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#contents(fromhere=true) [T15に書いた物語]  僕の生活ゲームの目標は、アリエスという人と再会する事だった。  その人は、僕がNWでも小説を書く事になるきっかけだった。  たった一度会っただけ。もうリアルで二年前。  万年筆を、手渡して、 「うん。楽しみにしている。クロム。おぼえた」  そう言ってもらえたから。  だからお返しに。お話を書いて、手渡して、喜んでもらいたくて。再会の物語を探していた。  けれど、相手は事情があって再会は難しかった。どうにか会う機会を得たと思っても、友人が失踪し、僕は失言をして、アリエスのおじいちゃんこと公爵に追われたりした。  もう向こうに会う気はない。手紙もブロックされている。勿論、屋敷に忍び込むなんて技能は僕には無い。それでもこちらの事情を伝えればもう一度くらい話せないかと思って、僕は小説を書いてみた。質疑でも有効性を確認した。  けれど、駄目だった。僕は門前払いを受けて、その後、クーリンガンが出たりのごたごたがあって、再会はまた失敗した。 (僕が、小説を書いても、なんの意味もなかったんだ)  それが、2/8の生活ゲームの結末。  もう小説家の特殊を使うことは無いと思った。  けれどナイトメア、という名前を耳にした。夢の中で襲われると、目覚めなくなってしまうらしい。でも小説家の特殊で明るいお話を書けば、悪夢を防ぐ効果がある。そういう事がわかった。  しかし、僕はすでに、失敗してる。  小説を書いた。けれど伝わらなかった。  何の意味もなかったのだ。  質疑で効果を確認しても、結局、僕が駄目な作品を書いたら意味が無い。  だから今回も前と同じ。僕の腕では、やっぱり駄目なんだろう。悪夢を防ぐ明るい話なんて、それこそ都合のいい夢物語だ。  失敗の積み重ねは、出来ない理由を心地よく心の中に滑り込ませて、僕をペンから遠ざけていった。 『うん。楽しみにしている。クロム。おぼえた』  なのに。もうやめようと思った時に限って。  ――なんで、思い出してしまったんだろう。  腕が足りないのはわかってる。知識も足りないのだってわかってる。僕のは下手の横好きだって、言われなくてもわかってる。  それでも、このペンを手にした時、目指したはずの眩しい夢が、確かにあったはずなのだ。  だから。 「書くよ。明るい話……明るい夢を。今度こそ」  僕はもう一度、万年筆を手に取った。  その後。僕が書いたのは、ある再会の物語だった――。 ---- 12-00236-01:黒霧 本文:984文字 ---- &link_up() &link_back() ----
#contents(fromhere=true) [T15に書いた物語]  僕の生活ゲームの目標は、アリエスという人と再会する事だった。  その人は、僕がNWでも小説を書く事になるきっかけだった。  たった一度会っただけ。もうリアルで二年前。  万年筆を、手渡して、 「うん。楽しみにしている。クロム。おぼえた」  そう言ってもらえたから。  だからお返しに。お話を書いて、手渡して、喜んでもらいたくて。再会の物語を探していた。  けれど、相手は事情があって再会は難しかった。どうにか会う機会を得たと思っても、友人が失踪し、僕は失言をして、アリエスのおじいちゃんこと公爵に追われたりした。  もう向こうに会う気はない。手紙もブロックされている。勿論、屋敷に忍び込むなんて技能は僕には無い。それでもこちらの事情を伝えればもう一度くらい話せないかと思って、僕は小説を書いてみた。質疑でも有効性を確認した。  けれど、駄目だった。僕は門前払いを受けて、その後、クーリンガンが出たりのごたごたがあって、再会はまた失敗した。 (僕が、小説を書いても、なんの意味もなかったんだ)  それが、2/8の生活ゲームの結末。  もう小説家の特殊を使うことは無いと思った。  けれどナイトメア、という名前を耳にした。夢の中で襲われると、目覚めなくなってしまうらしい。でも小説家の特殊で明るいお話を書けば、悪夢を防ぐ効果がある。そういう事がわかった。  しかし、僕はすでに、失敗してる。  小説を書いた。けれど伝わらなかった。  何の意味もなかったのだ。  質疑で効果を確認しても、結局、僕が駄目な作品を書いたら意味が無い。  だから今回も前と同じ。僕の腕では、やっぱり駄目なんだろう。悪夢を防ぐ明るい話なんて、それこそ都合のいい夢物語だ。  失敗の積み重ねは、出来ない理由を心地よく心の中に滑り込ませて、僕をペンから遠ざけていった。 『うん。楽しみにしている。クロム。おぼえた』  なのに。もうやめようと思った時に限って。  ――なんで、思い出してしまったんだろう。  腕が足りないのはわかってる。知識も足りないのだってわかってる。僕のは下手の横好きだって、言われなくてもわかってる。  それでも、このペンを手にした時、目指したはずの眩しい夢が、確かにあったはずなのだ。  だから。 「書くよ。明るい話……明るい夢を。今度こそ」  僕はもう一度、万年筆を手に取った。  その後。[[僕が書いたのは、ある再会の物語だった――>http://tkt.lix.jp/novel_anti-nightmare/index.html]]。 ---- 12-00236-01:黒霧 本文:984文字 ---- &link_up() &link_back() ----

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