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くらげまるの中身
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くらげまるの中身

長門さんとおべんとう

最終更新:

kuragemaru

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夕暮れのハイキングコース。疲れた足でのたのたと坂を下る俺。前を歩くは我らが団長、涼宮ハルヒ。
ハルヒは朝比奈さんにちょっかいを出しながら歩く。ハルヒの攻撃を1/4程かわす朝比奈さん、以前なら避ける事などできず
全て受けとめていた気がするな。いずれは全て避けられる様になる事を祈ります。
そして俺の隣にはしずしずと歩く可憐な読書少女。古泉? どこかその辺にでもいるんじゃないか。
再び隣の少女に目をやり、俺はぼんやりとした頭である事を考えていた。
長門の事を意図的に『対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイス』と認識しなくなったのは何時からだろうか。
いや、全部覚えているわけではないので、なんとかインターフェイスみたいな感じで以前は認識していたと思う。
だが、最近の俺は長門の事を○○少女みたいな感じで捉えている、○の中は読書でもカレーでもなんでもいいんだが。
あれは夏頃だったか、長門が俺に私服姿を見せてくれた事があったんだ。その時の長門は、いや、それからの長門は
人間らしい行動を取るようになった。まあそれより前からそういう事はあったけど、なんというか、よりいっそう人間らしい
って感じかな、とにかくそういう面を俺に見せてくれる。だから俺はインターフェイスという言葉、ましてや古泉の言うTFEI端末
なんて呼称は使いたくないと考えている。そうか、俺はあの時からそう思うようになっていたんだな。
俺はなんとなく嬉しくなって、多分顔にも出ていたとは思うんだが、長門の方を見てみたわけなんだが。
長門が俺の顔をじっと見ていた。あ…長門、もしかしてずっと俺の顔見ていたのか。
「ない」
そう言って長門はふいっと前を向いてしまった。しまった、緩んだ顔を見られちまったなあ。
さりげなく顔を撫でて、自分の表情を探る。うん、元通りだと思う、多分。
なんて間抜けな事をしていると、俺の制服の袖を引っ張る何者かがいた。いや何者って長門しかいないんだけどな。
「どうしたんだ長門?」
袖を離して先ほどと同じ様に俺の顔をじっと見つめる長門。
「あなたは明日、お弁当を持ってくる必要は無い」
突然の事に俺は立ち止まり、すたすたと歩く長門が3メートルほど行った所であわてて声を掛ける。
「なんだそれは、何か意味があるのか長門」
長門はゆっくりと振り返り、俺が追いつくのを待って話し始める。
「わたしが明日のお弁当を作る。まかせて」
唐突に降って湧いた、そんなラブコメの様なシチュエーション。しかも他の誰でもない長門がだ。
ソノラマ文庫で言えば、緑の背表紙に『青春』なんてカテゴライズされる本にでも出てくる様な場面。
俺と長門は無言でしばらく見つめあってしまった。そう、俺達は今現在2人きりではない事を忘れて。
長門を見つめて次のセリフを考えている俺の頭を、何者かが掴み思い切り左へひねる。
「何すんだ、ハルヒ。首がもげちまうじゃねえか」
しかし、ハルヒは無言。ただじっと俺の顔を見つめている。どうなってんだ、コレ。
「あんたが有希と見つめあってるから。あたしも真似してみたくなったのよ」
こっ、こいつは何言い出しやがるんだ。ハルヒの両手で顔を挟まれた俺は急激に温度が上昇した様に思えた。
拗ねた様に気持ち目線をずらして、俺を見つめるハルヒは正直な所かわいく見える…じゃなくて。
「ていうか、離してくれ首が痛い」
ぱっと手を離したハルヒは、長門と顔を見合わせるとにっこりと笑った。そしてこくりと頷く長門。
「さっ、帰りましょ。行くわよ有希」
長門の手をやさしく掴み、すたすたと歩き出すハルヒ。俺の時は親の仇のように手を握り締めるくせに、まったく。
俺の脳内では居なかった筈の古泉が、したり顔で俺のそばにやってきて何か言おうとした。だが、あいにく付き合ってられんのだよ。

