テスト中
複数術
最終更新:
Bot(ページ名リンク)
-
view
複数術 03/08/06
祝い事のある日に、複数の男からまったく同じ贈物を貰って一つを残してすべて売り払い、「男なんて甘いもんよ」と嘯く女と、それを聞いて「カッコいい」「頭いい」と追従する女は何も判っていない。少なくとも経験値とお脳の血が大分足りない。残念だが、女が複数の男から同じ贈物を貰う裏には、複数の女に全く同じ贈物をする男が存在するのだ。
当然このことをよく知っているのは「今の流行はこれ。限定品ですよ」と同じ品を大量に揃えておいて売る側と、「今の流行はこれなのか」と同じ品を大量に持ち込まれて買い取る側である。売る側と買い取る側が裏で繋がっている場合もある。その他「複数術」が露見した場合も詳しくなる。
なお「限定品」とは、枕詞が省略されているのであって、正確には「売れなくなるまでの限定品」であることを知っておくがいい。売れなくなったら姿を消すから実際に限定品となるわけで、限りなく嘘に近いが真実と言えないこともない。
さて、同じ品を複数の女に贈る男が男の中で少数派であるのと同様、一つ残して売り払う女も女の中で少数派であることを祈るが、稀に「複数贈った女のうち一人が、複数貰って売り払った」という複雑な事態も発生する。お互い露見しなければよいが、こういうことは何故か必ず露見することになっているのが不思議である。とは言っても双方ともばれたところで引き分けとはならないのは、その男対女の戦いが有史以来、いや有史以前より続けられており、未だ決着がついていないのであって、だから引き分けもないのだが、おそらくこの先も決着がつくことはなく、ただ「どちらが得か」「どちらに生まれたいか」「もうどうでもいい」が繰り返されるだけの不毛な遣り取りが堆積してゆく。
同じ品を贈られた女はひとつ残してそれを身に付けていればそれぞれ複数の男達から「俺の贈物」「俺の贈」「俺の」「俺」と言われるところに適当に話を合わせればよく、まずは平和である。同じ品を贈った男は目の前の女が同じ品を付けているからとはいえ名前を間違えてはならないし、緊張感がある。違う女にそれぞれ違う品を贈ったところでよけいややこしくなるだけで、緊張感が増すばかりであるから同じ品を贈った方がまだましとも言える。ところで、香水を贈るに際しては、贈る数に加えて「自分が常に持ち歩く用」のもうひとつを合わせて買うと、怪しまれた時、「この香水好きでいつも持っててほら」とかわすことが出来る。しかしお返しに同じ香水を貰ってしまうとキリがなくなるので、まあ右から左へ左から右へと廻せばそれでよいのだが、遊びが退屈になるとそれは遊びではなくなるから、香水組は程よいところで一斉に強制終了した方がよい。
さて香水に限らず光物であってもそれが「複数だった」と露見した場合、「それは俺が」「いや俺が」と女を争う際の構図は
男VS男 審判兼観客:女
であり、「私にだけって」「嘘、私にだけって」と男に詰め寄る場合の構図は
男VS女女同盟
となる。金を出していながらこれは明らかに男が不公平というか、不幸だ。
そうなっては仕方がないからどちらかを選ぶわけだが、これを選ぶ時、天秤にかけて比重の軽いほうを選ぶとよい。重いほうを選ぶと逃げられなくなるのであって、逃げたくないか、逃げるのに疲れたならば別に構わないが、この難局を、難局ではなく絶好の機会と捉えて活用するには「逃げ易い方」「怖くない方」を残すと、あとが楽だ。一対一で簡単に切り捨てることができ、簡単に引き下がってくれる方を選ぶのが定石と言える。
本気の方を捨てろとな?違うね。本気なら浮気はしない筈だ。「本気でも浮気ぐらいする」確かにその通りだが、どうせならばれないようにしなよ。ばれた時に鍋より危ない掃除機の筒でもってど突き回されたら、あれは軽くて丈夫でかなり痛いぜ。筒を振り回す涙と鼻水に塗れた顔を見たら、どうやら心ってやつも痛むようだぜ。
TOTAL ACCESS: - Today: - Yesterday: -
LAST UPDATED 2025-11-07 22:12:18 (Fri)
TOTAL ACCESS: - Today: - Yesterday: -
LAST UPDATED 2025-11-07 22:12:18 (Fri)