ラノロワ・オルタレイション @ ウィキ
forever blue (前編)
最終更新:
Bot(ページ名リンク)
-
view
forever blue (前編) ◆olM0sKt.GA
等間隔に並んだ病院の薄暗い照明が、ちかちかと不健康に明滅を繰り返した。
天井につり下げられた蛍光灯は暗闇をぬぐい去るために存在しているはずなのだが、それ自体が闇を強調しているように感じられる。
空気までもが窒息したような重苦しい沈黙の中、坂井悠二は廊下を歩いていた。
天井につり下げられた蛍光灯は暗闇をぬぐい去るために存在しているはずなのだが、それ自体が闇を強調しているように感じられる。
空気までもが窒息したような重苦しい沈黙の中、坂井悠二は廊下を歩いていた。
施設の奥へと進むにつれて暗さが増しているような気がする。もしかしたら、最奥では頼りない明かりなど本当に無意味になるのかも知れない。
病院に巣食う深淵は、あるいはこの世界を刈り取っている真っ黒な空白と同一のように思われた。
いやな想像から逃れるように悠二は歩を進める。
窓からさす明かりが想像の闇と同じく濃さを増していることも演出に一役買っていた。
微生物どころか人間まで殺菌するかのような消毒液の臭いを振り払い、足早に階段を上がる。
病院に巣食う深淵は、あるいはこの世界を刈り取っている真っ黒な空白と同一のように思われた。
いやな想像から逃れるように悠二は歩を進める。
窓からさす明かりが想像の闇と同じく濃さを増していることも演出に一役買っていた。
微生物どころか人間まで殺菌するかのような消毒液の臭いを振り払い、足早に階段を上がる。
紅世の王との戦いを経て、年齢にしてはかなりの度胸を身につけた悠二だったが、こういう場所の不気味さはそれとはまた別種のものである。
夜の病院に、一人。そこから想起される恐怖は非日常的でありながら多分に日常的なものだ。
もっとも、この男ならそんなものは馬鹿馬鹿しいと切って捨てるのかも知れない。
長方形に伸びた狭苦しい部屋に水前寺はいた。
夜の病院に、一人。そこから想起される恐怖は非日常的でありながら多分に日常的なものだ。
もっとも、この男ならそんなものは馬鹿馬鹿しいと切って捨てるのかも知れない。
長方形に伸びた狭苦しい部屋に水前寺はいた。
「おお、悠二クン。首尾はどうだったかね?」
資料の保管用の場所なのか、味気ない色のファイルが収められたロッカーに容積のほとんどを明け渡している小さな部屋である。五メートルほど伸びた部屋の一番奥で、水前寺は何語かも分からない書類に埋もれるようにパソコンを操作していた。
病院の重い雰囲気を跳ね返すような水前寺の野太い声に、悠二は自身の手柄を報告する。
病院の重い雰囲気を跳ね返すような水前寺の野太い声に、悠二は自身の手柄を報告する。
「上々、かな。急患の駐車場に置かれてるのがあった。エンジンも動いたし、そのまま使えると思う」
次なる足として求めていた救急車は割合簡単に見つかった。懸念は鍵のありかだったが、事務室の様な場所に隠す気配もなく置かれていたので逆に拍子抜けしたくらいである。
悠二の言を聞いてに水前寺は結構、とやたら大きく頷いた。それくらいこなしてもらわねば困ると言うかのようだ。
悠二の言を聞いてに水前寺は結構、とやたら大きく頷いた。それくらいこなしてもらわねば困ると言うかのようだ。
「こちらも悪くはない。別れて早々起動中で放置されていたこのパソコンを見つけ、ついさっき飛び飛びながら全体の映像を見終わったところだ」
「つけっぱなし、だったんだ」
「ここもまたセレスト号の一部というわけだよ、悠二クン」
「つけっぱなし、だったんだ」
「ここもまたセレスト号の一部というわけだよ、悠二クン」
促され、悠二はパソコンの位置まで近づくとディスプレイを見るために腰を折った。
水前寺が解析した眼鏡型カメラは、説明によると電池の続く限り全自動的に映像を記録し続ける仕組みらしい。
水前寺が解析した眼鏡型カメラは、説明によると電池の続く限り全自動的に映像を記録し続ける仕組みらしい。
「任意にオンオフなどされていてはどうしようかと思ったよ。ドキュメンタリーには視聴者を引き込む臨場感もさることながら、同時に必要なのは客観性だ。
意図的に編集を加えられては見えるものも見えなくなってしまう」
意図的に編集を加えられては見えるものも見えなくなってしまう」
演説を続けながら、水前寺がファイルをクリックする。まずこれを見ろということらしい。
「これなどはどうかね? 中々の眼福だよ」