家に帰り着いて、晩飯までの時間をだらだらと過ごしている俺はハッと気が付いた。
長門の言った弁当を作るって事について、結局何も聞いてないじゃないか。
携帯を手に少しばかり考え込む。なんて聞いたらいいんだ、俺は。
たかが弁当、されど弁当だ。女の子が弁当を作ってくれるなんて今までに無かった事なわけで。
あぁ、もう。考えていても仕方がない。長門に電話してみよう。
「……」
「もしもし。長門か」
「何?」
やっぱり、電話の出方がおかしいな長門。まあ今はそれは置いておこう。
で、俺は「あー」だの「うー」だのと、追い詰められた汚職政治家の様な発言を交え、なんとか長門に理由を聞き出した。
長門曰く、ハルヒに習った料理を食べて欲しいからだそうだ。なるほどな。
人間らしい事をする長門に嬉しくなった俺は、明確な説明はできんが暖かな気持ちを胸に抱えて電話を切った。
長門の弁当か…ハルヒの介入があるからカレーって事は無いだろう、多分。
母親に明日の弁当はいらない事を晩飯時に告げた。特に母親からの詮索も無く、曰く1日分楽になったとの事。
その後、顔全体を緩ませながら風呂につかる。それにしても明日が楽しみだ。

俺は今、何故だかはわからないが、いつもより激しさの増したシャーペン攻撃を受けている。
ハルヒよ、いったい何がお前にそうさせるんだ。というか痛いぞ。我慢の限界が来る前に授業が終わり、俺は振り返る。
「フンだ。あんた今朝からニヤニヤしっぱなしじゃないの。いやらしい」
いやらしいって、失敬な奴だな。しかし、色々と顔に出てしまっているのかね。
「有希にお弁当作ってもらってるんでしょ。当然知ってるわよ、あたしが師匠なんだから」
まあ、お前の腕は知ってるがな。たまに失敗するけど。
「うっさいわね、あれはたまたまよ。それよりあたし直伝の有希のお弁当なんだから涙流して食べなさいよ」
「言われんでもわかっとるわ。それに…」
言いよどんだ俺を、ハルヒは不審そうに眺めて続きを促した。
「んと、今まで長門はそういう事に興味を示さなかっただろ。お前や朝比奈さんの影響を受けて、女の子らしいおしゃれや
料理なんかに興味が出る、俺はそれが嬉しいんだよ。」
ハルヒは一瞬むっとした顔をしたが、くるりと表情を変えてにっこりと笑った。器用な真似するなこいつは。
「やっぱりあんたもそう思うでしょ。有希は元々かわいいけど、これからもっとかわいくなるわよ」
そうだな、と同意した俺にでこピンを食らわして、ハルヒはそのまま俺に指を指した。
「まったく。誰のせいなのかわかってないわね、あんたは」
お前のおかげじゃないのかと返す俺を見て、ハルヒは溜息をつく。まあ、いいわと言いながらハルヒは次の授業の準備を始めた。

