花の金曜日である週末。長野駅の周辺にある料理店。割烹ー須賀
その店舗で包丁を握り魚を捌き、昆布でダシを取るのは須賀家の嫡男。名を京太郎。
地元で有名な料亭の倅で、二十七歳のこの春から跡継ぎとなるべく分店である割烹店で修行の身である。
金髪である彼を見た者は誰もがはじめこそ雰囲気を壊すのではないかと思われたが、持ち前のコミュニケーション力で客の悩みを解きほぐし食事を楽しませる。
それ故にリピーターも多いのである。そして特に彼が相手にする機会が多い人間は高校時代の部活動で知り合った関係者だ。
「美味しい。ありがとう、わがままを聞いてくれて」
京太郎「それはよかったです。ランチタイムなので余裕があるんですよ。板前さんの協力もありますし。でも、さすが本場の黒糖ですね。海外のよりコクがあるから高いレベルで素材の味を引き出せる。作り甲斐があります」
お客さん‐滝美春が持ってきた黒糖で作ったのはサツマイモの黒みつ煮と角煮だ。
京太郎「加えて、下処理を丁寧になされたおかげで無駄なえぐみがない」
春「仮にも得意先だし、下手な仕事はできないよ。お嫁さんに怒られない程度には仲良くしなきゃ」
京太郎「滝美さん。家内とは長年の付き合いじゃないですか」
永水女子のメンバーに姫様と呼ばれる人がいたことを京太郎は思い出していた。彼女が高校を卒業したことを機に家内もその任を解かれ、妻は一年遅れではあるが高等教育へ進学。学生生活で困っていたところを東京へ商談できた自分が助けたのがきっかけだ。
春「アレで結構、独占欲あるからね。おっと噂をすれば」
霞「ただいま。あなた」
京太郎「ん、おかえり。お昼はいつもの所で」
霞「食べたら手伝います」
京太郎「ありがとう。でも、疲れているだろうしゆっくりでいいよ」
妻‐旧姓:石戸霞。一児の母。家事を一通り終えたので京太郎を手伝う。店では夫を立てるスタイルに徹している女将だ。
春「
霞さん。どうも」
霞「お久しぶり。相変わらず黒糖なのね」
春「黒糖は命」
彼の創作料理、お代は高くつくわよと霞。どうやら、焼きもちを焼いているようだ。
京太郎「霞さんの分もあるよ」
霞「ありがとう。貴方の料理大好きよ」
須賀霞ルート カンッ
こんなルートはいずれテレビ番組で呼び出して嶺上開花でごっ倒すから!夫は料理。料理ができなくても、東京に単身赴任して麻雀で稼ぐわた咲ちゃんルートがあるよ!
最終更新:2020年12月05日 13:09