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下着
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下着 03/07/13
聞いた話だ。
あのですね、彼女と一緒に買物に行ったんですよ。それも下着。どうでもいい買物ならこっちも気が抜けてますけど下着となるとやっぱり目の色変わりますよね。ね?ね?それでまあ、高級な所でなくて安い所ですけど行きました。支払いは結局こっち持ちですけどね、こっち持ちだからこそ好みの下着選びたくなりますよね。
それでまあ、色々見ながらああだこうだとひとしきりやりあってさすがにお互い疲れて「そろそろ真面目に選ぼうか」と。幸い好みの一致したやつがあったんでそれを選んでですね、「これ」「うん」と頷き合っている所に絶妙のタイミングで店員さんが来ましたね。今までずっと待機してたんでしょうね。サイズ確認の話になったからこっちはぶらぶらレジの方に行って待ってたんですよ。
少し遅いなとは思いました。でもしばらくして来ました。一致したそれは刺繍地の黒いブラとショーツのセットなんですけどね、それ持ってたからサイズがあったんだ、と。それでとことこ近付いてきて
「どっちがいい?」
は?よく見るとですね、同じデザインでもうひとつ色違いで青いのを持ってるんですよね。黒でいいんですけどね。黒がいいんですけどね。それで納得した筈なんですけどね。店員さんに見せられて迷いだしたらしいですね。こっちはもう疲れてますからね、黒の方がいいと頑張ってみたんですが「でもこっちのほうが可愛い」可愛さじゃなくて色気だ!と叫んだらすっきりしたんでしょうけどね。こっちはもう飽きてますからね、それほど高いものでもないし
「じゃ両方買お」
男ですよ。勇気ですよ。知恵ですよ。太っ腹ですよ。やけくそですよ。で、ここで大喜びしてくれると思うじゃないですか。違いましたね。
「ふたついいの?じゃもうひとつは別のにする」
わかりますよね?そういうわけではないと。ふたつのうち迷っているから両方買おう。それがどうして別の敗者復活戦が始まるんですか。サイズを知ってこちらをカモと認知した店員さんと一緒に別のを探しに行ってしまいました。もうね、いいんですよ。なんとなくこうなることはわかってた気がするんです。迷うことはあれはもう楽しみを通り越して本能なんでしょうね。そうでも思わないと。椅子があったんで座って待ちました。床踏み抜くぐらい貧乏揺すりしながら。しかし「優柔不断な人って嫌い」という女は自分のことが嫌いにならないんでしょうか。戻ってきたときに持っていたのはさっきの黒と別のデザインの青いやつでした。もう待ちくたびれてますからね。
「ん。決まった?サイズ合ってる?ん。じゃこれ下さい」
落ち着いてからですね、ホテルに行きました。暗黙の了解ですね。当然その下着を着けることになってます。しかし二組買ったからどちらで勝負にくるのか。風呂で着替えてます、さあ、黒か青か。黒でした。ひとしきり騒いでから「こっち来いよ」と言うと「待って。今度はあっち着けてみる」ファッションショーですよ。それで青も見てひとしきり騒いで「早くこっち来いよ」と言うと「どっちがいい?」さあ困りました。一緒に納得した黒か。彼女が選んだ青か。どちらを選ぶべきなのか。なんとなくどちらを選んでも不吉な予感がしませんか?それにね、ここまできたらもうね、下着なんかどうでもいいんですよね。正直な話、女のパンツになんか興味ないです。パンツの中に用事と目的があるんですよ。でもさすがに「どっちでもいい」とは言えないから、少し格好つけて
「好きな方選べよ。どうせ脱がすんだから」
彼女は「うぅぅ」と言って風呂場に戻りました。迷ってますね。やっと出てきた時には服を全部着てるじゃないですか。で、どっちなんだろうと思いながら脱がそうとするとですね、癖というか条件反射というか、「電気消して」ですよ。「いいよ別に」「よくない。消してよ」「いいってこのままで」「嫌だ!消すの!いい。自分で消すから」
・・・見えないんですけど。
聞いた話だ。やっぱり黒がいい。
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