さて、そんなわけで昼休みだ。ハルヒはというと食堂へダッシュで飛び出していった。
だが俺はどうすればいいんだ。長門のクラスに行けばいいのか、それとも文芸部室か?
肝心な事を聞いていなかった俺は、しばし頭を抱えていたが、教室の入口に居る長門の姿を見て安心した。
すたすたと教室に入り、一直線に俺の席に向かってくる長門。
おいおい、一応他のクラスなんだから少しは躊躇ってもんをしないのか。弁当食べてる連中も何事かと見ているぞ。
「おまたせ」
長門の手には弁当箱を包んだと思われる包みと、お茶が入っていると思われる小さめのステンレスボトル。
「いや、わざわざ来てくれたのか。悪いな長門」
「来て」
長門は俺の手を取りすたすたと教室を出る。いったい何処へ連れて行こうというのか。
しかし、手を引かれて校舎内を移動するのは、どうにも恥ずかしい。かといって手を振り払うわけにもいかず、いや困ったなこりゃ。
「ここ」
たどり着いたのは中庭であった。この場所は意外と人気があってそうそう空いてる事はないんだが、今日に限って
周りに誰も見当たらない。
長門はいそいそと包みを解くと、俺の分の弁当箱を渡してくれた。正直でかいです。山田太郎かよ俺は。
「たべて」
いただきます。と言いフタを開ける。中身はのりごはん・からあげ・玉子焼き・きんぴらごぼう・煮物・千切りキャベツと
基本を押さえている。まあ千切りキャベツは長門的な基本なのだろう、これは中々うまそうだぞ、長門。
「玉子焼きはあなたの家の味付けと違う様にした。甘くない」
ほほぅ、ウチの玉子焼きが甘いなんてよく知ってんな。どれどれ、と玉子焼きを食べてみる。
単純な塩味だが舌触りが普段食べている物と違う、なんというかまろやかな感じだな。うまい。
「牛乳が入っている」
ん、こっちのは同じ玉子焼きでも中に何か入ってるのか、所々に小さな四角片が見える。
「ハムとにんじんが入っている、さらに少量の水で溶いたマヨネーズ入り、オムレツ風」
2種類の玉子焼きとは凝ってるな、ごはんが進むぞ。次は煮物に行くか、こんにゃくににんじんとさといも。これもうまい。
おかずの解説を聞きつつ、俺は次々と弁当を消費していく。説明を終えた長門も、もくもくと食べ始めた。
最初はでかい弁当だと思ったのだが、何の事は無い終わってみれば俺は全て平らげていた。
「ごちそうさま、長門」
「おそまつさま」
長門はカップにお茶を入れて、俺に差し出してくれる。ありがたいね。
「おいしかった?」
首を僅かに傾け、問いかけてくる長門。男が10人いたらその内8人は惚れるぞ、そんな目で見られたら。
「ああ、うまかった。ありがとな、長門」
「いい」
長門を見ると弁当箱を片付けている。
「ああ、すまん長門。俺も片付けるよ」
と、俺が弁当箱を袋に入れようとしたところ、同じ様に弁当箱に手を出した長門の手を包み込む形となった。
「あ…」
すまん、と言い手を離そうとしたが、長門が俺をじっと見ている。これじゃこの前と同じじゃないか。
だが長門はすぐに目を逸らし弁当箱を袋にしまう。俺はほんの数日前とは違う長門の反応に戸惑っていた。
「じゃあ…」
そんな俺の戸惑いに気付かぬ様に、長門はそそくさと走り去っていく。
去っていく長門を見送り、戸惑いついでに俺はここしばらくの長門の行動について考えた。
まあこの際宇宙人とかそういうのは置いといてだ。女の子が異性に対して手作りのお弁当を持ってきてくれる、
そんな場合ってのはあれだ、何かしらの好意があっての事なんではないか。
いや、料理に興味を持ったという大前提があるのはわかっている、試食をしてもらい感想を聞きたいというのも
料理を始めたばかりならそう思うだろう。しかし…うーん。やっぱり俺の思い過ごしだよなぁ。凡人たるこの俺に
そんな漫画みたいな事が起こりうる訳が無い。自意識過剰も程ほどにしろ俺。って、なんかハルヒの時も
同じ事考えてたよなぁ。俺は足りない頭でぼんやりと考えていたが、それがまとまる事もなく無駄に残りの
昼休みを消化しただけだった。

