486:選評 恋人・亜依理を抱いた他の男達:2023/11/14(火) 20:45:18 ID:X5N6.jRg
タイトル 恋人・亜依理(あいり)を抱いた他の男達~愛する恋人が俺の元から去った理由(わけ)
ブランド アトリエさくら
発売日 2023年 8月25日
定価 3,080円
ジャンル アドベンチャー
シナリオ 中森南文里
公式あらすじ
1章:都会に進学した響野宗太(きょうのそうた)は、幼馴染の波留川亜依理と偶然再会する。亜依理は突然引っ越して音信不通になっていたが、昔と変わらない笑顔で宗太に接する。それから二人は一緒の時間を過ごすことが多くなり。宗太は亜依理への想いを強める。しかし、宗太は亜依理に高野望という彼氏がいることを告げられ、彼女から聞かされる話で宗太は亜依理が去った理由と望との関係を知ることになるのであった。
2章:望は恋人の亜依理が幼馴染の男と仲良くしていることに嫉妬する。ケンカした後も仲直りして付き合い続けるが、亜依理の様子がおかしいと感じるようになる。
もしかして、あの幼馴染が――?
そして望は衝撃的な光景を目撃することになる。
3章:社会人になった亜依理。過去の苦い経験から強くなり、髪も切った。過去を忘れて幸せを求めようと思った。
しかし、過去は亜依理を追いかけてくるのであった。
――これはそんな亜依理と彼女の恋人だった男達の物語――
問題点
- 本作はヒロインとの馴れ初めをしっかり描写している風を装っている
どういうことかというと、まず最序盤に主人公は幼馴染のヒロインと街中で偶然再会する
そして回想に入り過去にヒロインが音信不通となった事が説明される
回想終了後に二人で食事をしてそのあとは
”そして数ヶ月が過ぎた”の一文、仲良く部屋でゲームを楽しむ二人が存在する
昔と違って異性として意識していることを独白する主人公
幼馴染と再会してから、ヒロイン主人公共に人となりが一切分からないまま数ヶ月経過し
さらに好きになっているゲームなど前代未聞ではないだろうか
ゲーム開始と同時に初夜を迎え、数行の説明で馴れ初めを語り最速で本編に入る今までのアトリエさくらの方がまだ潔さがあった
上記にも書いた通り主人公に関する人となりが分からないままゲームが進む
そうすると主人公の起こした最初の大きな行動でプレイヤーの印象というのはきまってしまう
主人公が恋心を意識していたヒロインには実は彼氏(2章主人公)がいたと判明し、ヒロインから主人公に
彼氏がいるのによくほかの男の家に行って遊んだりご飯を作っているのを浮気じゃないかと疑われてケンカになった
だから今までみたいに頻?に会うことはできないと告げられるシーン
この時点でこれNTRではないなと思っていたがそんな考えはこの後の主人公に吹き飛ばされた
「(それはつまり、俺は今までみたいに亜依理と楽しい日々を送れなくなるということだ。
そう思うと、その彼氏に対してのイライラを抑えておくことはできなかった。)」
この独白を見て主人公に好感をもつ者はいるのだろうか
これが好きな人を取られたことに対する苛立ちや、醜い感情などであればNTRやBSSとしていい主人公であったろうに
これだと幼稚なわがままにしか見えない、独白だけならまだしも
「お前を信用してないってことじゃないか。そんな束縛する奴なんて無視しろよ」
「俺と一緒にいられなくなってもいいのか?!」
「そんな男とは別れろよ」
などと主人公と思いたくないクズ発言が飛び出す
束縛する奴発言はブーメランにしか思えないし
俺と一緒に~はお前何様だよとしか感じなかった
エロゲ史上屈指の振られろと思った主人公の告白シーンである
ちなみにこのクソ主人公とは最終章で結ばれる
主人公に対しての第一印象は嫌悪感であったが、ヒロインの印象は困惑である
上記の告白から数日後、ヒロインは主人公を家に呼んで
昔は主人公のことが好きだったけど今の彼氏が大切だから付き合えないし、これからあまり会えないと告げられる
ヒロインは音信不通になる前に強姦されていたこと、彼氏はそんな自分を支えてくれたことを説明される
なら仕方ないと主人公が諦め、去り際に最後にハグして欲しいと主人公を誘う
