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悪の論理

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閑雲野鶴読書録倉前盛道>悪の論理

  副題の「地政学とは何か」に惹かれた。奥付を見ると昭和五十五年初版発行となっている。

  「地政学 Geopolitics;Geopolitik ゲオポリティック」中学生の頃に荒巻義雄を読んでこの言葉にぶつかった。当時は地政学と出てきても格別意識することもなく、そのまま記憶の底に沈んだ。高校生になり、戦記シュミレーションが訳のわからない盛り上がり方をする中で粗製濫造にうんざりして、せっかく読んでいたシリーズを途中で投げ出して時代小説に走ったのだが、荒巻義雄が筒井康隆と古くからの盟友であることを知った時には遅すぎて、今さら読むのも、と諦めた。

  あるとき電網のリンクを適当に手繰って「アカシックレコード」なるサイトに辿り着いた。ここで「地政学」という言葉に再びぶつかった。砕氷船テーゼについては漠然と理解していて「大相撲の優勝決定巴戦」「漁夫の利」と連想出来たが地政学については詳しく知ろうとせず

  クラウゼヴィッツの「戦争論」を既に読んでいたことが視野を狭くしていたのだろう。やがて「戦争論」から広瀬隆に進み、「赤い楯」を読んでついに地政学を受け入れる下地は整った。そして古本屋で副題を見て読んでみたら、今まで記憶の中でバラバラに存在していた断片がこの一冊ですべて繋がった。遥か昔に呉の軍師が「掃除する人」という表現でこの真理を説いていたが、更に遡れるかもしれない。

  これは陰謀史観ではなく冷徹な現実の解説書である。いきなり読むと、まるで理解出来ないか戯言に感じるかのどちらかなのでお勧めはしないが、この本を読んで納得した人となら気が合いそうだ。

 
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