『実際に遭遇するとめちゃくちゃキツい助けてくれ』

たくっちスノー
「…………俺って基本は他世界行く時マシンドラゴン使うのね」

たくっちスノー
「あっマシンドラゴンってのはジェット機みたいなドラゴンの乗り物、チョー快適なんだよ」

たくっちスノー
「え?電車?あれは便利だけど俺はあまり乗りたくないかな…………あの一件があったもので」

たくっちスノー
「こいつは、時空電車に乗っていた時にたまたま引き起こった悲劇だ」




【第3話】
『実際に遭遇するとめちゃくちゃキツい助けてくれ』


ガタンゴトン

たくっちスノー
「あー…………たまには電車で移動すんのも悪くないかもな」

たくっちスノー
「めちゃくちゃ狭い上に座れなかったことを除けば」

たくっちスノー
「これから歩く予定だってのに立ちっぱとか死ぬ寸前になりそうだ、まぁ俺死なないけどハハハハハ」



「痴漢!!」

たくっちスノー
「え?」

グイッ


たくっちスノー
「ちょっ」


「痴漢!!この人痴漢しました!!」

「あれっ、どこかで見覚えが」

「おいあれ、たくっちスノーじゃね?」


たくっちスノー
「は?」



たくっちスノー
「は?????」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


たくっちスノー
「だから俺やってねーって言ってんだろ!!」

警察官
「いやあのね、やった人はそれ皆言うから」

たくっちスノー
「じゃあやってねぇ奴はなんて言うんだよ」

警察官
「やってない人に聞いたら?」

たくっちスノー
「だーーー畜生!!俺はただ旅に来ていただけなのに、なんでこんなことに!?」

警察官
「で?本当にやってないわけ?」

たくっちスノー
「やらねぇわ!なんなら裁判掛けてもいいぞ、名誉毀損でな!!」

警察官
「時空最悪の犯罪者が名誉とか言うな」

たくっちスノー
「ごもっともだけどそれとこれとは関係ない!」


……………

たくっちスノー
(と、本日の俺の旅は史上最悪のスタートによって始まったのだった)

たくっちスノー
(あれから俺は全く信用されず現行犯で檻に入れられてしまった)

たくっちスノー
(俺がそんなことするわけねーだろ!犯罪者時代の頃だってやるかんなもん!)



数日後


警察官
「失礼するよ」

たくっちスノー
「裁判の予定はいつだ?」

警察官
「あくまで容疑を否認するつもりだな」

たくっちスノー
「俺も痴漢なんてする奴はキモいと思ってんだよ、気色悪い」

警察官
「先に言っておくが、お前の弁護を野郎なんて考える奴はいないぞ」

たくっちスノー
「平気さ、要はやってねーって事を証明すればいいわけだろ?」

たくっちスノー
「そんなもの俺一人で充分だ!」

警察官
「ああそれと、その時の裁判はテレビ生放送だ」

たくっちスノー
「いいよ別に、俺は常にアドリブだ」

たくっちスノー
(晒し上げか………世間は完全に俺が痴漢をしたと思い込んでるんだろうな)

