『────この学園の生徒が、なりたい自分に、なる為に』
(手紙を鞄に戻す)
“………”
「あ!来た来た!」
(特徴的なパーカーの、小柄な生徒が顔を見るなり駆け寄ってくる。)
“初めまして”
“あなたがソノ?”
“あなたがソノ?”
「初めまして!夢見ナガレです!」
「ソノ先生は…しんさつで今居なくって…代わりにお迎えしてほしいって頼まれました!」
「ソノ先生は…しんさつで今居なくって…代わりにお迎えしてほしいって頼まれました!」
“ご丁寧にどうも”
“ナガレは何のお医者さんなの?”
“ナガレは何のお医者さんなの?”
「えーと…わたしはお医者さんじゃなくて、入院患者です。」
「ロボトミーはケガする人が多くて先生たちが大変だから…」
「だから元気な患者さんは先生からお手伝いをたのまれる事があるんです。「しんらいのあかし」ですね!」
「ロボトミーはケガする人が多くて先生たちが大変だから…」
「だから元気な患者さんは先生からお手伝いをたのまれる事があるんです。「しんらいのあかし」ですね!」
"元気なのに入院してるの?"
「───元気だけど、元気じゃないんです。ソノ先生がそう言うんです。」
「しんじない人もいるけど、ソノ先生が何を言いたいのか、わたしはちょっと分かります。」
先生は、それをなおすためによんだって言ってました…そうじゃないんですか?」
“それはまだ分からないけど…”
“生徒の皆に元気でいてほしいのは、違わないよ”
「良かったです!」
「ソノ先生の事、あやしいって言う人もちょっと居ます。健康な人を入院させるのはおかしいとか、自分の病院を大きくするためにやってるんだ…とか、
でも、前に今と同じことを言ってたんです。『何が出来るか分からなくても、患者の皆さんに元気になってほしい』って」
「だから、先生は先生と同じだと思うんです。」
「二人はなかよしになれそうなのもあるけど、ソノ先生も、先生みたいに、頑張りが報われる時が来るんじゃないかって。」
“私って怪しいかな?”
“そうかもしれないね”
「いや、そういうことじゃなくって!」
「あー…ちょっと良いか?」
(二人で話をして居ると、入院着の患者が声をかけてきた)
(二人で話をして居ると、入院着の患者が声をかけてきた)
“どうかしたの?”
「いや、ナガレがまた話し込んでるなと思ったからさ…」
「シヅカちゃん!あのね、この人はね、私たちのためにね、ソノ先生がね…」
「あーはいはい。それは俺はどうでもいいんだが…そのソノに何か頼まれてたんじゃないのか?」
「シヅカちゃん!あのね、この人はね、私たちのためにね、ソノ先生がね…」
「あーはいはい。それは俺はどうでもいいんだが…そのソノに何か頼まれてたんじゃないのか?」
「……あっ!ごめんなさーい!急ぎまーす!」
(ナガレは謝るのと殆ど同時に走り出し、すぐに見えなくなってしまった…)
(ナガレは謝るのと殆ど同時に走り出し、すぐに見えなくなってしまった…)
“………………”
“置いてかれた?”
『うぇっ!?ごめんなさーい!戻りまーす!』
“置いてかれた?”
『うぇっ!?ごめんなさーい!戻りまーす!』
「…すぐこうなる。アイツを走らせると面倒になるからな、ゆっくり歩いて行けよ。」
(そう言うと、彼女は病院を出て行った。)
(そう言うと、彼女は病院を出て行った。)
“ハハハ……”