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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 『悪』の誇り、『悪』の覚悟

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

『悪』の誇り、『悪』の覚悟

最終更新:2010年03月01日 16:36

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だれでも歓迎! 編集

『悪』の誇り、『悪』の覚悟 ◆3k3x1UI5IA


「おっれはジャイア~ン、ガキ大将~♪」

木々の隙間から朝の日差し差し込む森の中、調子外れの歌が響き渡る。
……いや、普段の彼の歌声を知る者なら、ちょっと首を傾げただろう。
音程が狂っているのは相変わらず。ただ、なんだか妙に声量が小さい。
いつもの溢れるような自信が、無い。

「……ふぅ。しかしなんでこのオレ様が『殺し合い』なんてしなきゃならんのだ。
 それも、あんな奴に無理やり押し付けられて。あとでぶん殴ってやるぞ!」

剛田武。通称ジャイアン。言わずと知れたガキ大将である。
彼は黒いランドセルを左手に、装飾のついた杖を右手に持って振り回しながら、森の中を歩いていたが……
歌声が途絶えると共に、その歩みもまた、止まってしまっていた。
ケンカは強く、ご町内では好き放題していた彼だったが……はっきり言って今は、ビビっている。
(実の母親を除けば)怖いもの知らずの彼が、どうしようもなく怯えている。

無理もない。
何しろ彼は、永遠に平和な日常が繰り返される世界の住人である。
彼らの日常に、まず人の生き死には起こらない。概念として知っていても、実感することは無い。
たまに――ドラえもんとのび太の影響で、非日常的な冒険に巻き込まれることはあった。
命に関わるような危険を冒したこともある。命を賭けて戦ったこともある。
けれど、それだって常に幸せな結末が待っていたわけで。優しい日常に戻ってこれたわけで。

だから。
あの、ジェダによる公開殺人は、彼の心に大きな衝撃を与えていた。
殺された女の子(いや、大人の女性?)が使った魔法そのものは、大した驚きではない。
ジェダの使った技そのものも、大した驚きではない。
その程度の現実からの飛躍は、ひみつ道具で慣れっこになっている。
多少は驚きはしても、現実感覚が揺らぐほどの驚きではない。
けれど、すぐ目の前での人の死は。
爆破され頭が吹き飛ぶ光景のリアリティは。
比較的近くに居た彼の頬にも降りかかった、数滴の血の暖かさは。
……こんな状況の中で、町内ケンカチャンピオン、程度の暴力が何になるだろう?
むしろ、なまじ腕っ節に自信があるだけに、彼我の戦力差が否応なしに分かってしまう。
あのバケモノたちが、彼の母親並みに勝ち目のない存在であることを、直感させられてしまう。

ジャイアンは頭を振る。ブンブンと頭を振る。
弱気になってはダメだ。彼はガキ大将なのだ。草野球の技術と腕力しか取りえのない人間なのだ。
万が一にもこんな所を見られたら、のび太やスネ雄に笑われかねない。
それに、このランドセルに入っていた彼の支給品。これさえあれば。


「ふ、ふんだ! オレ様には、この杖があるんだ!
 オレ様とケンカしようってなら、『天罰』を与えてやるぞ!」

それが強がりに過ぎないことを意識の片隅で自覚しつつも、ジャイアンは自分に言い聞かせる。
不思議な道具。その原理など皆目見当もつかないが、しかし使い方と効果さえ知っていればそれで十分。
他の連中にどんな道具が渡されているかは知らないけれど、これは比較的『アタリ』の部類に入るはずだ。
ジャイアンは杖を掲げ、1人でウンウンと頷く。

と――そんな折。
風に乗って遠くから、人の声が聞こえるような気がした。
はッとして、耳を澄ませる。
誰かが遠くで叫んでいる。拡声器かスピーカーを通したような、電子ノイズ交じりの声。

『……は、この殺し合いに、断固として乗らないことを……いつの言うことを信じたりしないで……』

あるいはそれは、ちょっと前から流れていたのかもしれない。
歌を歌っていなければ、そして独り言を呟いてなければ、もっと前から聞こえていたのかもしれない。
彼は少し迷ってから、もっとよくその声を聞こうと、その声がする方向に一歩足を踏み出しかけて――

