夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

鷹鳥迅&モレスター

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20XX年、都市は鉄道警備組織『レイヴン』の制圧下にあった。






結局、『最終痴漢電車』など、与太話に過ぎなかった。
迅はそう結論づけ、今日もまた当てもないまま、渇いた心とともに、ただ、息をしていた。


『貴方は最終痴漢電車に辿りつけなかった』


今日は雪の降るホワイトクリスマス。
いつものように孤独な足取りで街を歩く迅の前に、いつものように双子が現れた。
目も眩むほどの美少女と美少年。

「最終痴漢電車……与太話だろう、アレは」
『何度めともなる繰り返し、哀しいことだね』
『そして、最終痴漢電車もまた『与太話』として作られようとしている。
 許されることではないよ』

訳の分からないことをつぶやき続ける双子を前にして、鷹鳥迅は頭に痛みを感じた。
頭を抑え、壁に手をつく。
瞬間、不思議なことが起こった。
雪の降る街、しかし、歩く人々の姿が異様になる。
同じ人物が二人居たり、女と女が手を組んでいたり、男と男が肩を寄せあっている。
既視感<<デジャ・ブー>>のようなものだった。
現在の光景と、あるはずのない記憶が混同しているのだ。

『君はまだ、真の力にも目覚めていない』
『アプローチを変えよう』

何を言っている。
その肉食獣のような瞳を浴びせながら、女を震わせる低い声でそう言おうとした。
しかし、目の前に光が走った。

『君もまた、願っているはずだ』
『幾度と無く繰り返し、君は答えに近づいている』
『でも、まだ遠い』
『だから、少しの間だけお別れだよ』

双子の声が歪に響く。
頭に異様な痛みが走る。


――――最終痴漢電車で、会おう。


視界がブラックアウトした。






「モレスター<<痴漢者>>のサーヴァント、遠山万寿夫。
 人は私を痴漢者トーマスと呼んだ」

仮面をつけた、赤いタキシードを着た男が迅へと語り続ける。
男の名は、遠山万寿夫。
クラスはモレスター、痴漢者のサーヴァント。
多くの痴漢者は、彼のことを敬意を込めて『痴漢者トーマス』と呼んだ。
最も宇宙の真理へと近づいた痴漢者だ。
電車はまだ、来ない。
迅はその黒いコートを風に棚引かせながら、自身のサーヴァントの語りに耳を傾ける。

「職はない……必要ないからな」
「道理だ」
「俺は痴漢だ、語る言葉もない」
「俺も、同じだ」
「聖杯というものにもわからない、俺は聖職者ではなく、魔術師ではなく、痴漢だからだ」
「……」

トーマスは言葉を続ける。
ふと、指先を見た。
惚れ惚れするほどの理想的な痴漢の指だった。
その指を見ているだけで、迅は痴漢者トーマスが痴漢してきた女達の痴態を幻視した。

「しかし、痴漢の根源にはたどり着きたい。
 英霊となっても尚尽きない……痴漢への想い」
「そうか」

扉が開いた。
迅はその鉄籠の中へと足を踏み入れた。

「俺も同じだ……生まれてから、ずっと渇きを感じていた」
「痴漢者の宿命だ……我々は『逸脱者』なのだ」
「満たされる瞬間は、この無粋な鉄籠の中にだけある。
 子供みたいだ、まるで」

だから、最終痴漢電車などというものを求めた。
痴漢でしか自身を満たされない『逸脱者』である自分。
それを応える痴漢でしか満たされない『逸脱者』である女。
その二人にとっての楽園は、バカみたいに求めた。

「……俺たちはこの中でしか生きられない」
「特別ではないんだな、お前も、俺も」
「そうだ、俺たちは――――」

他者にとっては単なる一歩だが、迅とモレスターにとっては大いなる意味を持つ。
この鉄籠が多くの人間にとっては単なる移動機関に過ぎない。
しかし、二人にとってはこの鉄籠こそが宇宙だった。
痴漢者トーマスの宝具とは、その宇宙を冠していた。


「ただの痴漢さ」



――俺たちは鉄籠に永遠を願った<<エターナル・モレスター>>――

【クラス】
モレスター

【真名】
遠山万寿夫@痴漢者トーマスⅡ

【パラメーター】
筋力E+++ 耐久E+++ 敏捷D+++ 魔力D+++ 幸運A+ 宝具-
(プラス補正は痴漢時にのみ発動する)

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
痴漢道:A++
『悶気』は、全ての生命・宇宙に流れるものであり、痴漢者はそれを自在に操れることが出来る。
その『悶気』がどれほど操れるかを示すランクであり、Aランクでようやく『修めた』と呼ぶことが出来るスキル。
宇宙を構成する流体を操るため、感覚操作や時間操作、空間操作も可能とする。
痴漢技を極めたトーマスは最高ランクのスキルランクを誇る。

【保有スキル】
直感(痴):A
痴漢中の『自分にとっての最適の行動』を瞬時に悟る能力。
トーマスは天性の才能によって、もはや未来予測に等しい痴漢を行う。

魔力放出(指):A
魔力を自身の武器や肉体に帯びさせることで強化させる。
トーマスの常時の痴漢行動は魔力を帯びない純粋な痴漢技である。
トーマスが魔力放出スキルを使用すれば、単なる接触でも時空を歪めるほどの絶大な威力を有する痴漢技となる。

