京太郎インタビューその7
全国大会二回戦の激戦を制し、見事勝ち残った清澄高校。
前回SK君と関わりがあった宮守高校は敗退してしまった。
勝者インタビューも兼ねて、SK君にはその事についてどう思っているのか聞いてみようと思う。
清澄高校の二回戦突破、おめでとうございます。
京太郎「ありがとうございます。いやー、正直ヒヤヒヤした場面もありましたけど、安定のポンコツ魔王でしたね」
私共から見ても、他三高を威圧してるように見えました。
京太郎「強そうな相手だと対局中に吐き気を催したり涙目でビクビクしてたりする癖に、なんなんでしょうねあいつ」
宮守高校の方々は敗退してしまい、残念でしたね。
京太郎「あー……。まぁみなさん三年生で最後ですし良い人達ですから、正直うちと一緒に勝ち残ってほしいなーと思ってたんですが、勝負の世界ですからね。代わりにどっちかに負けてほしいとかは無いんですけど」
大将戦の宮永さん、何やら宮守高校や永水高校の方を特に威圧していたように見えましたが、それについては?
京太郎「えーっと……本人にどうこう聞いた訳じゃないですし、俺にもなんでなのかは分かんないですね。多分あいつの中でそうする必要があったのかもしれません」
……そうですか。
京太郎「それで、前回から今回までの話ですよね」
ええ。何かあれば。
京太郎「面白エピソードっていうと、そうですねー……。二回戦の前日に手が空いたんでゲーセンに立ち寄ったら、千里山の江口セーラさんと姫松の愛宕洋榎さんがガン○ムの格ゲーでガチバトルしてた事ですかね」
詳しく。
京太郎「格ゲーって言っても3Dフィールドで機体同士のガチンコバトルするアレなんですが、どうやら何かを巡って喧嘩してるらしく、平話的にゲームで決着着けようとしてるみたいで」
そこは麻雀じゃないんですね。
京太郎「それは大会で着けるつもりなんでしょう。で、大分前から台に張り付いてたみたいで「これで13勝や! さっさと負け認めぃや男女!」「うっさいわダアホ! 一勝リードしたくらいで調子乗んなや!」みたいな感じで罵り合いながら、ある意味仲良くゲームしてました」
迷惑行為ではないですか?
京太郎「それが二人共有名人で、しかも結構な腕しましたから、参加者も観戦者も盛り上がっちゃって。プチゲーム大会みたいな空気が出来てたので、迷惑にはならなかったですね」
それで、S君はそれに参加したと?
京太郎「いえ、ガ○ダムはやらないわけじゃないんですが、実力が劣りそうでしたし、熱狂してたので入りづらくて。そっちには入りませんでした」
あらら。
お二人がバトってるのを遠目に見た後、S君はどうしてました?
京太郎「太○の達人で遊んでましたね」
腕の程は?
京太郎「得意の曲なら「難しい」でフルコンボ出来るくらいです」
ほほう。結構な腕前ですね。
京太郎「ハギヨシさんは隠れの最高難易度初見で全曲ジャストタイミングフルコンボかましますけどね。しかも二面同時を片手ずつで」
それはきっと比べたらいけない領域の人です。
京太郎「ですね。で、まぁその時はもうちょいでフルコンボ出来そうな曲やってて、三、四回目ぐらいでフルコンボ出せたんですよ」
その時になにかあった?
京太郎「何かあったというか、ええ。フルコンボ出した直後に後ろから「うわすっご! 君めっちゃ上手いやん!」って声掛けられまして」
どなただったんですか?
京太郎「振り向いて見てみたら、千里山の清水谷竜華さんと園城寺怜さんがいましてね。ええ、びっくりしましたよ」
何故そのお二人がそこに?
京太郎「どうやら中々帰ってこない江口さんを迎えに来たそうなんですが、愛宕さんと決着着けるまでは意地でも帰らないっつって台に張り付いちゃって、仕方無いからそれまでそこで時間潰してる事にしたらしいんです」
意地っ張りなんですね。
京太郎「それで適当にぶらついて、太鼓の○人をやってる俺の後ろで順番待ちしてたみたいで」
有名人のS君のプレイを鑑賞してたと。
京太郎「いえ。プレイ終わって振り向いてから俺って気付いたみたいです」
知らない男の子にそんなフレンドリーに話し掛けたんですか。
京太郎「動画で知ってるにしてもちょっと無警戒かと思いますがね。で、まぁ俺の方も大会に出てる有名校の人はチェックしてたので二人の事は知ってて」
有名校と言っても結構な人数がいると思いますが、よく覚えていられますね?
京太郎「んー。まぁ印象に残ってる人なら出てくる程度で、そうじゃない人は自信無いって程度ですけどね。二人は印象に残ってる方でしたから」
美少女だからですか?
京太郎「それもあるんですけど、なんか噂とか部長の見立てとかで、麻雀の対局中に未来が見えるとかゾーンに入るとか聞いてまして」
あー……。
京太郎「本人にそれとなーく聞いてみたら「せやでー。あとうちはリー棒を縦に立てる事も出来るんや。すごいやろ?」って軽く言われたんで、更に困惑しましたね」
それで、その後その二人と遊んでいたんですか?