「――おい、そこの音痴」
「うわッ!?」

不意に、横合いの茂みの中から声を掛けられた。
全くの不意打ちだった。
最初は自分で歌っていて、次いで遠くからの声に気を取られて、全く気付かなかった第三の存在。

彼は驚きのあまり、思わず手を挙げつつ飛びのいて――
その手には、存在すら忘れていた、例の杖が握られていて――
頭上に大きく振り上げる、その動作がまさに「どうぐ」として「つかう」発動条件で――

――旋風。
無数の真空の刃に襲われて、その声を掛けてきた人物は、大きく遠くに吹き飛ばされた。
ドサッ、と重いモノが落ちる音。ガッシャア! と持ち物が撒き散らされる音。

「え……? あ……?」


ジャイアンは呆然と、倒れたまま動かない相手と、自分の握った杖を見比べた。
『天罰の杖』。なんとも物騒な名を持つ、ジャイアンの支給品の1つ。
一緒に同封されていた説明書によれば、魔力消費無しに攻撃魔法と同等の効果を発揮できる道具だという。
名前からしても見た目からしても、強力な道具に間違いないだろう、とジャイアンは確信していたのだが……
まさか、一発でやっつけてしまうなんて。まさに「天罰てきめん」、である。

ジャイアンは改めて倒れている相手を見る。
何やら魔法使いが着ているようなゆったりしたローブをまとった、おかっぱ頭の人物。
その人物が倒れている今、この角度からは顔が見えない。性別や年齢は見当もつかない。
その手にはランドセル。色は青――いわゆる「カラーランドセル」という奴だ。やっぱり性別は分からない。
『天罰の杖』の攻撃を受けた衝撃か、その蓋は外れ中身が飛び出し、地図やら食料やらが散乱し……
そして倒れた人物は、未だにピクリとも動かない。
今の攻撃で気絶でもしたのだろうか? それとも、まさか――!
ゴクリ、と生唾を飲み込んだジャイアンは、脂汗を流しながら呟いた。

「お……お前が悪いんだからな! お前がオレを驚かしたりするからだぞ!
 オレはこんなことするつもりなんて、なかったんだからな! お前のせいだぞ!」

思わず語気が荒くなる。言い訳がましいと感じながらも、それでも言わずにはいられない。
本当に、こんなことになるなんて思っても無かったのだ。
戦いそのものは覚悟しつつ、けれど自分から殺し合いに乗るほど剛田武は邪悪ではない。

「……おい、何とか言えよ!
 ま、まさか、し、死んだりとか、してないよな……?」

そして何を言っても倒れた人物が反応しないので、彼は次第に不安になってきた。
恐る恐る、一歩だけ相手に近づく。反応はない。
さらに一歩近づく。やっぱり反応がない。
手の届く距離まで近づく。やっぱり全然反応がない。
意を決して、身体を曲げ、動かない相手の肩に、手を伸ばそうとして。

「――ケケケケッ!」
「うわぁッ!」


突如上がった耳障りな笑い声に、ジャイアンは思わずその場に尻餅をついた。
一瞬、倒れている人間が声を挙げたのか? とも思ったが、しかし相手は相変わらず動かないままで。
腰の抜けた格好で、首だけをキョロキョロ回して声の主を探す。

「ビックリサセチマッタカ? キャハハッ! ココダヨ、ココ!」
「な――なんだよ、お前はぁッ!」

散々探したその末に、振り返ってようやく声の主を見つけたジャイアンは涙目で叫ぶ。
それは人形だった。周囲に撒き散らされた荷物に混じって転がっていた、人形だった。
小さな、三頭身ほどの人形。女の子を模った操り人形。
それが転がり出した拍子にか、地面に座るような格好になってそこに居た。
緑色の髪は持ち主同様おかっぱ頭に切りそろえられ、耳に当たる部分には妙な突起物が生え。
背中からは黒い小さな翼が生えているあたりは、まるで小悪魔のようだ。
そんな人形が、目を大きく見開き、口を四角く開いて、不気味な笑い声を上げている。

