「第10話」
『潜入ミッション!超人の元を辿れ』
………
しずく「zzz………」
彩月「よし」
………
彩月「しずく先輩寝たよ」
ミツキ「よし、作戦決行だ。」
……
昨晩、謎の空間を見つけた彩月、ミツキ、
レザードは校内を調べ回ることにした。
ミツキ「………この辺りで間違いないか?」
レザード「おう、ちょっと待ってろ 、おい、消音は出来ないのか?」
彩月「コピー能力もそこまで万能じゃないんだけど?」
レザード「ちっ……何が起きても知らねーからな!」
レザードはレーザーで壁に穴を開けると、奥には作られた痕跡の空洞が残っていた。
彩月「………ここまでなんかあると、むしろ白々しいね。」
ミツキ「入るぞ。」
………
彩月「ところでレザード?もしこの空間が大したこと無かったら責任は貴方にあるからね?」
レザード「今になってそういう話するんじゃねぇよてめぇ」
ミツキ「……いや、大したことはないということは無さそうだ」
彩月「!」
彩月「ゴースト!」
彩月はレザードとミツキを掴みながら透明になる、奥に……警備員がうろついていたのだ。
ミツキ「学園内には誰1人としていなかった警備員が、こんな人の寄り付かない所を巡回している………そんなことがあるのか?」
レザード「むしろ学園内に1人もいねーのどうなの」
彩月「まぁ学校自体は何があっても困らないし………」
レザード「ここは俺様に任せろ」
レザードは透明を解くと、警備員に向かって突っ切っていく
「なんだ貴様!」
レザード「テールツイスト!」
「ぐわああああ!!」
警備員に突っ込み、尻尾で首を絞め上げて尻尾を切る。
レザード「こういう汚れ仕事は慣れてんだよ」
彩月「うわー、ほんとこういう時頼りになるー」
レザード「言葉に感情を込めろ」
………
彩月「うん、なんかいざやってみると凄いセキュリティだね………この学校にしてはすごく手が込んでる」
彩月「この学校の公式サイトは簡単にハックできるくらいゆるゆるなのに、ここだけ幻獣なんて露骨すぎて逆に怖い」
レザード「でもその程度の学校だぜ?」
彩月「それもそう!」
彩月「お、なんか資料データみたいなの見つけたけど………パスワードの解読に時間かかりそう、夜が開けるかも」
レザード「はぁ!?」
ミツキ「………いや、朝までかける必要はなさそうだ」
彩月達は探索していくうちに、厳重に閉められている扉を発見する。
彩月「ああ、そういうことね。」
彩月は扉の方をハッキングでこじ開けると、中には資料が束のように置いてあり、パソコンも山ほどあった。
ミツキ「これは………」
彩月「誰がどう見ても研究室、的なアレね」
レザード「露骨すぎて逆に尊敬するな。」
ミツキ「罠かもしれない、警戒しろ」
彩月「レザード先生ー?」
レザード「都合がいい時だけ先生扱いしやがって………ねぇよ!センサーで調べ回った!」
彩月「よし決まり、さっさと調べるよ」
………
レザードとミツキは資料を確認し、彩月はパソコンのデータを次々と抜き取っていく
ミツキ「………さっぱり読めない、こんな言語どの国でも見ていない………別世界の言葉とやらか?」
レザード「だな、こりゃ時空番号mwg-648の物だ」
ミツキ「読めるのか?」
レザード「5000種類以上は読めるようにならねぇと時空滞在なんて出来ねーからな」
彩月「こっちも大体データ取り終わったよ」
レザード「…………ふぅん、やっぱりな。」
レザード「この学校の生徒共の事だ」
ミツキ「学校の生徒?……そのデータが何でこんな場所に?」
レザード「ジンバミツキ、お前には親はいるか?」
ミツキ「……居たとして、何か関係は?」
レザード「簡単に言うとな………このデータに書いてある生徒」
レザード「これ、作り物だな」
ミツキ「………は?」
彩月「この学校で1から能力者を作ってたってこと、ミュータントって言えばわかる?」
レザード「コイツやあのユニコーン野郎みたいな転校生もいるから全部がそうってわけじゃねぇけどな。」
ミツキ「……ミュータントの養成?それを時空に送り込んでいたということか?なんの為に………!?」
ミツキ「それはなんだ!?」
ミツキはレザードから資料を奪い取る。
ミツキ「こ、これは………このマークは!!」
彩月「……もしかしてあなたの組織とおなじシンボルとか言うんじゃないよね?」
ミツキ「そのまさかだ」
レザード「……ミュータントを育てて、それを解き放つ?ミツキはその監視役?」
レザード「話はわかるが……」
