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- アカズキン:フレーバーテキストVer3.5
[1]
森の奥で、アリスたちは、大きな狼の背に乗った、赤いずきんの女の子に出会いました。 女の子は、何やら狼に夢中で言い聞かせているようでした。この子が、チェシャ猫が言っていた夢のカケラを持っていった女の子かもしれない――そう思ったアリスは、女の子に話しかけました。
「ねぇ赤いずきんのあなた、あなたもしかして…」
アリスが話しかけるや否や、女の子は叫びました。
([2]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 11:46:34)
- [2]
「きたわ いくわよ! いっけぇ! おばぁちゃんパーンチ!」 ――いや… 待てって!! …えぇぇぇぇぇぇ!?
女の子が手に持っていた“夢のカケラ”を掲げると、狼はその大きな前足でアリスたちに殴り掛かってきました。
「あぶない! つかまって!」
ラプンツェルが長い髪を伸ばし、アリスたちを引き寄せます。
「まだまだぁ! いくわよ! 連続おばぁちゃんパーンチ!」
――ちょ オマ…えぇぇぇ!? 身体が勝手にいぃぃぃ!?
アリスはきゃんと声を上げ、しゃがんでよけます。
([3]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 11:55:43)
- [3]
「ちょっと! いきなり攻撃してくるなんてあぶないじゃない!」 「おばぁちゃんパンチをよけた!? 気を付けておばぁちゃん! こいつら ただものじゃないわ!」 ――いや そんなことよりオマエ… 今オレの身体が勝手に動いたんだけど…
「心配しないでおばぁちゃん! この“夢のカケラ”の力で私がおばぁちゃんを操縦すれば、私たちは無敵よ!」 ――オレを操縦… えぇぇぇぇぇぇ!?
「そう… 私とおばぁちゃんの力がひとつになれば、ぜったいに負けっこない! この森はわたしたちが守るのよ!」
再び攻撃しようとする赤いずきんの女の子を止めようと、アリスは叫びました。
「待って! 私たちは戦う気はないの! 話を聞いてちょうだい! ――きゃあっ!」
しかし、赤いずきんの女の子に止まる気配はありませえん。アリスたちは狼の攻撃を避けながら、必死で説得します。
([4]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 12:02:29)
- [4]
「本当に戦う気はないのよ! ただ、あなたの持っている“夢のカケラ”について話をしたいだけ!」 「やっぱり! あなたたち、この“夢のカケラ”を奪いにきたのね? これはこの森を手に入れるのに必要な力なんだから! ぜったいに渡さないわ!」 「はぁ… どうやらあなたにも事情があるようだけれど――とにかく、落ち着きなさいな!」
ダークアリスがバットを狼のおしりめがけて全力で振り抜きます。しかし、赤いずきんの女の子が持つ“夢のカケラ”が輝くと、狼が不自然な動きで大きく跳び上がり、避けられてしまいました。
「んもう! じゃあ、警戒したままでいいから、とにかく話をさせてちょうだい! さっき“森を手に入れる”って言っていたけど、どうしてこの森を手に入れたいの?」 「決まってるわ! 私とおばぁちゃんとみんなが、安心して暮らせるようにするためよ」 赤いずきんの女の子は、真剣な瞳をみんなに向けました。
([5]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 12:08:55)
- [5]
「森でこの“夢のカケラ”を拾った時、あなたたちそっくりの〈真っ赤な女の子〉を見かけたわ。その子は“夢のカケラ”を集めるとか全てを支配するとか言って、広場を真っ赤に染めるとどこかに消えてしまったの。あんな危険な子がいるならじっとしてなんかいられない! この力で森の支配者になって、あの〈真っ赤な女の子〉からみんなを守るのよ! あと、赤い女の子はあたしで十分だし!」
〈真っ赤な女の子〉--それは、きっと〈赤の女王〉のことでした。
「あのね、わたしたちは確かに“夢のカケラ”を集めているけれど、〈赤の女王〉が考えていることはわたしたちも止めたいと思ってるわ。それに、その“夢のカケラ”はある女の子の夢の破片… もしカケラがあつまらなければ、その子の“夢”がなくなってしまうのよ! だから、おねがいよ! 〈赤の女王〉を止める為、それにあの子の夢をなくさない為に、あなたの持つ“夢のカケラ”を私たちにちょうだい!」