ハグをする主人公にキスをし、「今だけ恋人同士に、昔したかったのにできなかったことさせて」とベットに誘いエロシーンになる
アトリエさくらには今までも浮気クズや理解不能と称されるヒロインがいたが、本作は直前のシーンからなぜこうなったのか
プレイヤーに何一つ納得感が与えられない、まるでポルナレフのような感覚で濡場に突入する
知らない国の言語の映画を見ているような気分である
公式サイトには3章の主人公は宮下孝大とあるが、3章はヒロイン亜依理の視点で進む
キャラ紹介も雑に語られ、プレイヤーから名前以外を認知されないまま物語は進みヒロインは浮気を始める
恋人にもかかわらず扱いが宮下孝大と名のついたモブであり、それなら3章主人公を波留川亜依理としたほうがよかったのではないだろうか
一度も心理描写がなされないまま3章主人公は別れを切り出される
さらに3章内で2章主人公と再会するためさらに影が薄くなっている
再会した2章主人公を家に招きセックス(エロシーンはカットされる)
事後に自分の乱交DVDを一緒に観賞して追い出す
一度も3章主人公の視点にならずに最終章に入る
元々馴初めや人間関係の情報が薄くて感情移入できないと多々言われていたアトリエさくらが話をそれぞれ3分割したのだ
そして各章ごとに主人公の説明や回想が入るため、物語のしてのボリュームが非常に少なく感じてしまう
今までのアトリエさくらでは序盤に短い回想1回だけで馴初めや人柄を説明する問題点があったが
本作ではついにそれは止め、回想の回数を増やすという誰も求めていない解決案を実行に移した
ヒロインや各章主人公から繰り出される回想シーンは
回想の内外問わず無数に繰り出される「数ヶ月後」「数日後」「数週間後」といった雑な時間経過と合わさり
劇中の時間や季節の想像をしっかり邪魔してくる
誤字の多さ
シナリオは1本道でエピローグで選択肢が一つあるだけである
ボイス再生時にときおりプツプツとしたノイズが発生する
CGに似たアングルのものが多く、とくに同じアングルの正常位は3つある
などがある
本作だが実は発売前からそのヤバさを漂わせていた
以下はゲームそのものの評価からはズレるためおまけ程度にとらえていただきたい
本作は複数主人公の採用をしており、これは今までのアトリエさくらに無かったかなり凝った設定である
しかしその凝った設定がシナリオ担当の中森氏とは相性が悪いのではと囁かれていた
中森氏は今まで
恋人の過去の性行為を知ることのできるという謎能力が作中まったく活かされなかった、今夜もあいつに抱かれる彼女
ダブルヒロインを採用し、片方は空気、もう片方は主人公が追いかける理由が分からない不快女となった、寝取られ姉妹
妻よりも間男を説得しているシーンの方が多く、女とセックスしてるホモゲーと評された、裏切りの寝取らせ
等々、捻った設定で大失敗を起こし続けている実績あるクリエイターである
本作は8月8日にマスターアップされがそのHPは公開されているヒロインの立ち絵が線画のままで
1章以降の主人公の説明文が空欄という売る気すら感じ取れないHPであった
しかしこれはお盆休みを挟む影響でサイトの更新が遅れてしまった為と推察される
お盆明け19日にはサイトは更新され立ち絵は色付きのものに差し替えられた
ただし1章以降の主人公の説明文は今現在でも空欄のままだが
まとめ
全体的に理解できないアトリエさくらの最低傑作
2章の終わりなど(相対的に見れば)NTRとしてしっかり出来ている部分もあるが
章を別れさせたせいでボリューム不足すぎている
エロも似たアングルが続いて新鮮味がなく、3章主人公は名ばかりである
個人的には今までアトリエさくらは楽して儲けるために手を抜いてクソゲーになっていたり
ロープライスでいいものを作ろうと捻ったせいでクソゲーになっていたが
本作は話題になればいいやとわざとクソゲーに仕上げたのではないかと思うくらいに酷い作品
いいものを作ろうとして完成するクオリティとは思えず
あらゆる面で質より量のアトリエさくらが
限られた予算の中で本気でKotye大賞を狙いにきたのではないか