「オレカ? オレハ『チャチャゼロ』。
 『支給品』ノ1ツサ。ソコニ倒レテル『メロ』ニ与エラレタ、ナ」
「し……支給品だとぉ?!」
「マ、今ハ喋ル以外ハ何モデキネーガナ。御主人ノ魔力ガ封ジラレテル時ト同ジデナ。ケケケッ!」

……どういうことなのだろう? 与えられるのは武器や道具、のようなものでは無かったのだろうか?
まさか、こんな存在が「支給」されているなんて……
じゃあひょっとして、「あなたの支給品はドラえもんよ」なんてことも有り得るのか?
勝手に想像を膨らませ混乱するジャイアンをよそに、その『チャチャゼロ』と名乗った人形はなおも喋る。

「トコロデ――オ前、『悪人』ダナ?」
「は、はぁッ!? お、おいお前! オレ様のどこが……!」
「己ノ目的・欲望ノタメニ、他人ノ犠牲ヲ厭ワヌ者。ソレガ『悪人』ダ」
「……!!」

淡々と語る人形に、ジャイアンは圧倒されて押し黙る。
決して頭がいい方とは言えない彼には、この人形が言わんとしていることの半分も理解できない。
けれど、この人形の定義に則れば――確かに彼は、『悪人』だった。
子供らしい些細な欲望のために、のび太を泣かせ、スネ雄からおもちゃを取り上げる。そんな毎日。
迫力に呑まれ絶句する彼に、チャチャゼロはなおも語る。


「ダガ、誇リアル『悪』ナラバ、イツカ自ラモ同ジ『悪』ニ滅ボサレルコトヲ覚悟スルモノダ。
 オ前ニ、ソノ覚悟ハアルカ? オ前ニ、ソノ誇リハアルカ?」
「か、覚悟、だとぉ……ッ!?」
「少ナクトモ――『メロ』ハ筋金入リノ『悪』ダゼ。誇リアル、正真正銘ノ『悪党』ダ。
 ソンナ『悪』ニ『トドメ』モ刺サズ、オレナンカヲ気ニシテチャァ、イケナイナ! ケケケケッ!」

ドスッ――。
人形の哄笑に重なるように、身体の芯に響くような重い音。
一瞬、痛みすら感じず、何が起こったのか理解もできず。震える首を回して、ジャイアンは見た。
自分の背中に深々と突き立てられた、一本の包丁。
そしてそれを握っている、ローブ姿の青年。おかっぱ頭の下の顔には、酷い傷痕。
いったいいつの間に起き上がっていたというのか。包丁はローブの下にでも隠していたのだろうか。
その服には小さな切り傷がいくつも刻まれていたけれど、受けたダメージは皮膚を少し裂いた程度で――

死んだフリ。
それはあまりに下らない策ではあったが、しかしこのビビリまくっていたジャイアンには十分効果的だった。
『天罰の杖』。名前こそ大仰な「どうぐ」だが、その効果は実に『バギ』一回分の効果に過ぎない。
効果範囲こそ広いが、バギ系の中では最弱の呪文。その威力など高が知れている。
ましてや、メロが身に纏っていた服は、ただの服ではない。これも支給品の1つ、『賢者のローブ』だ。
バギ系を始めとする、いくつもの魔法の威力を大幅に軽減する効果を秘めた、魔法の防具だ。

見た目は派手だが弱い攻撃と、その系統のダメージを軽減する服。
メロ自身も大爆発の中、傷を負いながらも生き延びた人物である。タフネスだけなら結構なものだ。
スライムベスではないのだ。この程度の攻撃で死ぬはずもない。
そしてジャイアンが『チャチャゼロ』に気を取られた隙を見計らって、第三の支給品、『包丁』の使用。

武器。防具。そしてパートナー。
それぞれ単独ではそう強力な存在ではないが、バランスのいい組み合わせ。そして制限いっぱいの3個。
見掛け倒しな『天罰の杖』1本だけ、なんてランドセルより、こっちの方がよほど『当たり』だったろう。

「お前が『悪』かどうかなんて俺は興味もないが――俺の目的のために、ここで死ね」
「あ……! い、いやだッ……! か、母ちゃ……!」

ズブッ。ズブズブッ。
少年の嘆願にも顔色ひとつ変えることなく、メロはさらに深く深く包丁を押し込んで――
身体の中で、何かが断ち切られる感触。
ジャイアン、本名・剛田武はその場に崩れ落ち、永遠に目覚めぬ闇の中に追いやられた。