彩月「まぁ、別にダメなことじゃないよね……犯罪してる訳じゃないし。」
レザード「堂々と確認してる俺らは充分犯罪者だがな」
彩月「でも、そうなるとなんで昨日私たちを襲ってきたんだろ?」
レザード「そんなの裏切り者だからじゃねーのか?」
ミツキ「いや………そもそもこんな事俺でも知らされてなかった、数年はこの学校に居るのに……」
彩月「……………まだ、していないとか?」
彩月「わるいこと。」
ミツキ「は?」
彩月「……そのうちする予定だったとか、そんなの、憶測に過ぎないから忘れてよ」
彩月「…………私がいなかったらそれで終わってたよ」
彩月はパソコンの奥深くのフォルダから1枚の資料を見せる
レザード「巨大生物?」
彩月「どっからどう見ても特撮に出てくるような危険な怪獣、組織はずーーーっとこれを作ってたみたいなんだ。」
ミツキ「どうやってこれを……!?」
彩月「だってこれ、組織絡みのパソコンでしょ?そこからデータ探ればぜーーんぶ取れるよ?」
レザード「おっそろしいハッカーだな、てめえは」
彩月「さて、どうしようか?何をしてもいいけど。」
ミツキ「………消せ。」
ミツキ「生物のデータ、プロジェクト、ミュータントの製造法まで………そんなものは、何から何まで消してもいい。」
ミツキ「責任は俺がとる……そして、何もかもなかったことにしたい。」
彩月「先輩……辛いんです?」
ミツキ「あの組織は何も無い、そう思いたいんだ」
ミツキ「俺はこの学園を守るという組織の使命さえあればそれでいい。」
彩月「…………りょーかい。」
彩月「組織の全データ削除開始!」
彩月「ついでに………さっきから組織がコントロールしているスイッチも切ってしまおう!」
レザード「えっおい待て!全部切るのはまずいだろ!?」
彩月「もう遅い!!」カチッ
ブツン!!
彩月がPC攻撃で組織の全データを削除した途端、電気が消える
レザード「馬鹿!!学校の設備まで
リセットさせてどうする!!」
彩月「というかここの設備って組織のシステムで動いてたんだ……差し押さえの時とかめっちゃ焦っただろうなぁ………」
ミツキ「………携帯も使えなくなった。」
レザード「扉のロックまで壊れちまってんぞ」
彩月「ごめん、やりすぎた」
ミツキ「………だが、これで不安因子は全て無くなった」
彩月「物理的に、だけどね 」
彩月「さてさてまぁ、これで明日またゆっくり熟睡していつも通り学校生活送ろう。」
…………
しずく「う、うーーん?」
彩月「おはようしずく先輩」
しずく「ひゃっっっ!!?さ、彩月ちゃん!?なんで私の布団に!?」
彩月「ごめん……ちょっと色々あって寝落ちした」
しずく「だからってこんな所に………」
しずく「…………あれ?もしかして時計止まってる?」
彩月「うん、私もついさっき起きたところだけど8時」
しずく「ええええええーーーーー!!?」
………
しずく「なんで時計止まってるの〜!!ガッツリ遅刻じゃん!!」
彩月「ごめん」
しずく「いや、彩月ちゃんが謝ることじゃないけど………あ〜!早く食堂行かないと〜!」
………
しずく「う、嘘………もう食堂空いてない……」
しずく「どうしよー………朝ごはんも残ってないよぉ………」
レザード「はよーっすてめーら」
しずく「レザード先生……遅刻して食堂も空いてなくてお腹すきました……」
レザード「しゃーねーな、彩月の奢りでピザ頼んでやるよ」
彩月「はあ!?なんで私なわけ!?」
レザード「ほぼほぼお前のせいだから」
しずく「??」
彩月「…………ベーコンが多めのやつ頼むよ」
………
彩月「どうだった?」
レザード「あーダメだな、ミュータント共まで機能停止しちまった、その様子だと
粒先しずくは非ミュータントか」
彩月「そうっぽい、これからちょっとずつ超人学園を時空に移してそれっぽく元に戻すけど時間かかりそうかな」
レザード「それまでこの状態をどうしずくに誤魔化す気だ?」
彩月「そ、それは………」
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彩月「と、
たくっちスノーも誰も知らないところで、もしかしたら時空犯罪を止めていたかもしれない私。」
彩月「これでひとまず『彩月超人学園』のお話はおしまいだけど、私の学校生活はまだ続いていく。」
彩月「もしかしたらこの状態でまた会える時が来るかも?それまでの間、またね〜」
【彩月超人学園】
「一旦終わり!」
最終更新:2022年03月23日 08:27