再生された映像には、一人の少女が映っていた。
カメラが固定されているのか、アングルもなにもないそのままの記録映像といった趣である。画像がかなり鮮明に記録されているせいか、それでも不便は感じなかった。
悠二は我知らず息をのむ。映し出された女性が、ロビーで物言わぬ姿となり果てていた朝比奈みくるだと気づいたからである。
今は亡き映像の少女は、その最期と同じくメイド服を着ていた。それを眺めたり他の場所をきょろきょろしたりしながら、どうしたものかと思案顔である。
カメラが固定されているのか、アングルもなにもないそのままの記録映像といった趣である。画像がかなり鮮明に記録されているせいか、それでも不便は感じなかった。
悠二は我知らず息をのむ。映し出された女性が、ロビーで物言わぬ姿となり果てていた朝比奈みくるだと気づいたからである。
今は亡き映像の少女は、その最期と同じくメイド服を着ていた。それを眺めたり他の場所をきょろきょろしたりしながら、どうしたものかと思案顔である。
既に死んでいる少女。惨劇を連想させる映像に悠二の鼓動が早まる。
彼女はしばらくあれこれと思いを巡らせていたようだが、やがてごく自然な動作でメイド服の裾に手をかけ下着姿になった。
さらに、ためらいも見せずにブラジャーを脱ぎ捨てると、その豊満と言うにもあまりにも健康的に育った両の乳房をレンズの前に惜しげもなくさらけだした。
彼女はしばらくあれこれと思いを巡らせていたようだが、やがてごく自然な動作でメイド服の裾に手をかけ下着姿になった。
さらに、ためらいも見せずにブラジャーを脱ぎ捨てると、その豊満と言うにもあまりにも健康的に育った両の乳房をレンズの前に惜しげもなくさらけだした。
「って、な、な、な、なんなんだよこれは!」
「ものすごく早いな。こんなのはまだ序の口だよ。む、さてはお前、肝が据わってるようで実はかなりオクテだな?」
「そ、そんなことはどうでもいいだろ!」
「ふん、オクテでなければなんだ。おっぱい恐怖症か? 君は胸がまったいらな女性でなければ欲情できないタチの人間かね?
それがどうとは言わんが少しは耐性を持っていても悪いことはあるまい。幸い映像はまだまだ続くどうしたのかね悠二クン応答せよ悠二クン」
「ものすごく早いな。こんなのはまだ序の口だよ。む、さてはお前、肝が据わってるようで実はかなりオクテだな?」
「そ、そんなことはどうでもいいだろ!」
「ふん、オクテでなければなんだ。おっぱい恐怖症か? 君は胸がまったいらな女性でなければ欲情できないタチの人間かね?
それがどうとは言わんが少しは耐性を持っていても悪いことはあるまい。幸い映像はまだまだ続くどうしたのかね悠二クン応答せよ悠二クン」
顔を真っ赤にして画面から背を向ける悠二に、水前寺が矢継ぎ早に続ける。悠二の心臓はさっきと全く違う理由でばくばくと波打っていた。
「まぁ悠二クンが巨乳派か貧乳派かは置いておくとしてもだ。少なくともこの映像の記録者はそれはもう驚く程に豊満な女性の肉体を好んでいると見える。
信じられるかね? 確かな意図のもとに記録されていた映像の実に九割が女性関係で占められている。
信じられるかね? 確かな意図のもとに記録されていた映像の実に九割が女性関係で占められている。
これは音声から推察されたのだが持ち主は現状の把握さえままならずにいたようなのだ!
にもかかわらず、だ!こと女性関係に関しては実に素晴らしい行動力ではないか!しかも彼は驚くべき早さで女性の全裸を収録せしめたのにあきたらず、その後も隙あらば着衣の上からの接写を試みている。
これが実に扇情的でね! おれは思わずプロの手口ではないかと疑ったよ。
にもかかわらず、だ!こと女性関係に関しては実に素晴らしい行動力ではないか!しかも彼は驚くべき早さで女性の全裸を収録せしめたのにあきたらず、その後も隙あらば着衣の上からの接写を試みている。
これが実に扇情的でね! おれは思わずプロの手口ではないかと疑ったよ。
あまつさえコンビニに立ち寄ればエロ本を上から下まで物色しつくすという徹底ぶりだ。
ちなみに、な。彼女の下着に付いていた血。あれはなんとこの映像の記録者が吹き出した鼻血だよ。
もう一度言おうか、ハ・ナ・ジだ。これはマンガか何かかね?
一体どこの世界に女性に着替えを決意させる程の鼻血を吹き出す人間がいるというのだ。
ちなみに、な。彼女の下着に付いていた血。あれはなんとこの映像の記録者が吹き出した鼻血だよ。
もう一度言おうか、ハ・ナ・ジだ。これはマンガか何かかね?