 *  *  *

ゲーム開始直後、森の中でジャイアンに声をかける前。
メロはすぐに荷物を調べ始め、そしてその中に『チャチャゼロ』を見つけ出した。
もちろん最初は大いに驚かされたメロだったが……互いの中に潜む『悪』に共鳴したのだろうか。
すぐにチャチャゼロに質問を投げかけたメロは、そしてその会話の中で『魔法』の存在を知った。
現実感を揺るがしかねない、超常の力――
しかし、既に『死神』や『デスノート』の存在を受け入れたメロにとって、その説明を拒む理由は最早なかった。

むしろ、『魔法』の実在よりも気になったのは、チャチャゼロの分析。
チャチャゼロには、ジェダが使った数々の力も、『賢者のローブ』に施された魔法も、理解不能なものだという。
全く違う系統の『魔法』の存在。そしてジェダの言った「幾多の次元から君達を集めた」というセリフ。
そしてチャチャゼロは、世界を揺るがしたあの『キラ事件』のことを何も知らないらしい――。
仮にもLの後継者候補だったメロだ。曖昧にではあるが、すぐに大体の事情は分かってしまった。

 自分たちは、そしてこの『ゲーム』の参加者は、複数の全く違う世界から集められている!
 そしてその中には、チャチャゼロたちの世界を含め、超常能力を持つ者が多数含まれている!

「キラ事件も片付いてないのに、何だってあんな奴の勝手に付き合わされなきゃならない?
 ……いやしかし、この状況だからこそ出来ることがある、と考えるべきか」

さて現状が分かったところで、メロがまず考えたのは、「ニアはどうするのだろうか?」という疑問だった。
素早く調べた参加者名簿の中には、ニアの名前がある。そしてメロはニアにだけは負けたくない。
あのニアの性格なら……「もしLがここに居たらどうするか」を考え、それに従って行動を起こすだろう。

では、もしもLが参加していたら、どうしていたのだろうか?
決まっている。ジェダと戦うはずだ。完全には倒しきれずとも、ジェダを出し抜く方法に頭を捻るはずだ。
未知の能力を持つ殺人者『キラ』に対しても、その知力を尽くして戦いを挑んだ彼だ。
ジェダがいかに強大な存在であれ、怯むはずがない。
いや力こそ強いが、あのジェダの様子では、ジェダ自身も何らかのルールに縛られていると見た。
その足元を掬うことは、不可能ではないはず。少なくともLなら、そう信じて調査と推理を開始するだろう。

――かくして、メロの基本方針は決まった。
ジェダと戦う。ジェダを出し抜く。ニアやLがそうするように、ジェダに挑み、ジェダの思惑を壊してやる。


そしてこれは、ジェダ本人との戦いよりも大事なことなのだが……「ニアよりも早く」ジェダを倒さねばならない。
ジェダを倒すこと自体よりも、ニアに勝つことこそが大事なのだ。ニアと手を組むのも論外だ。
もっとも、だからといってニアの妨害もしない。ニアを殺しもしない。
結果的にニアの邪魔になることがあっても構わないが、意識的にニアの足を引っ張ることはしない。
この戦いは、「本当はメロがニアよりも優れている」、そのことを証明するための手段に過ぎないからだ。

しかし、ジェダに関する手掛かりは実に少ない。いや、ほとんど無いと言ってもいい。
今のところ、見せしめの1人が殺されたあの空間で見聞きしたことが全てだ。
何かそれ以上の情報は得られないものか? それ以上の接点は作れないものか?

