816:奈落の胤:2024/09/13(金) 21:29:30 ID:f0HBVXtg
461だけど規制で塩漬けにしてた奈落の胤の選評投下します(781以降とは別人です)
せっかく話題再燃してるので賑やかしとして
スクショの黒四角修正は筆者が入れています(ゲーム中にはありません)
以下本文
奈落ノ胤 ~堕淫調教SLG~
ブランド MAYHEM
発売日 2024/5/31(DL版) 2024/8/30(パッケージ版)
価格 8800円(税込み)
原画 熊虎たつみ/椎咲雛樹 ほか
シナリオ haruya/斉島煌/柘榴
DL版[(DLsite)Ver.1.10パッチ導入済み
〇ストーリー(公式サイトより)
大学生の主人公は彼女と従姉妹の幼馴染と3人で旅行に行くことになった。
しかし道に迷いある屋敷にたどりつくことになる。
そこで自分の身長を遥かに超える長身で和服姿の妖艶な美女――屋敷の女主人に囚われ、
主人公は従姉妹と幼馴染の調教を強要される。
どうしても抜け出せないこの屋敷、巨大な美女、何かがおかしいこの世界……。
そしてやがて欲望の限りを尽くし、二人を調教する快楽に溺れていく。
一体、この女主人は何物なのか?この屋敷から出られるのか?
淫靡に壊れていく従姉妹と幼馴染、そして長身の美女。そして、甦る記憶。
果たして堕淫の果てにたどり着く奈落とは……。
(補足)
スレでも話題になったが、登場人物の関係が誤っている。
正確に表記すると「主人公」と「彼女」(羽澄)と「従妹かつ幼馴染」(早月)が旅行のメンバーで、
「従姉妹と幼馴染」→「彼女」と「従姉妹かつ幼馴染」
と読み替えてほしい。
〇登場人物
適宜公式サイトを参照のこと。
園田 早月(そのだ さつき)
主人公の従妹で幼馴染。
高圧的な性格で主人公をいつも下に見ている。
大学が近いという理由で主人公の家に下宿している。
主人公と同棲しているうえにやたらと付きまとってくるので羽澄から内心疎まれている節がある。
宮坂 羽澄(みやさか はすみ)
主人公と数日前から付き合い始めた恋人で、早月の友人でもある。
こちらも勝気な性格で、公式サイトには奥手と書かれているが特にそんなことはない。そもそも奥手と猛烈アタックは普通両立しないと思う……
サンプルでは髪色、リボン、瞳の色が異なる(後述)。
一夜(いちや)
巨女。主人公たちが飛ばされる異空間「マヨイガ」の主。
羽澄を操って旅行先を誘導し、マヨイガと繋がっている?村に来るよう仕向けた(村とマヨイガの関係は明かされないのであくまで推測)。
一日の終わりに時々現れてHシーンを挟み込んでくる。身体は成人男性の主人公より一回り大きいが挿入には問題ないらしい。
調教に必要なものをその都度用意してくれる便利枠。
媚薬、拘束器具、機械姦用の装置等の準備だけでなく、主人公のペニス巨大化、ヒロインの乳房を改造してニプルファック可能にする、膣が感度1000倍になる等の人体改造までなんでもござれ。
樋口 要(ひぐち かなめ)
幼少期から何度も一夜を夢に見ており、心理学からその正体を解明しようとしている(がその設定が活かされることはない)。
羽澄と付き合っているがその時々で都合のいいことを言い出すので責任感に欠ける(後述)。
実は事故で亡くなっており、その際に一夜が深界生物(詳細不明。タコのような触手を持った生物が作中に出てくる)として蘇生していたことが中盤で明かされる。
〇ゲームシステム
20日間でヒロイン二人を調教していく。基本的な流れは以下の通り。
調教対象を選ぶ→調教コマンドを選ぶ→適当なところで調教終了する→進行状況によって個別イベント→次の日へ
「淫丹」という体力に相当するものが尽きないように調教コマンドを選択していく。淫丹は毎日1000まで回復する。淫丹が尽きると調教終了と説明されるが、実際はバッドエンド直行という意味である。