一体どこの世界に女性に着替えを決意させる程の鼻血を吹き出す人間がいるというのだ。
これはもう一般の男子学生の枠を完全に越えている! 変態、ドスケベという言葉すら生ぬるい。言うなればそう、エロスの求道者とでも言うべき極限化された使命感の……」
「あ、あの。他には何かなかったのかな?」
「あ、あの。他には何かなかったのかな?」
放っておけばどこまでエスカレートしそうな水前寺の長広舌を悠二はやっとの思いで遮った。顔がまだ赤いままなのを感じる。
水を差された水前寺はあからさまに不機嫌な顔で悠二を見たが、やがて何かを諦めたように大げさなため息を一つつくと、わざとらしくやれやれなどと言いながら腰を下ろした。演説中に立ち上がっていたのだ。
水を差された水前寺はあからさまに不機嫌な顔で悠二を見たが、やがて何かを諦めたように大げさなため息を一つつくと、わざとらしくやれやれなどと言いながら腰を下ろした。演説中に立ち上がっていたのだ。
「ふん、カマトトぶりよってからに。好きなものをその場で好きと言えんのでは、後で後悔することになるぞ。まぁいい、ならば本題に入ろうではないか」
まだ少し収まりきらない動悸を抱えながら悠二は画面に向き直った。
最初から本題に入ってくれという言葉がちらりとよぎるが、同時に強く理解してもいる。
水前寺は、この状況で無意味に回り道をするような男ではない。
最初から本題に入ってくれという言葉がちらりとよぎるが、同時に強く理解してもいる。
水前寺は、この状況で無意味に回り道をするような男ではない。
「やはり、一番はここだろうな。収穫と言ってよいかは言葉に迷うが」
惨劇、と言うしかない映像だった。
映像は朝比奈みくるがにこやかな笑顔でお茶を運んでくるところから始まっていた。だが、のどかなのはそこまでだ。
運ばれてきたお茶に口を付けてすぐに、記録者の視点が激しくぶれだした。血を吐いているのか画面に赤いものが混じる。
次の瞬間、画面はひきつけを起こしたかのように一層強く揺れた。そして、それきり動かなくなる。記録者である人間が絶命したということだろう。
映像は朝比奈みくるがにこやかな笑顔でお茶を運んでくるところから始まっていた。だが、のどかなのはそこまでだ。
運ばれてきたお茶に口を付けてすぐに、記録者の視点が激しくぶれだした。血を吐いているのか画面に赤いものが混じる。
次の瞬間、画面はひきつけを起こしたかのように一層強く揺れた。そして、それきり動かなくなる。記録者である人間が絶命したということだろう。
悲鳴。喧噪。現れた十代中頃の人間に着物姿の男が射殺される。逃げ出そうと朝比奈みくるが背を向けるが、同じ人間に一刀のもとに切り捨てられる。
最後に残った少年は銃を構えて抵抗の意志を見せたが、逆に奪われてあえなく銃弾をその身に浴びた。
全部で五分にも満たない、ささやかな時間のできごとである。
最後に残った少年は銃を構えて抵抗の意志を見せたが、逆に奪われてあえなく銃弾をその身に浴びた。
全部で五分にも満たない、ささやかな時間のできごとである。
「安全装置にくらい気を回せ……バカ者が」
水前寺がつぶやいて、動画が止まる。言葉には惜しむような響きがあった。
生々し過ぎる映像に、悠二は鉛を胃に落としたような衝撃を覚える。
生々し過ぎる映像に、悠二は鉛を胃に落としたような衝撃を覚える。
「この後さらにグロテスクな映像が続くのだが、そちらまで見る意味は薄いだろうな。肝心なのは……」
「集団を、中から崩壊させようと動いてる人間がいる」
「さすがに聡いな。その通りだ悠二クン。少し映像をさかのぼれば、犯人が明確に仲間として振る舞っている場面も記録されていたよ」
「集団を、中から崩壊させようと動いてる人間がいる」
「さすがに聡いな。その通りだ悠二クン。少し映像をさかのぼれば、犯人が明確に仲間として振る舞っている場面も記録されていたよ」
おれからはこんなところだ、と締めくくるように言って水前寺は動画を終了した。
質問を求められたが悠二からは特別引っかかる点も見あたらない。強いていえば映像の殺人者が今どこにいるのかだが、それを聞きたいのは水前寺も同じことだろう。
質問を求められたが悠二からは特別引っかかる点も見あたらない。強いていえば映像の殺人者が今どこにいるのかだが、それを聞きたいのは水前寺も同じことだろう。
「とりあえず、ヴィルヘルミナさんに連絡を」
「うむ、特徴だけでも伝えておくといいだろうな。こうしている間に神社に潜り込んでいないとも限らん」
「じゃあ早速……ちょっと待って、外に誰かいる」
「うむ、特徴だけでも伝えておくといいだろうな。こうしている間に神社に潜り込んでいないとも限らん」
「じゃあ早速……ちょっと待って、外に誰かいる」
窓の向こう、壁に背を向けて座る水前寺の肩越しに動くものが見えた。
気づいた水前寺も窓にへばりつくような体勢で注意深く視線を飛ばす。