そこでメロが思い出したのが、『ご褒美』の存在だった。
あの厚かましい少年が交渉によって引き出した、『3人殺すごとに願いを1つ聞く』というあのルール。
確か、『ご褒美』の項目の中に、『ジェダに直接質問できる』という一項があったはず。
主催者側についての質問が認められるかどうか分からないし、そんな質問をすること自体、危険も伴う。
どういう質問をすれば最大限の情報を引き出せるのか、今から考えておく必要があるだろう。
けれどこれは数少ない、いやほぼ唯一の主催者との直接接触のチャンスだ。
いや、情報でなくとも、アイテムや治療を要求してもQBとかいうジェダの手下?との接触ができる。
このQBとの会話からも、あるいはジェダの側の裏事情が垣間見えるかもしれない。
ともかく、試す価値はある。

何と言っても、この『3人抜きボーナス』は、ジェダが最初から用意していたものではないのだ。
あの少年との掛け合いの中で、その場で考え出した代物だ。
ジェダの力は絶大で、その計画は綿密かもしれないが――この即興部分には、綻びが生まれる余地がある。
そこを突くのが、一番手っ取り早い。
最大のライバルであるニアも、『3人殺す』という方法は思いついても実行しないだろう。
つまりこの方法ならニアを出し抜ける。ニアよりも早く、ニアよりも深い情報を獲得できる。

――以上のメロの考えを聞いたチャチャゼロは、大いに笑った。実に楽しそうに笑った。
笑って、笑って、そしてチャチャゼロは、メロに協力することを決めた。
筋金入りの『悪』。自分の目的・欲望のために、他者の犠牲を厭わぬ存在。
最近妙に丸くなってしまった主人のエヴァンジェリンと一緒に居るより、よっぽど面白いものが見れるはずだ。
あのエヴァンジェリンのことだ、そう簡単に他人に殺されるとは思えないし――!

こうして2人は歩き出し、ジャイアンと出会い。
いきなり攻撃されたのはメロにも予想外だったが、しかしその状況すらも咄嗟に利用して――

 *  *  *

「ソレニシテモ、最初ニ当タッタノガ弱イ奴デ、良カッタナ」
「ああ。悔しいが、オレには魔法とやらは使えないしな。コイツがタダのガキで本当に良かった。
 まずは1人。あと2人殺せば、ジェダが呼び出せる」

森の中。
散らばった自分の荷物をあらかた拾い集めたメロは、チャチャゼロを頭に載せたまま頷いた。
メロ自身には、実はロクな戦闘力がない。
銃の扱いは知っているし、修羅場もいくつも潜って来ているけれど、戦闘のプロとは言い難い。
ましてや、魔法やら気やらといった超常能力はない。
チャチャゼロが大雑把に教えてくれた、エヴァやネギ、小太郎のような能力は持っていない。
支給品に入っていた武器は何の変哲もない包丁だし、奪った『天罰の杖』も効果はイマイチだ。

そんなメロの「強み」は、その鋭い頭脳と苛烈な性格。
いつもニアには一歩及ばなかったとはいえ、Lの後継者候補のNo.2だった彼。
また、ニアやLにも無かった邪悪で容赦ない性格。必要とあれば躊躇無しに何人でも殺すことができる。
他の参加者のことは良く知らないが、こういうメンタリティの持ち主はそう多くないはず。

そしてメロは、そんな自分の欠点と長所をよく理解していた。
こんな彼が3人抜きを達成するためには、『騙し討ち』しかない。
死んだフリも、チャチャゼロを囮に使うのも、何でもアリだ。
もしも必要なら、誰かと同盟を結んでも構わない。むしろ他人の力は積極的に利用したい。
あらゆる手を使い、その場その場で知力の限りを尽くして殺害数を稼ぐのだ。
そのためには、冷静に、慎重に、そして大胆に行動せねばならない。

「オイ、セッカクノ包丁ハ回収シナイノカヨ?」
「必要ない。というか、むしろ邪魔だ。
 血のついた包丁なんぞ持っていたら、『俺は殺し合いに乗っています』と大声で言って回るようなものだ。
 それに今その包丁を抜けば、全身に返り血を浴びることになる。それはマズい」


見たところ、うつ伏せに倒れたジャイアンの身体からはほとんど出血していない。僅かに血が滲むだけ。
しかしそれは見た目だけのこと。
メロが全体重を乗せて突き入れた包丁は、ジャイアンの背筋群を貫き、腹腔内にまで到達している。
腹部の太い動脈――場所から言って脾動脈あたりか?――を切り裂き、大量の腹腔内出血を起こしている。
ジャイアンが意識を失い、絶命したのも、内出血による血圧低下、及びそれによるショックによるもの。
今頃、腹の中は血の海になっているはず。栓になっている包丁を抜けば、途端に噴き出してくるに違いない。