たくっちスノー
「…………俺、もう電車乗るのやめようかな」

警察官
「仕事だから何度も聞くが、本当にやってないんだな」

たくっちスノー
「やらない、やりたくない、やった奴は軽蔑するし手も触れたくない」

警察官
「そこまで嫌悪するとは、意外だ」

たくっちスノー
「いや普通そうだろ?俺だって普通は理解してるから」

警察官
「しかしお前の言うそれは………生理的なそれに見えるぞ」

たくっちスノー
「生理的?まぁ確かに触る奴に触れたくはないな」

警察官
「お前割と潔癖症?」

たくっちスノー
「汚いのは嫌いだがそこまでではない」


たくっちスノー
「言えることは…………俺を痴漢扱いしやがった奴は許さねぇ!!」

たくっちスノー
「冤罪ならそいつを許さんし、マジなら俺に罪を押し付けた犯人をマジで許さねぇ!!!」

警察官
「うわ、マジだ」

たくっちスノー
「その前に電話していい?リニュ後に」

警察官
「…………念の為、うちの携帯使え」


………

たくっちスノー
「もしもし、俺だよ、よその携帯でごめんな」

【リニュ前…………なんだかやばいことになってるみたいだけど】

たくっちスノー
「なんだよ?お前まで俺が痴漢したと思ってるのか?ちょっと傷つくぞ」

【いや、そういうわけじゃないんだけど………とりあえず放送事故はやめてね】

たくっちスノー
「わーってるわーってる、心配いらねーって」



そして…………

裁判長
「これより裁判を始めます」

たくっちスノー
「これって俺の名誉毀損?それとも痴漢冤罪の件?」

裁判長
「お静かに」


…………


たくっちスノー
「いいよ、先にガイシャの話からして」


…………


JK
「この人が、本当に………突然、おしりを触ってきて、下着の中まで」

たくっちスノー
「触るかんな所!!」

裁判長
「お静かに」

たくっちスノー
「すんません」


…………

検事
「被告人、どう反論します?」

たくっちスノー
「反論も何も俺はそんなこと絶対やりません」


たくっちスノー
「これ生放送なんだろ?ちょうど良かった、言いたいことがあるんでいいです?」

たくっちスノー
「俺は…………痴漢というものを心から軽蔑している」

たくっちスノー
「俺だって時には盗みもやる、壊しもやる、パクリもやる、…………でも痴漢だけはキモくてキモくて仕方ない」

たくっちスノー
「あんなこと…………とても人のすることとは思えない」



警察官
(あのたくっちスノーがそんな発言を…………)