カリスマ:B-
特定の空間内の人々を導く才能。
ランクBならば痴漢としては規格外のランク。


【宝具】
『人の心の宇宙、破裂する超新星(モレスター・ノヴァ)』
ランク:- 種別:対人魔技 レンジ:1 最大捕捉:3,500,000,000
厳密に言えば宝具ではない、『技術のみで神秘の域に達した痴漢技』。
人の中の宇宙を爆発させることで、相手を究極の絶頂へと導く。
そのために、相手の全身を同時に愛撫する。
本来存在するはずのない指が『同時』に『複数』存在する矛盾は、まさしく『魔法』である。
エターナル・モレスターとは対となる痴漢技である。

『俺たちは鉄籠に永遠を願った(エターナル・モレスター)』
ランク:- 種別:対人魔技 レンジ:1 最大捕捉:3,500,000,000
厳密に言えば宝具ではない、『技術のみで神秘の域に達した痴漢技』。
時間を破壊して永遠時間の痴漢によって、相手を究極の絶頂へと導く。
そのために、地軸を操作して一種のブラックホール的な無限重力の空間を生みだす。
本来儚く消えるはずの『一瞬』を『永遠』へと引き伸ばす奇跡は、まさしく『魔法』である。
モレスター・ノヴァとは対となる痴漢技である。

【weapon】
  • モレスターチェーン
長さ10メートルにも及ぶ投げ縄。
モレスターの頂点とも言えるトーマスはこれを自在に操ることが出来る。

【人物背景】
トーマスはかつて一人の就職活動中の若者であり、痴漢は単なる心の休まる瞬間に過ぎなかった。
しかし、彼は『痴漢』という魔性の概念に取り憑かれ、『痴漢』という概念もまた彼を愛した。
彼は痴漢として多くの女性を冒涜し、多くの若者を痴漢の醜悪な美に引きずり込んだ。
その悶気が正しく扱われていれば、恐らく世界はすでに約束の時を迎えていたであろう。
伝説の痴漢となった彼は、ごく限定的な英霊として昇華された。
恐らく、鷹鳥迅のようなはみ出し者の中でも侮蔑されるような存在でなければ召喚できない英霊。

なお、モレスターのクラス適正を持つ英霊は、『闘馬筋雄』『志岐匠』『天野哲夫』『石堂竜平』。
そして、マスターである『鷹鳥迅』などが存在する。

【サーヴァントとしての願い】
痴漢の根源へと至る。

【基本戦術、方針、運用法】
痴漢が戦えるわけ無い。


【マスター】
鷹鳥迅@最終痴漢電車3

【参加方法】
最終痴漢電車に至れなかったことによる後悔と、『双子』のアプローチの変化

【マスターとしての願い】
渇き?困難?……上等だ、今まで生きてきて、それを感じなかった日などない。
求めることもなく、ただ安穏と満たされるだけの日々に、何の価値があるというんだ?


癒しを求め、足掻き、もがき続けることこそ――――この俺の、存在理由。すべてだッ!


【weapon】

【能力・技能】
鷹鳥迅は痴漢として無限の可能性を持っており、下記の痴漢技を持っている。
『閃光の指<<ライトニングチャージ>>』
『肉欲の牢獄<<ギルティ・プリズン>>』
『導き手<<マインド・バースト>>』
『共有する迷宮<<ラビリンス>>』
そして、迅の二つの名の由来となる痴漢技『悪魔の手<<デモンズ・ハンド>>』がある。
(と言っても、特別な能力が存在するわけでもなく、迅が積み重ねた基礎的な痴漢技の究極に過ぎない。)


そして、迅が未だに身につけていない二つの技。

  • 『渇いた海<<ヘブンズ・ドア>>』
渇きを満たすことを求める痴漢者<<モレスター>>だけが開くことが出来る真理の扉。
その向こう側から膨大と呼ぶのも馬鹿らしい無限のエネルギーを引き出す痴漢技。

  • 『操り人形の夜<<デッドマンズ・ビジョン>>』
死ぬ間際の走馬灯――――時間を遅く感じる超感覚を身につける痴漢技。
この技を身につけた迅は、時間から切り離された存在となる。



【人物背景】
都市は鉄道警備組織『レイヴン』の制圧下にあった。
年々増加傾向にある痴漢犯罪に対抗すべく設立された、女性だけで構成された鉄道警備隊『レイヴン』。
卑劣な痴漢犯罪者たちを容赦なく取り締まる彼女たちは人々から英雄視されていたが、
その一方で取り締まりの域を超えた私刑的行為などが問題視されていた。
物語の主人公、鷹取迅(たかとりじん)は凄腕の痴漢として名を知られていた。
日常生活の中では己の欲望を満たすことができない迅は、自分と同じ『逸脱者』の素質を持った女を求めて痴漢行為を繰り返す。
だが、とあるミスから『レイヴン』の手に落ち、痴漢に関する能力を全て奪われてしまう。

何者かの助けにより『レイヴン』の手を逃れた迅は『最終痴漢電車』の噂を知り、そこに自分の求める欲望の答えがあると確信する。
自分と同じ『逸脱者』の素質を持った女を見つけ、最高の『牝』に仕上げ『最終痴漢電車』のゲストにする。
迅はこの新たな目標に向けて、再び痴漢として活動を開始するのだった。


――――鷹鳥迅は、そう言った時間を幾度と無くループして繰り返している。

『痴漢者トーマス』の肩書を持つ者を打倒できる、数少ない痴漢者<<モレスター>>。


【方針】
彼らは、侮蔑されるべき、ただの痴漢だ。

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