「だが手ぶらというのも困る。代わりに、こいつの持っていた杖を貰っていく」
「デモ、ソイツ使エネーゼ? 無詠唱呪文ガ使エルノハ嬉シイケド、威力ガ低過ギダ」
「何、さっきの竜巻を期待しなければいい。おまけ機能つきの鈍器と考えれば悪くない」
「鈍器カヨ。オレハ刃物ノ方ガ好キナンダケドナ~」

メロは『天罰の杖』をバットのように持って、数回素振りをしてみる。
ジャイアンは、その名前と説明書の内容から、この杖の本質を勘違いしたようだが……
あくまで本命は「ぶき」としての使用。「どうぐ」としての効果は、牽制やハッタリに限ると考えた方がいい。

「それに、あまり支給品を沢山持っていると言い訳が効かなくなる。
 ヌルい平和主義者どもの群れに潜り込む展開も、視野に入れておく必要があるからな。
 分かってるとは思うが、その時はくれぐれも迂闊なことを言うんじゃないぞ」
「ケケケッ。分カッテルヨ。オレモオ前ノコトハ気ニ入ッテルシナ~♪」

念を押すメロに、チャチャゼロは笑う。
メロは考える。この『チャチャゼロ』という人形、本当に「当たり」の支給品だ。3つの中でも最高の一品だ。
喋る以外に能は無いが、『魔法』に関する知識を持ち、他の参加者3名の情報を教えてくれて。
何より、同じ人外の仲間としても、死神シドウよりよほど頭が回る。性格や発想の相性もいい。
先ほどチャチャゼロがジャイアンの気を引いたのだって、予め打ち合わせをしてあったわけではない。
メロが「死んだフリ」をしている、と見て取ったチャチャゼロが、自分の判断で声を上げたのだ。
実に使える。本当に、コイツは「当たり」の存在だ――

「デ……『アレ』ハ、ドウスンダ?」
「さて、どうするかな。放っておいても、あの呼びかけている奴は死ぬな。誰かに殺される。
 あの調子じゃ、ジェダをなんとかするのもまず無理だ。
 ただ、お人よしのカモも集まるはずだし……難しいところだな」


『何とかして、この世界を脱出して、もとの世界に帰る方法を……』

チャチャゼロが『アレ』と言ったのは、ジャイアンとの戦いの前から聞こえていた拡声器越しの声。
今も森の向こうから聞こえてくる、この声だ。
善意さえあれば何とかなる、と素直に考えている『善人』の典型例――
その最終目的はほぼ同じであろうが、思想的にメロの対極に位置するような存在だ。
彼はしばし考える。
あの声に惹かれて動き出す者は絶対にいる。
それが善人か悪人かは分からないが、それによって生じる状況は使えるかもしれない。
臨機応変を心がけつつ、様子を見に行くのは悪い考えではない。

「行こう。いつまでもココに居ても、仕方ない」

メロはジャイアンの荷物から見つけた『ドラ焼き』を一口齧り、すぐに不味そうに吐き捨てる。
大好物の板チョコが無いのが、少し苛立たしい。こんな歯ごたえのない甘味では、代用にもならない。
ジェダとの戦いや殺害数稼ぎとは無関係に、どこかで手に入れておきたいものだ。

 *  *  *

しばらく森の中を歩きとおし、やがてメロとチャチャゼロは湖畔に出た。
人の気配のない、静かな湖畔。少し開けた広場。
そこにあったのは――

「……素っ裸で動き回っている馬鹿が居るのか?」
「ケケケッ。イロンナ奴ガ居ルミタイダナー。
 若イノニ露出狂カヨ。スゲーナ。見ツケタラ、構ワナイカラ、ヤッチマエヨ。ケケケッ!」
「何を『やる』と言うんだ」

