+
|
Ver3.3 |
Ver3.3 |
身長 |
19[meter] |
巨人は見てみたかった。 「それ」は、困っているとたすけ合いたくなるもの…、一緒にいたいと思うもの…、胸が温かくなるもの…らしかった。 巨人は生まれてこの方、そんな奇妙なものは見たことがなかった。 あらゆる生き物は、彼が近づくだけで、顔を思いきりゆがめて逃げていった。それでも無理やり触れようとするものならば、それらはみな、彼の体から噴き出る炎に焼かれ、灰となった。 いつか洞窟の陰で耳にした、人間の子らが口にしていた「それ」の名はいったいなんといったか…。 もしかしたら、目の前で彼を恐れず見上げている、この小さな生き物ならば、それを知っているかもしれない ――巨人は、そう思った。 「…オマエ…ダレ…?」 「ママリリはママリリ! おまえでっかい すごい!」 「オレ…コワク…ナイ…ノカ…?」 「怖くない! おまえ 火ぃはく! かっこいい!」 生まれて初めてする他人との会話のせいなのか、巨人は胸の奥がグラグラとゆれている感じがした。 「そうだ! おまえの火 メシ作るの便利! おまえ 友だちになれ! ママリリの友だちになれ!」 ――あぁ…「それ」だ。確か「それ」はそんな名前だった…。 巨人の胸の奥は、さらに大きくゆれ――あぁ、なんだか温かいなぁ――そう、思った。 ―――「新・アマゾネスの冒険」第9章 |
体重 |
62[t] |
最高速度 |
58[km/h] |
住処 |
アウェンティヌスの丘 |
悩み |
触ると燃えてしまう |
見つけたもの |
「それ」 |
イラストレーター |
姉崎ダイナミック |
|