たくっちスノー「時間かからないし、色々種類あるし、楽だし、何よりうまい!」
たくっちスノー「そんな俺は!なんと偶然にもとんでもない大会を見つけてしまうのだった………」
…………
たくっちスノー「何!?全時空カップ麺王者決定戦だと!?」
たくっちスノー「しかも優勝者は好きなカップ麺1年間自由に食べられる権利だと!?」
たくっちスノー「すっっっげぇ!!めちゃくちゃ気になるぞこの大会!!」
たくっちスノー「
マガイモノの俺の体なら余裕で食いまくって優勝できる!」
たくっちスノー「よっしゃーーー!!!こいつに出て優勝しまくるぞーー!!」
「待ってくださいお客さん」
たくっちスノー「ん?」
「あなた、参加者なんですよね?」
たくっちスノー「見てわかるとおり参加者だよ、マガイモノだからいくらでも食えるからって出禁にするんじゃないだろうね」
「いえ、ああ……マガイモノか……まさか意外な種族にカップ麺マニアが居るとは………」
「いや、待てよ?これはむしろ使えるかもしれない」
「新ルールを考えていたところです!そのルールの為にも是非とも参加してほしい!」
たくっちスノー「え?ああ……OKなのは嬉しいけど、なんか引っかかる言い方しやがったな……」
……
たくっちスノー「品位?カップ麺に?」
「ええ、インスタント食品といえどテレビで下品な振る舞いは避けてほしいという考えの元……」
たくっちスノー「まぁスポンサーとかも居るしな、最もな考え方だ」
たくっちスノー「じゃあどういう大会なんだ?大食いをやめてテクニックとか品位を競うのか?」
「いえ、大食いではあるのですがペナルティ・ルールを大量に用意しようかと」
たくっちスノー「ペナルティ・ルールね……例えば?」
「いえ、それは明かしません、何が間違いになるのかを予測して麺をすする、それが今大会の規則になりました」
たくっちスノー「ちょっとした心理戦って訳か………なんか面白くなってきた」
「貴方もなかなか期待できそうですね、楽しみにしてますよ」
たくっちスノー「っしゃあ!絶対に優勝して豪遊カップ麺生活だ!!」
…………
かくしてトーナメント表を見るが………
たくっちスノー「いや対戦相手多っっ!!俺の出番2時間後じゃねーか!!」
たくっちスノー「いやでもカップ麺を食いたいって奴は大体そんなもんなのかな」
『ペナルティ!ペナルティ!ペナルティ!』
たくっちスノー「うおっ、早速ペナルティ・ルールが発動しまくってる!クイズ番組でもここまでブブーの音が響かねぇだろ」
たくっちスノー「よっぽど厳しいのか……」チラ
『糖質多め!体脂肪!汗がキモイ!不健康な見た目!ペナルティ!』
たくっちスノー「見た目にペナルティ入れるのはやめろ!!どうしようもなんねぇだろ!」
【ペナルティ① 見た目】
【カップ麺は美味しいですがその分健康には悪いです、毎日毎食カップ麺食べてそうな汗がヤバくて太ってるネチャネチャした人はその時点でペナルティです、カップ麺食べずに痩せてください】
たくっちスノー「おいやめろ!色んな意味で炎上したらどうする!最近コンプラとかヤバいんだぞ!!」
たくっちスノー「いいだろ毎日カップ麺食ったって!俺はそれでも美容品とか買ってコンディション維持してるんだぞ!」
たくっちスノー「マガイモノに美容いるのかって?いるんだよ!!お肌つやっつやだぞ!?」
…………
たくっちスノー「結局カップ麺に手をつけることも無く大会のメンバーが俺含め4人だけかよ………」
「ということなので、実質決勝戦を始めようと思います!」
たくっちスノー「どんな尺の短さだよお前!!」
………
たくっちスノー「で、しかもこれが決勝戦のスタジオ!?」
たくっちスノー「ポット数台にカップ麺の入ったダンボール箱が詰まってるだけじゃねーか!!」
たくっちスノー「もうちょっとこう……某鉄シェフとか既存の大食い大会みたいにならなかったのか!?」
「予算が足りないんですよ、カップ麺代が毎年結構かかって……」
たくっちスノー「もう……なんでこの作者の作品は最初に期待させて後からどんどん低レベルにしていくんだろうね!」
たくっちスノー「そうやってハードルを下げるから人生でも苦労を恐れているんだろーね!全く」
たくっちスノー「あ、それで残りのメンバーはなんなんだよ、流石に見た目でペナルティはくらわんだろ、だってまだ2000文字、この小説なら半分くらい……」
たくっちスノー「あ、普通の見た目だ、良かった、いやなんでそんなことで喜んでるんだろ俺は」