チャチャゼロの悪趣味な発言に呆れつつも、流石のメロもこれは予想すらしていなかった。
そこにあったのは、脱ぎ捨てられ、干し掛けられた女の子の服。
あとは無秩序に散乱した、大量の濡れた紙切れ。
下着まで残して、この服の持ち主はいったいどこに行ったのか?
いや、だがこれは、「考えの足りない」「無防備な格好をしているであろう人物」の存在を示唆してもいる。
メロはしばし思案する。これからどう立ち回るべきか、考え込む――



【E-5/森の湖畔(イエローが服を干していた現場)/1日目/朝】
【メロ@DEATH NOTE】
[状態]:健康。『天罰の杖』のダメージはほんのかすり傷程度。
[装備]:天罰の杖@ドラゴンクエストⅤ、賢者のローブ@ドラゴンクエストⅤ
[道具]:基本支給品(ランドセルは青)、チャチャゼロ@魔法先生ネギま!
[思考]
 1) ニアよりも先にジェダを倒す。あるいはジェダを出し抜く。
 2) そのために『3人抜き』を達成し、『ご褒美』を貰う過程で主催側の情報を手に入れる。
    (ただし自分の非力さを考慮し、策略を尽くして安全確実な殺害を心掛ける)
 3) 拡声器で呼びかけている人物(城戸丈@デジモン)への対処、
    および湖畔に脱ぎ捨ててある服の主(イエロー@ポケモン)への対処を考え中。
 4) どうでもいいが、ドラ焼きでなく板チョコが食べたい。どこかで手に入れたい。
参戦時期:終盤、高田を誘拐する直前。顔には大きな傷痕がある。


【E-5/森の中央付近/1日目/朝】
【ジャイアン@ドラえもん 死亡】

[備考]:メロの支給品の1つ、「包丁@サザエさん」はジャイアンの死体の背中に突き刺さったままです。
     ジャイアンの支給品の1つ、「ドラ焼き@ドラえもん」は、一口齧られて死体の傍に捨てられています。
     ジャイアンの共通支給品は、一通り漁られた上にジャイアンの死体の近くに捨てられています。

[備考]:このロワでは、「あなたの支給品はドラえもんよ」という事態はありえません。念のため。


【天罰の杖@ドラゴンクエストⅤ】
「どうぐ」として使用することで、『バギ』の効果を発揮する杖。
範囲は広めだが、なにせ威力はバギ系最弱魔法の『バギ』相当。大したダメージは与えられない。
ただ純粋な「武器」としてはそこそこの威力。「はがねの剣」よりは強い。

【チャチャゼロ@魔法先生ネギま!】
同作品のエヴァンジェリンの従者の1人。小柄な「生きた人形」。
主人であるエヴァや、エヴァの従者である茶々丸の頭の上に乗っかっていることが多いマスコット的存在。
毒舌家。『悪』が好き。
エヴァの魔力が高い状態なら、多様なナイフを使いこなし、相当な戦闘力を発揮するはずなのだが……
このロワ中では、エヴァの魔力量とは無関係に「エヴァの魔力が最低の時」の状態で固定されている。
パクティオーカードも無いため、エヴァの従者としての能力(召喚されるとか)も無い。
すなわち、喋る以外の行動は事実上不可能。まともに歩行することもできない。
誰かの頭の上に掴まっている、あるいはその場に座っているのが精一杯、といった所だろう。

【賢者のローブ@ドラゴンクエストⅤ】
防具。魔法使い系の防具としては中堅レベルの防御力を持つ。
またメラ系、ギラ系、バギ系、ヒャド系の魔法からのダメージを軽減する。
他世界の魔法でも、それが魔法であれば同じように軽減できる……のかもしれない。

【包丁@サザエさん】
お魚咥えた野良猫追いかけて……って、まあ普通の包丁です。

【ドラ焼き@ドラえもん】
言わずと知れたドラえもんの大好物。何の変哲もないドラ焼き。ジャイアンの2つめの支給品。
追加の食料としてそこそこ腹持ちする品物でしたが、どうやらメロのお口には合わなかった模様。

≪024:策謀の塔 時系列順に読む 026:ワロトバの森 ~ダエジーの野望~≫
≪024:策謀の塔 投下順に読む 026:ワロトバの森 ~ダエジーの野望~≫
GAME START メロの登場SSを読む 035:世界は美しくなんかない≫
剛田武の登場SSを読む GAME OVER

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