気づいた水前寺も窓にへばりつくような体勢で注意深く視線を飛ばす。
「なに? 注意を怠ったつもりはなかったのだが……なるほど、確かに誰か歩いてきて いるな。というかあれは……」
何かを言おうとした水前寺だったが、彼にしては非常に珍しいことに具体的な言葉を紡ぐことができないようだった。
片手で頭を抱え、まとわりつく靄を振り払うように大きくかぶりをふる。
思い出せそうで思い出せない、そんな仕草だ。
片手で頭を抱え、まとわりつく靄を振り払うように大きくかぶりをふる。
思い出せそうで思い出せない、そんな仕草だ。
「く、おれとしたことが。我が新聞部の部員の名をド忘れするとは。あれはまぎれもなく伊里野特派員ではないか」
現れた人影は女性だった。どこかの学校の制服に身を包んだ、小さくてはかない印象の少女だ。遠目でもわかる真っ白な長髪と大通りの真ん中を進むふらふらした足取りが、弱々しさを強調している。
意志も目的も希薄な、目を離せば宙に溶けてしまいそうな少女。
意志も目的も希薄な、目を離せば宙に溶けてしまいそうな少女。
「知り合い、なんだ」
少女から視線を注いだまま、悠二は言った。「知り合い」を強調するような言い方に、我ながら含みがあるなと感じる。
悠二は、水前寺の言うド忘れの原因に心当たりがあった。
悠二は、水前寺の言うド忘れの原因に心当たりがあった。
「あのさ、水前寺・・・・・・ちょっといいかな」
彼女は、トーチだ。消滅まで、もういくらもないだろう。
◇ ◆ ◇
「あ、あのっ!」
アイドルタレントにでも話しかけるようカチカチの声が背後から投げかけられたのは、白井黒子が次のテレポートをせんとしたまさにそのときだった。
「な、何をしてるの、で、しょう……か?」
背後を取られた己の迂闊さを恥ながら反射的に振り向いた黒子だったが、次の瞬間には過度の警戒は無用だと悟る。
五メートルほど先のビルの一室、カーテンにくるまるように隠れながら顔だけ出してこちらを窺う少女の姿は「いかにも緊張しています」といった体で、どこをどうひっくり返しても善良な一般市民の域を出ない。
マンガならカーテンの白地のあたりに「ドキドキ」とでも書き文字がされる場面である。
五メートルほど先のビルの一室、カーテンにくるまるように隠れながら顔だけ出してこちらを窺う少女の姿は「いかにも緊張しています」といった体で、どこをどうひっくり返しても善良な一般市民の域を出ない。
マンガならカーテンの白地のあたりに「ドキドキ」とでも書き文字がされる場面である。
何者かに脅されていると考えられなくもないが、それにしては表情に恐怖の色がなさすぎる。感じられるのはどちらかというと好奇心である。
人捜しの真っ最中である黒子のメンタルは平静とは言いがたいが、それを差し引いても危険のある相手とは思えなかった。
人捜しの真っ最中である黒子のメンタルは平静とは言いがたいが、それを差し引いても危険のある相手とは思えなかった。
「初めまして。私、白井黒子と申します。少々事情があって人を捜している最中ですので、ご用件は手短に願いますわ」
「は、初めまして。リリア・シュルツです。えと、本名はもっと長いんだけどとりあえずそれで。あの、用ってほどのものはないん、だ、けど……」
「は、初めまして。リリア・シュルツです。えと、本名はもっと長いんだけどとりあえずそれで。あの、用ってほどのものはないん、だ、けど……」
しどろもどろである。目も泳ぎまくっている。
黒子よりも少し年上らしいこの栗毛の少女は、どうやら本当に用も何もなくただ話しかけてきただけらしい。
状況を考えれば不用心極まりないが、見たところずっと隠れていたようだしつまりは心細さに耐えかねたのだろう。
カーテンの隙間から長いものが見えたが、どう贔屓目に見ても彼女に扱えるとは思えない。
黒子よりも少し年上らしいこの栗毛の少女は、どうやら本当に用も何もなくただ話しかけてきただけらしい。
状況を考えれば不用心極まりないが、見たところずっと隠れていたようだしつまりは心細さに耐えかねたのだろう。
カーテンの隙間から長いものが見えたが、どう贔屓目に見ても彼女に扱えるとは思えない。
「でしたら、こちらから。このあたりでどなたか人をお見かけしませんでしたこと?」
「あー、うん。特には、誰も。さっきからここに隠れていたもので……」
「了解ですわ。隠れるというのは正しい判断だと私も思います」
「あー、うん。特には、誰も。さっきからここに隠れていたもので……」
「了解ですわ。隠れるというのは正しい判断だと私も思います」
期待は薄かったが、やはり彼女は何も見ていないらしい。黒子は気がはやるのを感じながらテレポートに移ろうとしたが、さすがにこのままでは愛想が悪いと思い直す。
「あちらの飛行場にクルツ・ウェーバーという殿方と黒桐鮮花という女性がいます。私のお仲間ですので、お一人でいるのが不安でしたら保護してもらうといいですわ。
