「もうっ、大丈夫だってばぁ・・・」
心配そうな顔をして、自分の肩に手を置くリュカに、ビアンカは膨れて見せた。
しかし膨れては見たものの、どうしても口元が緩む。
それをリュカに見られないように、ぷいっと首をそむけて踵を返したが、リュカは少し起こったような口調で、ビアンカの肩を引き寄せた。
「だめだよ。おなかに赤ちゃんがいるのに、ずっと無理してたんだから。」
「・・・それは、そうかも知れないけど・・・でも、もう大丈夫だもん。」
リュカが言いたいことはわかる。
優しくしてくれるのはすごく嬉しい。
けれど、それが解ったから優しくしてくれているように感じてしまって、そんな風に見せるリュカと、そんな風に思う自分には不満を感じる。
不満なのか、嬉しいのか良く解らない表情をしているビアンカにリュカは言った。
「だめ。」
リュカの口調はきっぱりしている。
「体が休まるまでは安静にしているように、ってシスターにも言われただろ?」
「そうだけど・・・でも、ちょっと階段昇るだけじゃない。」
「だーめ。今日、倒れたばっかりだろ?」
「だからー・・・」
階段の前で立ち止まってかれこれ10分、同じやり取りを繰り返しているリュカと自分に呆れの混じったセリフと一緒に大きなため息をつくと、リュカも困ったように溜息混じりの笑みを洩らした。
心配そうな顔をして、自分の肩に手を置くリュカに、ビアンカは膨れて見せた。
しかし膨れては見たものの、どうしても口元が緩む。
それをリュカに見られないように、ぷいっと首をそむけて踵を返したが、リュカは少し起こったような口調で、ビアンカの肩を引き寄せた。
「だめだよ。おなかに赤ちゃんがいるのに、ずっと無理してたんだから。」
「・・・それは、そうかも知れないけど・・・でも、もう大丈夫だもん。」
リュカが言いたいことはわかる。
優しくしてくれるのはすごく嬉しい。
けれど、それが解ったから優しくしてくれているように感じてしまって、そんな風に見せるリュカと、そんな風に思う自分には不満を感じる。
不満なのか、嬉しいのか良く解らない表情をしているビアンカにリュカは言った。
「だめ。」
リュカの口調はきっぱりしている。
「体が休まるまでは安静にしているように、ってシスターにも言われただろ?」
「そうだけど・・・でも、ちょっと階段昇るだけじゃない。」
「だーめ。今日、倒れたばっかりだろ?」
「だからー・・・」
階段の前で立ち止まってかれこれ10分、同じやり取りを繰り返しているリュカと自分に呆れの混じったセリフと一緒に大きなため息をつくと、リュカも困ったように溜息混じりの笑みを洩らした。
「ねぇ、ビアンカ。また君に倒れたりして欲しくないんだ。
俺、チゾットでビアンカが倒れた時、ビアンカのこと、もっとちゃんと見てなきゃ、って思ったのに、なのにまた君の具合が悪くなってるのに気がつかなかった。
なんか、そんなの、すごく、情けなくてさ・・・・・・だからさ、ホントにちゃんと元気になるまでは・・・」
眉間にしわを寄せて、少し泣き出しそうな顔でそう言うリュカを見て、ビアンカは驚いた。
リュカがそんな顔をすることなんてなかったから。
そして、その次にすぐに嬉しくなった。
「ふふっ・・・」
嬉しさのあまり、思わず笑みをこぼすとリュカが口を尖らせた。
「な、なんだよ・・・」
「うううん。私、リュカに愛されちゃってるんだなあ、って思ったら嬉しくなっちゃった。」
ビアンカはそう言うと、リュカの首にそっと手を廻して抱きついた。
「・・・うん、愛してる。」
「ありがとう・・・」
自分の背中に廻された、リュカの大きな優しい手に目を細めると、ビアンカは顔を上げた。
「ねぇ、リュカ。お言葉に甘えるね。上まで連れて行ってくれる?」
その言葉にリュカは照れた顔で嬉しそうに笑って、ビアンカを軽々と抱き上げた。
「もちろんさ。」
俺、チゾットでビアンカが倒れた時、ビアンカのこと、もっとちゃんと見てなきゃ、って思ったのに、なのにまた君の具合が悪くなってるのに気がつかなかった。
なんか、そんなの、すごく、情けなくてさ・・・・・・だからさ、ホントにちゃんと元気になるまでは・・・」
眉間にしわを寄せて、少し泣き出しそうな顔でそう言うリュカを見て、ビアンカは驚いた。
リュカがそんな顔をすることなんてなかったから。
そして、その次にすぐに嬉しくなった。
「ふふっ・・・」
嬉しさのあまり、思わず笑みをこぼすとリュカが口を尖らせた。
「な、なんだよ・・・」
「うううん。私、リュカに愛されちゃってるんだなあ、って思ったら嬉しくなっちゃった。」
ビアンカはそう言うと、リュカの首にそっと手を廻して抱きついた。
「・・・うん、愛してる。」
「ありがとう・・・」
自分の背中に廻された、リュカの大きな優しい手に目を細めると、ビアンカは顔を上げた。
「ねぇ、リュカ。お言葉に甘えるね。上まで連れて行ってくれる?」
その言葉にリュカは照れた顔で嬉しそうに笑って、ビアンカを軽々と抱き上げた。
「もちろんさ。」
自分を抱いたまま階段を昇るリュカの顔が頼もしい。
ビアンカはそんなリュカの顔をいつまでも見つめていられたら・・・と、彼の腕の中で静かに願った。
ビアンカはそんなリュカの顔をいつまでも見つめていられたら・・・と、彼の腕の中で静かに願った。