教師の来るまでの僅かな時間、俺は今までの事、今日の事、そして明日からの事を考えていた。
「有希のお弁当はどうだった?」
い、いきなり出てくるなハルヒ。ショック死するかと思っただろ。
ハルヒは自分の席に座り、俺の事を軽く睨む。なんで睨まれなきゃならんのか。
「ああ、うまかった。お前の教え方も良かったんだろう」
ハルヒはふいっと窓の外に顔を向ける。
「別にあたしのおかげじゃないわ。有希が頑張ったからよ」
俺は少し迷ったが、俺が思っている事をぶつけてみようと問いかけた。
「なぁ、ハルヒ」
「何よ」
ハルヒは俺の方を向き、顔をじっと見ている。少し緊張してきたな。
「人はやらないで後悔するより、やって後悔する方がいいって言うよな? 今が心地よいぬるま湯につかっている
状態だとして、何かをすればそれが崩れる、ぬるま湯は冷え切って冷水になるかもしれんしあるいは沸き立つ
熱湯になるかもしれん。物事が変わらないでいられる時間というのはひどく短いと俺は考えるんだ。だが、人は
同時に変化を恐れる、冷水に耐えられない人、熱湯で火傷する人、できる事ならぬるま湯につかったままで
いたい、自分と周りが変わる事が怖い、それは人としてあって当たり前の恐れだと思う。しかし時は流れる物で
流れれば自然と変化は起こる、それは緩やかに変化をもたらしていくんだと考えられる。これには不安はあっても
人は割りとすんなりと受け入れていく、なぜなら瞬間的な衝撃が無いからだ。ここまではまあ前置きみたいな物で
はっきり言って別に忘れてくれてもいいんだが、俺は変わる事が怖い。今の俺と俺の周りの人の関係が変わるのが
怖い。しかしそれを恐れず一歩踏み出してきてくれる人が現れた、それも2人だ。多分彼女達も変わる事を恐れていた
んだと思う、でもそれ以上に変わる事を彼女達は望んだ、やらないで後悔するよりやってその結果がどうなっても
やる事を選んだんだ。ま、俺の勘違いなら俺が笑い者になれば済む事ではあるんだが、だが俺は一歩踏み出した
彼女達の勇気に答えたい、彼女達が変わる事を望むなら俺も覚悟を決めなければならない。俺の考えは間違って
ないよな。これでいいんだよな、ハルヒ」
「何言ってんのか無茶苦茶でわかんないわね、でも…あんたが覚悟を決めたなら、その彼女達とやらはその覚悟を
信じて待つでしょうね、ほんとわけわかんないけどあたしが言えるのはそれぐらいかな」
「ありがとう、ハルヒ。俺は俺の世界を改変する…って、これは大げさすぎるか」
「ほんとバカね、あんた。でも、待ってるわよ」
ハルヒは窓の外に目をやる、その目はどこか遠くを見つめている様だ。
「すまん」
聞いているのかいないのか、ハルヒは何も言わなかった。

