+
|
Ver3.5 |
Ver3.5 |
身長 |
1.59[meter] |
彼の銘を刻んだその剣は 生涯かけた至高の一振り
持つ者全てに栄光を 稀代の剣になるはずだった
後は気高き魂を たったひと吹き入れるだけ
しかし鍛冶屋は寝ちまった 酒をくらって寝ちまった
愚かな鍛冶屋は気づいちゃいない
酔って寝ているその隙に
剣を恐れた神様が 槌に呪いをかけたこと
愚かな鍛冶屋は剣を打つ 呪われた槌で剣を打つ
そうして生まれたその剣は 稀代の魔剣となり果てた
* * * *
「なんだいそりゃ?」 「東の方で暴れまわってる、皇帝軍の魔人の歌なんだと。こないだこの酒場に来た、どさ回り道化師が、吟遊詩人宜しく歌ってたのさ。良ければみんなに広めてくれって、酒まで振る舞ってよ」 「へぇ~ このご時世に豪気だねぇ、俺も行きゃ良かった。で、その魔人と今の歌の剣になんの関係があるってんだよ?」 「その“剣”ってのがさ、今や体をも らって、黒い魔人に変わったってんだよ。そんなのが全部で5匹もいるらしいぜ? あのセヴ王国のフォルカ要塞を落と したってのもそいつらって話さ。まったくよ、その鍛冶屋ってのも迷惑なもんこさえてくれたよなぁ、酒飲みの風上にも置けねぇや」 「へはは、ちげぇねぇ」
大陸西方、ウェルトリアの場末の酒場。数人の男たちが昼間から酒を飲み、風の噂の与太話に花を咲かせている。
「今の話、ワシにもちょろりと詳しく聞かせてくれい」
一同が振り向くと、小柄ではあるものの、やけに隆々とした体躯に、老人のようではあるが、妙に溌剌とした気勢をまとった男が、酒を片手に立っていた。
「あぁ? なんだあんた、見ねぇ顔だなぁ?」 「つうかみろよ、このオヤジ、顔は爺さん、背丈ちっぽけのわりにゃ筋骨隆々、あんたホントに人間かあ? 皇帝軍じゃないだろうなぁ」 「へはは、きっとさっきの鍛冶屋ってなぁよ、こ~んな感じの脳みそ筋肉な酒樽そっくりな野郎だったんだろうよ」
酔った男たちが、ぶしつけな野次を小柄な男に浴びせかける。しかし、男はそれを豪快に笑って見せた。
「ぐははははは! 確かに、そ~~~うかもしれんが、その色男の鍛冶屋は、悪口なんかにはすこ~しだけ繊細な男だったかもしれんぞ?」
数刻後、山と積み上げられた男たちの上にドカリと座り、酒を喰らう小柄な男。
「うぃ~、このレムギアとかいう辺境世界に来ていか程か、ようやっとしっぽを掴んだわい。ロキの奴め、けったいな噂流しおって、何のつもりだぁ?」
そう言って、手に持った杯を飲み干すと、いったん周囲をぐるりと見まわし、手近にあった樽ごと飲み始める。
「しっかし、な~るほどなぁ。そんなことになっとるたぁ、“あいつ”が見つからんわけだわい。機甲に武器の意志と魔力を与えるなんざ、けったいなことを思いつく奴がいたもんよ。 そんなこと考えんなぁオリンポスのへパイストス様か、いまだ封印の地に行きゃしねぇゴヴァノンの糞野郎ぐれぇか…お?」
ご機嫌にひとりごちている間に、近くの酒を全て飲み干してしまったことに気付いた男は、よっ、と一声上げて、男たちの山から飛び降りた。
「いかんいかん、今日はほんのちぃっとだけ飲み過ぎた。旨いチーズがあればもっと飲んじまってたところだが、あれ以来、酒は少しと決めたんだったわい」
そう言って男は、積み重なった男たちから勘定を巻き上げると、ふともの思いにふけるように天井を見上げ、頬をかいた。
「…あいつと同じ目にあってる奴が五本か… こりゃちぃっと骨が折れるかぁ」
しかし、すぐに気を取り直すと、よたよたと歩き出し、立てかけてあった自身の背丈ほどあろうかという二本の戦斧を軽々と担ぎ上げる。
「だ~が、どんな姿になっても武器は武器。武器のことならこのアームマスター・ダーイン様におまかせってなぁ。ぐはははは! 待ってろよ、オレの“息子”、お前の魂は、ワシが必ず救っちゃるわい!! ごちそうさまああああ!」
そう言って卓に勘定を叩き置くと、男は豪快に笑いながら、戦斧を振り回して酒場を後にした。 |
体重 |
196[kg] |
最高速度 |
12[km/h] |
好き |
チーズと酒 |
酒 |
できるだけ禁酒中 |
探索中 |
ダーインスレイブ |
イラストレーター |
RARE ENGINE |
|
|