ざっと見たところ、このあたりに今危険人物はいないようですし」
「あーソウスケがちょうど今そっちの方に……って、何よ、わざわざ偵察に行く必要なかったんじゃない」
「ソウスケ? 相良宗介さんのことですの?」
ざっと見たところ、このあたりに今危険人物はいないようですし」
「あーソウスケがちょうど今そっちの方に……って、何よ、わざわざ偵察に行く必要なかったんじゃない」
「ソウスケ? 相良宗介さんのことですの?」
記憶にある名前に黒子が聞き返すと、リリアは多少戸惑いながら肯定を返してきた。頬に十字の傷というのは教えられた特徴とも合致する。
黒子は事前にクルツから知り合いに関する情報を教えられていた。でなければ、買い出し中誰かと遭遇していたとしても、敵味方の判別ができるはずもない。
黒子は事前にクルツから知り合いに関する情報を教えられていた。でなければ、買い出し中誰かと遭遇していたとしても、敵味方の判別ができるはずもない。
「確かその方はクルツさんのお仲間のはずですわ。ならばなおのこと、早く合流なさるのをお勧めします」
「わ、分かった。そうする。ありがとう!」
「どういたしまして。私も次の放送には戻ります。それでは、ごめんあそばせ」
「わ、分かった。そうする。ありがとう!」
「どういたしまして。私も次の放送には戻ります。それでは、ごめんあそばせ」
本当は飛行場まで連れて行くのが一番安全なのだが、さすがに三人の捜し人を抱える黒子はにそこまでの余裕はない。
この一帯の危険度が低いことは確かであるし、飛行場は決して遠くない。宗介なる人物との合流を待てば、かなりの安全が確保されるはずだ。
後は彼女の身に、予測もつかない突発的な不幸が訪れないよう祈るしかない。
興奮気味のリリアの視線を見送り代わりに感じながら、黒子は再び連続テレポートのために意識のスイッチを切り替えた。
この一帯の危険度が低いことは確かであるし、飛行場は決して遠くない。宗介なる人物との合流を待てば、かなりの安全が確保されるはずだ。
後は彼女の身に、予測もつかない突発的な不幸が訪れないよう祈るしかない。
興奮気味のリリアの視線を見送り代わりに感じながら、黒子は再び連続テレポートのために意識のスイッチを切り替えた。
白井黒子と名乗った少女が視界から完全に消え去っても、リリアは彼女の居たビルの屋上あたりをじっと見つめていた。
頬に手を当てる。少し上気しているが大したことはない。
胸に手をやる。大丈夫、バクバクいう痛いほど波は収まっている。もう足も震えていない。
そこまで確認したところで、緊張の糸がぶちんと音を立ててちぎれた。
頬に手を当てる。少し上気しているが大したことはない。
胸に手をやる。大丈夫、バクバクいう痛いほど波は収まっている。もう足も震えていない。
そこまで確認したところで、緊張の糸がぶちんと音を立ててちぎれた。
「はぁ~~~~~。何よ、怖がることなんてなかったんじゃない、もう」
体中の空気を総入れ換えするような特大のため息を吐き出しながら、リリアは安堵の尻餅を付く。
さんざん迷った末にほとんど勢いに任せた形の接触だったが、して正解、いや大正解だったと言えるだろう。
何しろこうも簡単に飛行場の安全を確認できたのである。それもわざわざ自分の足で偵察に出ているソウスケに対し、リリアは居ながらにして、である。
あんなかわいらしい子が嘘を付くとも考えにくいし、ここはリリアが大いに褒められる場面である。むしろ、ソウスケにはその義務があるとさえ言えよう。
さんざん迷った末にほとんど勢いに任せた形の接触だったが、して正解、いや大正解だったと言えるだろう。
何しろこうも簡単に飛行場の安全を確認できたのである。それもわざわざ自分の足で偵察に出ているソウスケに対し、リリアは居ながらにして、である。
あんなかわいらしい子が嘘を付くとも考えにくいし、ここはリリアが大いに褒められる場面である。むしろ、ソウスケにはその義務があるとさえ言えよう。
「さて、これからどうしよう……むむ」
自画自賛するだけでなく、リリアは次のことも考える
大人しく待っているのがいいということは分かっていた。飛行場にはソウスケの仲間がいるというし、交渉をするまでもなく両者は合流を果たすだろう。
その後はどうなるか。無事仲間を得たソウスケはリリアを迎えに戻ってくるに違いない。そして、最早しなくてもよい説明をリリアに行い、晴れて二人は飛行場を目指す。
大人しく待っているのがいいということは分かっていた。飛行場にはソウスケの仲間がいるというし、交渉をするまでもなく両者は合流を果たすだろう。
その後はどうなるか。無事仲間を得たソウスケはリリアを迎えに戻ってくるに違いない。そして、最早しなくてもよい説明をリリアに行い、晴れて二人は飛行場を目指す。
「……だったら、こっちから会いに行ってもいいんじゃないかしら」
