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Ver3.5 |
Ver3.5 |
全長 |
15.5[meter] |
重量 |
137[t] |
慈しむもの |
人間 |
司るもの |
完全な善意、太陽、豊穣 |
敵対者 |
ア・プチ |
性格 |
そそっかしい |
イラストレーター |
あかぎ |
フレーバーテキスト |
●●●の月▲▲日
今日も『13の鍵』探しだ。今日は、ケチな不死種の死神に目をつけられた辺境の村にやってきた。はぁ… それにしても、皇帝の奴がむやみやたらとこの世界に呼び込んだ神魔霊獣から『鍵候補』を見つけるのはヒジョーにめんどい。どーせなら、しょーすーせーえーな、もっと質のいい奴らだけを呼んどきゃいいのに…。馬鹿な奴ほど数に頼りたがる。まぁ、世の中の大半はバンくんみたいに馬鹿ばっかだから仕方ない。そこで頭のいいあたいは一計を講じた。
* * * *
「ポー殿、本当に大丈夫なのでしょうか…」 「だいじょぶだよ。やってみな」 「村長、やってみる他あるまい。『ア・プチ』とかいう化けものは依然として増え続けておる。このままではここら一帯“伝染”した奴らでいっぱいになるぞ。村に来ておった学術調査の先生方も“あの有様”… もはや、その『ア・プチの天敵』なるものを呼び出すしかあるまいて」 「しかし神官長…」 「良いか? ア・プチが現れた遺跡からこの碑文がみつかり、たまたまここを訪れたポ―殿がその意味を教えて下すった。そのような偶然があるものか。これは啓示、いや神託… 碑文にある“全てを滅する正しき太陽”もきっと現れるにちがいない。それに、今や化けものなどこのレムギアじゃ珍しくもないわ。もはやどのような奇跡が起こってもおかしくはない。さぁ、始めるぞ」 「始めろ始めろ。わくわく」
多くの村人たちが見守る中、神官長は、木で組み上げられた即席の祭壇へと登り、ポーという名の少女から教わった様式に従って「贄」を捧げた。そして、空に向かって大仰に叫んだ。
「イツァムナー・キニチ・アハウ! 我らが太陽よ! 人らに知恵と富を授けたもうた完全なる善意よ! どうか我らを救い給え…!」
神官の祈りが広場にこだまする。衆目は固唾を飲んで見守った。
すると、しばらく後、風が吹き、木々が大きくざわめいたかと思うと、突如空が眩く輝き、天から声が響き渡った。
「「「…贄は確かに受け取った… 人よ…何用か…」」」
神官は畏れに頬をひきつらせながらも、さらに声を張り上げた。
「おお!! イツァムナー神… イツァムナー神であらせられるか! この村は今、生ある者の敵対者ア・プチの脅威にさらされております! いわれなき死に苛まれております!! どうか、どうか、ア・プチの闇から我らをお救いください!!」
すると天の声は答えた。
「「「…ア・プチ… ア・プチと申したか…」」」
周囲の空気が急に重くなり、木々のざわめきが高まっていく。人々に強い緊張が走る。
「「「…あの子猿めが…このような世界にまで… かつて多くの我が信徒たちが…奴に…ミナトルへと連れ去られた… よかろう…邪神の闇…打ち払ってくれよう…」」」
神の声を聴き、衆目は歓喜に沸いた。
「「「…我は太陽…我が体は熱き光…我が光は全てを滅す……我、ここに顕現せり」」」
そう声が響いた直後、世界の全てを白く塗り潰さんほどの強烈な光が爆ぜ、熱を帯びた風が吹き荒れた。
光がおさまると、広場の中央に、首から上に双頭の蜥蜴を頂いた異様な姿の巨人が鎮座していた。
巨人はゆるりと周囲を見渡した。
「「「これは…」」」
その視線の先にあったものは、黒い消し炭と化したし人々の山――それを見た巨人はうなだれ、そして天を仰いだ。
「「「またか… また貴様かア・プチーーーー!! またもや我が信徒を… 我は貴様を、絶っっっっ対に許さぬぞーーーー!!」」」
その背後、黒炭の山からひょっこりと顔をのぞかせた少女は、叫ぶ巨人に言った。
「…いやいや、お前だって」
* * * *
――太陽神とかいうのはえらい奴が多いから、ちょっとだけ期待してみたが、周りがちゃんと見えてない奴は何をやってもダメだ。とっさにヴィンクスに隠れなかったらあたいまで黒焦げだったじゃないか。このあたいのさいきょー頭脳が失われたら、宇宙中が泣くぞ。てなわけで、今日も『13の鍵』は見つからなかった。はぁ… マジめんどい。でもま、明日こそな。教会に福音を、だよ。
――ある日の『ポーのスカウト日誌』より
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