放課後。俺は急ぎ足で部室棟へ行き、文芸部室のドアを軽くノックをする。
無言。俺はドアを開け中に入る、俺には長門が中に居るという確信があった。
「よう、長門」
長門は本のページから顔を上げ、俺に挨拶をしてくる。
「昼はありがとな。弁当、うまかったよ」
「いい」
長門はまたページの文字を追う。俺は意を決して長門に問いかけた。
「長門、実は話がある。ちょっとここの鍵掛けさせてもらっていいか?」
「漏れては困る話なら、他の場所を推奨する」
俺は鍵を掛け、パイプイスを持ち長門の側に腰を掛けた。
「ここが一番いいと思うんだ。深い理由は無いんだが」
「そう」
長門は本を閉じ、俺の方に体ごと向く。
「なに」
長門はまっすぐ俺を見つめ、俺に用件を聞いてくる。
「長門は何で俺に弁当を作ってくれたんだ」
「あなたに食べてもらいたかったから」
長門は直球で返答を返してきた。
「それは俺に対する好意からって考えていいのか」
「それは言えない」
顔を気持ち俯かせ、長門は答える。
「俺は今の状況がすごく心地よくて、できる事ならそのままでいたかった。だけど、だけどだ。それじゃいけないって
教えてくれた人が2人いる。俺は今ではこの状況を変えたいと思っている、俺も一歩踏み出す覚悟をしたんだ」
長門は顔を上げ、再び俺の顔を見つめる。
「逆にあなたに聞きたい事がある。あなたは涼宮ハルヒに対してどんな感情を抱いている?」
「俺はハルヒの事が好きだ」
俺はごく自然にその言葉を口にしていた。一歩踏み出した彼女達の勇気、それに答える為の言葉。
「あなたの言葉で私達の禁則が解除された。今からわたしはわたしの気持ちを伝えたいと思う。もう叶わないものだけど、
わたしはわたしとしてこの言葉をあなたに贈りたい。許可を」
「許可なんていらない、お前が思うように言ってくれ」
俺は長門の手を強く握り締め、長門を促した。
「ありがとう。わたしがあなたに伝えたい事それは…わたしはあなたが好きという事。あなたに出会って、わたしはいろいろな
ものをあなたから貰った。それは小さなエラーだと最初は認識していた、しかし日を追うごとにそれは増え続ける、わたしはある日、
それを削除するのではなく自ら向き合いそれが何なのか確認しようとした。わたしが出した結論はそれが人間の言う感情だという事。
嬉しいと思う事、楽しいと思う事、小さな感情が膨れ上がり大きな物に変わっていく、同時に寂しいと思う事、悲しいと思う事
これらの物も大きくなる、全てはあなたが中心。わたしの感情はあなたがくれた物。膨れ上がった感情は混ざり合いひとつの
ものとなった、それがあなたが好きという暖かな感情。それはわたしの大切な物になった。けれどもその想いが成就するため
には、何よりあなたの気持ちがどうなのかが重要になる。あなたは涼宮ハルヒが好き、これはあなたに対する好きという気持ち
を得たわたしには手に取るようにわかった。あなたは涼宮ハルヒを選ぶ、これは覆せないあなたの大切な気持ち。
あなたも知っている様にわたしはいつかこの世界を去る、それは変えられない事。その時には長門有希という個が情報統合
思念体という全になる。それが何時になるかはわたしにもわからない、けれどわたしはその時まであなたにもらった多くのものを
大切にして生きていたい、最後の時まで長門有希として生きたい。あなたを好きというこの気持ちがあればそれが可能、
あなたはわたしの最初にして最後の人、この気持ちだけは変わらない。あなたに会えてわたしは変わった、わたしはそれを
とても嬉しい事だと思う、本当にありがとう」
長門の言葉を聞いていた俺は泣いていた。感動とかそういう安っぽい物じゃなく、ただひたすらに純粋で一途で儚くて狂おしい
長門有希の恋というものに、俺のちっぽけな勇気なんざ吹き飛ばされた、そんな気がしたからだ。
「泣かないで。あなたはわたしの気持ちを受け止めてくれた、わたしはそれだけで満足。だからわたしは大丈夫。
あなたはこれから、あなたの気持ちを涼宮ハルヒに伝えなければならない。わたしには応援する事しかできないけど
わたしの大好きな人とわたしの大切な友達を、わたしは精一杯応援したい。がんばって」
俺は涙を袖で拭い、ドアの前に立つ。長門の言葉でまた勇気が湧いてくるのを感じた。色々と情けない俺にこんな事を
言ってくれる長門へ、俺はありったけの気持ちを込めて礼を言った。
「ありがとう長門。俺行ってくるよ」
「いってらっしゃい」
部室のドアを勢いよく開け俺は飛び出していく。俺の右手には携帯電話、すべるように動く指はハルヒの番号を呼び出し
ていた。

「ハルヒ。お前に大事な話がある」

長門さんとおべんとう おしまい

コメント
ハルヒスレに投稿したくせにハルヒ全然出てきません。スレに投稿した際も結構怒られました。
連作の流れ上、長門のエピソードになってしまいましたが、もう少し考えてスレにあった展開にすればよかったと後悔しています。
このシリーズの最初の構想は、ぬるま湯的な三角関係を延々と続けようという物でした。そのつもりで書いていたはずなのに
なぜか、それも結構急にシリアス風な展開へと移行していきます。何でなのかは自分でもいまだにわかりません。
それとは別にこの話辺りから、妙に詰めこんで書くようになってきた気がします。投稿の際に最大行数で分割していたのが
今では最大容量で分割するほうが多いです。読みにくいかなとは思うのですがその辺もこれからの課題にしたいと思っています。

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