796:カノジョの性癖 -盗聴×妄想- 選評:2023/05/25(木) 01:40:19 ID:ldGEFvLw
タイトル カノジョの性癖 -盗聴×妄想-
ブランド Guilty'Dash
発売日 2023年4月28日
価格 1,760円(税込本体価格)
ストーリー
会社に勤めている秋月 佑太(あきづき ゆうた)は同僚の古伊万里 萌香(こいまり もえか)と付き合い始めた。
仕事が終わると彼女から一緒に帰ろうと誘われ、食事した後、そのままホテルでエッチをした。
行為が終わると、萌香はシャワーを浴びに行ってしまう。
萌香のバッグからスマホが出ており見ると録音しており、先ほどのエッチが盗聴されていた。
その事を萌香に聞くと取り乱し服を着て出て行ってしまう。
翌日会社で萌香に屋上に来るよう伝えると彼女の性癖が盗聴であることを知る。
佑太は萌香が好きだからこそ性癖を受け入れて満たせるセックスをしようと話す。
キャラ
【お嬢様育ちで盗聴に興奮する女性会社員】
●古伊万里 萌香 (CV:まのめるか)
大学を卒業後、現在の会社へ入社した。
女性一貫の学生時代を過ごしていたため異性と交流する機会がなく女子と話していたため情報や知識だけたくさん持ってしまった。
性に関しては本や動画などをこっそり見て自慰に耽っていたがその中でもっとも興奮できたのが他人のセックス中の音声だった。
配属された部署の先輩秋月佑太から告白され付き合うことになり初めて佑太との性行為をしたが、物足りなさを感じていた。
自分たちの性行為を録音したもので自慰をしたら興奮してあっという間にイクことができたことからこの性癖が引かれると思い言えずにいた。
「うん、私も残業はないわ。ねえ、今日も一緒に帰りたいな。」
【盗聴が趣味で電子機器オタクなお金持ちのお嬢様】
●久我 優月 (CV:結城ほのか)
大学で電子工学を学んでいる大学生。
性に対する好奇心は旺盛で経験はあったが今一つ物足りなさを感じていた。
盗聴で今まで以上に興奮でき電子機器オタクであったために特に盗聴に関する知識は詳しくなり自分で盗聴に関するサイトを開設するに至った。
そこでは盗聴に関する知識をまとめたり質問に答えるコーナーなどを作り運営していた。
「そんなワケだから、盗聴にはすごくこだわりがあるんだよね」
●秋月 佑太
大卒で現在の会社に就職。
真面目で映画鑑賞といった平凡な趣味を持ちこれと言って胸を張れることがなかった。
過去に女性と付き合ったときにつまらないと言われ振られることがあった。
部下だった萌香と話す内に仲良くなり好意を持っていたので付き合い始めた。
問題点
本作の問題点を論ずる為には、まずシナリオ全体の流れを理解しておく必要がある。
よって簡単に作中の時系列を記載しておく。
主人公とメインヒロインがラブホでセックス(物語開始時点でヒロインは主人公に貫通済みの為何度目かの性行為)。
↓
いつもは淡泊なヒロインがかなり感じていることに主人公が違和感を持つ。行為後、ヒロインが情事をスマホで録音していたことが判明。ヒロイン、録音バレでラブホから脱走。
↓
後日事情聴取。ヒロイン、以前から盗聴に興味があり遂に初めて実行してしまったと告白。この時点では録音したデータはヒロインもまだ聴いていない。
↓
主人公、ヒロインの性癖を受け入れる。自分たちの行為の録音を聞きながら会社の屋上でセックス。
↓
会社の不倫カップルが定時後に会社でセックスをしているみたいだから盗聴しようと主人公たちが計画。不倫カップルのセックスを聞きながらヒロインにフェラをしてもらう。
↓
主人公、ヒロインをハプニングバーに誘う。他人の声を聴きながら自分たちも見られるので更に興奮するだろうとのこと。ヒロインもノリノリ。
↓
主人公、盗聴サイトの管理人をカフェに呼び出しヒロインと共に初邂逅。おっさんかと思いきや巨乳美人のリケジョでした。
↓
ヒロインと主人公、リケジョとリケジョのパートナーでセックス音声を互いに公開する約束をする。ヒロインはこの後すぐに用事があるからと帰宅。