調教コマンドについて、ヒロインのパラメータの上昇に従って?次レベルや新しいコマンドが解放される。レベルが上がるごとに同じコマンドでも過激なシーンになっていく。
〇問題点
システム面
調教コマンドでどのパラメータが変化するか一切説明がない。恥辱などコマンドのジャンルとパラメータが一致するものはいいが基本的には行き当たりばったりになりがち。
また、コマンドでどれだけ淫丹を消費するかの説明もない。初期は1回200消費であるものの高レベルのコマンドや中盤以降に開放されるコマンドは消費淫丹も大きくものによっては一回500消費のものもある。
先述したように淫丹が尽きると即バッドエンドであるため淫丹が少なくなってきたタイミングで淫丹消費量を把握していないコマンドを試す際はセーブ必須。安牌だと思っていたら直前の調教でレベルが上がっていて消費淫丹を見誤った、ということも。
本作は全エンディング回収後、日数、淫丹の制限なく調教できる「おまけの世界」に行けるようになる。こちらはエンディングに入るタイミングで確認画面が出るのだが、NOを押してエンディングに向かおうとしても一つのエンディング(一夜エンド)にしか行けない。各エンディングは丸ごと回想に登録されるので問題ないといえば問題ないのだが……エンディング条件の検証にかなりの支障をきたした。
現状確認した回避方法はNEW GAMEから始めて3日目に(例外的に)入るおまけの世界の確認画面でNOを押して以降の確認画面を発生させないこと。つまりその確認画面を発生させなかった既存のセーブデータは一夜エンドに続く一本道になると思われる。
CG
同じコマンドのレベル違いで同じスチルを使用するのはまだいいが、別コマンドでの流用も散見される。差分に若干の差がある程度。
例:「キス」と「胸」が同じ、「クリトリス」と「膣」が同じ
UI構築の問題でもあるが、この代り映えのない回想リストを見て何も思わなかったのだろうか……
具体的には羽澄の騎乗位Lv.2でフェラのスチルが混入している。途中で元に戻る。シーン回想でも適用される。
厳密には作品中の要素ではないが、サンプルと実物で羽澄の髪色・リボン・瞳の色に乖離がある(8/3現在)。
公式サイトやDLsite等のサンプルでは金髪にピンクのリボン、ピンクの瞳だが実物は水色の紙に紺のリボン、緑の瞳。勿論作中で髪色等が変わるような展開はない。
なお、公式サイト等でもメインビジュアルや登場キャラクターの項は正常である。
調教について
- レベルが上がってもテキストが変わらないところがある
レベルによって調教内容が過激になっていくと書いたがテキストの変化がない場合がある。具体的には7段階あるレベルのうち7パターンあるのは正常位のみ(多分)でそのほかは多くて6段階。後半に開放される項目はレベル2以降しかないものも。
レベルをわざわざ7段階も作ったのなら責任を持って差分を作っておいてほしいものである。なお、シーン回想では変化なしのレベルは登録されない。
ヒロインのパラメータが上昇すると下のレベルを選択したことがなくても強制的に上のレベルに固定されるのだが、そのようにして取り逃した低レベルコマンドは周回しなければ回収できない。レベルによって主人公とヒロインの態度が変わる(だんだん主人公>ヒロインと力関係が逆転していく)のでコマンド間で二人の関係性に破綻がないようにしたいのだろうが、シーン回想にも登録されないので見逃した場合は周回必須。
ストーリー面
早月、羽澄ともに登場キャラクター紹介の最初を「処女」から始めるほど強調している割には処女喪失の扱いが軽い。調教開始から初めの2日間で調教のスタートとして二人と順番に初体験するのだが(順番は選べる)、調教コマンドが入ってから破瓜の差分を矛盾ないよう作るのが面倒だったようにしか思えない。内容も双方同意のうえのHであり、調教と銘打って初めにやることが和姦というどこかチグハグな展開になる(ここでは調教めいた加虐はない)。
