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ワイン

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ワイン 03/04/01

  ワインは苦手であまり飲まないのだが、飲み方ぐらいは知っている。ワインを味わい、相物を味わい、ワイン、相物、ワイン、相物、以下循環。ただしここで気を付けねばならないのは、日本式に食べ物を口に入れたままお茶で纏めて流し込むのを絶対にしてはならないことだ。日本でもこれは行儀がよくないとされているが、本人は涼しい顔をしている。何故ならば、美味くも不味くもないからだ。お茶漬けの伝統がよく刷り込まれた結果であろう。この感覚のまま、不意に食事とワインの取り合わせに立ち向かったとき、悲劇が起こる。

  通常の食事をしている感覚で、口の中に食べ物が詰まり、さて、咀嚼にも疲れた、まだ頑固に固体を維持している奴らがいるが、面倒だ、流し込もう。水はないか。を。ワインがあるじゃないか。折角ワインがあるわけだから、これで流し込もう。そして口の中に食べ物があるところへワインが注ぎ込まれる。少し噛みながら一気に土石流の気分で胃に落とそう。ここで、顔が苦悶に歪む。

  苦いでしょう。不味いでしょう。苦しいでしょう。「えうげあ」半泣きで飲み込んで水を求める筈だ。

  ワインは、口の中を漱ぐ為のものであり、又その際にその料理に最も相応しいワインを選ぶのであり、決してお茶漬け感覚で口の中でもって食べ物と混ぜ合わせてはならない。えぐみが口の中に広がってしまうのだ。「ワインにはチーズ」これしか知らないままチーズを頬張り、実はチーズが嫌いなのに無理をしていたものだから、強引にワインで流し込もうとして後頭部が痺れたことがある。「ワインには、やはりパンだ」それでも口の中で混ぜ合わせて口内炎に染みた十八の夜。この二度の失敗からいろいろ試した結果、食物は噛み締めて味わう。口の中に何も残っていない状態でなお、その食べ物の味が残っている又はべたつくときにこそ、ワインを口に含み、残っている味やべたつきを洗い流して再び一から食物を味わうことが出来るのだ。

  これを知らないまま、口の中で混ぜ合わせてしまうと、「このワイン不味!」と冤罪を被せることになってしまう。ワインは何も悪くない。単に貴方の行儀が悪いだけだ。

  そして日本食の場合。どうもおにぎりや丼物、炊込飯など、御飯を混ぜ合わせる料理が多い為か、口の中でおかずと御飯を混ぜ合わせて食べる人が多い。手前もそうする。しかし正式な作法としては、「白い御飯は、ワインと同じ立場にある」ことを知っておいて損はない。つまり、おかずを味わい、口の中に何もなくなって、味が残っている場合、白い御飯で一旦味を消してしまうのだ。そして又、先の味が消えた舌で次の味を確かめる、とこういうわけだ。

  これが正式な作法であるが、そう考えると、御飯におかず漬け物及びお茶をかき混ぜてあまつさえ薬味などという気取ったつもりの刺激物をまぶして掻き回して「ぞぞぞぞぞ」と啜り込むお茶漬けはどれだけ品がないかわかるだろう。そしてその感覚を西洋料理に持ち込んで、口の中でお茶漬け状態にして「えぐい。不味い」では、ワインが余りにも不憫というものだ。

  ワインを主か従かどちらに置くとしても口の中で混ぜ合わせてはならない。本当に後頭部が痺れるぞ。それで嫌いになったわけではないぞ。更にワインの産地や種類の多さに馬鹿馬鹿しくなったから飲まないことにしたのだ。「やってられん」というのが最後の記憶だ。以降はビールとウィスキィにのめり込む。発泡酒は殆ど惰性だ。

  美味い酒の条件とはたったひとつ、これしかない。

   「喉に引っ掛からずに水のようにいくらでも飲めるもの」

  「喉越し云々」「喉にがつん」それはですね、不味いんですよ。加糖してですね、べたつく酒を際限なく飲むことが出来ますか?スコッチ?あれは共同幻想だ。いろんな蒸溜所のもの混ぜて貴方あれは標準米と同じことですよ。せめてシングルモルトで語りましょうよ。

 
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