誰かに承認を求めるようにリリアは言った。
「うん、そうよね。だってそうした方が時間も手間もはぶけるもの。
ううん、違うの。ほんとはあんまりよくないってことは私だって分かってるわ。
でも実際やっちゃえばそんな危険はないだろうっていうか。いやそれよりこれはむしろ、新たにもたらされた情報にもとづく、いわば現場の判断であって……」
ううん、違うの。ほんとはあんまりよくないってことは私だって分かってるわ。
でも実際やっちゃえばそんな危険はないだろうっていうか。いやそれよりこれはむしろ、新たにもたらされた情報にもとづく、いわば現場の判断であって……」
一つ一つ確認するように、わたわたとときに身振りをまじえながら虚空に向かってつぶやく。
それは自らを説得するというよりは、自分じゃないもっと大きな何かに正当性を認めてもらいたがるようであった。
安全を保証する情報は次々出ている。飛行場までの道のりは限られており、入れ違いになる心配も少ない。
敢えて選ばれた都合のいい情報が、ますますリリアに活気を与える。
黒子との接触が成功に終わり気が大きくなっていたのもあるだろう。
しかし、それより何より。
それは自らを説得するというよりは、自分じゃないもっと大きな何かに正当性を認めてもらいたがるようであった。
安全を保証する情報は次々出ている。飛行場までの道のりは限られており、入れ違いになる心配も少ない。
敢えて選ばれた都合のいい情報が、ますますリリアに活気を与える。
黒子との接触が成功に終わり気が大きくなっていたのもあるだろう。
しかし、それより何より。
「……まぁ、大丈夫よね。たぶん。きっと」
リリア・シュルツという少女は、元より何かをじっと待つということが得意な人間ではなかったのである。
立ち上がった直後、黒子の瞬間移動を脳が認知する余裕を取り戻し、目を白黒させながら首を傾げたことさえ余談に過ぎない。
立ち上がった直後、黒子の瞬間移動を脳が認知する余裕を取り戻し、目を白黒させながら首を傾げたことさえ余談に過ぎない。
◇ ◆ ◇
少年は、伊里野が既に死んでいると言った。
「助からない、と? 他ならぬ伊里野特派員がか」
「……うん。というか、今の彼女はもうトーチになっていて、本当の彼女は……」
「トーチについての教示はヴィルヘルミナ女史から簡単だが受けている。聞けば悠二クンも特殊ではあるがその一人だそうではないか。
困難ではあっても、何か方法があるのではないか?」
「僕の場合は本当に特例中の特例だから、あてにはならないと思う。僕自身が専門家ってわけじゃないし、何よりも彼女の灯はもう消えかけてる。
……仮に方法があったとしても、時間そのものがないんだ」
「どれくらいある? 伊里野特派員が消えるまでの時間は、あとどれくらいだ?」
「……うん。というか、今の彼女はもうトーチになっていて、本当の彼女は……」
「トーチについての教示はヴィルヘルミナ女史から簡単だが受けている。聞けば悠二クンも特殊ではあるがその一人だそうではないか。
困難ではあっても、何か方法があるのではないか?」
「僕の場合は本当に特例中の特例だから、あてにはならないと思う。僕自身が専門家ってわけじゃないし、何よりも彼女の灯はもう消えかけてる。
……仮に方法があったとしても、時間そのものがないんだ」
「どれくらいある? 伊里野特派員が消えるまでの時間は、あとどれくらいだ?」
水前寺は悠二の口からその時間を聞いた。なるほど、短い。
何かを成すためには、あまりにも短すぎる時間だろう。
何かを成すためには、あまりにも短すぎる時間だろう。
病院近くの、使われていたのかも怪しい真新しいバスターミナルである。ぴかぴかのベンチに、こちらもまた出来たての公衆電話が備え付けられている。
「あさば」
不意に、かぼそい声が聞こえた。向かい合う水前寺たちなどまるで見えていないかのようにベンチに座り込んだ伊里野だ。
「あさば、まだかな」
伊里野であって伊里野でないもの、などと水前寺は考えない。たとえ、水前寺の知る伊里野加奈が既に死亡しているのだとしても、目の前の彼女はそれをそっくりそのまま引き継いだ存在だという。
だとしたら、それが伊里野加奈でないなら何なのか。
園原電波新聞部の伊里野特派員でないとしたら、一体何だというのか。
だとしたら、それが伊里野加奈でないなら何なのか。
園原電波新聞部の伊里野特派員でないとしたら、一体何だというのか。
「答えたまえ。伊里野特派員」
目の前にいるはずなのに、ともすれば意識が外れそうになる。
水前寺は、風がふけば散りそうな程に小さくなってしまった伊里野に合わせるように、厳かに言った。
水前寺は、風がふけば散りそうな程に小さくなってしまった伊里野に合わせるように、厳かに言った。
「浅羽は、浅羽特派員はこの近くにいるのかね?」
「十時にまちあわせ。十時半から映画をみるの」
「そうだ。その約束をしたのはいつだ?
