、
バイト先のシフトをもう少し入ってもらえたら……
そう口にする彼女たちに、よろしくお願いしますと頭を下げる瀧村。
こうして4人の同棲生活が始まった。
キャラ
有川 和泉(ありかわ いずみ)?CV:未来羽
瀧村のバイト先の先輩であり、彼の指導担当。
役職こそないが、平社員たちのとりまとめ
――いわゆるチームリーダーの立場に就いている。
学生時代は陸上部、今は趣味で毎週末に登山をしているため、引き締まったスタイルの持ち主。
しかし、胸はGカップであり、そのスタイルのためにその大きさがより強調されている。
加納 瑞穂(かのう みずほ)?CV:渦井ゆきの
瀧村がバイトする喫茶店の古株の先輩。
見た目はぽっちゃりで、のんびりとした雰囲気の持ち主。
その性格も穏やかで、ごくごくマイペースなもの。
趣味は寝ることと食べることであり、姿が見えなくなったと思ったら
休憩室で居眠りしていたり、午前のおやつの時間だと
ケーキやら甘いものを食べている姿は日常の風景の一部とさえなっている。
篁 董子(たかむら すみれこ)?CV:綾音まこ
瀧村がバイトする喫茶店の店長兼調理担当(といっても、雇われのだが)。
その顔に感情らしいものが浮かぶことはなく、
店にいるときは仕事のこと以外話すことはない。
信条は、合理的かつ論理的に結果を出す――
そのため瀧村の要領の悪さや、(篁の中では)必要以上に
他人の面倒ばかり見る彼のことをよく思っていない。
問題点
本作の一番の問題点は「あらすじ詐欺」であること、これに尽きる。
上記のあらすじを見れば大抵の人は主人公+ヒロイン3人のハーレム生活であり、ハーレムプレイが主軸となることを想像すると思う。
あるいは仮にハーレムプレイがなかったとしても「4人の同棲生活」と謳っているのだから、3人のヒロインと交流しつつ個別ルートに突入するという展開を思い浮かべるだろう。
しかし、実際はアパートを追い出された主人公が公園で3人のヒロインと遭遇し、「実は店の近くに社宅がある。もう既に住人はいるのだけどこの中でその社宅に住んでいる人は誰でしょうか?」
と問いかけられ選択肢で選んだ1人と共同生活を送る、と言う物である。(因みに選択肢はこの一回のみ)
選ばれなかったヒロインとはバイト先のカフェでたまに話す程度でプライベートでは一切関わることは無い。
この時点であらすじと凄まじく乖離しており、開いた口が塞がらなかった。
しかし、3人全員攻略すると最初の選択肢に「3人一緒に住んでいるとか?」みたいな物が追加される。
これを選ぶとあらすじどおりのハーレム生活がスタートするので、全ヒロイン攻略しないとスタートすらしないハーレム同棲をあらすじに組み込むのはいかがなものかと思ったが、まあギリギリセーフかなとこの時点では考えていた。
しかし、個別ルートでは全員処女で男性経験が一切無かったのに対し、ハーレムルートだと皆非処女のビッチになっているのだ。
一体どうなってるんだと思ったが、その理由は何と主人公の妄想オチなのである。
そもそもこのハーレムルートは回想枠が4個しかなく、元々がエロシーン以外何も無い作品なので、ボイスを飛ばせば30分で終了だし、オートでも多分1時間あれば終わると思う。
あらすじ的にはハーレムがメインと見せかけてシナリオの尺が一番薄っぺらい上に、まさかの妄想オチと全く擁護できない物となっている。
挙げ句、妄想から帰ってきた主人公が「待っているのは夢か現実かー。ともかく俺と、3人の先輩達との新しい日常が始まるのだ。」と打ち切りエンドで締めてスタッフロールが流れて終了である。
一体何を狙ってこんな意味不明な展開にしたのかが分からない。結局3人の先輩達との新しい日常とやらは最後まで始まらないままなんですが。
ここまでは一番の問題点について語ったが当然これだけでは無い。
この作品、全体的にエロ以外の描写がおざなりすぎるのだ。
まず、あらすじを見ると主人公は家賃が口座から落ちなかったから即退去となったと書かれているが、この時点で現実的にはあり得ないだろう。
残金不足で家賃が引き落とされなかったのならまずは督促状を送らなければならないし、保証会社や保証人に連絡するのが筋である。