京太郎「そうですね。「これも何かの縁や。折角やし、セーラの方が終わるまでおねーさん達と一緒に遊ぶか?」と言われまして」
綺麗所のお二人に誘われたら、S君も断る理由が無いでしょうしね。
京太郎「偏見かもですけど、関西の人って初対面の人と距離を詰めるのが早いですよね」
平均的に言えば関東人より関西人の方がその傾向にあるかもしれませんが、その二人は中でも特殊かと。
京太郎「そうですよね、やっぱ」
あと距離を詰める云々についてはS君に言われたくないと思います。
京太郎「なにゆえ!?」
それで、どのようなゲームをしていたんですか?
京太郎「それはまぁ色々ですけど、例えばエアホッケーとかですね。2対1で二人を相手にしたんですけど、園城寺さんが両手持ちで中々的確なショット放つんですよ」
清水谷さんは豪快にショットして、その大きな胸も豪快に揺れたのが容易に想像つきますね。
京太郎「やかましいでーす」
京太郎「一番印象に残ったゲームは、ガンシューティングゲームですかね」
というと?
京太郎「最初は園城寺さんと清水谷さんでプレイしてたんですけど、ゲームの内容がゾンビとかのキモグロい生物撃ってくやつで、そういうのが苦手な清水谷さんは悲鳴上げながら滅茶苦茶に撃って、弾切れになってもリロードせず引き金引きまくって「きゃあああ! なんで!? なんで弾がでぇへんの!? いやぁ来んといてー!!」ってなって、そのままゲームオーバーしてまして」
傍から見てるとすごく面白いやつですねそれ。
京太郎「隣の園城寺さんも「リロードせんかったらそら弾は出んやろ……」って呆れてましたね……」
清水谷さんはそこで心折れちゃいました?
京太郎「ええ。へたり込んで「もういややー……なんでわざわざお金払って怖い思いせなアカンの……?」と割とガチ泣きで」
園城寺さんは耐性ある方でしたか。
京太郎「あの人によると「わかっとらんなー、竜華。怖いキモいグロい敵やからこそ、頭パーンさせた時にスカッとするんやで」とのことで」
見た目からは想像もつかないアグレッシブさですね。
京太郎「それで、俺が清水谷さんと交代して、園城寺さんと二人プレイで遊んでたんですが」
S君の腕の程は?
京太郎「まぁそれなりに。園城寺さんも結構なもので、途中まではいい感じに進めてたんですがね」
何か問題でも?
京太郎「10ステージある内の4ステージ終わった辺りくらいですかね。園城寺さんが「あ、あかん……! 腕が上がらなくなってもーた……!」と」
えぇ……。
京太郎「どうやら銃の重さに腕が長時間耐え切れず、画面に向けて撃てなくなっていたそうなんですよね」
それだけ長い時間、清水谷さんとプレイしていたんですか?
京太郎「いえ。ワンプレイで速攻終わってたんですけど。お二人が「ひ弱でごめんなー、ほら。うち病弱やから」「病弱アピールやめや! プレイ中なんやで!?」「うちはもう、戦えん……これは君に、託すで!」というやり取りをして、園城寺さんが持ってた銃を俺にパスして」
図らずも二丁拳銃スタイルですか。
京太郎「ステージが切り替わる場面で、戦闘中じゃ無かったのが幸いですかねー……」
急に二丁拳銃でプレイすることになったので、戸惑いませんでしたか?
京太郎「まぁ急に渡されたのはマジで!? って感じですけど、実はガンシューティングする時に二丁拳銃スタイルをちょくちょく練習してましてね」
何故?
京太郎「男だからです」
二丁拳銃って難しくないですか?
京太郎「これも実はなんですけど、俺両利きなんです」
両利き?
京太郎「ええ。まぁ普段使いは右なんですけど、同じくらいの作業は出来ますね。それもあって、まぁ結構ガンガン撃てるんですよ」
成程。それで、どのぐらいクリアできましたか?
京太郎「ギリギリでしたけど、なんとか全ステージクリアしました」
すごいですね。普段からガンシューティングは上手い方ですか?
京太郎「どうでしょう。いつもは最終ステージ中とかその前とかでやられるんですけど、その時は良いとこ見せたくて気合入ったかもしれませんね」
清水谷さんと園城寺さんの反応はどうでしたか?
京太郎「後ろのベンチで座ってて、清水谷さんは目をキラッキラさせて「すごいやん! かっこよかったでS君!」ってすごい勢いで拍手喝采を贈ってくれて。園城寺さんはその膝を枕に寝そべりながら「お疲れちゃんやー」とひらひら手を振ってましたね」
ゲーセンのど真ん中で膝枕されてたんですか?