今か? さっきか? それとも、もうほんの少し前か?
応答するんだ、伊里野特派員」
「十時にまちあわせ。十時半から映画をみるの」
「そうだ。その約束をしたのはいつだ?
今か? さっきか? それとも、もうほんの少し前か?
応答するんだ、伊里野特派員」
返事が返ることなど、ほとんど期待していなかったのかも知れない。
伊里野が水前寺たちのことを認識しているかさえ怪しい。
いや、希望的観測を抜きにすれば彼女は認識などしていないだろう。
それでも水前寺は何かを紡ごうとかすかに動く伊里野の口元をじっと見つめる。
誰かと一緒にいてこれほど黙ったのはいつぶりだろうかとふと思った。ないはずはないのだが、記憶を辿っても該当する場面は浮かんでこなかい。もしかしたら、かつてなかったのかも知れない。
伊里野が水前寺たちのことを認識しているかさえ怪しい。
いや、希望的観測を抜きにすれば彼女は認識などしていないだろう。
それでも水前寺は何かを紡ごうとかすかに動く伊里野の口元をじっと見つめる。
誰かと一緒にいてこれほど黙ったのはいつぶりだろうかとふと思った。ないはずはないのだが、記憶を辿っても該当する場面は浮かんでこなかい。もしかしたら、かつてなかったのかも知れない。
さっき。
伊里野の細い唇がそんな形に動いたように感じられた。気のせいである可能性が高い。それと望む意識が作り出した幻覚だったかも知れない。
だとしても、水前寺にためらうつもりは微塵もなかった。
伊里野の細い唇がそんな形に動いたように感じられた。気のせいである可能性が高い。それと望む意識が作り出した幻覚だったかも知れない。
だとしても、水前寺にためらうつもりは微塵もなかった。
「……救急車は動くのだったな」
「水前寺、何を」
「少しこの場を任せる。携帯を借りていくので『何かあったら』連絡してくれたまえ。なに、危険は危険だがすぐ戻る。悠二クンは安心して待っていればいい」
「……何をする気なんだい、水前寺。残念だけど、彼女は、もう」
「水前寺、何を」
「少しこの場を任せる。携帯を借りていくので『何かあったら』連絡してくれたまえ。なに、危険は危険だがすぐ戻る。悠二クンは安心して待っていればいい」
「……何をする気なんだい、水前寺。残念だけど、彼女は、もう」
大したことはない。眼鏡の位置を直し、悠二に背を向けながら水前寺はそう言った。
「この近くに『いなくてはならない』浅羽特派員の首根っこをひっつかんで連れてくるだけのことだ。
何しろ、一人では女との約束も守れんような甲斐性なしの後輩なのでな」
何しろ、一人では女との約束も守れんような甲斐性なしの後輩なのでな」
◇ ◆ ◇
行かなくちゃならないというのに、男はまったく理解してくれない。
さっきからわけの分からないことを言いながら浅羽の折れている方の腕をぐいぐいとせめ立てている。
猛烈な吐き気から混沌とする意識の狭間で浅羽は思う。そんなことして何が楽しいんだ。そんなに欲しいなら腕の一本や二本いくらでもくれてやる。
だから離してくれ。
切り落としてくれたっていい。
僕を伊里野のところに行かせてくれ。
さっきからわけの分からないことを言いながら浅羽の折れている方の腕をぐいぐいとせめ立てている。
猛烈な吐き気から混沌とする意識の狭間で浅羽は思う。そんなことして何が楽しいんだ。そんなに欲しいなら腕の一本や二本いくらでもくれてやる。
だから離してくれ。
切り落としてくれたっていい。
僕を伊里野のところに行かせてくれ。
「落ち着け。繰り返すがこちらに攻撃の意志はない。飛行場の中の人物と交渉するにあたり、情報を必要としている」
男の言葉は知っているはずなのに浅羽の中で一向に意味のある形を結んではくれない。
きゅるきゅるきゅるとテープを早回ししたような、いやそうじゃない、それは彼女の、伊里野の使っていた言葉で。
火事場の馬鹿力なんてうそっぱちだ。浅羽は今こんなにも必死なのに、またがっている男はぴくりとも動かない。
きゅるきゅるきゅるとテープを早回ししたような、いやそうじゃない、それは彼女の、伊里野の使っていた言葉で。
火事場の馬鹿力なんてうそっぱちだ。浅羽は今こんなにも必死なのに、またがっている男はぴくりとも動かない。
それとも、まだ足りないのか。伊里野のところに辿り付くには、まだ必死さが足りないというのか。力を貸すための神様の審査は、こんなにも厳しいものなのだろうか。
だったらもう腕なんて言わない。足をやったっていい。走るための足がなくても、這ってでも行ってやる。
体を丸ごとあげたっていい。だから浅羽を、浅羽直之の意思を、お願いだから伊里野のところに。
一つの音に意味を圧縮して。漢字と一緒。
だったらもう腕なんて言わない。足をやったっていい。走るための足がなくても、這ってでも行ってやる。
体を丸ごとあげたっていい。だから浅羽を、浅羽直之の意思を、お願いだから伊里野のところに。
一つの音に意味を圧縮して。漢字と一緒。
それもちがう!