たくっちスノー
「お前ら、ケツ触った手で人に触らないでくれない?バイ菌伝染るんだよ」


警察官
「えっ?」

たくっちスノー
「あのさ、俺としては意味わかんないのよ」

たくっちスノー
「なんでケツベタベタ触ってハァハァして興奮するわけ?有り得ねーよ」


たくっちスノー
「お前らそれ、うんこ出てくる所だぞ……うんこ排出器触ってんだぞ、汚ぇよ」

警察官
「えっ」

たくっちスノー
「えって事実だろ、糞出す部分ベタベタ触って気持ち悪いって言ってんの」

たくっちスノー
「俺だったら切り落とすね触れた腕、臭くてしょうがねーよ」



警察官
「はぁ!!?痴漢を軽蔑するって、そういうアレ!?」

たくっちスノー
「アレってなんだよデリケートな話だろ!!誰だってうんこは触りたくねぇだろデリカシー分かんねぇやつだな!!」

警察官
「生放送で大声でうんこ連呼するやつにデリカシー云々言われたくねぇよ!!」

たくっちスノー
「うるせーなケツにうんこ出す以外の用途がどこにある!!じゃあお前ケツで興奮するのか!?キモイな!!」

警察官
「いや俺は太ももが……って何言わせんだおめぇ!!」



警察官
「な、何もケツじゃなくても!その………前面のデリケートゾーンに」

たくっちスノー
「そこはそこで小便出るところだろ!汚ぇことに変わりないわ!!」

たくっちスノー
「あんな所触って興奮するなんてイカれた性癖だよ!!異常ってことに気付け!!」

警察官
「…………ちょっといいですか裁判長、持ち込みたいものが」


…………

〜数分後〜

警察官
「やばいです皆さん、嘘発見器がピクリともしません」

警察官
「こいつ素でこんなこと言ってます、下半身のブツが汚らしいとガチで思ってます」

たくっちスノー
「まあな、俺たちマガイモノは人間と違って無駄を削ぎ落としてるんだ」

たくっちスノー
「俺を見ろ!そんなものしないからすっきりしてんだろ?玉もケツもないぞ」

警察官
「うわっ人形みたいでキモっ!!」


JK
「……………」

裁判長
「……………」


警察官
「たくっちスノー、とりあえずお前はやってないかもしれないがこの空気なんとかしろ」

たくっちスノー
「痴漢冤罪って自分のケツ男に触らせたって言うけどそれ男側にメリット一切ないじゃないか!うんこ触れられる男の苦しみも分かってやれ!!」


「女の子にうんこなんか付いてねーわ!!」

たくっちスノー
「付いてなくても常に出してんだろ!!トイレに手足生えてるようなもんだ!!」


「なんだとてめぇ!!」


警察官
「おいテレビ局いつまで流してんだ!!どう見ても事故だよこれ!!」

「あんたこそ警察官ならあれ止めろよ!!」

警察官
「何やってんだお前!!傷害罪でマジで捕まるぞ!!」

たくっちスノー
「じゃあそれでいいよ!!うんこ排出器触った疑惑で捕まるくらいならぶん殴って捕まった方がよっぽどマシだわ」

たくっちスノー
「あっ女のケツ触っちったきったねーな」ザクッ!!

JK
「ひいいいいいいい!!!?本当に斬ったあああ!!?」


たくっちスノー
「あ、後で掃除しとくわ」ブシャアアア!!

…………



JK
「嘘ですすみません、お金欲しかったんです、糞する部分触らせようとしてすみません」

たくっちスノー
「妙に素直になったな」

警察官
「あれは心が折れたって言うんだよ…………」



………

たくっちスノー
「あー、やっと旅の続きが出来るぜ」

警察官
「………とりあえず、二度と電車には乗らない方がいいぞ」

たくっちスノー
「ご気遣いどうも、言われなくても乗らねーわ」

警察官
「というかアンタって性的興奮とか覚えないの?」

たくっちスノー
「え?お前まさかケツや小便する所で」

警察官
「普通はするものなの!尻はともかく小便するところは小便以外も出るの赤ちゃんとか!」

たくっちスノー
「へーそうなんだ、知らんかったわ」

たくっちスノー
「性的興奮?言われてみればよく分かんねーよな、なんで人にしてもマガイモノにしても、胸とかパンツで興奮するんだろうね?」

警察官
「それ言われると俺も不思議に思うからやめろ」

たくっちスノー
「俺はあくまでアニメやゲームの知識を持ってるだけだからなぁ、キャラクターが興奮してるからそういう物とか?」

警察官
「尻に興奮するのはそういう物と受け止められなかったのか」

たくっちスノー
「いやそこは、ケツは普通にうんこするところだから」

警察官
「もううんこのことはいいよ!!」

警察官
「………まぁ、やってないだろうなという根拠が出てよかったよ」

たくっちスノー
「信じてくれたのか?」

警察官
「言われてみれば過去でも強姦系の犯罪は聞いてないなと思ってな」

警察官
(そもそもそういう発想が無かったなら当然か)

警察官
「絶対にやるなよ!」

たくっちスノー
「やらねーよ!もう俺は時空犯罪者じゃねーからな!」


…………

たくっちスノー
「こうして、俺の旅は一時的に中断されちまったのでしたというお話だ」

たくっちスノー
「ん?その時の生放送か?ちゃんと最後まで放送されたらしいぜ」

たくっちスノー
「俺の発言が物議を醸したらしくどのチャンネルのワイドショーも俺の事で持ち切りだった」

たくっちスノー
「どこを開いても俺の話をしていたとはリニュ後談だ」

たくっちスノー
「しっかし俺………そんなに変わったこと言ったのかなぁ………?」


たくっちスノー
「まあいいや、それより旅だ旅!!」


「痴漢!!あの人痴漢よ!」

たくっちスノー
「あっ、またなんか起こってる………可哀想にな」

END
最終更新:2021年04月18日 23:36