↓
リケジョ、実は今は相手がいないことを主人公に告白。主人公に自分のパートナー役を務めるよう懇願し、浮気セックスを録音する。
↓
後日、主人公とヒロインが主人公とリケジョの浮気セックスの録音を聞きながらセックス。ヒロインはリケジョの相手を務めたのが主人公だとは知らない。
↓
主人公、ヒロイン、リケジョが青姦スポットとして有名な夜の海に行く。他人のセックスを見ながら自分たちも3P。見られながらすることに興奮する。
↓
海の青姦で味を占めた主人公とヒロイン、公園でも青姦を敢行する。
↓
公園の青姦を撮影され、バラされたくなければ言うことを聞けと見ず知らずの相手に脅される主人公とヒロイン。ここでエンド分岐。
↓
エンド①
脅迫者の言うことを無視するにした二人、会社にばらされたら当然退職せざるを得ないので収入源をどうするか悩んだ末、ハメ撮りをネットにアップしスパチャで生活することを決意。
それが軌道に乗り、会社勤めをしなくても生きていくだけのお金を稼ぐことが出来たし自分たちの性癖も満たされてめでたしめでたし。
因みに脅迫者の件に関してはリケジョが盗聴スキルを駆使して逆に弱みを握った為、主人公たちに危害を加えられることはありませんでした。
エンド②
脅迫者の言うことに従うことにした二人。
口止め料を払うにもお金がない。「私が風俗で働くしかないかな・・・」と悲観するヒロインと「俺以外に抱かせはしない!」といきり立つ主人公
そんな二人が出した結論は、マンションの一室で変態親父たちに自分たちのセックスを公開する事でした。
変態親父たちはヒロインにぶっかけ放題だけどヒロインとセックスするのは主人公だけ。
見せつけプレイとぶっかけでお金を稼いで今のところは軌道に乗っている様子だがこれからはどうなるか分からないと不安要素のあるエンド。
ロープラだし短い作品なので上記の内容がほぼ全て。
ここから一つ一つ突っ込ませていただきたい。
まず、最初に言いたいのは時系列が意味不明でどうなっているのかさっぱりわからない。
ヒロインの紹介では「自分たちの性行為を録音したもので自慰をしたら興奮してあっという間にイクことができたことからこの性癖が引かれると思い言えずにいた。」
とある。だが、ヒロインが盗聴をするのは冒頭のセックスが初めてであることは明確だ。
これは「今回はヒロインのセックスに対する感度がいつもとは違う」という主人公の発言や「それで遂に実行してしまった」というヒロインの発言から容易に推測できる。
そして、主人公に問い詰められる場面で「まだこの前の録音は聴いていない」とヒロインは告白している。
つまり、作中の時系列では録音を聴きながら自慰をするタイミングなどないのである。
ヒロインが嘘をついているならこの前提は崩れるが、ヒロインの性癖に関してオープンに全て受け入れると宣言している主人公に対して嘘をつく理由などない。
冒頭からいきなり発生したこの矛盾に対する疑問は最後まで解消されることはなかった。
↓矛盾を生じさせる発言
次に、タイトルにもなっており、あらすじやキャラ紹介でも何度も出る「盗聴」という単語だがこれが作中で生かされる箇所は殆どない。
盗聴をベースに性行為に興じるシーンは、不倫カップルのBGMを聴きながらフェラ抜きする1シーンのみである。
あとは百歩譲って会社の屋上での録音を聴きながらのセックスシーンくらいだ(結果的にホテルの録音はバレていたし、盗聴と言えるかは微妙だがヒロインの当初の企みとしては盗聴だからギリギリごり推せなくもない)
だが、不倫カップルの盗聴は「彼らが盛り上がってる」みたいなことを主人公が状況説明するくらいで不倫カップルの会話もボイスもない。
屋上のセックスも自分たちのセックスの録音はボイスで出てこない。地の文で主人公が語るだけ。
唯一のボイス付は主人公とリケジョの浮気セックスの再生だが、これは盗聴ではなく同意の録音である。