「ではこれより!全時空カップ麺王者決定戦を始めます!」
「各自、好きなカップ麺を持っていってください!パフォーマンスは1回ずつ交互に!」
たくっちスノー「俺はやっぱり
三平くん!もちろん大型四角、定番のソース味だ!」
ジャー
たくっちスノー「マヨネーズは半分食べてから味変感覚で入れる派だ!」
たくっちスノー「更にアクセントとして白髪ネギ!塩焼きそばとかによく使われるが、普通の焼きそばにも合うんだよこれが!」
たくっちスノー「うんうまい、美味しくなってリニューアルと言うだけあってまたうまいな!」
たくっちスノー「まあこのカップ焼きそばかれこれ50回はリニューアルしてるけどな!」
たくっちスノー「よし、どうだ!ペナルティも今の所聞いてないぞ!」
『グレート!三平くんを作ってる昨星食品さんもニッコリの89点です!』
たくっちスノー「っしゃあ!!どうせなら90点近く行きたかったが、いい滑り出しだぜ!!」
「フッ、いきなりはしゃいで勝てると思ったら大間違いだぜ」
たくっちスノー「ああ?なんだお前は!」
「俺はラーメン達人の啜り……このカップ麺大会でも王者になってやる!」
「見ろ、このドカ食いテクニックを!」
たくっちスノー「おお!!凄い勢いでカップ麺に湯が注がれていく……1分おきに?」
「ははは甘い甘い!全部まとめて同じ時間に沸かすと途中で麺が延びてしまうだろう!」
「1分でカップ麺を食い、1分後にはまたカップ麺が出来上がる!カップ麺とは時間との戦い!まさに時間に追われるものの味方……」
たくっちスノー「時間に追われるやつはそもそもカップ麺ドカ食いしねーんだわ」
たくっちスノー「ていうかそれ………」
たくっちスノー「カップ麺って最近は『5分』で出来るやつもあるよな!?」
「あっ」
『ペナルティ!ペナルティ!カップ麺を適正の時間で作らない!汁が飛んでる!早食いする姿が汚い!もったいない!汁まで飲んでない!』
たくっちスノー「いや汁くらいはいいだろ早死するわ!!」
「いやそもそもカップ麺食っておきながら早死とか健康とか気にせる立場ですか?」
たくっちスノー「それはそうだが…… 」
「」
たくっちスノー「だがコイツはマイナス1億というスコアでノックアウトされてる………」
他にも………
『ペナルティ!ペナルティ!カップ麺をアレンジしようとした!』
『ペナルティ!ペナルティ!カップ麺をすする時に音を立てている、汁が飛んでいる!』
『後付けの鳥油を入れていない!』
………
たくっちスノー「き……厳しすぎだろ、今回の大会」
たくっちスノー「軽いジャブで普通に焼きそば食っただけの俺がぶっちぎりのトップだよ」
「カップ麺を食べるのに奇を衒う必要がどこにある?」
「普通の食事を普通に行う、やれ早食いだのやれ余計な手間をかけてのアレンジだの……」
たくっちスノー「司会者さん」
たくっちスノー「アンタら人が楽しんでるところを横からグチグチ言って、同窓会で場を白けさせるタイプだろ 」
たくっちスノー「カップ麺を食うのに品位は必要かもしれないが、飯くらいは好きに食わせろ」
たくっちスノー「飯の食い方で誰かに文句言われる筋合いは無いし、何よりカップ麺の食い方ぐらいで壊れる関係性なんてその程度ってことだ」
たくっちスノー「さて、あとはアンタだけだチャンピオン!ずっと全時空カップ麺王者決定戦の玉座に座ってたらしいが、俺は簡単に追い抜くぞ」
「フッ、この俺の戦法に勝てるやつはいない………」
「では決勝戦………はじめ!!」
たくっちスノー「よーし、俺は今度は新発売の煩悩のおっ塩!ラーメンでも食ってみ……」
たくっちスノー「はあ!?ポッドが破壊されている!?」
「これではカップ麺は食えまい!これぞ無敵の戦法」
たくっちスノー「いやお前はどうするんだよ!」
「それはもちろん……」
バリバリバリビリ!!ガリゴリバリバリバリビリ!!
「これぞ真にカップ麺を愛食する者の食べ方!!お湯を入れるだの3分待つだのもすっ飛ばした、正しい食べ方!」
たくっちスノー「お湯を入れることすら面倒くさがったらいよいよ終わりだぞ!!」
『ペナルティ!ペナルティ!!』
かくして、たくっちスノーは色々こだわろうとした人たちの自滅の末に優勝したが、素直に喜べず二度とこんな大会出るかクソがと思った。
しかも、しばらくした後にたくっちスノーは弁当やカップ麺を辞めて自炊を始める事を心がけるようになり、結局優勝特典のカップ麺食い放題は使わなかったのであった。
最終更新:2023年09月03日 13:49