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Ver3.2 |
|BGCOLOR(#FFD9B3):身長|4[尺]|今は昔、ある山に、嘘をつくのが下手な天邪鬼が棲んでおったそうな。天邪鬼は、山にやって来る人間に会うたびに、真実とは逆のことを言っては困らせようとしたが、誰も引っかかるものはいなかったそうな。 ある日、山に一人の若い娘がやって来た。手ごろな相手だ、今日こそはと、天邪鬼はさっそく娘に声をかけた。
「おい娘、その道を右に行けば安心だ。左と違って落とし穴なんてまったくないぞ!」 娘は、突然目の前に現れた天邪鬼に目をまるくしていたが、にこりと笑ってこう言った。 「ご親切に、どうもありがとう」 そうして娘は、まよわず道を右に歩いて行ったそうな。これはこれはもしかして、天邪鬼が黙って後をついていくと、娘は悲鳴と共に、まんまと落とし穴にはまってしまった。なんと、うまくいった、これは愉快とよろこぶ天邪鬼に、娘は穴からはい出してこう言った。 「あら子鬼さん、こちらにも落とし穴があったみたい。あなたがはまらなくてよかったわ」 せっかくうまくいったのに、なんだか気持ちが晴れない天邪鬼は、ならばもう一度と、再び娘に声をかけた。 「おい娘、この先を左に行くと、右と違って妖怪の巣なんてまったくないぞ!」 それを聞いた娘は、にこりと笑ってこう言った。 「やっぱりあなたは親切な子鬼さんね。わかったわ。ありがとう」 そうして娘は、まよわず左に歩いて行ったそうな。しかし、今度もうまくいったのに、天邪鬼の気持ちはまったく晴れず、むしろ曇って行くばかり。たまらず天邪鬼は地団駄をふんで声を上げた。 「えぇい! 少しはうたがえ、ばか者が!」 そう言って嘘をつくのが下手な天邪鬼は、棍棒ふりふり娘を追いかけて行ったとさ。 |
体重 |
5[貫] |
生息域 |
人里離れた山奥 |
性格① |
ひねくれ者 |
性格② |
世話焼き |
性格③ |
はずかしがり屋 |
イラストレーター |
小玉 |
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