余談だが、初クリア後に解放されるプロローグスキップでは調教が本格的に始まる3日目からのスタートになるので初体験も飛ばされる。シミュレーションとしては正しいのだが何か複雑な気分になる。
ヒロインに迫られるたびその場その場で都合のいいことばかり言っているうえに各ヒロインエンドではほかのヒロインのことなど見向きもしない。特に一夜エンドは他ヒロインルートからの派生になるので進行次第では
1.羽澄と付き合いつつ
2.早月に責任を取ると宣言し
3.その場の雰囲気で羽澄と結婚の約束をし
4.一夜と結ばれるにあたって前の二人はどうでもいいとのたまう(後述)
と主人公の最大三枚舌が炸裂する。
以下主人公の言動の一例。
[早月関連]
すでに羽澄と付き合っているのに先述した早月との初体験のシーンでは勢いで「責任を取る」と明言するうえ、早月寄りのルートを進行させると羽澄を捨て置いて早月と結婚の約束までする始末。「そうだ、早月と結婚しよう」はこの作品屈指の無責任発言である。
加えて早月エンドでは羽澄が行方不明のまま終わるが「(一夜に)操られている状態なら仕方無いか」と軽く流して以降言及しない。
[羽澄関連]
個別エンドでは(なぜか)記憶喪失になった早月について羽澄ともども碌に心配せず、邪魔者は消えたとばかりに同棲を始めることになる。
[一夜関連]
個別エンドでは「一夜と過ごせるなら、二人のことなんてどうでも良い」と言い異空間の中で一夜に淫丹を捧げ続けることを誓う。繰り返すがこのエンドは他ヒロインの個別ルートから派生するため場合によっては結婚の約束も投げ捨てることになる。
複数ヒロインかつ日数制限のうちに多くの調教コマンドを選びたい都合上、なるべく一人のヒロインを選び続けるのがセオリーだと思われるが、片方のヒロインを調教相手に選ばないまま進めると途中でそれを責められるイベントが発生する。このイベントは2回発生し、2回目が発生した次の日もそのヒロインを無視すると無視されていたヒロインがもう片方を殺害するバッドエンドとなる。それを回避するため調教相手を散らしてご機嫌取りをしても、その後も偏った選択をした場合上記のバッドエンドが発生する。しかも2回目のイベント発生以後は予告なくバッドエンドに直行するので一日ごとにセーブして爆発しないか確認することになる。
恐らく各ヒロインの嫉妬パラメータに条件があるのだが、ヒロインのパラメータは調教画面に行かないと確認できないため結局数値を確認したいならセーブロードが必要。
ちなみに最も楽な回避方法は2回目の嫉妬イベント発生後一日おきにヒロインを変えることだがその場合もちろん目当てのヒロインの調教が妨げられることになる。
その他
超速理解で調教を受け入れる主人公と3クリックで受け入れる恋人(お互い性経験なし)
早月はちゃんと拒否して主人公に説得される
このゲームはHシーン後の暗転代わりに主人公が気絶しがちなためシックスナイン気絶やパイズリ気絶などもある
〇まとめ
手抜き、ところどころ怪しい日本語など公式サイトの不安定ぶりから予想を裏切らない出来というのが正直なところである。この手のゲームならシナリオはあってないようなものと考えていたが、このような出来ならいっそ最初からなかった方が良かったのではないかと思える。
サンプルやメインビジュアル通りCGは好みの絵柄だったので最低限画集としては使えると言いたいところだが上述の通り低レベルコマンドが回収しづらいのが残念なところ。各コマンドでどの程度パラメータに影響があるのか、どのパラメータで次のコマンドが開放されるのかも不明なため未だに開放できていないシーンがあるのが実情である。
繰り返すがあからさまな地雷であり8800円のクオリティには到底値しないといえるだろう。シナリオとシステムが渾然一体となってやる気をどんどん削いでいく一作。