あとは盗聴とは全く関係なく、3P、青姦、見せつけプレイ、ぶっかけプレイ、など作品のコンセプトとは全く関係ないシーンの羅列である。
この作品の売りは「自分のセックス音声を聞いて興奮するヒロイン」であるはず(少なくとも作品紹介からはそうとしか読み取れない)
それなのにどういう思考をしていたら青姦やぶっかけプレイが発生するのか全くもって意味が分からない。
企画力が異次元過ぎて誰に何を訴えたいのか少なくとも筆者レベルの頭では解読できなかった。
↓唯一喘ぎボイスが出る録音。
↓サイレントリスニング
↓ぶっかけの超展開
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シナリオの展開もそもそも意味不明
正直なところ青姦が始まった際に、捕まる可能性あるし身バレの恐れもあるだろうに近所の公園で堂々とやるとか考えられんなと思いながらプレイしていた。
しかし、それは敢えて踏みに行っている発掘者の目線であり、普通に実用目的でプレイしている層からしたら気にするレベルではないだろうと特に言及するつもりもなかった(シナリオ上矛盾が生じるならダメだけどこの作品にそんな大層なシナリオなんてないし)
だが、公式自らが身バレ展開を放り込んでくるのだからたまげてしまった。
どう考えてもこんなロープラの抜きゲーで「身バレした、どうしよう」などという展開は不必要だろう。
ハメ撮り配信にしてもぶっかけプレイにしても性癖の延長上でそうなりました、と一言説明すればそれで済む話である。
ご都合主義満載のロープラエロゲでなぜいきなり現実の常識を取り入れたのかが良く分からない。
↓青姦はいけません
サブヒロイン必要?
リケジョは浮気セックスと青姦の3Pしか出番がない。
最後脅迫者を無視するエンドでリケジョが助けてくれるのかと思いきや、ハメ撮り生活直行で主人公たちはリケジョに頼る頭もないくらい彼女の存在感は薄いようだ。
と思いきやハメ撮りは気持ちいから別として脅迫はやっぱだめだからリケジョに頼んで逆に脅迫者の弱みを握ってもらったとエピローグでひっそり名前が出てくる。
最初から頼ってやれよ。ただでさえ出番がないんだから。
↓もう少し早く頼れよと
誤字脱字関係
しっかりと搭載しています。
基本的には画像参照。
特筆点として、リケジョが主人公を佑太と呼んでいるテキストが何箇所かあるがボイスでは佑太君であるし、テキストも通常は佑太君である。
よって佑太は誤植なのだが、その数が異常に多い。
ライターの頭の中で整理できていないのだろうか?
「豊満な乳房が大きく揺らす」など文法的におかしいものもある。
誤字
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佑太
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立ち絵のせいで主人公以上に常識が無いように見えるヒロイン
リケジョとの初邂逅の場面で主人公がリケジョに年齢を聞くことを咎めているが、この絵面だとヒロインがリケジョを掴んでいるように見えるのでこちらの方が余程失礼だと思う。
まとめ
盗聴した音声を行為中に流すも、それのオンオフが一切出来ず常にうるさいといったネタ要素がもしかしたらあるのではないかと思って特攻したが実際に出てきたのはそれとは真逆のボイスが一切ないサイレントリスニングであった。
これにより、プレイヤーには一切ストレスを与えないが逆に盗聴モノの利点を消し飛ばしているのでこの配慮は無意味である。
そもそも公式は盗聴と録音を勘違いしている節がある。
更に言うとタイトルの「妄想」とやらはどこにも出てこない。
無意味な企画、必要性の乏しいサブヒロイン、誰得な露出プレイ、輝きを放つ誤字、など要所要所の糞ポイントを押さえており、今回もWILL PLUS系列の安定感が窺える。
アトリエさくらと鎬を削る存在としてこれからも君臨するのではないだろうかと思わせる一作であった。