([6]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 12:16:55)
- [6]
アリスの懸命な説得に、赤いずきんの女の子はう~んと考え込み―――首を横に振りました。
「この“夢のカケラ”が誰かを助ける為に必要なのはわかったわ。でも、いつあの〈真っ赤な女の子〉が襲ってくるかわからない以上、やっぱり渡すわけにはいかない。この森のみんなは私が守る… だって私はこの森のお話の―――“赤ずきん”の主役なんだから!!」
赤いずきんの女の子は、決意の表情でアリスたちに言い放ちました。
そしてその言葉に、アリスは彼女の優しさを感じました。ならば、だからこそ、争わずになんとかしたい ――アリスたちは必死で言葉を探します。しかし、赤いずきんの女の子はこれ以上話すことはない、と言わんばかりに再び“夢のカケラ”を掲げました。
「さぁ、おばぁちゃん! 今度は避けられないように超連続おばぁちゃんパンチを―――」
その時でした。狼が突然座り込み、頭上の女の子に落ち着いた声で言いました。
([7]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 12:24:22)
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――なぁ、もうやめねぇか? オマエがこの森のみんなの為に頑張ろうとしてくれたのはわかったけどよ… あっちもあっちで、その“カケラ”がねぇと大変なことになるんだろう? 「…でも、ここで“夢のカケラ”を取られてしまったら、あの〈真っ赤な女の子〉から森を守れないわ!」 ――オマエひとりで守れないなら、オレも一緒に守ってやるよ。“私とおばぁちゃんの力がひとつになれば、ぜったいに負けっこない”、なんだろ? 「おばぁちゃん…」
戦う気配がなくなった女の子を見て、アリスたちは、ふぅっ、と一息つきました。すると、考え込む赤いずきんの女の子に、ダークアリスがひとつ提案をしました。
「ねぇ、あなた、要は“夢のカケラ”がなくたって森を守れるくらいに強くなれればいいのよね? だったらアリスの〈夢の管理人〉の力で、その狼を強くしてもらえばいいんじゃない?」
「えっ?」 ――えっ?
([8]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 12:30:47)
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ダークアリスの提案を聞いたアリスは、口元に指を当てて考えます。
「う~ん、そうねぇ… できなくもないけど…」 「…おばぁちゃんを、もっと強くできるの?」 ――待て、乗り気になるな! オレに何をしようってんだ!! 「そうね、お話が壊れないくらいになら、その狼さんを強くすることは簡単よ。大きな獣が強いのは物語のお約束だもの」
アリスの言葉に、赤いずきんの女の子は花が咲いたような笑顔を浮かべました。
([9]へ続く) -- 名無しさん (2017-04-06 12:33:58)
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「なら聞いてくれる? “夢のカケラ”でやろうとしていた『おばぁちゃん改造計画』があるの! もしこの通りにおばぁちゃんを強くしてくれるのなら“夢のカケラ”は渡すわ!」 ――はぁっ?! 改造ってオマエ何を言って… 「ちょっと見せてもらうわね… 『おばぁちゃんぶれいかぁ』? うん、これくらいなら大丈夫そうね。でもどうせなら、機動力も上げてもっとこんな感じに…」 「すごいわ! 『たーぼ』ね! それならもっとこんな感じの改造も大丈夫かしら!」 ――だ、誰か止めてえええぇえぇぇぇっ!
こうして、アリスたちは“夢のカケラ”のひとつを手に入れたのでした。
~『スカーレットテイル』その7の③~ -- 名無しさん (2017-04-06 12:38:25)
- テキストVer3.5
身長:1.49[meter] 体重:38[kg] 生息域:夢の世界の森よ! おばぁちゃんの速さ:たーぼよ! おばぁちゃんの強さ:改造して更に強くなったわ! 名付けて?:おばぁちゃんMK-Ⅱよ! -- 名無しさん (2017-04-06 12:40:08)
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