わぁわぁと意味不明のうめきを重ねる少年に対し、相良宗介は埒が明かないと感じ始めていた。
少年の症状は戦場に心折られた脱走兵のそれである。恐慌状態を脱するには安全な場所への移動と長期間の療養が不可欠だが、言うまでもなく不可能だ。
理解しやすい日本語の運用に関してはネイティブに比しても遜色はないと自負しているが、そもそも相手が聞く耳を持たないのではどうしようもない。
少年の症状は戦場に心折られた脱走兵のそれである。恐慌状態を脱するには安全な場所への移動と長期間の療養が不可欠だが、言うまでもなく不可能だ。
理解しやすい日本語の運用に関してはネイティブに比しても遜色はないと自負しているが、そもそも相手が聞く耳を持たないのではどうしようもない。
いっそのことこのまま彼を場内に引きずり込み、人質の形で強制的に交渉の席を設ける。というのも考えないではないが、見たところ少年は傷の手当てを受けている。
場内の人間と友好な関係を築いていたのだとすれば相手を徒に刺激することになってしまう。敵性と判断できない以上、軽はずみな行動は避けるべきだろう。
ではどうする。というところで、宗介は僅かながら判断に迷う。
場内の人間と友好な関係を築いていたのだとすれば相手を徒に刺激することになってしまう。敵性と判断できない以上、軽はずみな行動は避けるべきだろう。
ではどうする。というところで、宗介は僅かながら判断に迷う。
(失敗したな。戦場でのパニックほど厄介なものはない)
力による脅しも論理的な説得もまるで効力を持たない。行動に支障のない骨を折ったところで、火に油を注ぐだけだろう。
さりとてこのまま解放したところで事態がいい方に転ぶとはとても思えなかった。手を離した瞬間、飛行場に逃げ帰られる恐れがある。場内の人間が宗介にどのような第一印象を抱くか、想像に難くない。
そもそも、この状態が長く続いていることが宗介にとっては手落ちである。大声こそ出させないようにしているが、万一この場を第三者に見られでもしたら宗介にとって大変に不利なことになる。
事態は急を要する。宗介は決断した。兵士に求められるのは迅速な判断力だ。
さりとてこのまま解放したところで事態がいい方に転ぶとはとても思えなかった。手を離した瞬間、飛行場に逃げ帰られる恐れがある。場内の人間が宗介にどのような第一印象を抱くか、想像に難くない。
そもそも、この状態が長く続いていることが宗介にとっては手落ちである。大声こそ出させないようにしているが、万一この場を第三者に見られでもしたら宗介にとって大変に不利なことになる。
事態は急を要する。宗介は決断した。兵士に求められるのは迅速な判断力だ。
「ひとまず貴様を気絶させるのが最善と判断した。事態の説明は中の人間と友好を結んだ後、誤解を招かないよう慎重を期して行うことにする。
心配するな、体は誰にも見つからないよう、上手く隠しておく」
「イ、リ……ヤ…ガッ……ァ…………ッ!」
心配するな、体は誰にも見つからないよう、上手く隠しておく」
「イ、リ……ヤ…ガッ……ァ…………ッ!」
銃の練習をしていたことから中の人間は戦場の心得があると考えられ、だとすればパニックを起こした兵士への対処について理解を得られる可能性も高い。
とっさの判断にしては我ながら妥当な落としどころだと、宗介は自分の兵士としての能力を再確認しつつ、少年の首に手を伸ばした。
とっさの判断にしては我ながら妥当な落としどころだと、宗介は自分の兵士としての能力を再確認しつつ、少年の首に手を伸ばした。
(後編へ)