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茶 04/07/06

  お茶や紅茶に含まれるタンニンは鉄分と結合して吸収を妨げるので食事しながらのお茶を飲むことは貧血に繋がるという説がある。

  よくよく考えるとお茶は食後に一杯飲むもので、食中にはビールが相応しい。ビールさえあれば食事など必要ない事もある。仮にビールは食欲を増進するから食前に飲む物と位置付けて、お茶を食後にと考えるならば、食中は水でも飲めということになるのか。まさか毎回ワインを飲むわけにもいかないので、消去法によりお茶が選択される。

  「食中茶=貧血」説を採用するならば、茶漬は非常に悪意ある存在となり得る。奈良名物茶粥もまた危険に見えてくる。実際は白湯を使いながらお茶漬けと僭称する事例は許したくないのだが、鮭茶漬に烏龍茶を採用すると不思議に薬膳の香りが漂いて味気ないので、茶の代用として昆布出汁を登用するとよい感じだ。

  タンニンとは言ってもよく判らないもので、タンニンとはつまり何であるのか、そして如何なる作用があるのかを知らねばならない。何となく体によいものらしいという漠然とした期待感を確信に変えたいではないか。タンニンとは一体何なのだ。ところがこれは化学式が多用され、一般にタンニンとは呼ばれていても正式には云々、色々種類があって云々、理科算数を苦手とする者に辛うじて理解出来たのは、「抗癌作用」「下痢に効く便秘作用」くらいであった。

  仮にだ、食事に際してお茶が鉄分吸収を害するならば、中国人は総じて貧血となるべきであり、貧血が国民病となって不思議ではない筈で、しかしそのような話は聞かないから、数億人単位の人体実験の結果を無視してまで「お茶と食事は合わせてはならん」と主張するのは敗勢必死だ。

  元々貧血体質の者が食事に際にお茶を摂るのは再検討した方がよいのではないかという、個々の体質に関わる事例と考えるならばまだ理解出来る。「鉄分と結合するから便秘になるのだ」と力強く叫ばれると、違う気がしながらも反論の糸口が見えないまま勢いに負けてしまいそうになる。

  ところで「南部鉄」を知っているか。その昔使っていた事があるのは鎖の付いた鉄の塊に達磨の彫刻が施されてあり、それを薬缶に放り込んで沸かすと鉄分が溶け出した湯となり、それで茶を入れて貧血防止に絶大な効果という、上の話を事実と考えるならば矛盾を体現した存在であった。「元は南部鉄で作られた鍋」を利用するから鉄分を豊富に摂取可能であったところを、手軽に鉄分をとの擽りに踊り、あらゆる健康法と同様効果を体感するより遥か以前に飽きてしまう悪例に則って速やかに忘れ去り、あれは一体何だったのかと遠い目をして今思い出す。

  何を信じるかは自ずから決断することであって、その決断の為には情報が多い方がよい。しかしそこで化学式を出されたり、エピガロカテキンガレートなどと無闇に混乱を助長する言葉があってはお手上げだ。

 
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