京太郎「割と端の方でしたし、他の人はガンダ○の方に寄ってたんで、注目はされてなかったと思います」
そういう問題ではないのですが……。
京太郎「まぁ、二人にとっては日常的にやってることみたいなので、人目を憚るものでもないんでしょう」
京太郎「それで、ガ○ダムの方は決着着いてなかったみたいですけど、清水谷さんの方に連絡が入って、ぼちぼち帰らなきゃいけない時間になったみたいで」
その場で解散となったと。
京太郎「ええ。けど、お二人にまた遊びたいからと連絡先を交換しようと申し出がありましてね。もちろん喜んでと受けたんです」
着々と女の子の連絡先が増えていきますね。
京太郎「ですよね。一期一会とは言いますが、もう少し個人情報を大切にした方がいいかと」
それはS君にも言えることですが。
京太郎「俺はあれですよ。連絡先はとりあえず交換しておきますけど、相手が段々連絡してこなくなって自然消滅するタイプなんで」
残った人とは連絡をずっと取り合ってるんですか?
京太郎「そうですね。中々そういう人とはいないんですけど」
それでは、最後に何か一言。
京太郎「純粋に疑問なんですけど、愛宕さんと江口さんは何を賭けてあんなに熱くなってたんでしょうか?」
洋榎「なんっでウチには会いにきとらんねん!!」
恭子「江口セーラとゲーセンでバトってたって、あん時か……」
絹恵「
お姉ちゃん迎えに行ったんは私やけど、S君もおったんやなー」
漫「主将、S君に会いたかったんですか?」
洋榎「乳もぐぞデコっパチ」
漫「なんでそこまで言われなアカンのですか!?」
由子「じゃあなんなのよー」
洋榎「おんなじゲーセンにいて、セーラんとこは会って、ウチらんとこは入れ違いになっとると、なんちゅーかこう……負けた気になんねん!!」
恭子「さっぱり分からん……」
恭子「というか主将。S君も言うてたけど、何をそないに熱くなっとったんですか?」
洋榎「それが聞いてや。セーラのやつが出会い頭、ウチに「30円返せや」ちゅーって喧嘩売ってきてな?」
漫「喧嘩も何も正当な要求やないですか……」
洋榎「何言うてんねん! 30円とかむしろウチが貸しとるくらいや! それをあの学ラン女はすーっかり忘れていけしゃあしゃあと!」
絹恵「あー、それで言い合いになってガン○ムに発展したんやな……」
由子「それで争った結果三千円も使ってたら本末転倒なのよー……」
洋榎「ウチが許せんのはなぁ! 金やないねん! 借りパクしといてそれを忘れて、逆に貸したよーな面晒して返せーっちゅう神経なんや!」
セーラ「つまり! あの三千円は、言うなりゃプライドを賭けた三千円なんや! 30円に賭けたもんやない!」
泉「30円を借りた貸したで賭けるプライドって……」
浩子「元が元じゃどっちにせよしょーもない争いですやん」
セーラ「しょーもなくないわ! 俺はな! 今回こそあのギャグ顔ポニテに負けを認めさせて「申し訳ありませんでしたセーラ様。ウチが悪かったです」と言わせるつもりで」
浩子「まぁそのしょーもない争いはさて置き」
セーラ「しょーもなくないて!」
浩子「お二人は雑誌や動画で噂のS君と会ったそうで」
怜「せやでー。セーラが喧嘩してる間、しっぽりと遊ばせてもろたわー」
泉「いや言い方……」
怜「カッコよかったでー? うちが抜けた後からゾンビがぎょーさん出るようになってきたんやけど、それを両手の銃でバンバンバンバン薙ぎ倒してってなー」
浩子「あそこのガンシューティングゲームはゲーマーの間でも難しい事で結構有名みたいやそうですけどね。全クリは中々いないと」
怜「やっぱあれが効いたんかなー」
泉「あれ?」
怜「きょーくんがプレイしとる後ろでうちがな。「クリアしたら膝枕したるでー。りゅーかが」ってゆうたら、気合入れ直して「おっしゃー!!」ってな。目に見えて殲滅速度上がってたんよ。動画では言っとらんかったけど」
セーラ「スケベ心全開やないか……」
怜「変にムッツリなんより、それくらいわかりやすい方が好きやけどなーうち」
浩子「で? したんですか、膝枕」
竜華「いや、それは……だって会ったばかりの男の子に膝枕するなんて恥ずかしいやろ……」
セーラ(人目も憚らず膝枕してるんは恥ずかしくないんか……)
泉(やっぱりなんかズレとるよなぁ、この先輩……)
浩子「それはそれは。S君もさぞやガッカリしたでしょうねぇ」
竜華「し、しとらんもん。須賀君も怜の冗談やって分かってくれたし……」
怜「内心ガッカリしとったのを隠してたやつやろ、あれ」
竜華「そないなこと言うても……」
怜「しゃーないなぁ。今度きょーくんに会うたら、りゅーかの代わりにうちが膝枕したるか」
竜華「ア、アカンで怜! 怜が男の子の頭を膝枕なんかしたら、怜の太腿が折れてまう!」
怜「うちの太腿どんだけスカスカやと思ってんねん」
某シューティングゲームにおいて全国ランキングに載ったSKと思しきスコアから、記念に越えようとするプレイヤーが増えたという。
カン
最終更新:2021年08月06日 21:28