加えて、「せめて荷物を出すときに一緒にいてくれたら・・・」と不動産から言われたそうだが、荷物を出す前にまずは携帯に連絡するなりなんなりしろと言いたくなる。
こんなことがまかり通るなら怖くてアパートなど住めたものでは無い。
そしてヒロインと同棲してからの流れもかなり適当である。
家が無いならウチに来て良いよ→翌日のバイト→そして1ヶ月後→即H、みたいな感じで過程の描写など一切無い。
上述の通りヒロインは全員処女で全員男性経験は一切ない。それなのにワンルームマンションで同居生活を送ること自体が相当ハードルが高いし、ましてやセックスなどそんな簡単にする物では無いだろう。
だからヒロインと最初の情事に至るまではある程度納得させる理由が必要だと思うが、この作品はそういったところに労力を割きたくないのか、その1ヶ月の間にあったであろう事は全く描写しないからプレイヤー目線だと即股を開くヒロイン達、というイメージでどうにも違和感が拭えない。
一例として、「以前はどんなに疲れていても彼女が家事をしてくれた。今では俺に任せてくれる。信頼の証だろう」という台詞があるが、そもそもヒロインが家事をやってくれた描写が一回も出てこないし、急に主人公に対する信頼がどうとか言われても困惑するだけである。
抜きゲーなんだから細かい事は気にするなと思うかもしれないが、それにしたって限度があると思う。
また、メインヒロインですら自分のルート以外では何の面白みも無いバイトのシーンでしか喋ることが無いので、モブの会話量に至っては絶望的である。
バイト先がカフェなのだから立絵やボイスが無いにしても客との会話くらいはあってしかるべきだと思うが、そういった場面は一切無い。
この作品でモブが喋る台詞は
「・・・なんか声しなかった?」
「野良猫かなあ?すごい声がしたんだけど・・・。・・・奥なのかも」
「あれ。やっぱりなんか聞こえた?奥に何かいるのかな?」
この3カ所だけである。しかもヒロインと野外Hしてる最中の台詞。
カフェという舞台設定がまるで生きていない。
次にテキストについてだが、度々独特の表現が混じっている。
その最たる例が「放精」である。
この作品では度々射精の事を放精と言うのだが、少なくとも自分が知る限りではこんな表現のエロゲーは見たことが無い。
放精というのは卵生の魚類や両生類で多く用いられる概念であり、人間同士の交尾で中々出る言葉では無い。
確かにヒロインの身体にぶっかけることを放精というのは間違いでは無いと思うが、何故わざわざこの言葉をチョイスしたのか不明。
また、男性器の表現に対して「はち切れそうなくらい膨張している」とか言う表現はよく聞くが「肉棒が野太く膨らむ」なんてのは初めて聞いた。
システムについて
バッグログが今時一行ずつしか表示されない太古のシステム。
その割に、そのテキストが表示されていたときの場面を再現する機能が搭載されており、バッグログで戻ると立絵と背景がコロコロ変わるし、CGが表示されていたときはそのCGが出てくる。
また、一度タイトルに戻って再度ロードしたときにバッグログを辿るとタイトルに戻る前に表示されていたテキストが反映される。
例えば、あるヒロインのエンディングを見た後に次のヒロインを攻略するため最初の選択肢の場面でロードしてそこからバッグログを辿ると直前にプレイしていたヒロインのエンディング間際のテキストが表示される。
こんな無意味なところに力を入れるくらいならおとなしくログを複数行表示させる令和基準のシステムを構築すべきだと思う。
最後に細かいところであるが、風呂場の背景に違和感がある。
今時成人女性が一人で暮らすワンルームに2ハンドルの混合栓が1つのみでシャワーすらないのは流石に不便過ぎると思うのだが。
謎の黒い空間がなんなのかもよく分からない。ここから外でも見えるのか?
まとめ
個人的には色々突っ込みたくなるが大部分は「抜きゲーだから気にするな」で許されるのかもしれない。
しかし、あらすじ詐欺だけは抜きゲー云々は関係なく、誇大広告に等しい。
同じ店で働いているのを「4人の同棲生活」とでも言いたいのだろうか?と考えたくなる作品であった。
風呂場の画像