「倍と積」とは

 かけ算が使われる場面についての、分類法の一つです。
 「3cmの4つ分の長さ」は倍、「縦3cm、横4cmの長方形の面積」は積に、それぞれ対応づけられます。式はともに3×4=12となります。
 用語:倍用語:積もご覧ください。

文献

  • 文献:岸本2000では、対象を明確にするため「倍(multiple)に関する小数の乗法を考察の対象とし,積(product)に関する小数の乗法は取り上げない」という断り書きを入れています。
  • 文献:浅田2006では、調査課題の一つで「7×2.4の式で求められる問題を1つ作りましょう」として作問をさせており、そのただし書きで、面積を求める問題は作らないよう指示しています。
  • 文献:小原2007では、文献:Greer 1992の内容を踏まえ、かけ算の式で表せる対象を「値段や重さなど〈乗数と被乗数が区別される文脈〉と,面積などの〈乗数と被乗数を区別しない文脈〉の2通り」に大別しています。さらに、それぞれの文脈に基づく文章題に、“非対称問題”、“対称問題”という名称を与えています。
  • 文献:志水2009 54頁には、四則演算(加法・減法・乗法・除法)を行,単項演算・二項演算を列とした表があり、「倍」を乗法の単項演算、「積」を乗法の二項演算に配置しています。文献:算数科教育学研究会2010 129頁にも、同様の表があります。
  • 文献:麻柄1995 29-30頁では、大学の授業のシーンの中で、「4×8の計算で答えを出す問題」を大学生に作らせ(マイクで答えさせ)ています。最初の学生が、面積を求める問題を言ったのに対し、先生が講評のあと、「これから発表する人は、面積シリーズ、体積シリーズ以外の問題にしてくれますか」と言い、「積」になるものを除外しています。

外部リンク

最終更新:2012年12月19日 20:43